アーティフィサーのロールプレイ方法|魔法のアイテムを造り出すD&D5版のクラス

ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)をには多くのクラスがありますが、モノづくりの能力を応用しながら冒険ができるアーティフィサーがあります。アーティフィサーはどの分野を専門とするかによってロールプレイの仕方が変わっていきます。そこでアーティフィサーのロールプレイを解説します。

アーティフィサーとは

アーティフィサーは魔法技師と呼ばれ、ありふれた物体を魔法のアイテムへと目覚めさせることができます。職人が使うような道具を使って魔法をコントロールし、魔法の品を作り上げます。D&Dの世界の一つであるエベロンではこうしたアーティフィサーの魔法の技術は秘術科学と呼ばれ多くの魔法装置が開発につながり、戦争では大量破壊兵器として使われた技術ですが、エベロンに数々の奇跡的な大事業を実現させることができています。アーティフィサー自体は新しい金属や元素エネルギーの発見に興奮を覚え、常に新しいものへの衝動を示したりします。

アーティフィサーをおすすめする理由

アーティフィサーは魔法と科学を掛け合わせたクラスで、これまでのD&Dのクラスとは少しばかり毛色が異なります。呪文が使えるほかに普通のアイテムに魔法的な力を吹き込むことができます。魔法のアイテムを使って戦ったり、魔道砲を作って砲撃したりと派手なことができるほか、DMさえ許可すれば銃火器を扱うことも可能です。アーティフィサーが他のクラスと大きく異なるところは最大限にパフォーマンスを発揮するのが戦闘のための準備を行う大休憩後にあるところです。「魔具化」や「呪文蓄積アイテム」をどのように使うかがアーティフィサーを輝かせる鍵となります。

アーティフィサーのはエベロン冒険者ガイドまたはTasha’s Cauldron of Everything (ターシャの万物釜)に記載されています。

「魔法の小発明」で魔法のアイテムを作る

魔法のアイテム創造中
超小型のものに魔法的特性を一つ付けることができます。その特性は少し光らせたり、録音・再生したり、匂いや音を発生させたり、一つの面に視覚効果を表現したりすることができます。この効果は一つの物には一つしか付与できませんが、別個のものであれば最大で知力修正値の数だけ付与でき、その効果は永続します。

「魔具化」で普通のアイテムに魔法的な力を吹き込む

4種類の魔具化式を修得し、大休憩を終えるたびにアイテムの魔具化ができます。魔具化できる数は決まっているので新しく魔具化が行われた場合は一番古いものは魔具化が終了し、新しいものに適用されます。

魔具化式レベル対象アイテム説明
押しやる盾6盾1つ(要同調)盾のAC+1。4チャージを持ち、攻撃を受けた際にリアクションでチャージ消費をすることで最大15フィート押しやることができる。
輝く武器6単純武器または軍用武器1つ(要同調)武器に攻撃ロールとダメージロールに+1。ボーナスアクションで光る。4チャージを持ち、攻撃を受けた際にリアクションで光り、敏捷力セーヴに失敗すると盲目状態になる。
抵抗の鎧6鎧(要同調)ダメージ種別の一つに抵抗を得る。
戻り道のブーツ6ブーツ1足(要同調)ボーナスアクションで最大15フィートまでのメルことができ何もない所へテレポートできる
秘術焦点具強化ロッド、スタッフ、ワンド1つ(要同調)この杖に呪文攻撃ロールに+1、相手の1/2遮蔽を無視する。
武器強化単純武器または軍用武器武器の攻撃ロールとダメージロールに+1。
防具強化鎧または盾鎧または盾のAC+1。
戻ってくる武器投擲特性を持つ単純武器または軍用武器1つ(要同調)この武器の攻撃ロールとダメージロールに+1。投擲後使用者の元へ戻ってくる。
連射武器矢弾特性を持つ単純武器または軍用武器1つ(要同調)この武器を使った遠隔武器の攻撃ロールとダメージロールに+1。自動的に矢弾が作られる。
魔法アイテムの模造2~14さまざま特定のアイテムの模造品を作る
ホムンクルスのしもべ6宝石1つかクリスタル1つ超小型のホムンクルスを造り出す。

サブクラスがアーティラリストであれば魔導砲、バトル・スミスであればスチール・ディフェンダーを連れます事ができますが、アルケミストやアーマラーには連れ回せる仲間がいません。アーマラーは自分の鎧を魔具化することを考えると難しいですが、アルケミストであれば連れ回せる仲間として「ホムンクルスのしもべ」を作ると良いでしょう。

「仕事道具作成」で職人道具を作る

アーティフィサーは普段仕事道具を持ち歩かなくても「仕事道具作成」により魔法的に職人道具を造り出すことができます。アーティフィサーはアーティフィサー呪文の焦点道具として職人道具を使うので、この特徴を使えばいつでも焦点具として使うことができます。

「道具習熟強化」で道具を使いこなす

6レベルのアーティフィサーは道具を使った能力値判定では習熟が2倍になります。

「天才のひらめき」で判定をサポート

7レベルになると30フィート以内の誰かの能力値判定やセーヴにリアクションを用いてそのロールに知力修正値を加えることができます。知力修正値に等しい回数使用でき、大休憩を取るとその回数は回復します。

「魔法のアイテムの名匠」で理解が深まる

10レベルになると魔法のアイテムの使用法と作成方法に理解が深まり、同調可能なアイテム数が4になります。また作成する魔法のアイテムのレアリティがコモンかアンコモンであれば作成に必要な時間は1/4になり、費用も1/2になります。レベルが14になると「魔法のアイテムの碩学」となり、同調できるアイテム数は5になり、アイテムの使用や同調についてのクラス・種族・レベル・呪文の制限を無視することができます。さらに18レベルになると「魔法のアイテムの達人」になり、同調できるアイテム数は6になります。

「呪文蓄積アイテム」で武器に呪文封入

大休憩を終えるたびに単純武器1つ、軍用武器1つ、または焦点具となるアイテム1つにアーティフィサー呪文の1~2レベルで1アクションで発動できる呪文を一つ蓄積させることができます。このアイテムを持つキャラクターはアクションを消費して呪文を発動させることができます。この呪文はアーティフィサーの知力修正値の2倍の回数使用することができ、呪文スロットも不要なので使用頻度の高い低レベルの呪文を蓄積させておくと便利です。

必要に応じて前で戦えるヒットポイントと習熟を持つ

アーティフィサーは中装鎧と盾に習熟ボーナスを得るので近接攻撃もある程度こなせます。中には自身で防具を強化したりもするものも現れ、呪文の使い方次第では前線で戦うこともあります。ヒットダイスも1d8なので決して打たれ弱いというわけではありません。

ヒットポイントは【1d8+耐久力修正値】。
アーティフィサーレベルが上がる毎に【1d8+耐久力修正値】追加。ロールせず固定の場合は【5+耐久力修正値】。

「銃火器習熟」で火薬が扱える

DMによる選択ルールになりますが、アーティフィサーは銃火器の習熟を得ることができます。

「技術魔法の真髄」で魔法のアイテムとの絆を得る

アーティフィサーを極めると「技術魔法の真髄」を見極め、作成した魔法のアイテムとの絆を得ることができます、これにより同調している魔法のアイテムひとつにつき、すべてのセーヴィングスローに+1のボーナスを得ることができます。また、ヒットポイントが0になった時に死ななかった場合、自分の魔法のアイテムの魔具化式を終了させることで、ヒットポイントが0にならず1までしか減らないようにできます。

秘術科学として呪文が使える

アーティフィサー呪文は様々な種類が多いですが、準備できる呪文には限りがあります。そのためどのような呪文をを準備するか、アーティフィサーのロールプレイスタイルに合わせてリストを作成する必要があります。準備済みのリストは大休憩後に変更が可能です。アーティフィサーの呪文の十尾とはまたアーティフィサーは儀式発動も可能なので、「アイデンティファイ」や「ディテクト・マジック」のように儀式対応の呪文は呪文スロットを使用せずに唱えることができます。

準備できる呪文数は「知力修正値+アーティフィサーレベルの1/2(切り捨て)」。

初級呪文は使い放題

アーティフィサーは1レベルの時点で初級呪文を2つ取得しています。この初級呪文は準備する必要がなくスロットの残りと関係なく回数無制限で使用することができます。初級呪文の種類はウィザード並みに多く、ダメージを与えるものも豊富です。ただ、ホムンクルスを作ったり、魔導砲やスチールディフェンダーを生成するアーティフィサーは「メンディング」は押さえておいた方が良いでしょう。

  • アシッド・スプラッシュ ・・・ 酸の泡を投げつける
  • ガイダンス ・・・ 能力値判定にボーナス
  • クリエイト・ボンファイアー ・・・ 焚き火を作りだす
  • サンダークラップ ・・・ 遠くまで聞こえる雷鳴が炸裂する
  • ショッキング・グラスプ ・・・ 手で触れて電撃ダメージを与える
  • スペア・ザ・ダイイング ・・・ HP0で死んでいない対象を容体安定化させる
  • ソーン・ウィップ ・・・ 棘に覆われた蔓の鞭を作り出す
  • ダンシング・ライツ ・・・ 空間に光の球体を作り動かす
  • ファイアー・ボルト ・・・ 炎の矢を飛ばしダメージを与える
  • プレスティディジテイション ・・・ 奇術に使える演出ができる
  • フロストバイト ・・・ 凍えるような霜で覆いダメージを与える
  • ポイズン・スプレー ・・・ 手のひらから毒ガスを放つ
  • マジック・ストーン ・・・ 投擲する小石に魔力を吹き込む
  • メイジ・ハンド ・・・ 空中に手を作り出し動かす
  • メッセージ・・・120フィート以内の離れた相手と会話ができる
  • メンディング ・・・ 物体の傷の修理
  • ライト ・・・ 一つの物体から周囲を明るく照らす
  • レイ・オブ・フロスト ・・・ 冷気エネルギーのビームを放つ
  • レジスタンス ・・・ セービングスローにボーナス

アーティフィサーの専門職とは

専門職
アーティフィサーの専門職とはアーティフィサーのサブクラスであり、どの分野の魔法のアイテムを作成するのが得意かを表します。専門職によっては戦闘時のロールプレイの方向が決まります。

アーティフィサーの専門職専門職の特徴
アルケミスト錬金術師で薬品を組み合わせて神秘的なものを作ることが得意。試作型エリクサーを作ることができます。
アーティラリスト魔法を使って戦場にエネルギーを放出する砲術士で、魔導砲を作ることができます。
バトル・スミス戦場の鍛冶屋として物品や人員の双方を防備し修復できる守り手です。スチールディフェンダーを作ることができます。
アーマラー(Armorer)甲冑を改造する甲冑師で、鎧に強力な攻撃と力強い防御を身につけます。

アーティフィサーに求める能力値

アーティフィサーは呪文をはじめ様々な特徴を活かすことができる「知力」が必要です。また戦い抜く上でも「耐久力」か「敏捷力」が高い方が良いです。

おすすめのロールプレイ方法

アーティフィサーはサブクラスによって立ち回り方が変わってきます。アルケミストであれば呪文中心で動き、アーティラリストであれば遠くから魔導砲を放つでしょう。またバトル・スミスやアーマラーであれば前に出て戦うことが求められるでしょう。また、アーティフィサーの場合は大休憩後に行えるアイテムの魔具化がポイントになります。

戦闘時

アーティフィサーは呪文を使うほか、魔具化したアイテムを活用することで戦いを有利に進めることができます。またアーティフィサー呪文も上手に使うことで、魔法職としての立ち回りも可能です。アルケミストは呪文と試作型エリクサーによる回復と支援が中心となり、それ以外は積極的に戦闘に参加できます。銃火器習熟が可能であれば、アルケミストも火薬兵器を取り扱うことができるので戦闘での活躍も期待できます。

  1. ポジショニング ・・・ 前で戦えるサブクラスであれば積極的に前線に出て、それ以外であれば適度に距離を取りながら戦います。特にアーティラリストの場合は魔導砲を使用する場所が重要です。
  2. アクション ・・・ 武器による攻撃のほか呪文での支援や攻撃、呪文蓄積アイテムの使用を行います。
  3. ボーナスアクション ・・・ 魔導砲による砲撃やスチールディフェンダーへの命令、ホムンクルスのしもべへの命令などを使う。
  4. リアクション ・・・ 機会攻撃のほか、待機させた呪文を発動させる。アーマラーの鎧がガーディアンであれば引き付けることが可能。

戦闘では直接戦うだけではなく呪文によるサポートや魔法のアイテムの使用なども重要です。

非戦闘時

アーティフィサーは非戦闘時の準備が1番の山場となります。特に「魔具化」でどのアイテムに魔具化式を注入するか、「呪文蓄積アイテム」でどの呪文をセットするかということは大休憩終了後にしか行うことができません。アルケミストであれば試作型エリクサー、バトル・スミスであればスチールディフェンダーも大休憩後でしか作成できません。ここでの準備がのちの戦闘に大きく関わってきます。

また、忘れていけないのが呪文の準備です。選択済みの初級呪文とサブクラスの呪文以外の呪文は大休憩で使用できるリストを見直すなど、すぐ使えるように準備をしておく必要があります。

まとめ

アーティフィサーは大休憩での準備こそがロールプレイの肝になり、パーティーへの貢献につながります。そのため華やかな場面が回ってこないかもしれません。しかし、魔具化したアイテムはパーティーを救うこともあり、ものづくりの技術はピンチを切り抜けることにも繋がります。アルケミストの試作エリクサーやアーティラリストの魔導砲、バトルスミスのスチールディフェンダー、アーマラーのアーマーモデルなどは製作から使用するまで楽しいでしょう。是非ともアーティフィサーをロールプレイしましょう。
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