D&D初心者向け基本的なクレリックのロールプレイ方法
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ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)を遊ぶときに魔法を使ってみたいという事もよくあり、ファイター以外の職業を選ぶ人も少なくありません。またみんなに貢献したい考える人もいるでしょう。そんな優しい人にはクレリックがお勧めです。このクラスはベーシックルールブックにもある基本的なものなので、ロールプレイのポイントを理解すれば楽しく遊ぶことができます。
クレリックとは
よくあるロールプレイングゲームで「そうりょ」「プリースト」「神官」といった職業がありますがクレリックも同様で、回復や防御の呪文を使いパーティーを支えるクラスです。クレリックは「聖職者」という意味で、宗教上の聖職に就いている人や (宗教的に)人々を導き、教える役割を果たしている人のことを言います。D&Dのクレリックは神に支えており、信仰する神の影響力の範囲から力を授かり、呪文や特徴として使用しています。ただ、武器を構えてぶん殴る近接戦闘も得意とするものもいるので、回復のみというわけではありません。
クレリックをおすすめする理由
クレリックはD&Dのベーシックルールからあるクラスですが、呪文がある分ファイターより複雑さ(覚えること)が増します。ただ最初からある職業ではファイターの次に死ににくいクラスと言えるでしょう。また神性な力によってできる神性伝導は非現実的なものであるため、ファンタジーの世界に浸かりたい人にも向いています。
信仰する領域は「ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第5版」に記載されています。選んだ領域によってはクレリックの戦い方も変わってくるので幅広いプレイが可能です。
アンデットに無類の強さを誇る
数多のゲームにある聖職者と同様、アンデッドにはめっぽう強いです。どちらかというとD&Dが後続のゲームに影響を与えています。2レベルになると「ターン・アンデッド」が使えるようになります。「ターンアンデッド」はクレリックから10m範囲で有効で、聖印をかざし祈りの言葉を発することで範囲内のアンデッド全てを追い払うまたは破壊することが可能になります。
「ターン・アンデッド」はアンデッド側で判断力セービングスローが必要。セーブに失敗したアンデッドは退散する。高レベルのクレリックになればアンデッドを破壊することも可能。
前線でそこそこ戦えるヒットポイントと習熟を持つ
呪文職でありながらクレリックは中装鎧(場合によっては重装鎧)と盾に習熟ボーナスを得るので近接攻撃もある程度こなせます。高レベルになるとファイターなどとの差は大きくなりますが、多くの場合は十分に戦える戦力であり、攻撃補助としては十分に機能します。またヒットダイスも1d8なので決して打たれ弱いというわけではありません。
ヒットポイントは【1d8+耐久力修正値】。
クレリックレベルが上がる毎に【1d8+耐久力修正値】追加。ロールせず固定の場合は【5+耐久力修正値】。
ヒットポイントを回復できる
一番の魅力はヒットポイントの回復に長けていることでしょう。レベル1から使えるキュア・ウーンズは幾度となく人を救うことでしょう。回復だけではなく防御系の呪文にも優れているのでパーティ全体の生存率を高めることができます。また回復以外にも防御向きのものもあり、呪文スロットのレベルに応じたクレリック呪文を全て習得できます。なお実際に使うことができるのは準備をした呪文のみです。
準備できる呪文数は「判断力修正値+クレリックレベル」。
神様が助けてくれる「神性介入」
レベルが高くなると助けが必要な時に神様に助力を呼びかける「神性介入」をすることができます。呼びかけに答えた神による効果はDMが決定しますが、呪文と同じ効果が起きるというのが最もよくあるパターンです。
1d100でクレリックレベル以下であれば神性介入成功。効果はDMが決定。
神性な力の利用/Harness Divine Power(オプションルール)
ターシャの万能釜で追加されたオプションルールで、レベル2のクレリックは神性な力を呪文に注入することができます。ボーナスアクションで聖印に触れ祈ることで、習熟ボーナスの半分の呪文レベルで消費済みのスロットを1つ回復することができる。これは2レベルで1回、6レベルで2回、18レベルで3回使用できます。大休憩を取ることでこの特徴を回復します。
この特徴はオプションルールのため適用するかどうかはDMが決定します。神性伝導が少し使いにくい自然の領域や知識の領域などはこのオプションルールの方が良いかもしれません。
初級呪文は使い放題
クレリックは1レベルの時点で初級呪文を3つ取得しています。この初級呪文は準備する必要がなくスロットの残りと関係なく回数無制限で使用することができます。
- ガイダンス ・・・ 能力値判定にボーナス
- スペア・ザ・ダイイング ・・・ HP0で死んでいない対象を容体安定化させる
- セイクリッド・フレイム ・・・ 聖なる炎による遠隔攻撃
- ソーマタージ ・・・ 小さな不思議、超自然現象を発現
- メンディング ・・・ 物体の傷の修理
- ライト ・・・ 一つの物体から周囲を明るく照らす
- レジスタンス ・・・ セービングスローにボーナス
ザナサーの百科全書で以下の呪文が追加されています。
- トウル・ザ・デッド・・・悲しげな鐘の音で死霊ダメージを与える
- ワード・オヴ・レイディアンス・・・神々しい言葉で近くのものに光輝ダメージを与える。
初級呪文の汎用性/Cantrip Versatility(オプションルール)
ターシャの万能釜で追加されたオプションルールで、クレリックレベルが能力値が上がるレベルに到達した時にクレリック呪文の他の初級呪文と変更することができる。
この特徴はオプションルールのため適用するかどうかはDMが決定します。
信仰の領域とは
信仰の領域とはクレリックが崇める神の影響力の範囲で、所属している宗派または分派を表します。クレリックはこの信仰の領域から「神聖伝導」や「領域呪文」を実行することができます。また1レベルの時点から祝福や習熟追加があるので、どのようなプレイをしたいか?というイメージが領域の選択にも影響します。
領域 | 戦闘時に向いているポジション | 理由 |
---|---|---|
欺きの領域 | 前衛サポート〜中間 | 信仰を込めた打撃 |
嵐の領域 | 前衛 | 軍用武器・重装鎧装着可能・信仰を込めた打撃 |
戦の領域 | 前衛 | 軍用武器・重装鎧装着可能・信仰を込めた打撃 |
自然の領域 | 前衛サポート | 重装鎧装着可能・信仰を込めた打撃 |
生命の領域 | 前衛サポート | 重装鎧装着可能・信仰を込めた打撃 |
知識の領域 | 中間〜後衛 | 初級呪文ダメージ強化 |
光の領域 | 中間〜後衛 | 初級呪文ダメージ強化 |
鍛治の領域 | 前衛サポート | 重装鎧装着可能・信仰を込めた打撃 ※ザナサーの百科全書記載 |
墓場の領域 | 中間〜後衛 | 初級呪文ダメージ強化 ※ザナサーの百科全書記載 |
秘術の領域 | 中間〜後衛 | 初級呪文ダメージ強化 ※ソード・コースト冒険者ガイド記載 |
死の領域 | 前衛 | 軍用武器習熟・信仰を込めた打撃 |
秩序の領域* | 前衛 | 重装鎧装着可能・信仰を込めた打撃 ※ターシャの万能釜記載 |
平和の領域* | 中間〜後衛 | 初級呪文ダメージ強化 ※ターシャの万能釜記載 |
黄昏の領域* | 前衛 | 軍用武器・重装鎧装着可能・信仰を込めた打撃 ※ターシャの万能釜記載 |
運命の領域* | 中間〜後衛 | 初級呪文ダメージ強化 ※UA |
軍用武器・重装鎧を装着できる嵐・戦・黄昏の領域は序盤はファイターに近い戦力になります。自然・生命・鍛治の領域は重装鎧こそ装備できますが、ダメージを与えるという点では若干劣ります。知識・光・墓場・平和の領域は重装鎧が装備できず、「信仰を込めた打撃」も無いため相手が弱くないのであれば距離を置いておく方が良いでしょう。欺きの領域は自分を守るという点においては優れています。
信仰の領域一覧はこちら
領域特有の神性伝導
「ターン・アンデッド」のように全ての領域に使える神性伝導のほかに、その領域を領域を信仰していることクレリックにしか使うことができない「神性伝導」があります。この神性伝導は領域によって大いに異なるため、領域を選ぶ上でも参考になります。
領域 | 神性伝導 | 効果 |
---|---|---|
欺きの領域 | lv2.二重存在 | 複製の幻影を生み出す |
lv6.影の衣 | 姿を消す | |
嵐の領域 | lv2.破壊の怒り | 電撃または雷鳴ダメージで最大ダメージを与える |
戦の領域 | lv2.必中打撃 | 攻撃ロールに+10できる |
lv6.戦神の祝福 | 30フィート以内の誰かの攻撃ロールにリアクションを使い、ロールに+10できる | |
自然の領域 | lv2.動植物魅了 | 30フィート以内の見ることができる動植物を魅了する |
生命の領域 | lv2.生命保護 | 30フィート以内の任意の対象にクレリックレベル×5分のhpを回復する |
知識の領域 | lv2.万世の知識 | 一つの技能または道具に対して10分間の習熟を得る |
lv6.読心術 | 60フィート以内の一人の表層思考を読み取ることができる | |
光の領域 | lv2.曙光 | 30フィート以内の敵対する者すべてに光輝ダメージを与える |
鍛治の領域 | lv2.祝福の職人 | 1時間の儀式を通して単純なアイテムを作り出すことができる |
墓場の領域 | lv2.墓場への道 | 30フィート内の生物に呪いを与える。呪いは初めての攻撃で受けるすべてのダメージに対して脆弱性を持つ |
秘術の領域 | lv2.異世界クリーチャー退散 | 30フィート以内のエレメンタル・セレスチャル・フェイ・フィーンドの1体を退ける |
死の領域 | lv2.死の接触 | 近接攻撃の追加ダメージで5+クレリックレベル×2の合計の死霊ダメージを与える |
秩序の領域 | lv2.秩序の要請 | 30フィート以内の見聞きできるものを魅了する |
平和の領域 | lv2.平和の香膏 | 機会攻撃を発生させず移動ができ、近くを通った者のhpを回復できる |
黄昏の領域 | lv2.黄昏の聖域 | 30フィートの薄暗い聖域を作り、中の者に一時的hpを与えたり魅了・恐怖を終了させる |
運命の領域 | lv2.運命の鎖* | リアクションを使い周囲のロールに有利不利をつけることができる |
準備不要の領域呪文
全ての領域にはその領域であれば取得することができる呪文がいくつかあります。信仰の領域に関連する呪文のためクレリック呪文以外の呪文もあります。これらの呪文は通常の呪文と違い準備する必要はなく、常に充備してある状態です。また準備数にカウントもされません。なお、領域呪文は神性伝導やその他の特徴を活かせる呪文が揃っているので、クレリックの特色を表しています。
信仰を込めた打撃
ある程度クレリックレベルが上がると、信仰する領域次第では武器を使った打撃攻撃に+1d8の属性ダメージを与えることができます。属性ダメージは信仰に関係するものが多いですが、中には武器と同じというものもあります。多くの領域にある特徴なのですが、一部領域にはありません。
初級呪文ダメージ強化
ある程度クレリックレベルが上がると、「セイクリッド・フレイム」など初級呪文でダメージを与える時に追加で判断力の修正値が加算されます。信仰を込めた打撃が無い領域ではこちらの特徴が適用されます。「セイクリッド・フレイム」のダメージが1d8なのでウォーハンマーの武器ダメージと同等ですが、呪文の場合は能力値修正がつかないため与えるダメージでは劣ります。しかし、この初級呪文ダメージ強化があれば判断力修正値分ダメージに追加することができます。距離を取って呪文で戦うクレリックにあう特徴です。
祝福された打撃/Blesses Strike(オプションルール)
ターシャの万能釜で追加されたオプションルールで、「信仰を込めた打撃」や「初級呪文ダメージ強化」の代わりに「祝福された打撃」に変更することができます。初級呪文か武器攻撃でダメージを与える時に追加で1d8の光輝ダメージを与えることができます。1度このダメージを与えると次のターンになるまで使用できません。
この特徴はオプションルールのため適用するかどうかはDMが決定します。この特徴を採用した場合、近接武器でも初級呪文でもダメージを与えることができるようになり、サブクラスに関係なく戦いたがりのクレリックが与えるダメージの底上げに繋がります。
クレリックに求める能力値
多くの人はクレリックには回復や防御など呪文に影響する能力を求めています。どのようなクレリックの呪文は様々な領域から選べますがどれも「判断力」が高い方が良いです。次に前線で戦い抜く上でも「耐久力」が良いです。
おすすめのロールプレイ方法
キャラクターの属性にもよりますがクレリックは往々にして人の良さを求められがちです。それはあくまでも聖職者の持つホスピタリティのイメージにほかなりません。NPCを治療してほしいなど暗にDMが求めてくる場合は乗ってあげる方が良いでしょう。
戦闘時
クレリックは神性伝導で強力な効果を引き出す他に、呪文が色々と使えるようになるまでは前線での働きも期待される場面が多いです。また呪文での射程や効果発動のタイミングも考える必要があるため、パーティー全体の中心近くにすぐ移動できるポジションを保ちながら戦うと良いでしょう。
- ポジショニング ・・・ 前線あたりからパーティーの中心にすぐに移動できる位置取りをキープ。強敵と1対1になる場所は極力避ける。重装鎧の習熟がある場合は前線で戦い、中装鎧であれば相手を見て位置を決めると良いでしょう。
- アクション ・・・ アンデッド相手ならまずターン・アンデッド。近接攻撃の場合は弱めの敵を狙う。神性伝導、呪文を唱えるほか、リアクションで発動させたい呪文を唱えて精神集中で維持する。傷ついた味方を癒すことも大切です。
- ボーナスアクション ・・・ 「シールド・オブ・フェイス」や「サンクチュアリ」「ヒーリングワード」などの呪文はボーナスアクションで使用できるので状況に合わせて使用。
- リアクション ・・・ 機会攻撃のほか、待機させた呪文、神性伝導を発動させる。
呪文による防御・回復の手段が多いのでパーティ全体の安定を求められます。ボーナスアクションで使える呪文やわざとリアクションで効果を発動させるなど呪文のタイミングも重要になるので、前線に突っ込みすぎず全体の戦況を把握できるようにしましょう。また神性伝導を使うときは聖印を掲げ信仰する神の名を叫びましょう!
非戦闘時
クレリックは聖職者としての立ち振る舞いを求められます。それは怪我人や病人の治療から、神の啓示に至るまでさまざまです。ただ根底にあるのは信仰の領域であり、そこに行動の指針があります。そのため自分の領域はどういった領域かを知っておく必要があります。
また、忘れていけないのが呪文の準備です。初級呪文と領域呪文以外の呪文は大休憩で使用できるリストを見直すなど、すぐ使えるように準備をしておく必要があります。
まとめ
クレリックはヒットポイントの回復や防御術に長けていますが、決してそれだけしておけば良いというクラスではありません。時には前衛をカバーすることが必要になることもあります。またアンデッドの大群を払い除ける力もあるのでパーティーでもと重宝されます。ただ「優先的に回復役を狙う」知能がある相手には気をつけましょう。
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