D&Dバードのロールプレイ方法|バードの声援で支援するユーティリティーな吟遊詩人

ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)をには多くのクラスがありますが、音楽と言葉を紡いでこだまを生み出すバードがあります。このクラスは器用に立ち回ることでパーティーの不足している部分を補うことができます。そこでうまく立ち回るためのバード呪文とこだまを使いこなすバードのロールプレイを解説します。

バードとは

D&Dのバード(Bard)とは吟遊詩人を意味するクラスであり、歌や話術の名人であるバードは歌や言葉に含まれる魔法を巧みに操ることができます。音楽は想像の言葉であるこだまを掴み、歌である呪文にはこだまが織り込まれているものと言われており、戦場で楽器を鳴らし、歌で影響を与える姿は異質とも言えます。しかしバード呪文により発せられるものはウィザードやクレリックの呪文と同様の効果を発揮することができます。

バードをおすすめする理由

バードは一言で言えばなんでも屋です。つまり基本的には仲間をサポートする立ち位置ですが、魔法と剣で戦い守ることもできます。また、世俗に通じ物知りであることから物覚えがよくなんでもうまくやることができます。またバードはほかのバードと緩やかなつながりである「楽派」を形成し、互いの経験や知識を分かち合います。

バードの楽派は「ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第5版」に記載されています。選んだ楽派によってはバードの戦い方も変わってくるので幅広いプレイが可能です。

「バードの声援」で仲間を応援できる

バード
バードの特徴として一番大きいものは「バードの声援」で、バードは血湧き肉躍る言葉や音楽によって人々を励ますことができます。励まされたキャラクターはd6を与えられ、その後10分間以内の能力値判定、攻撃ロール、セービングスローのうち1回だけ与えられたd6の値を加えることができます。このダイスはレベルが上がることでd8、d10、d12と大きくなります。

なおこの声援は5レベルになると「声援高速回復」を得ることができ小休憩でも回復することができます。

バードの声援の回数は魅力修正値と等しい回数。大休憩ですべて回復する。5レベル以降は小休憩でも回復する。

「魔法の声援/Magical Inspiration」で効果の追加(オプションルール)

ターシャの万能釜で追加されたオプションルールで、レベル2以上のバードから声援ダイスを受けた者が呪文で回復したりダメージを与えたりしたのであれば、対象を1体決めて声援ダイスをロールすることでダイスの目をヒットポイント回復や与えるダメージに追加することができます。そのあと声援ダイスは消費されます。

この特徴はオプションルールであるため適用するかどうかはDMが決定します。

オールマイティーな習熟

バードは職業による技能の習熟は決まっておらず、キャラクター作成時は任意の技能を3つ選ぶことができます。また2レベルに達すると「なんでも屋」と呼ばれるほど多くのことに適性を得ることができます。これは能力値判定において習熟ボーナスを得ていない場合は習熟ボーナスの半分を加えることができます。なお3レベルに達すると習熟を得ている技能の中から選んだ技能2つを使用して行う能力値判定において、習熟ボーナスが2倍になります。さらに10レベルになるともう2つ習熟のある技能の中から選ぶことができます。

戦えるけど柔らかい耐久力

バードのヒットポイントはそう多くはありません。1d8+耐久力修正値と高くはなく、鎧の習熟も軽装鎧のため油断をすると大きな怪我を負うことになります。そのため近接戦闘を積極的に行うのであればバードの声援や呪文をうまく使うことが前提となります。

ヒットポイントは【1d8+耐久力修正値】。
バードレベルが上がる毎に【1d8+耐久力修正値】追加。ロールせず固定の場合は【5+耐久力修正値】。

「休息の歌」で体を癒す

レベル2以上のバードは小休憩(最低1時間)の間に「休息の歌」を歌うことで聴くものの疲れた体を癒しの力を引き上げます。この歌を聴いたものが小休憩の間にヒットダイスを消費して耐久力を回復させる際に+1d6を回復することができます。この歌はバードのレベルが上がることで強化されていきます。

「心を守る歌」で恐怖や魅了を防ぐ

レベル6以上のバードは「心を守る歌」を歌うことで発する音楽や言葉の力で聞いたものの精神を守ります。バードから30フィート以内の仲間でこの歌を聴いたものは、恐怖や魅了に対するセービングスローに有利を得ます。効果はバードの次のターンが終了するまで続きますが、音が出ないや声が出ない、聴くことができないといった場合は効果は切れます。

「尽きせぬ声援」で声援回復

バードは20レベルになるとイニシアチブロールをするときにバードの声援の残りが0であった場合、1回復させることができます。

実は呪文の幅が広い

魅力が呪文発動能力値となるバード呪文はウィザードと比べると数こそ多くありませんが、クレリック並の呪文数はあります。レベル1から使えるキュア・ウーンズやヒーリング・ワードは幾度となく人を救うことでしょう。そのほかに幻術や心術、占術も多くあります。攻撃的な力術こそ少ないですが、いろいろな形でパーティーに貢献できます。PHBの簡易作成方法には含まれていませんが「ベイン」や「ディソナント・ウィスパーズ」はバード呪文のみのラインナップであり、「ヒーリング・ワード」と合わせてバードっぽい呪文でもあります。またレベル10になると「魔法の秘密」に触れ、バードを含む任意のクラスの呪文で発動できるレベルである呪文を2つ習得することができます。10レベルの時点で最高5レベル呪文まで使うことができます。これによりバードなのに「カンジャーエレメンタル」でエレメンタルを召喚したりすることもできます。

なおスリープなど一部の呪文には物質要素が必要な場合がありますが、バード呪文では楽器が焦点具になるため楽器を使用しながら呪文を使えば物質要素は必要ありません。

初級呪文は使い放題

バードは1レベルの時点で初級呪文を2つ取得しています。この初級呪文は準備する必要がなくスロットの残りと関係なく回数無制限で使用することができます。特に「ヴィッシャス・モッカリィ」はバード呪文のみのものなので押さえておくべき呪文でしょう。

  • ヴィシャス・モッカリィ ・・・ 罵詈雑言を吐き出し精神にダメージを与える
  • ダンシング・ライツ ・・・ 空間に光の球体を作り動かす
  • トゥルー・ストライク ・・・ 次ターンの攻撃に有利を得る
  • ブレード・ウォード ・・・ 守りの護印を作り殴打・斬撃・刺突ダメージへの抵抗を得る
  • プレスティディジテイション ・・・ 奇術に使える演出ができる
  • フレンズ ・・・ 非敵対者に対しての魅了判定に有利を得る
  • マイナー・イリュージョン ・・・ 1つの音か映像を作り出す
  • メイジ・ハンド ・・・ 空中に手を作り出し動かす
  • メッセージ・・・120フィート以内の離れた相手と会話ができる。
  • メンディング ・・・ 物体の傷の修理
  • ライト ・・・ 一つの物体から周囲を明るく照らす

また「ザナサーの百科全書」では次の初級呪文も追加されています。

  • サンダークラップ・・・雷鳴が炸裂し範囲内の全員にダメージを与える。

儀式で呪文スロット消費なし

バード呪文の中で儀式のタグがついているものは時間をかけて儀式を行うことで、呪文スロットを消費せずに使用することができます。儀式可能な呪文は意外と多く、バード呪文レベル1だけでも以下のものがあります。

  • アイデンティファイ
  • アンシーン・サーバント
  • イリューソリィ・スクリプト
  • コンプリヘンド・ランゲージ
  • スピーク・ウィズ・アニマルズ
  • ディテクト・マジック

なお、儀式が行えるクラスはウィザード・クレリック・ドルイド・バードと限られており、儀式を理解して上手に使えば肝心な時に呪文スロットが無い!という場面にも陥りにくくなります。

バードの汎用性/Bardic Versatility(オプションルール)

ターシャの万能釜から追加されたオプションルールですが4レベル以降能力値が上がるレベルに達した時に以下のことができます。

  • 習熟強化で選択した技能1つを別の技能に変更することができる。
  • 1つの初級呪文を別のバード呪文の初級呪文に変更できる。

この特徴はオプションルールであるため適用するかどうかはDMが決定します。

楽派とは

バードの楽派
楽派とはバードがほかのバードと交流をもちながら知識や経験を持ち寄り共有するゆるい繋がりです。バードでどのようなプレイをしたいか?というイメージが楽派の選択にも影響します。

サブクラス/バードの楽派ルールブック説明
知の楽派PHBさまざまなところから知識を集め美と真実の追求を大切にする楽派。
勇の楽派PHB往古の英雄たちの記憶をとどめ、新たな世代の英雄達を力付ける楽派。
剣の楽派XGE華麗な武器の技を見せて人々を楽しませるブレード(剣客、剣使い)
ささやきの楽派XGE人々の中に潜り込み、知識と魔法を使い秘密を暴き恐喝や脅しをする楽派。
惑わしの楽派XGEフェイワイルドで技を磨いたり、その住人に教えを受けた楽派。
創造の楽派TCEダンス、音楽、詩を通し、創造の歌を利用して物を創造をする楽派。
雄弁の楽派TCE論理と演劇の混ぜ合わせた言葉遊びを交え、観客全体の感情に訴える演説の芸術を習得する楽派。
霊の楽派VRGR伝説、歴史、フィクションなど、固有の力を持った物語を語る霊を呼び出し、物語の力を引き出す楽派。

バードに求める能力値

多くの人はバードには呪文とパーティーを支援するバードの声援を求めています。これらは「魅力」に大きく影響されるので魅力が高い方が良く、次に戦い抜く上で軽装が中心であることから「敏捷力」が良いです。

おすすめのロールプレイ方法

バードは高い魅力から多くの人を惹きつける存在であるべきです。街かどや酒場で一つ歌えば盛り上がり、食べていくことには困らないでしょう。また情報が早いこともあり、いろいろ尋ねられるかもしれません。求められた時にどういうアクションをするバードなのか考えておくと良いでしょう。

戦闘時

バードは呪文が色々と使えるようになるまでは前線での働きも期待される場面が多いですが基本的には支援がメインとなります。支援は呪文だけではなくバードの声援でパーティーを支援したり、相手を弱体化することも大切です。近接戦闘に参加するときは打たれ弱いので「ベイン」などの呪文による弱体化を行うことが大切です。どの楽派かで立ち回り方が大きく変わります。剣の楽派や勇の楽派であれば武器や鎧の習熟が追加されるため相手と対峙して戦うこともありますが、知の楽派では支援が中心となります。

  1. ポジショニング ・・・ バードの声援が届く位置をキープ。接近戦を得意とする楽派であれば前に出ます。
  2. アクション ・・・ バード呪文とバードの声援を活用しながら戦います。直接対峙するときは弱体化を優先させます。
  3. ボーナスアクション ・・・ 「ヒーリングワード」などの呪文はボーナスアクションで使用できるので状況に合わせて使用。勇の楽派であれば「呪文武器連撃」ができます。
  4. リアクション ・・・ リアクションで使える声援や機会攻撃のほか、待機させた呪文を発動させる。

呪文による回復や敵の弱体化の手段もあり、バードの声援で仲間を強化するなどパーティー内の立ち回り方では活躍します。強烈なダメージを与えるということはないため派手さはないですが、縁の下の力持ちのような働きができます。

非戦闘時

バードは非戦闘時のロールプレイで特に活躍できます。レベルが上がっていくと習熟ボーナスがないすべての能力値判定に習熟ボーナスの半分がつきます。さらに週十九があり、選択した技能によっては習熟の値が倍になります。そのため、パーティーに能力判定に適した人がいなければバードがカバーすることができます。また楽器の習熟をもつため、路銀が不足しているときは酒場で歌を歌うといくらかもらえるかもしれません。基本的に魅力が高いキャラクターであるため交渉ごとは得意と言えます。

まとめ

いかがでしたか?バードは戦闘の支援から回復と幅広く対応できるほか、場合によっては積極的に戦うことも可能です。また非戦闘時のロールプレイでも活躍することができます。そしてなによりバードの声援で周りを生かすことができるので、パーティーをうまく機能させる潤滑油的な役割も担うことができます。そのためには広い視野も必要ですがぜひともバードにチャレンジしてみましょう!
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