D&D初心者向け基本的なローグのロールプレイ方法

TRPGでは正面切って戦う戦士職の他に間隙をついて大ダメージを与える職業がありますが、D&Dではローグがその職業に該当します。呪文職ではありませんが、その高い技能によって冒険には欠かせないクラスになっています。また技能の幅も広いためにできることが多くて初めてでは難しいと感じるかもしれません。そこでD&D初心者のためにローグでのロールプレイ方法を解説します。

ローグとは

D&Dのローグは戦闘では急所を狙う狡猾な戦い方をし、それと同じくらいに様々なの技術の研鑽に励んでいます。ローグは「ならず者」のことで、で手に負えない者、素行の悪い者、ごろつき、無頼漢(ぶらいかん)、荒くれ者(あらくれもの)といった意味です。どちらかというと多くは悪事に手を染めていますが、その技術を生かして真っ当に生活しているものもいます。

ローグをおすすめする理由

高い敏捷力を活かして相手の攻撃を交わしながら強力な一撃を繰り出すことができます。ファイターと違い筋力を使う武器では効果的な戦い方はできませんが、妙技特製のある武器を使うことで前線でも十分に活躍することができます。またレベルが上がることでキャラクターの回避性能も上がり、すぐに死ぬようなことは無くなります。また戦闘以外でも斥候や潜入など出番が多くあり、戦闘以外でも十分に楽しめます。幅が広いため難易度は上がりますが、やることが多い方が良いという初心者や機敏な動きをするキャラクターが好きな方にはおすすめです。

強力な急所攻撃で前線で戦える

急所
ローグは1対1の場合は一撃で大きなダメージを与えることはあまりできません。その代わり一定条件が揃うことで「急所攻撃」を繰り広げることが可能で大ダメージを与えることができます。
急所攻撃が成立する条件は以下の全てを満たす必要があります。

攻撃に有利がある攻撃がヒットすれば追加ダメージ
攻撃に有利がない
  1. 使用武器が妙技特性か遠隔武器
  2. 敵の5フィートに自分以外の目標がいる(誰かと戦っている・意識がその目標に集中しているなど)
  3. 敵の目標が無力化状態ではない
  4. 自分に攻撃に不利がついていない

上記条件を満たして攻撃がヒットしたときに追加ダメージが発生

急所攻撃で与える追加ダメージはローグレベルが上がれば上がるほど高くなります。

ローグレベル急所攻撃での追加ダメージ
1~21d6
3~42d6
5~63d6
7~84d6
9~105d6
11~126d6
13~147d6
15~168d6
17~189d6
19~2010d6

急所攻撃の追加ダメージ:【(ローグレベル÷2)d6】 ローグレベルを2で割った数(切り上げ)のd6。

ボーナスアクションが活用できる

レベル2のローグになると俊敏さを生かして行動できるようになります。通常であればアクションで行う「隠れる」「早足」「離脱」が、「巧妙なアクション」によってボーナスアクションで行えるのでヒットアンドアウェイでの戦い方ができます。例えば対峙していた敵から逃げたい場合、ボーナスアクションを利用して「離脱」を行い通常アクションで「早足」を使えば、相手に機会攻撃を与えることなく通常の移動速度の2倍の距離を移動できます。逆にボーナスアクションで「早足」を行い、60フィート(20mくらい)を一気に距離を詰めて通常アクションで攻撃をするといったことも可能です。また「隠れ身」をすることで相手に見られる攻撃することも可能であり、この攻撃には「有利」がつくことから急所攻撃を狙うこともできます。

サブクラスおすすめのボーナスアクション
シーフ隠れ身、物体の操作
アサシン隠れ身
アーケイン・トリックスター隠れ身、メイジ・ハンドの操作
インクイティジヴ細部漏らさぬ眼、戦法看破
スカウト早足
スワッシュバックラー二刀流による攻撃、早足
マスターマインド援護
ファントム*隠れ身
ソウルナイフ*Psychic Blades

揺るぎない狙い/Steady Aim(オプションルール)

ターシャの万能釜に追加されたルールで、レベル3になるとボーナスアクションを使用してそのターンの次の攻撃に有利を付けることができます。このボーナスアクションはそのターンに移動していたら使うことができず、また使用後には移動速度が0になります。

この特徴はオプションルールのため適用するかはDMが決定します。

直感で回避できる

ローグは見える敵からの攻撃がヒットした場合、「直感回避」のリアクションを使ってそのダメージを半分にすることができます。敵の攻撃が命中した場合でも体を捌いて衝撃を逃すなど極力ダメージを減らすことができるので長く活動できます。ただし、すでにリアクションを使っているターンでは使用することができないので、複数回の攻撃を繰り出す敵には気をつけましょう。

前線で戦うため

ローグは敏捷力を攻撃と回避に活かして戦うことができます。妙技特性を持つ武器や敏捷力がACに反映される軽装鎧はローグの能力を生かすものと言えます。打たれ強さであるヒットポイントはクレリックと同等で特別高いものではありません。危ない時は「直感回避」など使って凌ぎましょう。

ヒットポイントは【1d8+耐久力修正値】。
ローグレベルが上がる毎に【1d8+耐久力修正値】追加。ロールせず固定の場合は【5+耐久力修正値】。

技能が多いので出番が多い

ツール
ローグの技能は全てのクラスの中で一番冒険に向いている技能が豊富です。また選択できる技能数も4と最多です。また「習熟強化」があるため、任意の技能の習熟ボーナスを2倍にして判定することができます。なお、解錠などは盗賊道具が無いと行えず、ローグはこの盗賊道具を習熟強化させるものも多いようです。

ローグの類型

ローグがならずものといえども全員が犯罪を犯しているわけではなく、真っ当に生きているもの、その技術を活かして冒険者になったものなど様々です。そのローグにも3パターンあり「シーフ」「アサシン」「アーケイン・トリックスター」があります。またザナサーの百科全書では「インクィジティヴ」「スカウト」「スワッシュバックラー」「マスターマインド」があります。

サブクラスルールブック説明
シーフPHB盗人を意味しており、強盗集団、山賊、スリなど犯罪者のほか、トレジャーハンター、冒険者、ダンジョン探検家、探偵なども含みます。手先の器用さや隠密など潜入にとても向いていおり、適性のないアイテムも使いこなします。
アサシンPHBアサシンは文字通り暗殺者を意味しており、毒物や変装など対象にこっそりと近寄り命を狙う技術を磨いています。不意打ちに全てをかけ、大ダメージを狙います。
アーケイン・トリックスターPHB隠密性や俊敏性に合わせて対象の心を惑わせるために魔法を習得したものです。見えない魔法の手で撹乱して呪文で惑わし、強烈な一撃を狙います。
インクィジティヴXGE典型的な探究心から秘密を根絶し、謎を解き明かすのに優れています。
スカウトXGE潜伏に熟練していて、街の通りから遠く離れて生き残ることができ、遠征中に仲間の前で偵察することができます。距離を保ち仲間と連携しながら急所を狙います。
スワッシュバックラーXGE一騎打ちに優れており、敵から安全に遠ざかりながら2つの武器で戦うことができます。
マスターマインドXGE潜入して言葉巧みに人を操り動かし、策謀を張り巡らします。戦闘では援護で仲間が戦いやすいようにできます。
ファントムTCE死者から知識を取り、負のエネルギーに没頭し、最終的には幽霊のようになります。
ソウルナイフTCE超能力により相手の心を打ち入り込み、肉体的および精神的の両方の障壁を切り抜けます。

ローグに必要な能力値

ローグは類型よりは実際にどの役割をするかで二番目に優先する能力値は変わります。

アサシン、スワッシュバックラー、マスターマインド、人を欺き世に交わるローグ①敏捷力 ②魅力
アーケイン・トリックスター、ソウルナイフ、捜査をメインとするローグ①敏捷力 ②知力
インクィジティヴ、知覚をメインとするローグ①敏捷力 ②判断力

おすすめのロールプレイ方法

ローグをロールプレイするには積極的に行動を起こす必要があります。というのもローグは先頭に限らず冒険時の技能に優れており、罠を外したり、情報収集したり、潜入工作したりとその能力を発揮することでパーティに降りかかる危険を回避することができます。そして強烈な一撃を繰り出すこともできるのでアタッカーとしての役割も求められます。「隠れ身」を使えば有利に戦闘を進めることもできます。どのような状況であれば「隠れ身」が成立するか理解しておきましょう。

戦闘時

ローグは定期的に強烈な一撃を加えるアタッカーとしての役割を求められます。そのためには棒立ちしてただ単純に攻撃を繰り出すことではなく、「有利」がつく状況を生み出すか、仲間と協力して「急所攻撃」を繰り出せる戦い方をする必要があります。また、機会攻撃を与えずできる「離脱」「早足」はパーティの後衛など離れた位置にいる仲間がピンチになった際にカバーに入って守る動きもできます。

  1. ポジショニング ・・・ 急所攻撃を繰り広げることができる位置が重要。前衛の仲間のそばや隠れ身ができる場所。
  2. アクション ・・・ 攻撃、急所攻撃を繰り出す。ボーナスアクションや移動を絡めてアクションを起こす。隠れた状態であれば「有利」に攻撃して急所攻撃も可能。
  3. ボーナスアクション ・・・ レベル2以降であれば「早足」「離脱」「隠れ身」ができる。ヒット&アウェイにつなげる。
  4. リアクション ・・・ レベル5以降であれば「直感回避」でダメージを半減にできる。

5レベル以降「直感回避」で生存率は上がりますが、ターン時に一回しか使えないリアクションであるため過信すると一気に危険になります。サブクラスによっては戦い方が変わってきます。

非戦闘時

ローグは戦闘以外でも活躍の出番が多いです。斥候に出たり、鍵を外して忍び込んだり、罠を解除したり、変装して潜入したりと任せられることが多くあります。またDMによってはローグだけがたどり着くような情報屋などを登場させたりして、パーティに有益な情報を与える役を登場させたりすることもあります。キャラクターがどのような技能に習熟しているかを理解しておき、何ができるかを考えるようにしましょう。

まとめ

ローグはできることが幅広いため戦闘以外での活躍場面も多くあります。そのためロールプレイをする際はできることを把握して、積極的に行動を起こす必要があります。そうなると初心者には若干ハードルが高いかもしれませんが、このできることを覚えさえすればあとはロールプレイを楽しむだけです。戦闘でも急所狙いを頑張るのも良いですが、隠れ身で潜伏して「見えない敵からの攻撃」として不意をつくなどして「有利」に戦闘を展開することも可能です。呪文のような派手さはありませんが、是非ともローグでのロールプレイを楽しみたいですね。
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