チャンピオンとは|純粋に身体を研ぎ澄ましクリティカルを狙うD&D5版の戦士の類型

D&Dのファイターのサブクラスにチャンピオンというものがあります。ダンジョンズ&ドラゴンズではチャンピオンは勝利者や優勝者という意味では無く、戦いに秀でた人を表します。戦場を上手に立ち回るためにもファイターの基本形でもある「チャンピオン」について解説します。

チャンピオンとは

チャンピオンチャンピオン

は闘志型のファイターを指し、己の研ぎ澄ました肉体と厳しい訓練による戦闘技術を融合させた圧倒的な破壊力を持ちます。この戦士の類型のファイターは基本的なスタイルでの戦闘を行いますが、その基本的な戦い方一つでもほかを圧倒する力を持ちます。

チャンピオンの特徴

チャンピオンは他の類型であるバトルマスターやエルドリッチナイトなどのように特別な技術を持ちませんが、その代わり純粋なファイターとしての能力が強くなっています。行動がシンプルに思われがちですが、戦闘スタイルが増えるとスタイルを切り替えることもでき、立ち回りをマスターすれば状況に合わせた戦い方も可能になります。プレイヤーの経験が多く、ロールプレイ技術が高いほど見せ場を作ることもできます。またクリティカルヒットもでやすくなるので、強烈な一撃をお見舞いすることもできます。

チャンピオンの特徴レベル効果
クリティカル率上昇3武器攻撃でのダイスの目が19~20であればクリティカルが発生する。
抜群の身体能力7習熟を得ていない筋力・敏捷力・耐久力のすべての判定に半分の習熟ボーナスを得る。助走付き幅跳びの距離が伸びる。
戦闘スタイル追加10新たに戦闘スタイルを一つ選択できる。
クリティカル率大上昇15武器攻撃でのダイスの目が18~20であればクリティカルが発生する。
生命力18ターン開始時ヒットポイントが最大値の1/2以下であれば少し回復する。

ここがスゴイ!チャンピオン

チャンピオンは派手な魔法や見栄えがするような戦闘技術はなく、強敵と対峙できる膂力を持ち、卓越した戦闘能力で敵を打ち払います。一見地味に見えますが、戦闘が終わってみると強敵を打ち倒しているのはチャンピオンだったという場面も多々あります。ファイターの手数に合わせて高いクリティカル率を持つチャンピオンはアタッカーとして優秀であり、また防御中心のスタイルに切り替えればパーティーを守る盾にもなることができます。

「クリティカル率上昇」でダメージアップ

通常の攻撃ロールであれば20の目のみクリティカルですが、19と20でクリティカルが発生するようになります。つまり5%の確率だったものが10%の確率で発生することになります。またレベルが15になれば18~20の目、つまり15%の確率でクリティカルヒットが発生します。クリティカルヒットが発生すると武器のダメージロールの回数が倍になるので、ダメージが大きい軍用武器を扱うことができるファイターにとって有効な特徴と言えます。

特技「大業物の使い手」があればクリティカルヒットが発生するとボーナスアクションで1回近接攻撃を繰り出すことができます。「大業物の使い手」には重武器使用時に命中を下げてダメージを上げることもできます。クリティカルヒットであればAC関係なく攻撃は命中するので、命中を犠牲にしても高いダメージを狙うことができる重武器(グレートアックスやグレートソードなど)を扱う両手武器戦闘主体でも良いでしょう。

「抜群の身体能力」で成功を導く

肉体を研ぎすましたチャンピオンであれば、筋力・敏捷力・耐久力を用いる判定において習熟を持っていなくても習熟ボーナスの半分を加えることができます。低レベル帯では習熟ボーナスも+2と多くはないためあまり恩恵を感じませんが、レベルが上がり習熟ボーナスが増えることでこの特徴の恩恵も大きくなります。また助走付き幅跳びの飛距離も筋力修正値×1フィート分(約30cm~150cm)伸びます。

「戦闘スタイルの追加」で戦い方が幅広くなる

戦闘スタイルは恩恵も大きいですが、ファイターの方向性を最初に決めてしまいます。キャバリアーであれば護衛や防御を取りたくなるし、アーケイン・アーチャーであれば弓術を取りたくなります。チャンピオンは10レベルになれば戦闘スタイルを追加できるので、バランスの良い片手剣戦闘と護衛を併せ持ったち相手の攻撃に不利をつけたり、遠距離攻撃用に弓術を持ちながら接近戦では二刀流というような使い分けでもボーナスを得ることができます。また防御を追加で取ることで二刀流や両手武器戦闘など行いながらもACを少し上げることもできます。

  • 片手武器戦闘・・・片手武器のダメージロールが+2
  • 弓術・・・遠隔武器の攻撃ロールが+2
  • 護衛・・・5フィート以内の味方への攻撃に対してリアクションを行い不利を付けることができる
  • 二刀流・・・2つ目の武器のダメージに能力値修正を加えることができる
  • 防御・・・鎧を着るとAC+1
  • 両手武器攻撃・・・両手武器のダメージダイスが1か2の時に一度だけロールをやり直すことができる
  • 盲目戦闘*(Blind Fighting)・・・10フィートの暗視能力を持ち暗闇や盲目状態でも完全隠蔽ではなければ見ることができる
  • 迎撃*(Interception)・・・5フィート以内の味方への攻撃に対してリアクションを行いダメージを減らすことができる
  • 優れた戦技*(Superiop Technique)・・・バトル・マスターの戦技を一つ習得する
  • 投擲*(Thrown Weapon Fighting)・・・投擲武器によるダメージロール+2
  • 素手戦闘*(Unarmed Fighting)・・・素手による攻撃で1d6+筋力修正値の打撃ダメージを与えることができる

*はターシャの万能釜で追加されたもの

「生命力」でヒットポイントを毎ターン回復

レベルが18になると「生命力」を得ます。これはチャンピオンが打撃に耐え抜く体と技術であり、ヒットポイントが最大値の1/2を下回っている場合にのみ自分のターンごとに5+耐久力修正値回復することができます。

チャンピオンの戦い方

チャンピオンは高い身体能力を武器に叩き合う戦い方を得意としています。チャンピオンの特徴はアクティブに使うものは一つも無いため、いかにファイターとしての特徴を使いこなせるかが鍵となります。クリティカル率が上がるチャンピオンが戦闘スタイルで「二刀流」を選択しているのであれば攻撃ロールの回数が増えることでよりクリティカルを期待できるようになります。

このほかに特技を組み合わせていくことでチャンピオンの特徴を活かすことができます。「片手武器戦闘」や「両手武器戦闘」をスタイルでは特技「大業物の使い手」を習得しているのであれば、クリティカルヒットを与えた時にのみボーナスアクションとしてもう一度近接攻撃を行うことができます。さらにターシャの万能釜(未訳)で追加された特技「破壊する者*(Crusher)」「貫く者*(Piercer)」「切り裂く者*(Slasher)」でも敵にクリティカルヒットを与えると追加の効果を発生させることができます。また「大業物の使い手」は命中を-5下げてダメージを+10することもできるので、ダイス運に賭けてクリティカルヒットさせる一撃必殺型のチャンピオンにピッタリです。殴打ダメージのモール、刺突ダメージのパイク、斬撃ダメージのグレイブ・グレートアクス・グレートソード・ハルバードあたりが一番パフォーマンスが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?チャンピオンは呪文や技などはないため、とてもシンプルなサブクラスで初心者向きと言えます。レベルが上がることでクリティカルヒットも出やすくなるので気分もスキッとします。またチャンピオンは能動的な特徴が少ない分、ファイターとしての動きさえ理解できれば身体能力の高さや戦闘スタイルをフル活用すれば主役級の働きも可能です。初心者の入門用のクラスとして、またベテランのロールプレイ技術向上としてチャンピオンを楽しみましょう!
ファイターの他の戦士の類型はこちら

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