マスターマインドとは|言葉巧みに人を操り、謀をする策略家のD&D5版のローグの類型
ダンジョンズ&ドラゴンズではローグのサブクラスもいろいろありますが、巧みな言葉で人を動かすマスターマインドが存在します。陰謀が蔓延る世界を生き抜くローグですが様々な冒険に出ることもあります。そこでわかりやすいようにこのローグの類型にマスターマインドについて解説します。
マスターマインドとは
マスターマインド(mastermind)とは心を操る達人という意味で言葉巧みに人を操ったりするローグのサブクラスです。この類型のローグは通常のローグのように戦闘はできますが言葉巧みに人を操り間接的に援護することを得意とします。スパイや宮廷に仕える者、策略家などはこの類型に属します。人の秘密や与えた恩義を武器に人を動かすことを得意としており、発する言葉はナイフや毒のように武器と化し、影響力を発揮します。ただ言葉が武器といってもバードやブレードシンガーのように直接的なものではなく、間接的に人を動かす動機として巧みに言葉を操ります。また心術呪文で魅了するわけでもなく、ペテンや説得の技術によるものです。
マスターマインドの特徴
マスターマインドは言葉巧みに人を操ります。それは魔法的な魅了ではなく関係性を持って影響力を発揮するため「ディスペル・マジック」などで解除できるものではありません。そこには弱みを握られていたり義理人情で動きがある可能性が高いですが、あくまでも最終的には自分の意志で行動を起こさせます。
マスターマインドの特徴 | レベル | 効果 |
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潜入の達人 | 3 | 変装用具と偽造用具、ゲーム1つに習熟を得る。2種類の言語を修得する。1分以上会話したことあるものの話し方や訛りを覚え完璧に真似することができる。 |
戦術の達人 | 3 | ボーナスアクションとして30フィート以内の見えるか声が聞こえる目標とした「援護」を行うことができる。 |
陰謀家の洞察力 | 9 | 1分以上の観察かやりとりをした相手の能力と自分の能力を比較して能力の程度を把握できる。把握できる能力は「知力の値」「判断力の値」「魅力の値」「各クラス・レベル」から2つまで。 |
身代わり強制 | 13 | 攻撃目標になった時に5フィート以内いる何者かがその攻撃に対して遮蔽を与えているのであれば、リアクションを用いてその攻撃の目標をその遮蔽を与えている者に変更することができる。 |
欺きの魂 | 17 | 許可しない限りテレパシーなどで心を読まれることがなくなる。さらに心を読もうとしたものに魅力「ペテン」技能を使って嘘を吹き込むことができる。魔法によって真実を話すように強制することもできない。 |
ここがスゴイ!マスターマインド
マスターマインドは積極的に自分が戦うというよりは周囲を上手に使って成果を上げることができます。また敵の能力を自分と比較して見ることができるので、戦うべき相手かどうかの判断もつけることができます。変装で溶け込めば情報収集や策謀を張り巡らせることもできます。
「潜入の達人」で現場に溶け込む
3レベルに達したマスターマインドは「潜入の達人」で変装用具と偽造用具、ゲーム1種類の習熟を得ることができます。また言語2種類の修得もできます。また1分以上会話したことある人の話し方や訛りを完璧に真似することができます。言語を知っているのであればネイティブスピーカーのように話すことができます。
この特徴は戦闘以前のロールプレイのところで使うことができます。例えば変装をして屋敷に紛れ込んだ時に「ペテン」技能で騙して警備員を動かすこともできます。このように人の動きをコントロールできれば、いざ戦闘になった時でも人的に有利な状況を作ったり、同志討ちが起きるような状況も作り出すことができます。
「戦術の達人」で援護できる
3レベルになるとマスターマインドはボーナスアクションで「援護」を行うことができます。敵を攻撃する味方を援護するには目標が5フィート以内という制限はなく、30フィート以内で見聞きできるのであれば援護できます。本来は敵の目の前で注意を引くことをしますが、離れた場所にいる相手には奇声をあげたり、罵詈雑言を浴びせたり、秘密をバラそうとしたりするのかもしれません。
戦闘では自分で目の前の相手と戦いながら、30フィート以内のところで離れて戦っている仲間の援護も可能です。
「陰謀家の洞察力」で相手を見極める
レベル9になるとマスターマインドは戦闘中じゃない時に1分以上のやりとりや観察をしたのであれば、相手の能力が自分と比べてどうかをある程度明確に把握することができます。実際の表現としては「自分より優れている」「等しい」「自分より劣っている」の3つが使われます。なお比較できるものは「知力」「判断力」「魅力」「各クラス・レベル」のうち2つを選ぶことができます。またDMによってはその相手の来歴や人格的特徴も知ることができます。
知力を知ることはゲームで勝負する時に相手の力量を測ることができます。判断力を知ることは「説得」や「ペテン」を仕掛けるときの成功しやすさを推し量ることができます。魅力を知ることは嘘を見抜きやすさを推し量ることができます。レベルを知ることは強さを推し量ることができます。
「身代わり強制」で誰かになすり付ける
レベル13になれば「身代わり強制」で自分への攻撃を誰かになすり付けることができます。自分が攻撃対象になり5フィート以内いる誰かがその攻撃に対して遮蔽であるなら、リアクションを使いその遮蔽を与えているものにその攻撃を変更することができます。
「身代わり強制」は近接攻撃においてはほぼありませんが、呪文攻撃を含む遠隔攻撃では間に誰かを挟むことで遮蔽が発生します。1/2遮蔽でもACや敏捷力セーヴが+2されますが、敵を身代わりにすることで攻撃を回避できるほか、その身代わりにされたものが攻撃でダメージを受ける可能性があります。特に呪文攻撃をセーヴなしで回避できるので、防御の特徴としても優秀です。遠隔攻撃や呪文攻撃ができる敵がいるのであれば、間に誰か挟む位置取りをしましょう。
「欺きの魂」で心を読ませない
レベル17になるとマスターマインドは許可しない限りテレパシーなどで心を読まれることがなくなります。さらに自分の魅力「ペテン」技能と心を読もうとした者の判断力「カ看破」技能の対抗判定に勝利すると、嘘の思考を相手に読ませることができます。そして魔法によって真実を確かめるものには真実を口にしているという結果がでます。また魔法で真実を話すように強制することもできません。
そもそも心を読まれることがあるのか?ということになりますが、占術や心術で取り調べを受けるような状況を作り出すことが鍵となります。相手の懐に入り「ペテン」技能を使って嘘の情報を広めるなどもマスターマインドの仕事であり、万一嘘を怪しまれて取り調べられても嘘を突き通すことも可能になります。この特徴により三国志に出てくる連環の計も出来そうです。
まとめ
いかがでしたか?マスターマインドの役目は相手を騙し操ることにあります。また戦闘で味方の援護をすることもパーティーの中では効果的です。他のローグのサブクラスより1対1の状況では活躍できないかもしれません。しかし、戦闘前のロールプレイの段階で相手に多くの嘘を仕込んだりしておけば、離反させたり敵を撹乱させたりも可能です。戦闘以外の潜伏こそがマスターマインドの醍醐味とも言えるので、是非とも人を騙したり、弱みを握ったりして人の動きをコントロールしてみましょう。