
戦闘マヌーバとは?マヌーバの例と処理手順を解説
クトゥルフ神話TRPGが第7版になり、戦闘ルールが一部整理されました。その中に戦闘マヌーバがあり、ダメージを与えるものではなく結果を求める戦闘手段としてわかりやすくなりました。しかし、クトゥルフ初心者にはマヌーバという言葉に聞き馴染みがなくわかりにくいようなので、初心者にわかりやすいように戦闘マヌーバを解説します。
戦闘マヌーバとは
マヌーバという言葉はなかなか聞きなれないものですが意味合いとしては「動き」を表します。ですので戦闘マヌーバとは「戦闘での動き」のことで、単にダメージを与える戦闘とは異なるし動き全てを処理するやり方です。クトゥルフ神話TRPGでは手持つ武器で攻撃するほか銃火器を使いダメージを与える戦闘が多いのですが、たまに相手を組み伏せる、や相手の銃を叩き落とすといったダメージを与える戦闘ではない場面も出てきます。
戦闘マヌーバの例
戦闘マヌーバを行う目的には以下のようなものがあります。
- 武器を使ってまたは手刀で相手の武器を落とす
- 武器を使って相手の足を払う
- 素手で相手の武器を取り上げる
- 相手を組み伏せる
- 相手を突き飛ばす
- 拘束状態から脱出する
- 相手を投げ飛ばす
- 鳩尾や延髄を殴りノックアウトする
- 突きつけられている銃口を逸らす
- 首からぶら下がっている鍵をもぎ取る
上記のようなロールは普通に能力の対抗判定を行えばできるわけですが、戦闘マヌーバを導入することによって体格差が加味されるようになりました。
戦闘マヌーバの手順
戦闘マヌーバの処理は基本的には近接格闘の処理と同じで、攻撃側のロールに対して防御側がどのように対応するかのロールを行い結果を比較します。ただ通常の戦闘と違うところはダメージではない目的をどう処理するかであり、戦闘マニューバの処理はキーパーの判断によるところも大きいです。
手順は以下の流れで進みます。
- 目的の明確化
- ビルドの比較
- 攻撃ロール
目的の明確化
まず攻撃側が戦闘マヌーバで行いたいこと(目的)を明確にする必要があります。ここで何を目的として行うのかをはっきりとしていなければキーパーが決定を下すことができません。具体的であればあるほどキーパーは考えやすくなり、プレイヤーも自分の探索者の動きのイメージがつきます。
ビルドを比較
マヌーバの目的がはっきりしたところで次にキーパーがビルドの比較を行います。ビルドとはSTRとSIZの合計から算出される指標であり肉弾戦の強さとイメージして良いでしょう。STRとSIZが小さい、つまり力がなく体格も小さければビルドは小さくなりますし、逆に筋力と体格が高ければビルドは大きくなります。なおビルドを算出するSTR+SIZは近接戦のダメージボーナス算出にも使います。
STR+SIZ | ビルド |
---|---|
2~64 | -2 |
65~84 | -1 |
85~124 | 0 |
125~164 | 1 |
165~204 | 2 |
205~284 | 3 |
285~364 | 4 |
365~ +80ごと | +1 |
ビルドの差
人間が巨大な象を押し込もうとしても、力や体格に圧倒的な差があるため動かせないように、仕掛ける側のビルドが小さい場合何かしためマヌーバに影響が出ます。攻撃側のビルドが大きくても特にプラスになることはありません。
- 差が0もしくは攻撃側が大きい ・・・ ペナルティなし
- 攻撃側が小さく差が1 ・・・ ペナルティーダイスを1つ受け取る
- 攻撃側が小さく差が2 ・・・ ペナルティーダイスを2つ受け取る
- 攻撃側が小さく差が3以上 ・・・ 戦闘マヌーバは実行不可
攻撃ロール
ビルドの差を見て戦闘マヌーバが可能な場合、キーパーはどの技能との対抗ロールかを決定します。また防御側が仕掛けられたマヌーバに対してどうアクションを起こすかによって判定の方法が変わります。
相手が回避を選択
相手を組み伏せようと掴みかかったものの相手はヒョイっとかわすこともあるでしょう。このように相手が「回避」を選択した場合は攻撃側の近接攻撃の技能と防御側の回避技能による対抗ロールを行います。ビルド差によるペナルティダイスがある場合はここで適用します。
ロール結果 | 成功した側 |
---|---|
攻撃側の成功度が高い | 攻撃側のマヌーバが成功 |
防御側の成功度が高い | 防御側の回避が成功 |
攻撃側と防御側の成功度が同じ | 防御側の回避が成功 |
相手が応戦を選択
相手を組み伏せようと掴みかかったものの、カウンターパンチをもらうこともあるでしょう。このように相手が「応戦」を選択した場合は攻撃側の近接攻撃の技能と防御側の近接攻撃の技能による対抗ロールを行います。ビルド差によるペナルティダイスがある場合はここで適用します。
ロール結果 | 成功した側 |
---|---|
攻撃側の成功度が高い | 攻撃側のマヌーバが成功 |
防御側の成功度が高い | 防御側の応戦が成功しダメージを与える |
攻撃側と防御側の成功度が同じ | 攻撃側のマヌーバが成功 |
相手がマヌーバで応戦を選択
相手を組み伏せようと掴みかかったものの、逆に投げ飛ばされるなんてこともあるでしょう。このように相手が「マヌーバで応戦」を選択した場合は攻撃側の近接攻撃の技能と防御側の近接攻撃の技能による対抗ロールを行います。ビルド差によるペナルティダイスがある場合はここで適用します。
ロール結果 | 成功した側 |
---|---|
攻撃側の成功度が高い | 攻撃側のマヌーバが成功 |
防御側の成功度が高い | 防御側のマヌーバが成功 |
攻撃側と防御側の成功度が同じ | 攻撃側のマヌーバが成功 |
マヌーバに成功すると戦況がガラリと変わるため、キーパーはマヌーバの結果に合わせて状況を判断します。例えば相手の足を払うマヌーバが成功した場合、倒された側にペナルティダイスがつくのか、倒された側を標的とした行動にボーナスダイスが付くのかなど決める必要があります。
まとめ
いかがでしたか?戦闘マヌーバは決して難しいものではありません。ダメージを与えない戦闘行為に対する処理であり、体格差を考慮した判定システムと言えます。プレイヤーはキーパーがどのように判定すればいいか、マヌーバが成功した時どうなるのかを想像しやすいようにマヌーバの目的を明確にする必要があり、キーパーは適切な対抗ロールの指示と結果をプレイヤーに伝えることで戦闘マヌーバが上手にされていきます。クトゥルフ神話TRPGの場合は無理に戦う必要がない場面もよく出てくるので、相手を無効化にする手段として戦闘マヌーバが行えるように理解しておきましょう。