クレリックの欺きの領域とは?|秩序に反抗する聖職者のスタイル
ダンジョンズ&ドラゴンズでは数多くの神が存在し、その中には欺きの神も存在します。欺きの神を信仰するクレリックも存在し実際にプレイすることも可能です。今回はわかりやすいように「欺きの領域」について解説します。
欺きの領域とは
欺きの領域に影響を及ぼす神々はいたずらものや厄介者ばかりで、「秩序」に対する挑戦をしています。主に泥棒や無頼感、博打うち、反乱者、解放者の守り神です。この神々を崇めるクレリックは世界をかき回し、暴君を嘲笑い、富者から財を奪い、囚人を解放し、無意味な伝統を笑うような聖職者です。悪人が多く信仰しているように思われますが、神々の属性にはタイモーラのような善の神も存在します。ただし、ほとんどは「混沌」であり、「秩序」の属性を持つ神はいません。
この領域には以下の神々が影響を及ぼします。
フォーゴトン・レルムの神々 | シアリック(嘘の神)、シャー(闇と喪失の女神)、タイモーラ(幸運の女神)、ベシャバ(不運の女神)、マスク(盗賊の神)、ワキーン(交易の女神) |
グレイホークの神々 | オリダマラ(享楽の神)、タリズダン(永遠なる闇の神)、ファラングン(地平線と旅の神)、ラリシャズ(不運と狂気の神) |
ドラゴンランスの神々 | シナーレ(富と交易の女神)、ヒドゥケル(嘘と欲望の神) |
エベロンの神々 | オラドラ(幸運の女神)、コル・コラン(交易と富の神)、トラヴェラー(混沌と変化の神)、地下竜教団(狂気の神々) |
ヒューマン以外の神々 | “きらめく黄金の”ガール(ノームの悪戯とペテンの神)、ティアマト(悪しきドラゴンの女神)、ロルス(ドウラの蜘蛛の女神) |
欺きの領域の特徴
欺きの領域はできるだけ直接対峙することは避けるよう、こまかし、だますことに長けています。信仰による恩恵も幻影を作り出したりや隠密行動をしやすくします。
領域の特徴 | レベル | 効果 |
---|---|---|
トリックスターの祝福 | 1 | 自分のアクション時に自分以外のだれかに敏捷力・隠密判定に「有利」を与える。 |
神性伝導:二重存在 | 2 | 完璧な自分の幻影を一体生み出す。 |
神性伝導:影の衣 | 6 | 不可視状態になることができる。 |
信仰を込めた打撃 | 8 | 武器攻撃がヒットした時に追加で毒ダメージを与える。 |
多重存在 | 17 | 完璧な自分の幻影を4体生み出すことができる。 |
欺きの領域呪文
欺きの領域を信仰するクレリックは通常のクレリック呪文以外の特定の呪文をクレリック呪文として使用することができます。欺きの領域の場合、ウィザード呪文の心術「チャーム・パースン」や「ドミネイト・パースン」、幻術の「ディスガイズ・セルフ」「ミラー・イメージ」などがあります。
クレリック・レベル | 呪文 |
---|---|
1 | チャーム・パースン、ディスガイズ・セルフ |
3 | パス・ウィズアウト・トレイス、ミラー・イメージ |
5 | ディスペル・マジック、ブリンク |
7 | ディメンジョン・ドア、ポリモーフ |
9 | ドミネイト・パースン、モディファイ・メモリー |
特に「ミラー・イメージ」や「ブリンク」は自分が攻撃対象になる機会を減らすことができます。
ここがスゴイ!欺きの領域
欺きの領域は泥棒や無頼感などが信仰するため、その特徴も敵を欺くようなものや隠密活動を補助する効果があるものが多いです。「二重存在」は呪文の起点になる他、近くに配置すれば攻撃に有利を得るので攻撃も当てやすくなります。
「トリックスターの祝福」
欺きの領域を信仰し始めるとすぐに「トリックスターの祝福」が使えるようになります。これは祝福に同意する一体の生物に触れて祝福することでその対象の「敏捷力」隠密判定に有利をつけることができます。この祝福は自分には使うことができないため他の人に使うことになりますが、重装鎧を身につけている仲間に対して使用することで、重装鎧による不利を打ち消すことも可能です。この祝福は再度使用するか1時経過するまで効果が持続します。
隠密行動を得意とするローグと相性が良く、急所攻撃をする前の隠密に有利を与えることは大きなアドバンテージとなります。
「二重存在」「多重存在」で相手を欺く
2レベルになると神性伝導として「二重存在」を使用することができます。二重存在とは完璧に自分と同じ幻影を生み出し、30フィートまでならボーナス・アクションで移動させることが可能で、1分間(5ラウンド)もしくは精神集中が切れるまで持続させることができます。
この幻影は幻影自身が呪文を使ったようにみせて発動の起点にするほか、本体と一緒に5フィート以内にいて両方を見ることができる敵への攻撃に「有利」を得ることができます。ただし、他の精神集中を要する呪文を使用した場合は精神集中が途切れるため発動後に幻影は消滅します。この幻影は「ミラー・イメージ」のように真似をしながら入れ替わるようなものではありませんが、精巧な幻影が動くことにより注意を乱されるため、並んで存在する限り攻撃に「有利」がつきます。また、戦闘に使うだけではなく見張りを誘き寄せたり、そこにいるように振る舞うこともできます。
17レベルになると幻影の数が4体に増える「多重存在」が使えるようになります。基本的には数が増えるだけなのですが、ボーナスアクションでは任意の数だけ移動させることができます。
幻影は呪文の起点になりますが、幻影の知覚を共有できないためクレリックの位置から見えない相手をターゲットにすることはできません。また幻影は武器攻撃ができないため呪文でしか攻撃できませんが、「インフリクト・ウーンズ」のような高いダメージを与える近接呪文攻撃は可能です。5フィート以内に本体と幻影が共存すれば攻撃に有利を得ることができるので、強力な呪文攻撃も狙いやすくなります。また離れたところにいる仲間に「キュア・ウーンズ」をかけたいのに自分が動くと機会攻撃を誘発する場合などは幻影を移動させて幻影を起点に投射するということも可能です。
「影の衣」で存在を消す
レベルが6になると神性伝導で「影の衣」が使用できるようになり、アクションを用いることで次のターン終了まで不可視状態になることができます。不可視状態で攻撃や呪文をすると不可視状態は解除されますが攻撃に「有利」を得ます。不可視状態になると狙われた時に相手に「不利」を与えることができるので、狙われて危険な時でも効果的に使うことができます。
「信仰を込めた打撃」で追加ダメージ
レベル8以上になるとクレリックの攻撃には「信仰を込めた打撃」が身につき、攻撃がヒットすると打撃に「毒」ダメージを追加することができます。ただクレリックと相性が良いアンデッドは毒に対する完全耐性を持つため、この追加ダメージが効力を発揮するのは生物と戦う時になります。
まとめ
いかがでしたか?欺きの領域はアウトローが信仰する領域であり、その活動を支援しています。ただ信仰するもの全てが犯罪者というわけではなく「秩序」に対して反対している人も多くいます。個人主義が強いクレリックであれば欺きの領域を信仰してもおかしくはありません。戦い方は惑わしたり幻を見せたりするなど「有利」を得る状況を作り、「ミラー・イメージ」や「ブリンク」を使い自分が攻撃される機会を減らして戦いましょう。