D&D初心者向け基本的なウィザードのロールプレイ方法
目次
D&Dで呪文を操るクラスはたくさんありますが、直接的なダメージを与える大魔法使いとなるとウィザードでしょう。まさにファンタジーならではのクラスであるため、ウィザードをやってみたいという方も多いです。ただ癖のあるクラスであるためウィザードがどのようなものであるか、どのような呪文が使えるのかを理解しておく必要があります。そこで初心者にもわかりやすいウィザードのロールプレイ方法を解説します。
ウィザードとは
D&Dのウィザード
は世界に満ち溢れる「織(ウィーヴ)」を手繰り寄せ、編み、操ることに長けているクラスであり、常に魔法を研究し続けています。呪文は「織」を成すためのもので、その力は強大であり破壊的なエネルギーを持っています。巨大な炎の壁を出現させたり、人を操ったり、姿を変えたりなど呪文には様々な効果があります。高レベルになればなるほど人智を超えた現象を巻き起こすこともできます。
初心者にはちょっと難しいけどおすすめの理由
ウィザードはベーシックルールにあるクラスですが、実はそう簡単なクラスではありません。というのもレベルが低いうちは威力の高い呪文の使用回数は少ないですし、体を守る防具もないためダメージを受けると死にやすいクラスです。しかし、そのリスクを補う魅力があり、それこそが「呪文」に他なりません。高レベルのウィザードになれば強大な火力を持つクラスであり、広範囲の敵をまとめて殲滅することも可能になります。ファンタジー=魔法を考える人であれば大いに挑戦すべきクラスと言えるでしょう。
攻撃を中心とした多彩な呪文が使える
必中の「マジック・ミサイル」、火の玉が飛んでいき爆発する「ファイアー・ボール」、人を魅了する「チャーム・パーソン」、死体を操る「アニメート・デッド」、氷の嵐を巻き起こす「アイス・ストーム」、現実改変を可能にする「ウィッシュ」など様々な呪文が選べます。レベルが高い呪文ほど広範囲に影響を与えることができ、その強さもレベルに比例します。ウィザードはレベルが上がったりスクロールを呪文書に書き写すことで多くの呪文を覚えることができますが、初級呪文や高レベルになった時以外を除くと実際に使うことができるのは準備済みの呪文のみです。
準備できる呪文数は「知力修正値+ウィザードレベル」。
肉弾戦が嫌いでスタイリッシュにプレイできる
武器を構えての接近戦はあまりありません。というか極力避けた方が良いでしょう。クラスの中では最低のヒットダイスであり、防具の習熟がないためすぐにHPが0になる可能性もあります。ウィザードの戦い方は遠隔からの呪文です。スロットを消費する呪文は考えなしには使えませんが、初級呪文であれば武器を振るうように使用することができます。
ヒットポイントは【1d6+耐久力修正値】。
ウィザードレベルが上がる毎に【1d6+耐久力修正値】追加。ロールせず固定の場合は【4+耐久力修正値】。
小休憩で秘術回復
ウィザードは一日一回小休憩(最低1時間)をとることでウィザードレベルの1/2相当の呪文スロットを回復させることができます。そのため、休憩を考えればあまり出し惜しみなく呪文を使うことができます。
呪文スロット回復量:【ウィザードレベルの1/2(切り上げ)】 ただし、レベル6以上のスロットは回復できない。
初級呪文は使い放題
ウィザードは1レベルの時点で初級呪文を3つ取得しています。この初級呪文は準備する必要がなくスロットの残りと関係なく回数無制限で使用することができます。学派によっては得意な系統があるので、系統を踏まえて選んでも良いでしょう。レベル3になると初級呪文
- アシッド・スプラッシュ ・・・ 酸の泡を投げつける
- ショッキング・グラスプ ・・・ 手で触れて電撃ダメージを与える
- ダンシング・ライツ ・・・ 空間に光の球体を作り動かす
- チル・タッチ ・・・ ガイコツの手をしがみつかせてダメージを与える
- トゥルー・ストライク ・・・ 次ターンの攻撃に有利を得る
- ファイアー・ボルト ・・・ 炎の矢を飛ばしダメージを与える
- ブレード・ウォード ・・・ 守りの護印を作り殴打・斬撃・刺突ダメージへの抵抗を得る
- プレスティディジテイション ・・・ 奇術に使える演出ができる
- フレンズ ・・・ 非敵対者に対しての魅了判定に有利を得る
- ポイズン・スプレー ・・・ 手のひらから毒ガスを放つ
- マイナー・イリュージョン ・・・ 1つの音か映像を作り出す
- メイジ・ハンド ・・・ 空中に手を作り出し動かす
- メンディング ・・・ 物体の傷の修理
- ライト ・・・ 一つの物体から周囲を明るく照らす
- レイ・オブ・フロスト ・・・ 冷気エネルギーのビームを放つ
また「ザナサーの百科全書」では次の初級呪文も追加されています。
- インフェスティション ・・・ ダニ・ノミなど寄生生物を大量に発生させる
- ガスト ・・・ 突風を起こす
- クリエイト・ボンファイアー ・・・ 焚き火を作りだす
- コントロール・フレイムズ ・・・ 魔法ではない火を操る
- サンダークラップ ・・・ 遠くまで聞こえる雷鳴が炸裂する
- シェイプ・ウォーター ・・・ 水を操る
- トゥルー・ザ・デッド ・・・ とむらいの鐘の音でダメージを与える
- フロストバイト ・・・ 凍えるような霜で覆いダメージを与える
- モールド・アース ・・・ 見ることができる石や土を動かす
また「ソードコースト冒険者ガイド」では次の呪文が追加されています。
- グリーンフレーム・ブレード・・・近接武器攻撃命中時に2体目にむかって緑の炎が飛んでいく
- ソード・バースト・・・術者の周囲5フィートに無数の刃が飛び交い薙ぎ払う
- ブーミング・ブレイド・・・近接武器攻撃命中時に動いたらダメージを与える雷鳴を帯びさせる
- ライトニング・ルアー・・・電撃の鞭で打ち据え引き寄せる。
また「ターシャの万能釜」では次の呪文が追加されています。
- Mind sliver・・・精神ダメージを与え、セーブしにくくする
初級呪文は呪文スロットがなくなった時の命綱。ダメージを与える魔法ばかりを選ぶのではなくバランスよく選ぶ方が良い。なお公式化のルールを採用すれば大休憩で入れ替えが可能。
初級呪文の公式化(オプションルール)
ターシャの万能釜で追加されたオプションルールに初級呪文の取り扱いが追加されています。初級呪文は修得すると精神に固定され呪文書には書かないのですが、頭の中の初級呪文を公式として定めるために呪文書に書き写しができます。公式化することにより大休憩の後に呪文書を使って1レベル以上の呪文のように初級呪文も入れ替えが可能になります。
このルールはオプションルールのため適用するかどうかはDMによって判断されます。
学派
学派にはそれぞれ特徴があり、どの系統を学ぶかによってアクションや特徴が変わってきます。選んだ学派によりその系統の専門家となり、レベルが上がれば系統独自の特徴を使えるようになります。学派によっては呪文の効果に影響を与えるものもあり、どのようなウィザードを目指すかによって学派選びは決まってきます。
学派 | 内容 |
---|---|
幻術系統 | 感覚を狂わせ、精神を惑わし人を欺く魔術を学ぶ学派です。 |
召喚術系統 | 何もないところに物体やクリーチャーを生み出す魔術を学ぶ学派です。 |
死霊術系統 | 宇宙の生と死と死せざる死の諸力を探求する学派です。 |
心術系統 | 人やモンスターを魔法で正気を失わせ欺く能力を学ぶ学派です。 |
占術系統 | 万事を明らかに見てとるための魔法を学ぶ学派です。 |
変成術系統 | 物体とエネルギーを変成させる魔術を学ぶ学派です。 |
防御術系統 | 防ぎ、打ち払い、守る魔術を学ぶ学派です。 |
力術系統 | 強力な元素的効果、極寒、業火など強大なエネルギー生成を学ぶ学派です。 |
戦闘魔術 | 攻めの力術と守りの防御術の原則を混ぜ合わせたものを学ぶ学派です。※ザナサーの百科全書に記載 |
ブレードシンガー | 剣術と踊りを取り入れた魔法の伝統を習得します。 ※ソードコースト冒険者ガイド、ターシャの万能釜に記載 |
魔法書士会 | 魔法の発見を記録して魔法が繁栄できるようにします。呪文書を目覚めさせます。弱点を突けるようにダメージ種別を書き換えることができます。 ※ターシャの万能釜に記載 |
時間術系統 | 時間の操作に焦点を当て、現実のペースを自分の好みに変えることを学びます。※Explorer’s Guide to Wildemountに記載 |
重力術系統 | 重力の暴力的なエネルギーをさらに曲げて操作し、敵のひどい不利益をもたらすことを学びます。※Explorer’s Guide to Wildemountに記載 |
ルーンクラフター | 巨人を起源とするルーンを解読し、ルーンを刻んでその力を引き出すことができます。※ウィザーズがUAとして公開(要プレイテスト) |
学派選びは好みのスタイルで。特に良し悪しはないのでどのような呪文を得意とするウィザードかを決めると選びやすい。
専門家によるコスト削減
学派に所属するとその系統の魔術を呪文書に書き写す時間と費用は半分になります。
ウィザードに求める能力値
ウィザードは呪文の成功に大きく関わる「知力」が最優先です。次に少しでもACをあげるために「敏捷力」、もしくはHPをあげるために「耐久力」のどちらかでしょう。学派で心術を選択するのであれば呪文によっては魅力に対しての能力判定があるので「魅力」をあげると良いでしょう。
おすすめのロールプレイ方法
ウィザードの場合は大抵「知力」が高いので知性や知識を必要する場面で求められることが多いです。また魔法の分野や未知の分野などがテーマになることがあれば、研究のために先頭を切ってロールプレイする必要があるかもしれません。また今使える呪文の「効果範囲」「射程」「効果時間」「ダメージ」は把握しておく必要があります。特に効果範囲は呪文によって形が大きく変わってくるため、円滑なロールプレイをする上でも理解・イメージをつけておく必要があります。
戦闘時
ウィザードはACが低いため序盤から前線に出ることは極力控えるべきで、敵に狙われないための位置どりが必要です。一番後ろが良いかというとそうでもなく、後方からの襲撃にも備えておく必要はあるでしょう。低レベルの魔術師であればゴブリンのように脅威度の低いモンスターからの攻撃でも、まともに受ければ耐えられません。自分の身を守りつつ立ち振る舞いましょう。なお、戦闘魔術士やブレードシンガーのようにある程度前に出て戦うことができるウィザードも存在します。
- ポジショニング ・・・ 前衛の後ろや遮蔽物の近くなど姿を隠せる場所が望ましいです。ただ遠隔呪文の距離もあるため離れすぎず、敵とは60フィート(よくある射程)を保てるような場所にする。1対1の状況や遮蔽が取れないような場所は極力避ける。
- アクション ・・・ 相手に合わせて初級呪文を効率よく活用する。強力な呪文は考えて使う。リアクションで発動させたい呪文を唱えて精神集中で維持する。攻撃以外の支援できる呪文も使う。サブクラスの特徴も使えるものは使いましょう。
- ボーナスアクション ・・・ 「エスペディシャス・リトリート」や「ミスティ・ステップ」などボーナスアクションで使用できる呪文が使えるのであれば状況に応じて使用。「カウンタースペル」は呪文を使う相手には有効です。
- リアクション ・・・ 落下をトリガーとする呪文の「フェザー・フォール」や、攻撃を受けることで発動する「シールド」などのほか、サブクラスの持つ特徴、待機させた呪文を発動させる。
呪文による効果的なダメージを与えることをパーティとして求められるでしょう。ただし、ヒットポイント自体は低いので油断をすると一撃でやられてしまうこともあります。弓などの遠距離攻撃や呪文、モンスターの特殊攻撃などは相手から離れていれば安心というものではありません。ダメージを与えることと並行して自己防衛にも気をつけましょう。
ウィザードに限らず魔法職で難しいのはいつ呪文スロットを使うかというものがあります。スロットを全て使い切ったら初級呪文でやり過ごすしかありませんし、大事にとっておいたら使うタイミングすら見失う場合もあります。呪文スロットを残してしまうとなぜか勿体なかった・・・という気持ちになるので、バランスよく使うことが大切です。
非戦闘時
ウィザードは知識人としての立ち振る舞いを求められます。誰しもどこかの学派に所属しているので研究者としての側面もあります。多くは知識人ですが、中には呪文の研究ばかりをしすぎている変わり者もいるでしょう。自分が研究する分野については尊大かもしれませんし、好奇心旺盛に話をするかもしれません。
また、忘れていけないのが呪文の準備です。十分な休憩を取れば呪文スロットの数は回復しますが、「使える呪文」を変更するには大休憩が必要です。大休憩時に呪文書に目を通して使用できる呪文リストを見直すなど、その日に使うであろう呪文を準備をしておく必要があります。また呪文書はリストを見直すには必ず必要なので自分の呪文書は無くさないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ウィザードは高い知力を持つためパーティーのブレーンと思われるかもしれません。または狡猾なイメージを持たれることもあるかもしれません。そういう意味ではロールプレイはしやすいでしょう。そして高レベルにあればなるほど広範囲に及ぶ兵器のような働きが可能です。ただその火力で調子に乗って暴れ回ると一撃で死んでしまうという脆さも持っています。パーティメンバーが倒れると誰かがカバーをする必要があり、そこから綻びが出るかもしれません。ですのでウィザードが戦う時は自分で自分を守りつつ、高火力で敵を粉砕しましょう。
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