クトゥルフのキャラシ作成方法(6版・7版)|初心者でもわかる探索者の作り方


クトゥル神話TRPGをこれから始めたいと考えている人はまず最初に探索者の情報をまとめたキャラクターシートを作成する必要があります。ルールブックが6版と7版では作り方が若干異なるため、クトゥルフ神話TRPGのキャラシ作成がわかりやすいように解説します。

キャラシとは

キャラシとはキャラクターシートのことで、探索者情報をまとめたもので「能力値」「属性」「技能」「バックストーリー」といったもので構成されています。能力値はランダムな要素を含むダイスで決定し、属性は能力値をもとに算出し、技能は指定のものにポイントを分配し、バックストーリーはキャラクターに命を吹き込むように考えていきます。これらをすべてキャラクターシートに記入する事で探索者が誕生します。従来はルールブックに記載されているものや手作りのキャラクターシートなどを印刷していたりもしましたが、ユドナリウムやココフォリアなどのオンラインセッションツール上でキャラクター保管所を利用するのであれば印刷したキャラシは必要ありません。

すぐにダイスロールして作成する場合はこちら

クトゥルフ神話TRPGキャラ作成
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キャラシ作成に必要なもの

キャラクターシートを作るにあたって最低限必要なものが2つあります。一つはルールブックで、もう一つはダイスです。今の時代ではPCが普及しているため筆記用具は必須ではありません。素敵な探索者を作ってやるぞ!という気持ちも大切です。

ルールブック

ルールブックにはキャラクター作成に必要なことや能力値、技能などキャラクターシートに記載するものの詳細が書いてあります。この能力値はどのような意味を持っているのか、この技能はどう言った時に使うのか?といった基本的なことはルールブックで理解しておくほうが良いです。またバックストーリー作成のヒントもあるので便利です。探索者作成には6版であれば「クトゥルフ神話 TRPG」、7版であれば「新クトゥルフ神話TRPG」が必要です。このページでもキャラクターシート作成を解説しますが、ルールブックはある方が良いでしょう。

 

ダイス

能力値を作成する時に6面体のダイスが必要になります。またバックストーリーの項目をランダムで決定する場合に10面体を使うこともあります。実物のサイコロやダイスアプリがあればそれを使うと良いですが、ダイスが無いのであれば当サイトのウェブダイスツールのほか、Googleの検索結果でダイスロールができます。なお一括ロールのボタンはこのページ下部にあるウェブダイスのところまで移動します
一括ロールでお試し作成 TRPG-JAPANのクトゥルフ用ウェブダイスツール

キャラシの作り方

クトゥルフ神話TRPGでキャラクターシートを作成するには以下の手順で行う必要があります。すでにシナリオが決定している場合は時代考証が必要であったり、ハンドアウトで指定があることもあります。推奨の技能があるときはその技能を頻繁に使う、または決定的な部分で使うという事であるため職業を探すときは技能を先に確認したほうが良いでしょう。ただ、TRPGは効率的にクリアする事が目的ではなく、欠点と愛嬌のあるキャラクターを演じる事にも楽しさがあるので、高い能力値や技能に囚われる事が無いようにしましょう。

  1. 名前・性別・年齢を決める
  2. ダイスロールで能力値を決定する
  3. 職業を決定する
  4. 技能を選び、技能ポイントを割り振る
  5. バックストーリーを創造する
  6. 探索者の装備を決定する

名前・性別・年齢を決める

探索者の「名前」を決めます。名前を決める事で愛情が湧きます。おそらく名前が決まるようであれば「性別」や「年齢」のイメージは湧いていることでしょう。特に「年齢」は能力値や職業技能ポイントに関係してくるので大体決めておくと良いです。

これからセッションに参加するにあたり探索者を作るため、まず最初にイメージを膨らませることにしました。探索者のイメージとしてはアメリカ人というのが出てきたので、なんとなく名前は「ピーター・ウォルシュ」にしました。

年齢の重要性

名前や性別と異なり、年齢はキャラクター作成時に大きく影響します。若ければ経験は浅いものの体力に溢れ、年老いているのであれば能力は衰えていものの経験・教養を得ています。これは能力値を決定してから修正していきます。なお6版ではEDUにより、探索者が選べる最低限の年齢が決定します。

ピーター・ウォルシュを肉付けていくことにします。ピーターには活躍して欲しいの体力的に充実している年齢が良いので32歳としました。

ダイスロールで能力値を決定する

キャラシ作成 能力値
探索者には特徴をあらわす能力値があります。その能力値はSTR(筋力)・CON(体力)・SIZ(体格)・DEX(敏捷性)・APP(外見)・EDU(教育)・INT(知性)・POW(精神力)と幸運があり、すべてダイスロールで決定されます。6版まではダイスの合計値、7版では合計値に5を掛けた値が能力値となります。この能力値はEDUやAPPを除けば怪物や神話生物にも共通する指標です。

能力値を用いて技能ロールを行う場合、難易度ハードでの成功は能力値の1/2、難易度いくストリームでの成功は能力値の1/5になります。それぞれを計算して各能力値のマス右側の2段の上部にハードの値、下段にイクストリームの値をキャラクターシートに記入します。(自動計算など記入が不要なこともあります。)

キャラクターの能力値一括ロールはこちら

STR(筋力)を決定する

決定方法:6版は3D6 7版は3D6x5
関連属性:ダメージ・ボーナス、ビルド、MOV
探索者の筋力を表します。力が強い探索者であれば重いものを持ち上げたり、押しのけたりする事ができます。パンチやキックのほか、武器を持っての戦闘、投擲でのダメージボーナスや組みつきをする場合に関係します。また7版で導入されたビルドにも関わりがあります。筋肉隆々のマッチョから線が細いけどがっちりした細マッチョのキャラクターを作りたいのであればこの指標が高い方が望ましいです。また、職業によっては職業技能ポイントが「EDU×2+STR×2」のものもあるため、体を動かす職業につきたいのであれば高めが良いでしょう。

CON(体力)を決定する

決定方法:6版は3D6 7版は3D6x5
関連属性:耐久力
探索者の体力を表します。体力が高ければ毒や病気への抵抗力も高くなります。また我慢強さでもあり、痛みや苦しみに耐えることもできます。また耐久力を決定する要素でもあり、探索者の生死に一番関連する指標です。健康優良な探索者であればCONが高くなります。肌の色が艶々であったり疲れが残らないなどいい事づくめです。

SIZ(体格)を決定する

決定方法:6版は2D6+6 7版は(2D6+6)x5
関連属性:ダメージ・ボーナス、ビルド、耐久力、MOV
探索者の体の大きさを表します。単純な身長だけではなく体の幅も加味する必要があります。体格が大きいと近接戦闘でのダメージボーナスやビルドに良い影響が出ますが、小さい穴などSIZが一定以下でないと通れない場所などでは体がつっかえるため通る事ができません。また耐久力にも関連するので、どちらかと言えば小さいより大きい方が探索者は長生きできるでしょう。SIZから想像される体型はSTRやCON、DEXを絡めると想像しやすいです。

DEX(敏捷性)を決定する

決定方法:6版は3D6 7版は3D6x5
関連属性:MOV
DEXは体のキレの良さや動きの正確さを表します。高ければ高いほど探索者は体を思うように操る事ができます。回避技能の基礎値にもなります。運動能力が高いスポーツマンといった探索者であればこの能力値に優れています。職業によっては職業技能ポイントが「EDU×2+DEX×2」のものもあるため、体を動かす職業につきたいのであれば高めが良いでしょう。

APP(外見)を決定する

決定方法:6版は3D6 7版は3D6x5
関連属性:なし
探索者の外見の良さや個性を表します。単なる外見の良さ・美貌の持ち主ということに限らず、個性的でカリスマ性がある人もAPPは高くなります。この能力値が高いほど第一印象は良いです。APPの高さを生かす事ができるのは対人の場面です。またちやほやされてきた探索者を作りたいのであればAPPは高くあるべきです。

EDU(教育)を決定する

決定方法:6版は3d6+3 7版は(2D6+6)x5
関連属性:なし
探索者が受けてきた教育レベルを表します。EDUは教育レベルだけでなく、知識の量も表しており、探索者がどのくらい物知りかを推し測る事ができます。また職業技能ポイントに直結するので探索者を作る上で重要になります。学者のように頭脳で勝負する探索者にとってEDUの高さはどのくらいの権威かを示します。年齢がある程度上であればEDUが増えます。(7版ではチェックが必要)

ピーターのEDUのロール値は14でした。EDUの値は5倍なので70となり、大卒レベルの教養は持っていることになります。年齢が32歳なのでEDUの上達チェックのため1D100を1回ロールしたところ46だったため、EDUの上達はありませんでした。

INT(知性)を決定する

決定方法:6版は3D6 7版は3D6x5
関連属性:なし
探索者の頭の良さを表します。頭の良さとは考える力であり、推理力や認識能力などを表します。ひらめきをチェックするINTロールのほか、シナリオの停滞を上手に抜け出すためのアイデアロールにも活用されるので、ある意味プレイヤーを助ける能力値とも言えます。頭の回転が速い探索者であればこの能力値は高い方が良いです。個人的な趣味としての技能にINTが割り振られるので、INTが高ければ趣味が充実した探索者になることもできます。

POW(精神力)を決定する

決定方法:6版は3D6 7版は3D6x5
関連属性:正気度ポイント、マジック・ポイント、幸運値(6版のみ)
探索者の意志の強さを表します。意志の強さは心の強さであり、探索者の命運に大きく作用する正気度ポイントや呪文を使用する時に消費するマジックポイントなどを算出する時に使います。POWは呪文をかけられた時に抵抗する時に使います。恐ろしいカルティストや怪物などに呪文をかけられた時に抵抗することがあるので高いに越したことはありません。また呪文をかける側でもPOWは重要です。

幸運を決定する

決定方法:6版はPOWの値×5 7版は3D6×5
関連属性:なし
探索者の運の良さを表します。この能力値は探索者への外部要因を判断する時に使用します。また幸運を消費する事でロールの目を修正することも可能です。

ピーター・ウォルシュの能力値を決めます。今回は7版ということで作成します。各能力値をロールすると「STR13」「CON15」「SIZ15」「DEX10」「APP12」「EDU14」「INT10」「POW10」「幸運15」でした。7版用に5倍にして、ハード成功(能力値の1/2)とイクストリーム成功(能力値の1/5)を計算してキャラクターシートに記入します。5倍にした値は「STR65」「CON75」「SIZ75」「DEX50」「APP60」「EDU70」「INT50」「POW50」「幸運75」で、POWが50なのがちょっと気になります。

属性を計算する

キャラシ作成 属性
属性とは「ダメージ・ボーナス」「ビルド」「耐久力」「正気度ポイント」「マジックポイント」「移動率」です。

ダメージ・ボーナスとビルドを算出する

ダメージ・ボーナスとビルドはSTRとSIZの合計から算出されます。ダメージ・ボーナスとは腕力が影響するような戦闘でダメージを与えた時に追加で発生するダメージです。このボーナスが大きければより多くのダメージを与える事ができますが、小さい場合は逆に与えるダメージが減少します。

ビルドは7版から追加されたものですが、これまで近接戦闘の格闘で処理していた組付きをより適切に処理ができるようにルール化したことで必要になった指標と言えます。組みついた時に力があり体が大きい方が有利にコントロールできるように、体格差を考慮するためのものとなっています。

ダメージ・ボーナスは6版と7版にありますが、マイナス分が異なります。ビルドは7版のみの属性で戦闘マヌーバ(6版でいう組付き)に使用します。
ダメージボーナスとビルドの算出

ピーターはSTR65、SIZ75です。この合計値は140であり、そこからダメージ・ボーナス(DB)とビルドを算出するとDBは+1D4、ビルドは1でした。ちょっと小さい相手であれば戦闘を有利に進めることができそうです。

耐久力を計算する

耐久力は探索者の肉体的な打たれ強さを表します。0になってもすぐ死亡するわけではありませんが意識不明になります。この属性はCONとSIZから算出しますが、もともとの能力値の大きさが6版と7版では異なるため計算式が若干変わります。ただ、算出される数値は同じです。単純に耐久力が高ければそれだけダメージを受けても動けるので死ににくくなります。クトゥルフ神話TRPGでは積極的に戦闘をする必要がないものですが、降りかかる火の粉は払う必要があるので耐久力の高さは重要になります。

  • 6版 ・・・ CON+SIZの1/2
  • 7版 ・・・ CON+SIZの1/10

ピーターはCON75、SIZ75を持っています。その合計値は150であり、これを10で割ると15になります。つまり彼の耐久力は15ということになります。比較的長い間行動ができそうです。

正気度ポイント(SAN値)を算出する

正気度ポイント(SAN値)とはクトゥルフ神話TRPGにおいて特に重要な指標であり、探索者の精神状態を表します。探索者は正気度ポイントの失い方次第で発狂してしまいます。この属性はPOWを元に算出されますが、7版では能力値として先に5倍してあるため、そのまままの値を使います。6版ではPOWの値を5倍にしたものが初期の正気度ポイントになります。クトゥルフの中では正気度は一番重要と言っても過言ではありません。SANチェックにおいては最大値ではなく現在の正気度を元に成否を判定するため、減少していくごとにSANチェックの成功率は低下していきます。正気度が0になってしまうと心が崩壊してしまいます。

  • 6版のSAN値 ・・・ POW×5
  • 7版の正気度ポイント ・・・ POWの値

次は正気度を計算しますが、POWは50でした。探索者誕生時の正気度が50なので、シナリオでの一番最初の正気度ロールは50%の確率失敗します。

マジック・ポイントを算出する

マジック・ポイントは探索者が呪文使用する際に必要なポイントです。探索者が呪文を覚えて使用するか、誰かの呪文に協力をする事がなければ使用することはほぼないでしょう。マジックポイントもPOWから算出されますが、6版はPOWと同値で、7版はPOWの1/5になります。算出されるマジック・ポイントは同じ値です。

  • 6版 ・・・ POWの値
  • 7版 ・・・ POWの1/5

呪文はすぐに使えるというものではありませんが、マジックポイントを算出しておく必要があります。ピーターのPOWは50であったため、マジックポイントはその1/5になるので10ということになります。今後呪文を修得できたらこのポイントが消費されていきます。

MOV(移動率)を算出する

MOV(移動率)は探索者が1ラウンド=12秒の間に最大どれだけ移動できるかを計算するための指標です。実際に移動できる距離はMOVの5倍(m)です。6版ではすべての人は同じ速さで移動しますが、7版になるとSIZとSTR・DEXのバランスと年齢の影響を受けます。これは筋力や敏捷性を上回るほど大柄であれば動きは鈍くなり、逆に筋力と敏捷力が体格を上回ると体のキレが良くなることを表しています。また年齢による体力の衰えも影響するようになっています。6版に適用するならMOVは8です。MOVはチェイスにおいて重要な指標となります。

移動率

7版であれば探索者の能力値や年齢がMOVに影響します。ピーターは32歳でSTR65、SIZ75、DEX50です。この値をもとに算出すると、STRとDEXの両方がSIZより小さいため、MOVが-1されます。その結果MOVが7になり、体格が大きいためダッシュするのが苦手ということがわかりました。MOV8以上であれば全力移動中に狙われても狙う側がペナルティダイスを受け取ることになりますが、ピーターは7なのでいい的になると言えます。

職業を決定する

いつの時代であっても探索者はなにかの仕事ないし肩書きを持っています。仕事や肩書きのことを職業と表現しており、キャラクター作成には必須の項目です。職業はそのキャラクターの持つ知識や経験が8つの「職業技能」という形で表されており、キャラクターの個性に繋がっています。また年収や財産といった経済能力や消費行動とも関連しており、経済力のあるキャラクターであればお金を使うロールプレイでも苦労をせずに済むでしょう。

職業の選び方はキーパーが認める範囲であれば自由であり、紐づく技能も自由に設定する事ができます。またシナリオに合わせて技能の推奨があるのであれば、その技能を持つ職業を選ぶこともあります。

一般的な職業選びのポイントは以下の通りです。

  • 探索者のイメージから決める
  • 職業技能ポイント算出の際に秀でた能力値を活かせるものを選ぶ
  • 紐づいている技能から選ぶ

それでも選べないのであれば職業サンプルをじっくりと見て惹かれるものを選ぶと良いでしょう。

職業は兵士にしました。足が遅いので格好の的になる可能性が高いですが、打たれ強さには自信があるということ、また戦うことであれば能力も活かせるのではと考えました。

技能ポイントを分配する

探索者はそれまでの人生で得た教養や経験を職業技能ポイントとして保有しています。また個人的な趣味としてのポイントも持っており、すべてのポイントを技能に割り振る必要があります。技能の分配方法には特に決まりがないのでプレイヤーが好きなように分配しても問題ありません。

職業技能ポイントを割り振る

職業が決定するとその職業に関連した技能が8つ紐づいています。なかには任意で選択する必要があるものもあるので、職業内容を加味して選びましょう。任意で選ぶ技能にも制限があったほうが良いこともあります。例えばアスリートには任意の技能を1つだけ選ぶ事ができますが、「鍵開け」では職業からかけ離れているためキーパーに技能が身に付いている背景設定を話さなければいけないかもしれません。

7版では職業技能ポイントの計算式は職業ごとに違ってくるため、職業を決定した後計算する必要があります。下記の表を元に能力値を修正して最終的な職業技能ポイントを算出します。6版の場合は「EDU×20」で算出されます。
加齢とEDUの修正
EDUチェックは現在のEDUを目標値に1D100をロールして、目標値以上であればEDUが1D10ポイント増加します。

職業技能ポイントの算出は6版であれば「EDU×20」と簡単に算出されますが、7版であった場合は職業により適正のある能力値が変わるほか、年齢による修正もあります。

算出された職業技能ポイントを保有している技能および「信用」に好きなだけ分配し、その技能の基礎値を加算したものが技能の成功率となります。例えば近接戦闘(格闘)は基礎値が25%あり、この技能にポイントを60分配すると近接戦闘(格闘)の技能は85%になります。このポイントは残しておく必要はありませんが、7版を使用する場合は全てを8つの技能だけに振り分けるのではなく、ある程度は「信用」に分けておいた方が良いです。

兵士の職業技能ポイントはEDU×2+DEX×2またはEDU×2+STR×2から計算しますが、STRの方ははるかに高いためEDU×2+STR×2で職業技能ポイントを計算します。STR65、EDU70なのでポイントは270でした。兵士の職業技能は隠密・回避・近接戦闘・サバイバル・射撃・水泳または登攀・次の中から2つ(応急手当て・機械修理・ほかの言語)、信用9~30%なので、選択できる技能を決定する必要があります。ピーターは隠密・回避・近接戦闘(格闘)・サバイバル(山)・射撃(ライフル)・登攀・応急手当て・機械修理の8つにしました。
ポイントの割り振りには経済的困窮はさせたいので最大限の30%を維持したいと考え、ポイントを30先に分配しました。残りの240を8つの技能に分配したところ、隠密60%(40分配)、回避55%(30分配)、近接格闘75%(50分配)、サバイバル40%(30分配)、射撃75%(50分配)、登攀30%(10分配)、応急手当40%(10分配)、機械修理30%(20分配)でした。

個人的な興味のポイントを割り振る

探索者は職業と関係なく個人的な趣味を持っており、その経験としてポイントを持っています。このポイントは使用に対して制限がなく、職業技能と全く関係ないものを選んでも良いし、職業技能に追加しても構いません。個人的な興味のポイントは6版であれば「INT×10」で、7版であれば「INT×2」です。7版はすでにINTが5倍になっているため実際の値は同じです。

次に個人的な趣味のポイントを決めますが、INTは50なのでポイントは2倍して100でした。学生時代に物理と化学が好きだったことや、その知識をもとに思いつきでモノ作りしていたことから「科学(化学)」「科学(物理学)」「電気修理」に分配することにしました。そこで技能は科学(化学)46%(45分配)、科学(物理学)41%(40分配)、電気修理25%(15分配)になりました。

「信用」

信用は6版と7版では大きく異なっています。6版では人に信用させる技能であり、7版では人を経済的な裕福さと経済力に自信があるように見えるかの目安で経済力を使い目的を達成する場合に使います。そのため初期値も6版では15ですが7版では0です。

7版においてはキャラクター作成時にある程度技能ポイントを割り振らなければ、経済的に困窮している探索者になってしまいます。この時に割り振りが可能な上限と下限(最低必要ポイント)があるのでその範囲内でポイント割り振ってください。

信用生活水準
0無一文
1~9貧乏
10~49平均
50~89裕福
90~98富豪
99大富豪

信用には30%のポイントを分配ています。生活水準だけを考えれば10%も30%も同じ平均の水準に分類されますが、最大値の30%にすることで、「決して裕福ではないけれど良いものにはお金を惜しまない」タイプと勝手に決めました。

バックストーリーを創造する

キャラシのバックストーリー
バックストーリーは探索者を魅力的な存在にするために決定する必要があります。バックストーリーとして必要な項目は7版では「容姿の描写」「イデオロギー/信念」「重要な人々」「意味のある場所」「秘蔵の品」「特徴」「キー・コネクション」があります。6版では「家族&友達」「負傷」「傷跡」があります。キャラクターシート作成時にすべてを決定する必要はありませんが、設定が細かければ細かいほど探索者が生き生きしてきます。

バックストーリーを創造することは次のようなプレイ上のメリットがあります。

  • 探索者が世界とどのように関わってきたか(生きてきたか)がキーパーや他プレイヤーに知らしめる事ができる。
  • 成長フェイズで正気度ポイントを得るきっかけになる。(自己精神療法に必要)
  • 正気度損失やクトゥルフ神話の知識増加による心の穢れが発生した時に活用される。

容姿の描写を決める

探索者はAPPを持っており、そのAPPは客観的にどう評価されるかを決めます。例えばAPPが90(6版で18)と高いものを持っていてもロールプレイでは「APPが90で〜というよりも、「すれ違う人の全員が振り返るほどの魅力的で〜」と表現した方がTRPG的にも正解です。負傷などの傷が外見的な特徴になるのであれば別のバックストーリーの「負傷、傷跡」に記載します。

副業感覚で立ち絵を描いてお金を稼ぐには
立ち絵を描く人が得意という方であれば、イラストを販売することもできます。SKIMAに登録すると出品できる他、描いて欲しいイラストの依頼が来ることもあります。副業感覚で始めることができ、無料登録できるので是非とも登録することをお勧めします。

APPは60なので良くも悪くも際立った外見ではありません。突き抜けた個性もないので清潔感のある感じにしました。生活水準も平均ではあるものの良いものにはお金を惜しまないタイプにしたので割とオシャレです。

イデオロギー/信念を決める

イデオロギーとは人間の行動を左右する根本的な物の考え方で宗教や思想を表します。時代設定次第では政治思想の方が理解できるかもしれません。神を信じる、神は信じず科学を信じる、お金こそ全て、男女は平等であるといったものが該当します。この項目が設定されている場合、判断に迷った時の指針として使う事ができます。6版ではイデオロギーはありませんが、決めておくとどのような考え方をしているかキャラの肉付けに役立ちます。

イデオロギー/信念は兵士になった背景にしたいと思い、「社会には根絶すべき悪がある」というものにしました。ピーターにとって悪とはアメリカの自由と民主主義に対する脅威であり、脅威から国や家族を守るために兵士になった、としました。

重要な人々を決める

重要な人々は探索者にとって関わりの深い存在のことです。決め方としては探索者の関係性(配偶者・親戚・友人など)を決めるところから始めます。この関係性は探索者が一方的に知っている場合(相手が有名人など)でも構いません。そして、その人物に名前をつけます。そこから実際にどのような関係なのかを決めると良いでしょう。重要な人々というとプラスの関係と思いがちですが、加害者と被害者の関係であったりした場合はマイナスの関係にもなり得ます。探索者が重要な人に酷い仕打ちをしていて場合、贖罪を考えているかもしれません。6版では家族や友人にあたるでしょう。

重要な人々は家族思いなので「両親」にしました。この両親は子供に十分な愛情を与えて育ててきました。

意味のある場所を決める

意味のある場所とは探索者がこれまで生きてきた中で影響を与えてきた場所のことです。幼少期に暮らした思い出の場所であったり、強い決断をした場所、青春時代を過ごした校舎、日常的な自分のデスクなど様々です。この場所があると狂気から正気に戻った時にここにたり、自己精神療法の療養地にしたりと活用できます。6版にはありませんが、探索者の過去を掘り下げる時に役に立ちます。

意味のある場所は両親が暮らす家です。カンザスの田舎にあり、静かに生活ができるところにあります。幼少期から兵役に着くまでそこで生活しており、人格形成にも大きく影響しています。

秘蔵の品を決める

秘蔵の品とは探索者が大事にしている物のことです。その価値は探索者にとってはかけがえのないものですが、一般的には価値があるとは限りません。仕事に使うものや思い出の品、誰かの形見など様々です。狂気の発作が起きた時に無くしている可能性もあります。

秘蔵の品は思い入れのあるものにしたいということから、仲間の兵士からもらったZIPPOのライターにしました。このライターはお守りになるという冗談から渡したあと仲間の兵士は命を落としており、ピーターはお守り代わりに持ち歩いています。

特徴を決める

特徴とは探索者が持つ性格や人間的魅力を表します。明るい性格・夢想家・小蝿がよく止まる・ウィンクができない・背筋が鬼の形相に見えるなど、独特の設定をするときはこの項目を手厚くします。この項目を決める時に「客観的にこう見える」という風に考えると決めやすいです。

特に能力値とは関係なくてもいいので性格は明るく社交的、集中すると周りが見えなくなってしまう、としました。また良いものにはお金を使うタイプであるため新しい情報に敏感、ということにもしました。休みの日にはなにか便利なものをつくったりしており、部屋は雑然としているものの、外出時はオシャレに気を使うようにしているという面も追加しました。

キー・コネクションを決める

キー・コネクションとは探索書の人生に一番影響を与えたもののことを指します。これまで設定したバックボーンの中から一つ選び、わかるようにしておきます。キー・コネクション自体はプレイヤーよりはキーパーが活用する要素で、キー・コネクションがプレイ中に失われれば探索者は正気度を失うほどのショックを受けます。なお、6版ではこのあたりは設定する必要がありませんが、独自のキャンペーンを展開するキーパーであればキーコネクションを絡めたシナリオの当て書きをしてくれるかもしれません。

これまで決定したバックストーリーからキー・コネクションは両親にしました。愛情を受けて育ってきたため、プレイ中に両親が亡くなることがあればきっと正気を失うと考えました。

探索者の装備を決定する

探索者はキャラクターシート作成時にどのようなものを持っているかを決める必要があります。ただなんでも持って良いというものではなく、探索者の年収や財産といった資産を決める必要があります。この項目についてはキーパーやシナリオによっては一切必要がないこともあります。

年収を決める

7版では信用に技能ポイントを割り振ることで生活水準を決める事ができましたが、6版では生活水準を決めるためにも3D6をロールして年収を決める必要があります。
6版年収決定表

装備品を決定する

探索者が当たり前のように持っているものであれば特に決める必要はありません。例えばアスリートが脱穀機を持っているように職業によっては所持していることがおかしいと思われるものはキーパーと相談して記載しておいたほうが良いでしょう。武器に該当するものを所持している場合は記載しておきます。

装備品については拳銃と自転車、自動車、携帯電話は持っているだろうとしてキーパーに伝えました。また物作りが好きなので工具類も所持していることにしました。

オプションルール

キャラクターシート作成時に思ったような能力値を得る事ができなかった場合は別の方法で探索者を創造することも可能です。ただし、プレイヤーが勝手にするのではなくすべてキーパーと相談して作り直しを行います。オプションルールは以下のものがありますが、ダイスロールの楽しさを考えるとやり直しが良いです。キーパーがNPCを作る場合は早撃ち法を使うのも便利です。

  • やり直し・・・全て廃棄してあらためてロールする
  • 低いロールを修正する・・・10以下が3つ以上ある場合は最も低い値に+1D6を追加する
  • ロール結果を当てはめる能力を選ぶ・・・ロールによる結果の値を任意の能力と入れ替える
  • 能力を分配する・・・能力値平均の合計値を任意に分配する
  • 早撃ち法を使う・・・決めてある値を能力値に当てはめていく
  • 頂点を極める・・・能力値の最大値を取れるように値を追加する

キャラクター能力一括ロール

探索者の能力値を一括で算出するウェブダイス機能です。6版・7版の値で同じダイスロールでは同じ値が出ますが、SIZや幸運など違いがあるものについてはそれぞれのロールが行われています。

能力値6版7版1/2(ハード)1/5(イクストリーム)
STR
CON
SIZ
DEX
APP
INT
POW
EDU
幸運値
ダメージ・ボーナス
ビルド
耐久力
MOV8
正気度ポイント(SAN値)
マジック・ポイント

個別のダイスロールで細かくキャラを作成したい場合はこちら

このダイスツールは「Chaosium Inc.」「株式会社アークライト」「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』『新クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
©Chaosium Inc./アークライト/KADOKAWA

まとめ

いかがでしたか?キャラクターシートを作成するのも時間がかかりますが、探索者に命を吹き込む作業としては楽しいものがあり、プレイをしなくても十分に遊ぶ事ができます。能力値はゲーム進行上判定が関係するため重要ではありますが、バックボーンをしっかり作り上げることこそ狂気を楽しむクトゥルフでのロールプレイでは重要になります。周囲がびっくりするぐらいの背景の作り込みをしてみましょう。

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