D&Dウォーロックのロールプレイ方法|契約者の力を引き出し妖術を操るクラス

D&Dで呪文を操るクラスはたくさんありますが、近接戦闘もこなしながら呪文を使うクラスではウォーロックがあります。ウォーロックを楽しむためにはウィザードやソーサラーとの違いを理解しておく必要があります。そこで初心者にもわかりやすいウォーロックのロールプレイ方法を解説します。

ウォーロックとは

ウォーロック
D&Dのウォーロックはプレイヤーズハンドブックにあるクラスで、この世の存在ではない何かと契約することで力を得ることができます。この契約相手は魔界のものであったり上位の妖精であったりとさまざまであり、契約によってウォーロックが得ることができる力が変わります。ウォーロックは契約によりウォーロック呪文を習得することができ、それとは別に呪文のような効果がある妖術を使うこともできます。

初心者にはちょっと難しいけどおすすめの理由

ウォーロックはウィザードのように後方に控えて強力な呪文を使うようなクラスではありません。前衛職と一緒に武器を振りながら呪文を唱えるというアクティブなクラスです。ただ打たれ強いわけではないの考えながら戦うことは必要ですが、かっこいいロールプレイが可能です。また「契約の恩恵」や修得した妖術、呪文によってプレイスタイルも変わるため、いろいろ立ち回りたいプレイヤーにおすすめです。

契約により与えられた魔力を使うウォーロック呪文

ウィザード呪文の「ファイアーボール」のように広範囲で大ダメージを与える呪文はありませんが、妖術で応用が効く「エルドリッチ・ブラスト」、呪いで追加ダメージを与えやすくする「ヘクス」、戦闘時に自分を守るのに使える「アーマー・オブ・アガデュス」と「へリッシュ・リビューク」といったウォーロック専用の呪文もあります。

習得できる呪文数はウォーロック・レベルによって決まっている。

強力な魔術を使いながら近接戦闘もこなす

ヘクスブレード
ウォーロックは軽装鎧と単純武器に習熟を持っているため、近接戦闘を多少こなすことができます。ただし、戦士やバーバリアンのように強敵と正面切って戦うのではなく、呪文を活用して有利に戦う戦闘スタイルになります。

ヒットポイントは【1d8+耐久力修正値】。
ウォーロックレベルが上がる毎に【1d8+耐久力修正値】追加。ロールせず固定の場合は【5+耐久力修正値】。

呪文とは異なる「妖術」が使える

ウォーロックは契約することで「妖術」を使うことが可能になります。「妖術」は特殊な能力を発揮するものや呪文効果と同等のものを回数無制限で使用できたりするもの、特定呪文を強化するものなどさまざまです。呪文同様、修得できる数が決まっているので自分のプレイスタイルにあったものを選ぶことが重要です。以下のものは妖術と契約条件を表します。条件が無いものは空白です。

  • 悪魔の眼
  • 命取りの剣・・・12レベル、剣の契約
  • 運盗む五ツ星
  • 恐ろしき言葉・・・7レベル
  • おぼろな幻
  • 怪跳躍・・・9レベル
  • 影なる者・・・5レベル
  • 影の鎧
  • カルケリの鎖・・・15レベル、鎖の契約
  • 感覚共有
  • 凶兆の印・・・5レベル
  • 拒絶の怪光線・・・エルドリッチ・ブラスト修得
  • 鎖持つ者の声・・・鎖の契約
  • 苦悶の怪光線・・・エルドリッチ・ブラスト修得
  • 獣の言葉
  • 巧言令色
  • 混沌のしもべ・・・9レベル
  • 精神の沼地・・・5レベル
  • 千変万化・・・15レベル
  • 血に飢えた剣・・・5レベル、剣の契約
  • 長距離怪光線・・・エルドリッチ・ブラスト修得
  • 遠見の目・・・15レベル
  • 肉体変容・・・7レベル
  • 登りゆく歩み・・・9レベル
  • 墓場のささやき・・・9レベル
  • 百面相
  • 古き秘密の書・・・書の契約
  • 魔女の目・・・15レベル
  • 惑わすささやき・・・7レベル
  • 魔物の生命力
  • 魔力の目
  • ルーンの守人の目
  • 妖しの一撃*・・・5レベル、剣の契約
  • 永遠に生きるものの恩寵*・・・鎖の契約
  • 影衣*・・・15レベル
  • 観月*・・・書の契約
  • 狂おしき呪い*・・・5レベル、ヘクス修得または呪いを与えるウォーロックの特徴
  • 契約武器強化*・・・剣の契約
  • 倦怠の槍*・・・エルドリッチ・ブラスト修得
  • 付きまとう呪い*・・・7レベル、ヘクス修得または呪いを与えるウォーロックの特徴
  • トリックスターの脱出術*・・・7レベル
  • 蠅の衣*・・・5レベル
  • ハダルの捕縛*・・・エルドリッチ・ブラスト修得
  • 深きものの恩寵*・・・5レベル
  • 幽冥の眼*・・・7レベル
  • レヴィストゥスの氷棺*・・・5レベル
  • 護符の絆**/Bond of the Talisman・・・12レベル、護符の契約
  • 妖しの心**/Eldritch Mind
  • 遠くの書記官**/Far Scribe・・・5レベル、書の契約
  • 守護者の贈り物**/Gift of the Protectors・・・9レベル、書の契約
  • 鎖の達人の任命**/investment of the Chain Master・・・鎖の契約
  • 護符の守り**/Protection of the Talisman・・・7レベル、護符の契約
  • 護符の怨言**/Rebuke of the Talisman・・・護符の契約
  • 不死の隷属**/Undying Servitude・・・5レベル

*ザナサーの百科全書で追加された妖術
**ターシャの万能釜で追加された妖術

妖術の習得数はウォーロックレベルによって決まっている。

妖術の汎用性/Eldritch Versatility(オプションルール)

ターシャの万能釜によって追加されたオプションルールで、4レベルで能力値が上がるレベルに到達した時に以下の内容を行うことができる。

  • 初級呪文を1つ別の初級呪文と入れ替えることができる。
  • 契約者の恩恵を変更できる。
  • 12レベルになった時に「秘奥義」を別のものと変更できる。

なお契約者の恩恵の変更により妖術が合わなくなる場合は妖術を変更する必要があります。

この特徴はオプションルールのため適用するかはDMが決定します。

初級呪文は使い放題

ウォーロックは1レベルの時点で初級呪文を2つ取得しています。この初級呪文は準備する必要がなくスロットの残りと関係なく回数無制限で使用することができます。「エルドリッチ・ブラスト」はウォーロック呪文にしかない初級呪文で妖術による強化もあります。

  • エルドリッチ・ブラスト ・・・ 酸の泡を投げつける
  • チル・タッチ ・・・ ガイコツの手をしがみつかせてダメージを与える
  • トゥルー・ストライク ・・・ 次ターンの攻撃に有利を得る
  • ブレード・ウォード ・・・ 守りの護印を作り殴打・斬撃・刺突ダメージへの抵抗を得る
  • プレスティディジテイション ・・・ 奇術に使える演出ができる
  • フレンズ ・・・ 非敵対者に対しての魅了判定に有利を得る
  • ポイズン・スプレー ・・・ 手のひらから毒ガスを放つ
  • マイナー・イリュージョン ・・・ 1つの音か映像を作り出す
  • メイジ・ハンド ・・・ 空中に手を作り出し動かす
  • メンディング ・・・ 物体の傷の修理

また「ザナサーの百科全書」では次の初級呪文も追加されています。

  • インフェスティション ・・・ ダニ・ノミなど寄生生物を大量に発生させる
  • クリエイト・ボンファイアー ・・・ 焚き火を作りだす
  • サンダークラップ ・・・ 遠くまで聞こえる雷鳴が炸裂する
  • トゥルー・ザ・デッド ・・・ とむらいの鐘の音でダメージを与える
  • フロストバイト ・・・ 凍えるような霜で覆いダメージを与える
  • マジック・ストーン ・・・ 投擲する小石に魔力を吹き込む

また「ソードコースト冒険者ガイド」では次の呪文が追加されています。

  • グリーンフレーム・ブレード・・・近接武器攻撃命中時に2体目にむかって緑の炎が飛んでいく
  • ソード・バースト・・・術者の周囲5フィートに無数の刃が飛び交い薙ぎ払う
  • ブーミング・ブレイド・・・近接武器攻撃命中時に動いたらダメージを与える雷鳴を帯びさせる
  • ライトニング・ルアー・・・電撃の鞭で打ち据え引き寄せる。

また「ターシャの万能釜」では上記の4つ呪文のほかに次の呪文が追加されています。

  • Mind sliver・・・精神ダメージを与え、セーブしにくくする

初級呪文は呪文スロットがなくなった時の命綱。ダメージを与える魔法ばかりを選ぶのではなくバランスよく選ぶ方が良い。

秘奥義

レベル11で契約相手から秘奥義にあたる呪文の秘密を聞くことができます。秘奥義として使える6レベル以下の呪文を先に選んでおく必要があります。この秘奥義は呪文スロットを使わずに使用することができますが、一度使用すると大休憩を取るまで秘奥義を使用することができません。なおウォーロックレベルが上がると秘奥義として使える呪文の数も増えます。
 

ウォーロックレベル秘奥義で使える呪文のレベル
11ウォーロック呪文レベル6を一つ
13ウォーロック呪文レベル7を一つ
15ウォーロック呪文レベル8を一つ
17ウォーロック呪文レベル9を一つ

呪文復活

レベル20になると引き出せる神秘の力で契約した存在に1分間懇願すると消費済みの呪文スロットを全て回復させることができます。一度この特徴を使うと大休憩を取らない限り再び使うことはできません。

この世ならぬ契約相手

契約相手
ウォーロックが契約する相手はこの世の存在ではありません。神ではない存在ですが強力な力を持っておりウォーロックと契約することで力と知識を授けます。この契約相手には種類があり、契約相手によってウォーロックが授かる術が異なります。

サブクラス/この世ならぬ契約相手ルールブック説明
アーチフェイPHB定命のさまざまな種族が生まれるより以前からある忘れ去られた古い秘密を保つ存在であるフェイの貴族。
フィーンドPHB下方次元界の存在であり、万物の汚染や破壊を望む邪悪な存在。
グレート・オールド・ワンPHB古く濃密な知識を持つ異質で謎めいた存在。
セレスチャルXGE上方次元界にあり、また永遠なる至福の諸次元に住む存在。
ヘクスブレードXGEシャドウフェルの影の物質で作られた知性ある魔法武器。
ファゾムレス*(Fathomless)TCE深い海や別世界の海の計り知れない深淵の存在。
ジンニー*(Genie)TCE傲慢であり小さな神に匹敵する力を持つ魔神。
アンデッドVRGR死のない、または生死の流れに逆らう古代のアンデッド。
アンダイイングSCAG死を超越し永遠の生命の秘密を解き明かした存在。

契約相手選びは好みのスタイルで。特に良し悪しはないのでどのような特徴を得意とするウォーロックかを決めると選びやすい。

契約の恩恵

全ての契約相手に共通して与える恩恵は「鎖の契約」「剣の契約」「書の契約」の3タイプがあり、この中のどれか一つを選ぶことになります。この契約の恩恵は契約した相手の影響を受け、鎖の契約では使い魔のタイプ、剣の契約では武器の形状、書の契約では魔法の書物の装丁に違いが現れます。この契約の恩恵次第で前掛りで戦うか後方に控えて呪文で戦うか特色が出ます。

鎖の契約「ファインド・ファミリアー」を修得して使い魔を従えることができる。
剣の契約異次元空間から取り出せる「契約武器」を生み出すことができる。
書の契約契約者の書物を保持時に初級呪文を3つ修得できる。ウォーロック呪文以外からも選ぶことができる。
護符の契約/Pact of the Talisman契約者の護符やお守り装着時に能力判定にd4を追加ロールができる。※ターシャの万能釜で追加

ウォーロックに求める能力値

ウォーロックは呪文の成功に大きく関わる「魅力」が最優先です。次に近接戦闘で戦えうこともあるのでHPをあげるために「耐久力」のどちらかでしょう。

呪文発動能力値は習熟ボーナス+「魅力」修正値

おすすめのロールプレイ方法

ウォーロックは呪文や妖術を使うほか、近接戦闘で立ち回ることも可能です。ただし、戦闘向けの特徴が豊富というわけでもないので呪文と妖術を駆使してからの近接戦闘という流れになります。もちろん使える呪文の「効果範囲」「射程」「効果時間」「ダメージ」は把握しておく必要があります。

戦闘時

ウォーロックは呪文や妖術で自分を強化したり、相手を弱体化させていないければ近接戦闘で危険な目に遭います。ある意味「強化」と「弱体」が前で戦う場合のウォーロックの生命線とも言えます。

  1. ポジショニング ・・・ 強敵であれば一人で戦わないように前衛のサポートができるポジション取りになります。遠距離武器の習熟がないので適度に前に出ながら戦うことになります。初級呪文で遠距離で使える「エルドリッチ・ブラスト」も妖術で強化しているのであれば距離を空けて戦うことも可能。
  2. アクション ・・・呪文や妖術で自己強化や相手を弱体化させたのち武器で攻撃を行う。
  3. ボーナスアクション ・・・「ヘクス」などボーナスアクションで使用できる呪文や「ヘクスブレードの呪い」のような妖術が使えるのであれば状況に応じて使用。
  4. リアクション ・・・ 地獄の炎で反撃する「ヘリッシュ・リビューク」やグレート・オールド・ワンとの契約で使える「エントロピーの守り」などのほか、待機させた呪文や行動を発動させる。

ウォーロックはウィザードのような直接大ダメージを与える呪文が多くはないので、強化や弱体を上手に使って立ち回る必要があります。「エルドリッチ・ブラスト」と「ヘクス」「へリッシュ・リビューク」あたりは是非とも修得していおきたい呪文です。

ウォーロックに限らず魔法職で難しいのはいつ呪文スロットを使うかというものがあります。スロットを全て使い切ったら初級呪文でやり過ごすしかありませんし、大事にとっておいたら使うタイミングすら見失う場合もあります。呪文スロットを残してしまうとなぜか勿体なかった・・・という気持ちになるので、バランスよく使うことが大切です。
ただ呪文効果があり回数無制限の妖術もいくつかあるので、自分のプレイスタイルにあった妖術を選ぶことも大切でです。

非戦闘時

ウォーロックは知識と力を求める人物ですが決して孤高というものではありません。というのも多くのウォーロックは「魅力」が高く、人と接することで能力を発揮することも多いです。「威圧」や「ペテン」といった魅力を最大限に活かすことができるスキルもあるので交渉の場面でも活躍します。

まとめ

いかがでしたでしょうか?ウォーロックは呪文と武器を使いたいプレイヤーにぴったりのクラスと言えます。直接的な戦闘スキルこそないものの、呪文と妖術で絡めることで十分なダメージを与える立ち回りは可能になります。パーティーでの戦闘を優位にする立ち回りもできるので、是非ともウォーロックのロールプレイを楽しみましょう。
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