シーフとは|立体的な移動を得意とし、アイテムを効率よく使うD&D5版のローグの類型

ダンジョンズ&ドラゴンズではローグのサブクラスもいろいろありますが、冒険者や山賊、強盗などのような俊敏性と隠密性に優れたシーフが存在します。シーフはロールプレイ難度が高めのサブクラスですが、今回はわかりやすいようにこのローグの類型にシーフについて解説します。

シーフとは

ローグ

シーフ(Thief)とは盗人という意味で俊敏性と隠密性に優れたローグのサブクラスです。この類型のローグは強盗やスリ、山賊などの犯罪者も多く含まれますが、トレジャーハンターや冒険家、ダンジョン探検家なども存在します。この人たちは古代の廃墟を探検したり読み慣れぬ言語を読み、使い慣れないアイテムを使うことができます。

シーフの特徴

シーフはローグの基礎能力を高め、敏捷力を活かす行動や隠密行動を強化する特徴を持ちます。ダメージに直結する特徴がないので敏捷力を生かした行動をどのように取ることができるか考えておく必要があります。「隠れ身」だけでなく「器用な指先」でいろんなアイテムを使い、ダメージを与えるほか、相手を撹乱したり有利を獲得することもできます

シーフの特徴レベル効果
器用な指先3「巧妙なアクション」で手先の早業技能の判定を行うことができる。また盗賊道具を使った罠の解除や開錠、物体の操作アクションも可能。
屋根渡り3高速で登攀が可能になり登攀に追加の移動が不要。助走付きの跳躍の飛距離に敏捷力修正値フィートが追加される。
隠密無双9自分のターンに移動速度の半分以下しか移動しないなら隠密技能に有利を得る。
魔法装置使用13魔法のアイテム使用にあたりクラス、レベル、種族の条件をすべて無視する。
神速17戦闘で最初のラウンドで2回のターンを得る。2回目はイニシアチヴ-10で回ってくる。ただし不意を打たれた時は使えない。

ここがスゴイ!シーフ

トレジャー

シーフはトレジャーハントに向いている特徴を持ちますが、戦闘に特化した特徴はほぼありません。その代わり敏捷力に関わる行動でメリットがあります。手先も器用なので通常ではできないアイテムを2回使うアクションも可能です。

「器用な指先」で短時間の操作ができる

3レベルに達したシーフは「巧妙なアクション」で得られるボーナスアクションを用いて「手先の早業」技能を使うことや、盗賊道具を用いた罠の解除や開錠、「物体の操作」アクションを行うことができる。本来はアクションとしてしかできない「物体の操作」がボーナスアクションで行えるため、攻撃アクションとは別に道具を使うことができます。戦闘に使えそうな物体の操作アクションの例として次のようなものがあります。

  • 獣罠を仕掛ける・・・ダメージを与えて足を止める
  • 武器に毒を塗る・・・毒による追加ダメージを与えるようにする
  • 油瓶を投げつけて火をつける(遠隔攻撃とボーナスアクションによる着火が必要)・・・燃焼によるダメージを与える
  • 相手の足を滑らせるために小さな金属玉をばら撒く・・・相手を伏せ状態にして有利をゲットする
  • 耐毒剤やポーションの飲むまたは飲ませる・・・ヒットポイントの回復や状態異常の回復
  • 相手の移動速度を落とすためにまきびしを地面にばら撒く・・・相手の移動速度を落とす
  • 魔法のアイテムを使う・・・効果はさまざま

なお聖水や錬金術師の火、酸の入った小瓶などを敵に投げつける場合は遠隔攻撃としての処理が必要です。

巧妙なアクションの中で開錠や罠の解除、物体の操作ができることになったため、創意工夫の行動に満ちた行動が取れるようになります。ボーナスアクションを使ってポーションを飲ませたり、スクロールや魔法のアイテムを使用することもできます。どのアイテムでどんな効果を起こせるのかを知っておくと良いです。

「屋根渡り」で立体移動も早くできる

3レベルになるとシーフは登攀にかかる追加の移動がなくなります。つまり本来は登攀1フィートにあたり追加で1フィートかかっていたものが無くなるので水平に移動するのと同じスピードで壁面を登ることができます。また助走付きの跳躍であれば敏捷力修正値分のフィートだけ跳躍距離が伸びます。

戦闘では建物を上り屋根を飛び回り背後に回るなど、立体的な動きをする時に移動速度の無駄がなくなります。敵の視界から消えるためにも高いところを素早く乗り越えることは重要です。

「隠密無双」で隠密が成功しやすくなる

レベル9になると自分のターンに移動速度の半分以下しか移動をしなければ隠密技能の判定に有利を得ることができます。戦闘で有利を取りたいローグにとっては隠れるための隠密判定に有利がつくことは大きいです。

ローグが積極的に急所攻撃を行うには不利のない状態で味方と近接戦闘をしている敵を狙うか、単独でも攻撃ロールに有利を得た状態である必要があります。敵を誘き出して隠れ身に成功すれば見えない状態での攻撃で有利を得て急所攻撃の機会を得ます。

「魔法装置使用」でマジックアイテムが使える

レベル13になれば「魔法装置使用」により本来自分では扱えない魔法のアイテムを適当に誤魔化してクラスや種族、レベルの条件を全て無視して使うことができます。なお、アイテムの使用条件が特定の個人であった場合、使えるかどうかはDMの判断になります。

「神速」で行動回数が増える

レベル17になると待ち伏せや危険から逃げる機会が増えます。戦闘ラウンドの1ラウンド目では2回のターンを得ます。1回目はイニシアチヴの順番で訪れ、2回目はイニシアチヴ-10の順番で訪れます。ただし、不意を打たれた場合はこの特徴を使用することはできません。

シーフの戦い方

シーフの戦い方は基本的には急所攻撃を狙うことに変わりはありません。そのため隠蔽がある環境では積極的に隠れると良いでしょう。特技「影に潜むもの」を習得していれば軽度の隠蔽でも隠れることが可能です。また、高低差がある場所ではその機動力を活かし、屋根や木の上など相手がついてこれない場所へ逃げることも可能です。そうなれば遠隔攻撃で狙うのも良いでしょう。

またシーフは「器用な手先」をいかに戦闘で活用するかがポイントとなります。シーフ以外ではアイテムを使うには1アクションを要しますが、シーフではボーナスアクションでアイテムを使うことができます。そのため、武器攻撃を続けながら戦闘に役立つアイテムを使うことができます。道具は直接大ダメージを与えないものの、相手の状態異常を引き起こしたり、移動速度を減少させたりすることができます。毒物や薬品は魔法のアイテムとは違い普通に入手できるので、さまざまな場面を想定してアイテムを揃えておくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?シーフは戦闘用の特徴はなく、立ち回りをカバーするような特徴が多くあります。そのため戦闘に特化した立ち回りは難しく、隠れ身からの急所攻撃などローグの特徴を活かすような立ち回りを自分で行わなければなりません。またアクションで普通に攻撃するのではなく、相手の行動の邪魔をするような物体の操作などを行うと活躍することもできます。ロールプレイの難度は高いサブクラスですが、魔法のアイテムを使用する前提でたくさんアイテムを持ち歩くと面白いプレイも可能です。
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