能力値の解説と決め方|クトゥルフ神話TRPG6版・7版の違いと目安や上限
目次
クトゥルフ神話TRPGには筋力や体力など能力値がいくつかあります。探索者を肉付けする能力値ですが、どのような行動判定や他の能力に作用するのか知っておいて損はありません。そこで初心者でもすぐわかるようにクトゥルフ神話TRPGの能力値について解説します。
クトゥルフ神話TRPGの能力値と決め方
の「能力値(ステータス)」は探索者を彩る指標であり、ほぼダイスロールの合計で決定します。また決定した能力値を元に算出される「属性」があります。この能力値は高い方が活躍しやすいですが低いからといって活躍できないわけではなく、逆に探索者が弱点を持つことで愛すべき身近な存在に感じることができます。
キャラクターシート作成時にダイスロールで決定した値をそれぞれの能力値に記入することで探索者が誕生します。能力値が決まれば技能に割り振るための職業技能ポイントなども決まり、探索者のキャラシが完成していきます。能力値を詳しく知ることは探索者どのような特徴を持つ人物かをイメージする時に役に立ちます。
探索者の基礎となる能力値はSTR(筋力)、CON(体力)、SIZ(体格)、DEX(敏捷性)、APP(外見)、INT(知性)、POW(精神力)、EDU(教育)、幸運、年齢から構成され、年齢以外はすべてダイスロールで決定します。6版と7版ではまず能力値の大きさが異なり、6版の能力値はダイスロールの結果と同じですが、7版ではダイスロールの結果に5を掛けた数値となります。これは能力値ロールで5倍にする計算する処理をキャラクターの能力値に事前に設定することで簡潔にしています。またEDUなど一部能力値ではダイスロール自体も異なっているため、キャラクターのコンバート時には注意が必要です。なお能力値は上限があり、6版では20、7版では99または100まで上がることがあります。
ルールブックにも明記されていますが、能力値は高くなければ探索者が活躍できないというものではありません。一つ二つ低い方が味のある探索者になるし、スーパーマンではないより現実的なキャラクターを感じることができます。低い能力値を拒絶するよりも、どうしてその能力値は低いのか(怪我や育った環境など)に落とし込み、探索者の肉付けに使いましょう。
STR(筋力)
STR(筋力)はStrengthの略で、探索者の筋肉の強さを表す能力値です。この能力値が高ければ重いものを持ち上げたり押したり、しがみつくといった行動をとる時に関係があります。また近接戦闘においては与えるダメージ量にも影響します。7版ではビルドが導入され、STRは戦闘マヌーバを成功させることに影響を持っています。単純な力比べはSTRを使った対抗ロールで解決することができます。この値が0になると筋肉に全く力が入らなくなるため、体を支えること無意識にしていることも出来なくなります。STRとDEXの合計とSIZの比較の結果によってはMOVに影響が出ます。そしてSTRはアスリートや警官のような体を動かす職業での職業技能ポイントに使われます。
STRの決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | 3d6 | 3 | 18 |
7版 | 3d6の合計×5 | 15 | 90 |
6版のSTRの値は以下のことを表します
STR(6版) | |
---|---|
0 | 衰弱しており立ち上がったり軽いものをコップを持つこともできない。 |
1~3 | 貧弱。 |
4~8 | 力が弱い。 |
9~13 | 平均的な筋力。 |
14~17 | 力強い。筋力を使う運動が得意な人。 |
18~19 | もっとも強い人々の一人。 |
20 | 人間の最大値であり、重量挙げオリンピック級の強さ。 |
21~28 | 馬やゴリラなどの動物。 |
29~40 | 異界の生物などの怪物的な筋力。 |
7版のSTRの値は以下のことを表します
STR(7版) | |
---|---|
0 | 衰弱しており立ち上がったり軽いものをコップを持つこともできない。 |
1~15 | 貧弱。 |
16~40 | 力が弱い。 |
41~65 | 平均的な筋力。 |
66~85 | 力強い。筋力を使う運動が得意な人。 |
86~99 | もっとも強い人々の一人。 |
100 | 人間の最大値であり、重量挙げオリンピック級の強さ。 |
101~140 | 馬やゴリラなどの動物。 |
141~200 | 異界の生物などの怪物的な筋力。 |
【STRが関係するもの】
近接武器の追加ダメージ
戦闘マヌーバに使うビルド
職業技能ポイント
MOVの修正
力比べ
投擲の射程
拘束からの脱出
CON(体力)
CON(体力)はConstitutionの略で、探索者の健康状態やバイタリーといった肉体の内面の強さや我慢強さを表す能力値です。この能力値が高いと毒や病気などの抵抗しやすくなり、根性で乗り切る場面にも影響があります。またSIZと合わせて探索者の耐久力を決定する要素でもあります。長い時間息を止めておくやぶら下がっておくなど単純な我慢比べの時に対抗CONロールを行い解決することができます。チェイス時にCONのロールも無酸素状態の逃走で呼吸を我慢して逃げることができるかというロールであり、イクストリームで成功するとボーナスとしてMOVが増加します。この値が0になると探索者は死亡します。
CONの決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | 3d6 | 3 | 18 |
7版 | 3d6の合計×5 | 15 | 90 |
6版のCONの値は以下のことをあらわします。
CON(6版) | |
---|---|
0 | 死んでいる。 |
1~3 | 病弱。退院できないような病気を和皿っている可能性が高く、介助無しでは行動ができない。 |
4~8 | 不健康、病気の発作、よく痛みを感じる。 |
9~13 | 一般的な健康体。 |
14~17 | 健康優良体。 |
18~19 | 寒さに強く、頑丈で壮健。 |
20 | 人間の最大値で強烈な痛みに耐えることができる。 |
21~28 | 象など人間を超えている。 |
29~40 | 怪物的な体力で地球上の病気を無視できる。 |
7版のCONの値は以下のことをあらわします。
CON(7版) | |
---|---|
0 | 死んでいる。 |
1~15 | 病弱。退院できないような病気を和皿っている可能性が高く、介助無しでは行動ができない。 |
14~40 | 不健康、病気の発作、よく痛みを感じる。 |
41~65 | 一般的な健康体。 |
66~85 | 健康優良体。 |
86~99 | 寒さに強く、頑丈で壮健。 |
100 | 人間の最大値で強烈な痛みに耐えることができる。 |
101~140 | 象など人間を超えている。 |
141~200 | 怪物的な体力で地球上の病気を無視できる。 |
【CONが関係するもの】
耐久力の量
毒や病気への抵抗力
気絶や苦痛など我慢強さ
チェイス時の根性
SIZ(体格)
SIZ(探索者)はSizeの略で、探索者の身長と体重の両方の平均して一つをまとめたもので体格を表す能力値です。この能力値が高い探索者は身長と体重が高いと言えます。また7版から導入されたビルドや探索者の耐久力とも大きく関わっています。SIZは体重も入れた値でもありますが、身幅なを含める場合はSTRやCONを加味すると筋肉隆々の巨漢(STRも高い)か体脂肪の多い肥満(CONが低い)かひょろっとした長身(STRが低い)か、といったことも想像することができます。SIZが大きいと巨体になるわけですが、STRとDEXより大きいとMOVが低下します。SIZは持ち上げたり、押しのけたりと自分の身体が動かされることに対して体重をかけて踏ん張るという場合に対抗ロールで使うことができます。
SIZの決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | 2d6+6 | 8 | 18 |
7版 | 2d6+6の合計×5 | 40 | 90 |
6版のSIZの値は以下のことをあらわします。なお、SIZは20を超える人間も稀に存在します。
SIZ(6版) | |
---|---|
1 | 赤ん坊(0.5~6kg) |
2~3 | 幼児、非常に身長が低い人(15kg) |
4~11 | 子供や小柄な人間の身長。(40kg) |
12~14 | 平均の人間の体格(中肉中背・70kg)。身長170cm前後 |
15~16 | 背が高い、体が強健、あるいは肥満体(110kg)。身長180cm前後 |
17~19 | 非常に背が高い、体が強健、あるいは肥満体(120kg)。身長190cm前後 |
20 | 身長か体重が特大(150kg)。身長200cm前後 |
21~26 | 馬や牛(~436kg) |
27~36 | 記録がある中でもっとも重い人間(~634kg) |
37~40+ | 怪物(~872kg+) |
7版のSIZの値は以下のことをあらわします。なお、SIZは100を超える人間も稀に存在します。
SIZ(7版) | |
---|---|
1 | 赤ん坊(0.5~6kg) |
2~15 | 幼児、非常に身長が低い人(15kg) |
16~55 | 子供や小柄な人間の身長。(40kg) |
56~70 | 平均の人間の体格(中肉中背・70kg)。身長170cm前後 |
71~80 | 背が高い、体が強健、あるいは肥満体(110kg)。身長180cm前後 |
81~99 | 非常に背が高い、体が強健、あるいは肥満体(120kg)。身長190cm前後 |
100 | 身長か体重が特大(150kg)。身長200cm前後 |
101~130 | 馬や牛(~436kg) |
131~180 | 記録がある中でもっとも重い人間(~634kg) |
181~200+ | 怪物(~872kg+) |
【SIZが関係するもの】
近接武器の追加ダメージ
戦闘マヌーバに使うビルド
耐久力の量
MOVの修正
持ち上げなどSTRに対する対抗ロール
狭い場所の通り抜け
DEX(敏捷性)
DEX(敏捷性)はDexterityの略で、探索者の敏捷性を表す能力値です。この能力値が高ければ俊敏に動けて正確に手先を動かすことができます。短距離走やダーツの競争といったものはDEXの対抗ロールで行われます。またDEXは戦闘とも関係が高く、戦闘時のの行動順番や近接攻撃や投擲への回避にも関係します。またDEXとSTRの合計とSIZの比較の結果によってはMOVに影響が出ます。そしてDEXはアスリートや警官のような体を動かす職業での職業技能ポイントに使われます。
DEXの決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | 3d6 | 3 | 18 |
7版 | 3d6の合計×5 | 15 | 90 |
6版のDEXの値は以下のことをあらわします。
DEX(6版) | |
---|---|
0 | 助けなしでは動くことができない。 |
1~3 | 動きが遅くて、不器用。細かい作業には不向き。 |
4~8 | 少し動きが鈍い。細かい作業は得意ではない。 |
9~13 | 平均的な人間の敏捷性。 |
14~17 | 機敏で細かい作業も割と得意。 |
18~19 | 早くて細かい作業が必要なことが行える(アクロバット、優れたダンサー) |
20 | 国際的な運動選手。人間の最大値。 |
21~39 | 人間を超えた敏捷性。トラなどの素早い野生動物。 |
40+ | イナズマのような速さ。人間が理解できない速さで動き、細かいことができる。 |
7版のDEXの値は以下のことをあらわします。
DEX(7版) | |
---|---|
0 | 助けなしでは動くことができない。 |
1~15 | 動きが遅くて、不器用。細かい作業には不向き。 |
16~40 | 少し動きが鈍い。細かい作業は得意ではない。 |
41~65 | 平均的な人間の敏捷性。 |
66~85 | 機敏で細かい作業も割と得意。 |
86~99 | 早くて細かい作業が必要なことが行える(アクロバット、優れたダンサー) |
100 | 国際的な運動選手。人間の最大値。 |
101~199 | 人間を超えた敏捷性。トラなどの素早い野生動物。 |
200+ | イナズマのような速さ。人間が理解できない速さで動き、細かいことができる。 |
【DEXが関係するもの】
戦闘の行動順番
回避技能
MOVの修正
100m走など単純な速さを競う対抗ロール
ダーツなど器用さを競う対抗ロール
職業技能ポイント
APP(外見)
はAppearanceの略で、肉体的な魅力と個性の両方を表す能力値です。この能力値が高ければ魅力的で第一印象では好感を持たれることが多いです。あくまでも個性も含まれているものであるため、単純に美貌であるためというものでもありません。逆に低ければ嫌悪感を持たれやすいと言えます。あまり積極的に活用することがない能力値ですが、外見を競うコンテストなどでは使用します。そしてAPPはエンターテイナーなど好印象を持たれたい職業での職業技能ポイントに使われます。
APPの決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | 3d6 | 3 | 18 |
7版 | 3d6の合計×5 | 15 | 90 |
6版のAPPの値は次のような状態を表します。なおAPPは人間のみに使用され、20を超えることはありません。
APP(6版) | |
---|---|
0 | とても見苦しく、周囲に恐怖、嫌悪、哀れみの感情を引き起こす。 |
1~3 | 醜い。負傷や出生時の影響がある可能性がある。 |
4~8 | 少し醜い。小さいながらも負傷や出生時の影響がある可能性がある。 |
9~13 | 平均的な人間の外観。特に好意を引き起こすこともないが嫌悪感も与えない。 |
14~17 | 割と美しい。外見から嫌悪感を与えることはほとんどない。 |
18~19 | もっとも美しい人々の一人。 |
20 | 魅惑とクールの頂点(スーパーモデルや世界的スター)。人間の最大値。 |
7版のAPPの値は次のような状態を表します。なおAPPは人間のみに使用され、100を超えることはありません。
APP(7版) | |
---|---|
0 | とても見苦しく、周囲に恐怖、嫌悪、哀れみの感情を引き起こす。 |
1~15 | 醜い。負傷や出生時の影響がある可能性がある。 |
16~40 | 少し醜い。小さいながらも負傷や出生時の影響がある可能性がある。 |
41~65 | 平均的な人間の外観。特に好意を引き起こすこともないが嫌悪感も与えない。 |
66~85 | 割と美しい。外見から嫌悪感を与えることはほとんどない。 |
86~99 | もっとも美しい人々の一人。 |
100 | 魅惑とクールの頂点(スーパーモデルや世界的スター)。人間の最大値。 |
【APPが関係するもの】
外見を競うコンテストなどの対抗ロール
職業技能ポイント
第一印象の判定
INT(知性)
INT(知性)とはIntelligenceの略で、探求者の考える力や学習能力、想像力、分析能力といったものを表す能力値です。EDUと混同しがちですが、EDUがデータ量でINTは処理能力と考えるとわかりやすいです。INTはゲーム中に気付いてしまうINTロールと、行き詰まった時にキーパーに救済してもらえるアイデアロールに関係します。またチェスのような知性を競う勝負にはINTを対抗ロールとして使用します。キャラクター作成時の職業とは関係ない技能に追加ができる「個人的な趣味の技能」のポイントにもINTは影響します。
INTの決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | 2d6+6 | 8 | 18 |
7版 | 2d6+6の合計×5 | 40 | 90 |
6版のINTの値は次のような状態を表します。
INT(6版) | |
---|---|
0 | 知性がなく、周りを理解することができない。 |
1~3 | 物覚えが悪い。もっとも初歩的な計算、初心者向けの本しか読めない。 |
4~11 | あまり計算は得意ではない。物覚えも良くはない。 |
12~15 | 平均的な人間の知性。 |
16~17 | 割と頭の回転は早い。物覚えは良い。 |
18~19 | 頭の回転が速く、複数の言語を理解したり定理が理解できたりする。 |
20 | 天才。人間の最大値。 |
21~28 | 人間の知性を超えている。 |
29~40 | 怪物的な知性で多次元を理解し、そこで活動ができる(大いなるクトゥルフなど)。 |
7版のINTの値は次のような状態を表します。
INT(7版) | |
---|---|
0 | 知性がなく、周りを理解することができない。 |
1~15 | 物覚えが悪い。もっとも初歩的な計算、初心者向けの本しか読めない。 |
16~55 | あまり計算は得意ではない。物覚えも良くはない。 |
56~75 | 平均的な人間の知性。 |
76~85 | 割と頭の回転は早い。物覚えは良い。 |
86~99 | 頭の回転が速く、複数の言語を理解したり定理が理解できたりする。 |
20 | 天才。人間の最大値。 |
21~28 | 人間の知性を超えている。 |
29~40 | 怪物的な知性で多次元を理解し、そこで活動ができる(大いなるクトゥルフなど)。 |
【INTが関係するもの】
INTロール
アイデアロール
チェスのような知性を競う対抗ロール
個人的な趣味の技能ポイント
POW(パワー、精神力)
POW(精神力)はPowerの略で、意志の力を表す能力値です。この能力値が高いほど魔術の適性が高く、魔術への抵抗も高いです。POWはクトゥルフ神話TRPGで一番重要な指標である正気度ポイント(SAN値)を決定します。また正気度だけでなく呪文を使う際に必要なマジックポイントも決定します。なおPOWは呪文をかけるときの対抗ロールに成功すると成長の機会を得ることができますが、ゲーム間で失われた場合は注意書きがない限り永久に失われます。そしてPOWは芸術家やミュージシャンなどクリエイティブに魂をこめるようなを職業での職業技能ポイントに使われます。
POWの決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | 3d6 | 3 | 18 |
7版 | 3d6の合計×5 | 15 | 90 |
6版のPOWの値は次のような状態を表します。なお人間のPOWは20を超える可能性はあるものの、一般的ではなく魔術の使用などでPOWを上げているなど特別な場合のみに限られます。
POW(6版) | |
---|---|
0 | 精神が衰弱し、意志力がなく、魔術的な能力も一切ない。 |
1~3 | 意志薄弱で、より高い知性か精神力を持つものに容易に支配される。 |
4~8 | 意志が弱く、より高い知性か精神力を持つものに支配されやすい。 |
9~13 | 普通の人間。 |
14~17 | 意志が強い。やる気もあり、見えないものや魔術的なものと繋がりを持つ可能性がある。 |
18~19 | 強固な意志を持ち、やる気に満ち溢れ、見えないものや魔術的なものと繋がりを持つ可能性が高い。 |
20 | 鉄の意志、霊的な領域や見えない世界と強い繋がりを持つ。 |
21~28 | 人間を超えた異界の存在。 |
29~40 | 怪物的な魔術の力と人智を超えた精神力を持つ存在。 |
7版のPOWの値は次のような状態を表します。なお人間のPOWは100を超える可能性はあるものの、一般的ではなく魔術の使用などでPOWを上げているなど特別な場合のみに限られます。
POW(7版) | |
---|---|
0 | 精神が衰弱し、意志力がなく、魔術的な能力も一切ない。 |
1~15 | 意志薄弱で、より高い知性か精神力を持つものに容易に支配される。 |
16~40 | 意志が弱く、より高い知性か精神力を持つものに支配されやすい。 |
41~65 | 普通の人間。 |
66~85 | 意志が強い。やる気もあり、見えないものや魔術的なものと繋がりを持つ可能性がある。 |
86~99 | 強固な意志を持ち、やる気に満ち溢れ、見えないものや魔術的なものと繋がりを持つ可能性が高い。 |
100 | 鉄の意志、霊的な領域や見えない世界と強い繋がりを持つ。 |
101~140 | 人間を超えた異界の存在。 |
141~200 | 怪物的な魔術の力と人智を超えた精神力を持つ存在。 |
【POWが関係するもの】
正気度ポイント(SAN値)
マジックポイント
6版での幸運値
呪文での対抗ロール
職業技能ポイント
EDU(教育)
EDUは探索者が持つ事実に基づく知識を表す能力値です。教育や経験などで得ている「知識」の部分であり、物事を考え整理するといった思考力の部分ではありません。この能力値が高けれ教養を持ち高度な教育を受けている事になります。EDUは職業技能ポイントを決定するウェイトが大きく、非運動系の職業であれば重要になります。また母国語の能力にもなります。知識量に直結する能力のため、ゲーム中に知識系技能が持たない場合にロールとして使用される事があります。
EDUの決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | 3d6+3 | 6 | 21 |
7版 | 2d6+6の合計×5 | 40 | 90 |
6版のEDUの値は次のような状態を表します。なおEDUは人間のみに使用されます。
EDU(6版) | |
---|---|
0 | 新生児。ばぶちゃん。 |
1~3 | あらゆる点で完全に無教養。 |
4~11 | 高校卒業者。 |
12~15 | 大卒(学士)。 |
16~17 | 大学院卒(修士)。 |
18~19 | 博士号、教授。 |
20 | 自分の研究分野で世界クラスの権威。 |
7版のEDUの値は次のような状態を表します。なおEDUは人間のみに使用され、99を超えることはありません。
EDU(7版) | |
---|---|
0 | 新生児。ばぶちゃん。 |
1~15 | あらゆる点で完全に無教養。 |
16~55 | 高校卒業者。 |
56~75 | 大卒(学士)。 |
76~85 | 大学院卒(修士)。 |
86~99 | 博士号、教授。 |
100 | 自分の研究分野で世界クラスの権威。 |
【EDUが関係するもの】
職業技能ポイント
母国語技能
知識ロール
幸運
幸運とは探索者の運の良さを表す能力値です。STRやDEXといった能動的に使うことができる能力でもなく、CONやSIZのような受動的なものでもありません。探索者にとっての外部環境の影響を受けたり、気まぐれな結果が起きる場合に使用される能力値です。またオプションルールを採用している場合は消費してロールの結果を変更することができます。
幸運の決定方法は以下の通りです。
ルールブック | 決定方法 | 能力値最小値 | 能力値最大値 |
---|---|---|---|
6版 | POW×5 | 15 | 90 |
7版 | 3d6の合計×5 | 15 | 90 |
【幸運が関係するもの】
幸運ロール
グループ幸運ロール
幸運の消費
年齢
年齢はそのまま探索者の年齢を表します。探索者は15~90歳までの間を自由に選択することができ、年齢に合わせてさまざまな肉体的変化や教養面での蓄積などが出てきます。年齢によってロール数ことはありませんが、キャラクター作成時に能力値に影響を与える要素の一つです。
年齢による能力値の変化は以下のものになります。
年齢 | 減少させる能力値とポイント | 代わりに得られるもの |
---|---|---|
15~19 | STRとSIZから5ポイント | 幸運の値を決める時に2回ロールして大きい方を選択できる。 |
20~39 | 無し | EDUの上達チェックを1回行う。 |
40~49 | STRかCONかDEXの合計から5ポイント。およびAPPから5ポイント | EDUの上達チェックを2回行う。 |
50~59 | STRかCONかDEXの合計から10ポイント。およびAPPから10ポイント | EDUの上達チェックを3回行う。 |
60~69 | STRかCONかDEXの合計から20ポイント。およびAPPから15ポイント | EDUの上達チェックを4回行う。 |
70~79 | STRかCONかDEXの合計から40ポイント。およびAPPから20ポイント | EDUの上達チェックを4回行う。 |
80~89 | STRかCONかDEXの合計から80ポイント。およびAPPから25ポイント | EDUの上達チェックを4回行う。 |
クトゥルフ神話TRPGキャラクターシートの作成方法|簡単キャラシの作り方 はこちら
能力値から導き出される属性
属性はダメージ・ボーナス、ビルド、耐久力、移動率、正気度(SAN)、マジックポイントで、すべて能力値から算出されます。これらは基本的な能力値とは異なり能動的に扱う能力ではなく、戦闘や狂気の処理の時に使用されます。
ダメージ・ボーナスとビルド
ダメージ・ボーナスは近接戦闘や投擲によるダメージに追加できるもので、ビルドは戦闘マヌーバに使う概念です。ビルドは7版から追加されたもので、近接戦闘で相手を組み伏せたり武器を取り上げたりする戦闘マヌーバで使用します。どちらもSTRとDEXの能力値合計より算出されます。つまり、この能力が高ければ近接戦闘時に高いダメージを与えたり、相手をコントロールしやすくなります。
STR+SIZ(6版) | STR+SIZ(7版) | ダメージ・ボーナス(6版) | ダメージ・ボーナス(7版) |
---|---|---|---|
2~12 | 2~64 | -1d6 | -2 |
13~16 | 65~84 | -1d4 | -1 |
17~24 | 85~124 | 0 | 0 |
25~32 | 125~164 | +1d4 | +1d4 |
33~40 | 165~200 | +1d6 | +1d6 |
耐久力
耐久力は探索者が疲労困憊または致死までにどれだけダメージを受けることができるかを表します。6版ではCONとSIZの合計の1/2で、7版ではCONとSIZの合計の1/10です。この能力は打たれ強ささを表すものであり、生命力というものではありません。0になると意識不明になり行動不能になりますが即死するわけではなく、「応急手当」により状態を安定させることができます。また減少した耐久力は自然回復します。つまり、この能力が高いと打たれ強くなり、気絶または死亡するまで長い間活動することができます。
ルールブック | 意識不明になる耐久力ライン | 致死ライン |
---|---|---|
6版 | 2 | 0 |
7版 | 0 | 0かつ瀕死 |
一回のダメージで耐久力の最大値を超えた場合はキャラクターは死亡します。
MOV(移動率)
MOVとは1ラウンド(12秒)で移動できる距離を表し、探索者のMOV×5mを移動することができます。6版ではどのような人でも同じですが、7版では能力値や年齢によって変化があります。6版にMOVを適用する場合は8です。つまり、この能力が高ければ1ラウンドで長い距離を移動することができます。
探索者の状態 | 7版MOV |
---|---|
STRとDEXの両方がSIZより小さい | MOV 7 |
STRかDEXのどちらかがSIZ以上、もしくはこれら3つが等しい | MOV 8 |
STRとDEXの両方がSIZより大きい | MOV 9 |
年齢が40代 | MOVが-1 |
年齢が50代 | MOVが-2 |
年齢が60代 | MOVが-3 |
年齢が70代 | MOVが-4 |
年齢が80代 | MOVが-5 |
MOVはチェイスを行う時に必要です。
正気度ポイント(SAN値)
正気度ポイントは探索者がクトゥルフ神話の恐怖に持ちこたえるかどうか、恐怖に立ち向かえるかどうかを表す指標です。衝撃的なものを目撃したり、この世のものと思えないものに遭遇したりすることで失うことがあります。つまり、この能力が高ければ恐怖体験や理解できない体験をしても正気を保ちやすくなります。この能力がある程度減少すると探索者は狂気に陥り、0になれば永久的狂気に陥ります。
正気度ポイントはPOWで算出されますが、実際の値は6版と7版では同じになります。
ルールブック | 正気度ポイントの決め方 |
---|---|
6版 | POW×5 |
7版 | POW |
マジックポイント
マジックポイントは探索者が呪文を使う場合に消費するエネルギーです。この能力が高ければ呪文を使用する回数が増えるかもしれません。消費されたマジックポイントは1時間に1ポイントで回復します。
マジックポイントはPOWで算出されますが、実際の値は6版と7版では同じになります。
ルールブック | マジックポイントの決め方 |
---|---|
6版 | POW |
7版 | POWの1/5 |
能力値(ステータス)の目安について
探索者のステータスは高ければ高い方が良いですが、実際に全ての能力で最高というような探索者はいないでしょう。そこで探索者として活躍するにはどのくらいのステータスが必要か?という目安が気になると思います。結論から言えば目安というものはありませんが、体力や生命力に直結するCONと正気度に関係するPOWは高い方が良いです。3D6の期待値が11なので、11以上を目安にすると良いでしょう。実際には能力値の一つや二つは平均を下回っていることはキャラクターに特徴を作り出すので歓迎すべきことです。全てが高い能力値よりも何かしらの弱点がある方が人間的魅力が溢れます。なお、他の能力値でも目安は期待値以上の値であることでしょう。
ステータスの目安は期待値以上であればOK。3D6は11以上、2D6+6は13以上、3D6+3は14以上。
6版の能力値の目安
多くの能力値を3D6で決定する6版では期待値以上であれば能力的に劣ることはありません。ただし、すべてが同じような数値だと味気ない探索者ができてしまうので、知的キャラクターを目指すのであればINTは14以上、活発な探索者であればSTRやCONで14以上、陽気で人に好かれやすいのであればPOWとAPPが14以上、といったように偏りがあるほうが面白いです。EDUに至っては高い方が技能ポイントの面では良いのですが、大卒などの経歴がないキャラクターであれば13程度でも良いでしょう。
7版の能力値の目安
新クトゥルフでは能力値が5倍で計算されており、また職業によっては職業技能ポイントに影響します。そのため目安としては技能ポイントに使われる能力値は70以上あるほうが良いでしょう。それ以外ではどのような探索者であるかをイメージして55以上、高いものであれば70以上あれば良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?能力値は探索者の基礎となる能力を数値化した者で、どのような探索者か数値で肉付けを行うものです。プレイヤーは能力値をダイスロールで決定し、そこから算出される属性を出すことで探索者に命を吹き込むことができます。どの能力値がどのようなところで影響するかをしっかり理解しておくことで自分の探索者の活躍できる場面も想像できると思います。是非とも探索者作成に役立ててください。
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