ノーデンスとは|大いなる深淵の大帝であるクトゥルフ神話TRPGの神格
目次
ノーデンスとは
ノーデンス
(Nodens)とは、クトゥルフ神話においてH.P.ラヴクラフトが創造した神であり、「大いなる深淵の主」(Lord of the Great Abyss)とも、「大帝」とも呼ばれています。邪神ばかりのクトゥルフ神話では珍しく善神として扱われています。背が高い人間と同じサイズであるためうっかり人混みの中に登場させたくなるかもしれませんが、うろうろするようなフランクなお爺さんというわけではありません。ノーデンスはクトゥルフ神話以外では遊戯王や東京放課後サモナーズに登場します。
「イルカの背に縁がギザギザになった巨大な貝殻が載っており、その中に大いなる深淵の大帝ノーデンスの灰色の恐ろしい姿があった…すると白髪のノーデンスはシワだらけの手を差し伸べ、オルニーと小屋の主がその大きな貝殻の船に乗るのを助けた」 ーーH.P.ラブクラフト『霧の高みの不思議な家』
ノーデンスの画像
ノーデンスの画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
出典:ElioSoSavage
出典:mundotentacular.blogspot.com
出自
初出はH・P・ラヴクラフトの1926年執筆で1931年に発表した『霧の高みの不思議な家』です。『未知なるカダスを夢に求めて』では、ドリームランドの地下に広がる暗黒世界「大いなる深淵」を治めています。
ノーデンスを形容する言葉
ノーデンスは登場した以下のように形容されています。
- 「大いなる深淵の主」
- 「大帝」
ノーデンスのモデル
ノーデンスはケルト神話の神ノドンスをモデルにしたと言われています。ノドンスは癒しの神として崇められ、聖獣として犬を連れていたと言われています。また病を治す力を持つとされ、水に縁のある神でとして同じケルト神話の「ヌアザ」であるともされています。ヌアザは戦で右腕を切り落とされるほどの大怪我しますが、のちに銀でできた義手を身につけを王位についたとされています。このことから銀腕(アーガトラーム)とされています。
生息地
ノーデンスはドリームランドの地下に広がる暗黒世界「大いなる深淵」に居ます。この深淵はナイトゴーント(夜鬼)が守っており、不用意に近づく者を連れ去ります。
旧支配者との戦い
いくつかの『エイボンの書』によればノーデンスはヨグ=ソトースの大敵らしいですが、旧支配者が封印されている今ではニャルラトテップとライバル関係にあります。ニャルラトテップがシャンタク鳥を使役しているように、ノーデンスはナイトゴーント(夜鬼)を使役しています。ノーデンスとニャルラトテップは人間に対する関わり方では対立していますが、神々の保護については方向性が違えども同じです。
人間との関わり
ノーデンスは人間に対して友好的であり善神という位置付けをされることが多い神です。それは時々地球を訪れては邪神に苦しめられている人間を助けたりします。しかし実際のところいつでも助けるというわけでもなく、邪神が関わっているときは積極的に助けるようです。もし、人間がノースデンのいるドリームランドの暗黒世界に入り込み大いなる深淵に近づいた場合、ノーデンスの意思に従うナイトゴーントが人間を連れ去ります。なお『未知なるカダスを夢に求めて』では、ニャルラトッテプの手からノーデンスやウルタールの猫が人間を助けています。ノーデンスは全ての人の言葉を理解しているので会話は可能です。
教団
ノーデンスはまだ人類が目覚めた頃にインスピレーションと創意工夫の種を人に植えた神としてアフリカ大陸で崇拝されていました。また、神話上でアトランティスの高位の住民は、チョッツァー(Chozzar)の名前でノーデンスを崇拝し、それを魔法の神としていました。ただ、ガタノソアのカルトとの抗争によりムー大陸が沈む前に寺院は破壊されたとされています。現在ではノーデンスを崇めるカルトは存在しません。
特徴
ノーデンスは背が高くて堂々とした男で、あごひげと白髪で、時には巻き毛があります。目は淡いブルーである場合もあれば、ターコイズ色または黄色がかった輝きを持っている場合もあり、超自然的な性質を示しています。顔は厳粛ですが、優しく微笑むこともあります。一度激怒すると、恐ろしい怒りの表情を表します。装飾品無くでシルクまたはコットンのトーガ(古代ローマ風の衣装)を着ていますが、青または完全に白に染められています。足はすねに結ばれた革のストラップのサンダルで身に着け、こぶのある木製の杖を持っています。多くの場合、神話上の生物に引かれる巨大な貝殻でできた戦車に乗って登場します。
ナイトゴーントによる連れ去り
ノーデンスのその強大な力から弱い相手には物理的な攻撃を行うことはありません。その代わりに争いを避ける手段としてナイトゴーンとを召喚して連れ去るように命令します。
ノーデンスはPOW対抗ロールで相手を追い払おうとしますが、相手が抵抗すれば自分からその場を離れます。ナイトゴーントはその時に気に入った人を連れ去ります。
装甲
ノーデンスは装甲は持っていませんが、その気になれば1ポイント分の装甲を得ることができます。
外見による影響
ノーデンスの外見は普通の人の姿であるため、正気度を失うことはありません。
クトゥルフ神話に出てくる神格では珍しく外見で衝撃を受けることはありません。
ノーデンスの呪文
ノーデンスはマジックポイントを消費して杖を掲げる動作だけでナイトゴーントを召喚することができます。召喚できる数は1ポイントにつき1体であり、まとめて召喚することも可能です。また、マジックポイントを消費して立ち所に傷を癒すこともできます。ノーデンスは旧支配者と戦う能力を持つのでさまざまな呪文も使えるでしょう。
ノーデンスのステータス
ノーデンスの詳細はマレウス・モンストロルムまたはルールブックを参照してください。
ノーデンスの倒し方…戦おうとするといなくなります
ノーデンスは人間が倒せるかもしれません。ただ、ほとんどの場合は探索者がノーデンスに対して敵意を持つこともないでしょう。ノーデンスは善神であり、人間を苦しめる邪神に手を差し伸べる存在です。探索者が旧支配者の神を崇めるのであれば敵意を持つかもしれませんが、おそらくその時点で正気を保っていないのでプレイヤーの手を離れているでしょう。ノーデンスの耐久力は30と多くありませんが、マジックポイントを消費することで受けたダメージを回復することができます。
ノーデンスは高いDEXを持つため、まず戦闘に突入する段階で銃器を構えていない限り先手を打つことはできないでしょう。最初の行動で相手を追い払い、その場に残るものがいるのであればナイトゴーントを召喚するでしょう。そして次元の扉を開いて立ち去るため、攻撃の機会すらないかもしれません。また、運良く攻撃をしたとしてもすぐに傷を癒すので、保有するマジックポイント以上のダメージを与える必要があります。ただ、なんども言いますが人間に対して悪意なく手を差し伸べる数少ない神のため戦おうとすることは避けましょう。
まとめ
いかがでしたか?ノーデンスは探索者を手助けしてくれるであろう神格であり、積極的に戦う相手ではありません。人語を解するので意思疎通も可能ですし、見た目も人であるため正気度を失うことすらありません。もしかすると、邪神によりピンチに陥ったのであれば積極的に助けてくれるかもしれません。 もしセッションで遭遇することがあれば是非ともその慈悲に縋ってみましょう。