クトゥルフ神話TRPGのEDUとは|初心者でもわかる教養の扱い方
クトゥルフ神話TRPGにはEDUというステータスがあります。他ではなかなか聞きなれないステータスであるためロールプレイをしたことがない人からするとよくわからないものでしょう。ただ慣れてくるとEDUをベースにロールプレイを行うこともできます。そこでクトゥルフ神話TRPG初心者のロールプレイにも役立てることができるようEDUのついて解説します。
EDUとは
クトゥルフ神話TRPGはケイオアシム社が開発したベーシックロールプレイングというシステムを採用しているのですが、同システムを使用している同社ルールブックのルーンクエストやストームブリンガーなどにはないステータスでEDU(Education、教育)というものがあります。これは世界観が大きく関係しているためファンタジーがベースであるルールブックには採用されていませんが、1920年頃から近代にかけてロールプレイをするクトゥルフでは必須の能力値となっています。
EDUの決定方法
EDUの決定には2d6+6(6面体のサイコロ二つの合計に6を加えた値)を算出します。なお新クトゥルフ神話TRPG(第7版)では能力値の部分の見直しがあっており、ここで算出した値を5倍にした値がEDUとなります。
加齢による教養の上昇
キャラクター作成時に年齢を自由に設定することができますが、年齢はEDUに大きく関係しています。まだ教育を受け始めた小さい子供であればEDUは低いですし、高齢になっても教養を身につけようとしているのであれば高い教養を持っているはずです。そこで年齢に応じた回数だけEDUチェックを行います。
EDUチェックとは1d100で判定を行い、EDU以上の目が出れば成功します。成功すると1d10%EDUが増加します。このEDUチェックは高齢になればなるほど回数が増えますが、チェックに成功しないとEDUは一切増加しません。それはただ長生きしたから教養があるわけではなく、生きていく上で教養を身につけようとしたか?ということの表れになります。なお加齢でEDUの上昇の機会を得ることができますが、反対に身体能力であるSTR、SEX、CONや外見のAPPは否応なく低下します。
EDUの役割
EDUはプレイヤーキャラクターである探索者が持つ「秩序だった事実に基づく知識」を表し、フルタイム教育を受けた期間も示します。つまりEDUが高ければ高いほど高度な教育を受けており、また修得していることになります。現実世界でも程度の差はあれこそ大卒の学位を得ることができ、実際のところは違ってもそれなりの教養はあると判断されます。
EDUの値による教育レベル
日本で考えると初等教育は6年、中等教育で3年の義務教育があります。そこに高等教育が3年加わり、多くの人は12年は教育を受けていることになります。クトゥルフ神話TRPGの場合、高等教育が終了が該当するEDUは60であることから、1年あたりEDUが5と考えることができます。大卒までの4年間でEDUが10しか上がらないと考えると、大卒以上になると学習ないし研究年数に比べてEDUは伸びにくくなっていると考えることができます。
EDUの値 | 教育レベル |
---|---|
0 | 新生児 |
15 | 無教養 |
60 | 高校卒業 |
70 | 大卒(学士) |
80 | 大学院卒(修士) |
90 | 博士号、教授 |
96 | 特定分野での世界的権威 |
99 | 人間の頂点 |
なお、これは絶対的なものではなく独学で教養を修めたものがいてもおかしくありません。
INTとの違い
EDUが習得した教養の高さ、知識量と考えるとINT(Intelligence、知性)は思考力と言えます。EDUはデータ量で、INTはデータを処理する速さと考えるとイメージしやすいです。EDUで蓄えた情報(教養)を知的に活用することはINTで判定する分野にあたり、EDUで行うことはできません。
職業技能ポイントとして分配
全てのキャラクターは技能を持っていますが、その技能は職業によって決定します。そしてキャラクターが探索者として完成するまでの教養や経験が技能に反映されます。その反映には職業技能ポイントを分配するのですが、そのポイントはEDUと深い関わりがあります。職業上運動に関わる要素がなければほとんどがEDU×4で、それ以外でもEDU×2は必ず含まれています。現実世界においてもある程度の教養は職務上必要なのは同じです。
職業例 | 職業技能ポイント |
---|---|
医師、エンジニア、教授、古物研究家、司書、ジャーナリスト、聖職者、超心理学者、伝道者、ハッカー、法律家 | EDU×4 |
エンターテイナー、ディレッタント | EDU×2+APP×2 |
パイロット | EDU×2+DEX×2 |
アスリート、警官、刑事、士官、私立探偵、トライブ・メンバー、農夫、犯罪者、兵士 | EDU×2+DEX×2またはEDU×2+STR×2 |
活動家 | EDU×2+APP×2またはEDU×2+POW×2 |
芸術家、ミュージシャン | EDU×2+DEX×2またはEDU×2+POW×2 |
放浪者 | EDU×2+APP×2またはEDU×2+DEX×2またはEDU×2+STR×2 |
母国語技能に直結
またEDUは技能の母国語のパーセンテージになります。教育を受けることで言語能力が上がるのと同じで高い教育を受けていれば母国語も上達します。なお日常会話であれば特別な教養も必要ないため、この技能は使うことはありません。日本語で言えば古文を読み解く、や難読漢字を読むにはそれなりの教養は必要でしょう。
EDUを活用する知識ロール
クトゥルフ神話TRPGでロールプレイをしている場合、プレイヤーの知識や経験ではなくキャラクター自身がその情報を知っているかを判定する必要がある場面に遭遇します。その時に行われるのが知識ロールで、1d100をした時にEDU以下であれば知識ロールに成功したことになります。このロールは実は便利で、技能がなくても知識ロールでカバーできるとキーパーが判断すれば応用することができます。ただ知識ロールでは良くても豆知識レベルのものであり、専門の技能で得られる成果とは異なることでしょう。
まとめ
いかがでしたか?EDUはキャラクターがどれだけ教育を受けていたかがわかる能力値です。ただ、この能力値はキャラクター作成時の技能への補正からロールプレイ時の知識ロールと幅広く活躍するスキルです。ただTRPGは自由な遊びですのでみんながみんなEDUが高い集団じゃなくてもよく、中には教育を受けてないため教養は低いけど実は頭の回転が良いキャラクターなどいる方が楽しいでしょう。EDUはキャラクターを色付ける要素の一環なので、EDUの高さに合わせてロールプレイを変えてみるのも面白いですね。
クトゥルフ神話TRPGを最大限楽しむためにもルールブックは持っておきましょう!