霊の楽派とは|降霊術のように物語の霊の力を引き出すD&D5版バードの楽派

D&Dのバードのサブクラスには霊の楽派と呼ばれるグループがあり、霊との繋がりにより物語の力を表現することができます。霊の持つ力を利用する楽派ですが実際にはどのようなロールプレイが合うのか、初心者でも分かりやすいように霊の楽派について解説します。

霊の楽派とは

バードの楽派
「Van Richten’s Guide to Ravenloft」(未訳)で追加された霊の楽派*(College of Sprits)は、霊の持つ力を利用することができます。この楽派のバードは伝説や歴史上の人物、架空の存在の力を物語から引き出すことができます。降霊術のように蝋燭や水晶玉などオカルトに使う道具を用いて呼び出した霊はバードを通してその力を具現化させることができます。この霊はゴーストのような存在ではなく、物語によって生み出された思念体と考えるとわかりやすいでしょう。

霊の楽派の特徴

霊の楽派の特徴の多くは霊的焦点具を使用ているため、武器を構えるよりは焦点具を構えることが多くなるかもしれません。呪文や魔法効果に関係する特徴が多いため、立ち回りとしては後衛のほうがマッチする特徴が多いです。

霊の楽派の特徴レベル効果
導きのささやき*(Guiding Whispers)3初級呪文「ガイダンス」を修得する。この呪文の射程は60フィートになる。
霊的焦点具*(Spiritual Focus)3蝋燭や水晶球、頭蓋骨などを呪文焦点具にできる。6レベル以降であれば呪文ダメージや回復呪文の効果が上がる。
向こう側からの物語*(Tales from beyond)3声援ダイスを使用し、霊が自分を通して語る話を持ち、そのランダムな効果を目標に適用する。
霊の集い*(Spirit Session)6儀式を行い、全クラスの呪文の中から条件に合う呪文を一つ一時的に修得できる。
神秘的な繋がり*(Nystical Connection)14あの世からの物語*(Tales from beyond)の中からダイスで決定した2つのうち1つを選ぶことができる。ダイスが同値だった場合は任意の効果を選択することができる。

*は日本語版が出ていないため正確な訳ではありません。

ここがスゴイ!霊の楽派

霊の楽派は霊的焦点具を使って呪文を発動させることで呪文の威力を高め、さまざまな効果を発揮するあの世からの物語を魔法効果として適用することができます。全クラスの呪文の一つを一時的に修得できるの、セッションに合わせた呪文の追加もできます。

「導きのささやき*(Guiding Whispers)」で仲間を活気付ける

霊の楽派では3レベルで自分と仲間を導く霊に手を差し伸べることができます。この特徴により初級呪文「ガイダンス」を修得します。この呪文はバードの初級呪文としてカウントしません。また、呪文の射程距離は接触だったものが60フィートまで伸びます。

「ガイダンス」は同意する仲間の能力値判定に1d4加えることができるもので、この特徴によりすぐ近くにいなくても効果を及ぼすことができます。

「霊的焦点具*(Spiritual Focus)」で呪文の効力を上げる

3レベルで「霊的焦点具*(Spiritual Focus)」により、歴史上の人物や想像上の元型の繋がりある霊の援助を受ける道具を使うことができます。この特徴により蝋燭・水晶球・頭蓋骨・ウィジャ板・タロットカードを焦点具として使用することができます。6レベルになるとこの焦点具を通してダメージを与えたりhpを回復させるバード呪文を発動させた時はそのダメージや回復量にd6の値を加算することができます。

6レベルになるまではただ焦点具として使えるものが増えただけですが、楽器を使わずに占い師のような演出はできます。また6レベルになると呪文の効果が上がるので、物質要素を使わない呪文でも焦点具を構える発動を行うほうが良いでしょう。バード初級呪文でダメージを与える「ヴィシャス・モッカリィ」のダメージに追加ダメージを乗せることも可能です。

「向こう側からの物語*(Tales from beyond)」で物語の効果を得る

3レベルになると自分を通して物語を話す霊に手を差し伸べることができます。霊的焦点具を持っている間、ボーナスアクションを使いバードの声援を1つ消費しロールすることで自分を通して語られる物語を決定することができます。この心の中の物語は効果を適用するか小休憩または大休憩を取るまで保持しておくことができます。この物語はアクションを使い、30フィート以内の見ることができる対象1人に物語の効果を適用することができます。一度実行すると再び物語をロールするまで効果を適用することはできません。またこの物語は1時間の間1つだけ保持しておくことができ、新しく物語のロールをした時はすぐに以前の物語は終了します。

声援ダイス物語内容
1賢い動物の話*(Tale of the Clever Animal)10分間、目標が知力、判断力、魅力の能力値判定をする時はいつでも、d20のロールした直後に追加のダイスを加えることができる。追加のダイスは声援ダイスと同じもの。
2有名な決闘者の話*(Tale of the Renownef Duelist)目標に対して近接呪文攻撃を行うことができる。攻撃が命中した時に声援ダイスの値の2つ分+魅力修正値に等しい力場ダメージを与えることができる。
3最愛の友達の話*(Tale of the Beloved Friends)目標とその5フィート以内にいるもので選ばれた者は声援ダイスの値+魅力修正値の合計に等しい一時的hpを得ることができる。
4逃亡劇*(Tale of the Runaway)目標はすぐにリアクションを使い30フィート以内で見ることができて何もない場所へテレポートすることができる。目標がテレポートする時、同じリアクションで30フィート以内で見ることができる最大で魅力修正値の人数まで選ぶことができる。
5復讐劇*(Tale of the Avenger)1分間、目標に近接攻撃を命中させた者はすべて声援ダイスと等しい力場ダメージを与えることができる。
6旅行記*(Tale of the Traveler)目標は声援ダイスの値+バードのレベルの合計と等しい一時的hpを得る。この一時的hpがある間、目標の歩行移動速度は10フィート増加し、ACに1ボーナスを得る。
7詐欺話*(Tale of the Beguiler)目標は判断力セーヴに失敗すると声援ダイスの値の2つ分に等しい精神ダメージを受け、次のターンが終了するまで無力状態になる。
8怪談話*(Tale of the Phantom)目標は次のターンが終わるか攻撃するまで不可視状態になる。もし不可視状態の間に攻撃が命中した場合、声援ダイスの値と等しい死霊ダメージを与え、その目標の次のターンが終了するまで恐怖状態になる。
9残酷な話*(Tale of the Brute)30フィート以内で見ることができる選ばれた目標全てに筋力セーヴをさせることができる。sセーヴに失敗した者は声援ダイスの3つ分に等しい電撃ダメージを受け伏せ状態になる。成功した者は半分のダメージを受けるが伏せ状態にはならない。
10竜の話*(Tale of the Dragon)目標は口から30フィートの円錐型で火を吹くことができる。この範囲内にいるものはすべて敏捷力セーヴを行い、失敗すると声援ダイスの4つ分に等しい火ダメージを受け、成功しても半分のダメージを受ける。
11天使の話*(Tale of the Angel)目標は声援ダイスの2倍+魅力修正値の合計に等しい分hpを回復し、盲目・聴覚喪失・麻痺・石化・毒のうち一つが回復する。
12複雑で理解できない話*(Tale of the Mind-Bender)外宇宙から理解できない寓話を呼び寄せる。目標は知力セーヴを行い、失敗すると声援ダイスの3倍の精神ダメージを受け、次のターン終了まで朦朧状態になる。

セーヴが必要な場合、その難易度は呪文のセーヴ難易度と同じです。

物語を決定するダイスは声援ダイスと同じであるため、レベル4までd6、5レベルから9レベルまでd8、10レベルから14レベルまでd10、15レベル以降でd12になります。そのため声援ダイスが小さい時は物語の数も少なくなります。

「霊の集い*(Spirit Session)」で儀式を執り行う

霊の楽派のバードは6レベルになると「霊の集い*(Spirit Session)」により、霊が超自然的視覚を与えてくれます。この特徴により、霊的焦点具を使い小休憩や大休憩で行う長時間の儀式を実施することができます。この儀式は習熟ボーナスに等しい同意する人数(自身も含む)で儀式を行うことができ、すべてのクラスから選んだ呪文を一つ一時的に修得することができます。

この呪文は儀式に参加した人数に等しいかそれ以下のレベルを選ばなくてはならず、発動できるレベルであり、占術または死霊術である必要があります。選んだ呪文はバード呪文になりますが修得している呪文には数えません。一度この儀式を行うと大休憩を終えるまで行うことはできず、選択した呪文は大休憩まで修得しています。

儀式は最低人数は自分1人からで最大は習熟ボーナスと等しい人数までです。呪文は全クラスの呪文から選べるので、バードの立ち回りに不足していそうな呪文を選ぶと良いでしょう。

「神秘的な繋がり*(Nystical Connection)」で物語を選べる

レベル14になると「神秘的な繋がり*(Nystical Connection)」で特定の物語に向かって「向こう側からの物語*(Tales from beyond)」の霊をそっとつつく能力を得ます。霊の物語をロールする時はいつでもダイスを2回ロールすることができ、適用する2つの効果からどちらかを選ぶことができます。もし両方とも同じだった場合は、ダイスの目を無視してすべての効果から選ぶことができます。

ダイスを振るのでランダムではありますが、より好みの効果を選択できるよになります。また同値であれば任意で選べるので約8%の確率で任意の効果を選ぶことができます。

まとめ

いかがでしたか?霊の楽派はイメージ的には降霊を行い、その霊が語る物語の持つ魔法的効果を表現させるものです。積極的に武器攻撃はせずに焦点具による追加効果を考え高いダメージや回復を狙うことができます。バードの持つ高い支援能力に攻撃呪文と回復呪文を持つのより柔軟な立ち回りが可能になります。是非とも霊の楽派を楽しんでみましょう。

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