ニャルラトホテプ(ニャルラトテップ)とは|人間を騙し破滅させるクトゥルフ神話の神格
目次
ニャルラトホテプ(ニャルラトテップ)とは
ニャルラトホテプ
(Nyarlathotep)とはニャルラトテップ、またはナイアーラソテップ、ナイアルラトホテップ、ナイアーラトテップともさまざまな名前で呼ばれ、クトゥルフ神話においてH.P.ラヴクラフトが創造した「外なる神」の一柱で、神々のメッセンジャーでありながら人間を蔑むようにアザトースを含む他の旧支配者を蔑んでいます。クトゥルフ神話TRPGでも特に有名な邪神であり、地球上ではさまざまな崇拝対象としての化身の姿で記録されています。人間を殺戮や破壊することに喜びを得るのではなく、混乱に陥れて破滅へと導くことこそ喜びとしており、一番理想とする邪神に近いでしょう。ニャルラトホテプは人間の姿で化身として登場してもおかしくないので、TRPGのシナリオを自作するときは恐怖の黒幕として使いやすい神格とも言えます。
クトゥルフ神話以外でも人気であり、「這いよれ!ニャル子さん」のニャル子はこの神格をモチーフにしています。モンストことモンスターストライクではニャルラトホテプとして登場しています。またペルソナ2にも登場しています。
「背が高く細身の体で、古代のファラオを思わせる若々しい容貌であり、きらびやかな虹色のローブを纏い、内側からの光によって輝く黄金の二重冠をいただいている…暗黒神や堕天使のような魅力を備え、目のあたりには気まぐれな感じをどことなく漂わせていた」 ーーH.P.ラブクラフト『未知なるカダスを夢に求めて』
ニャルラトホテプの画像
ニャルラトホテプの画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
出典:rddit
出典:JasonEngle
出自
初出はH・P・ラヴクラフトの1920年執筆の小説『ニャルラトホテプ』でこの時はエジプトのファラオのような存在として描かれています。『未知なるカダスを夢に求めて』ではドリームランドの大いなるものを守護(監視)する存在として、主人公を騙してアザトースの宮廷に連れて行こうとしたりとノーデンスとの対立構造が生まれています。
ニャルラトホテプを形容する言葉
ニャルラトホテプは登場した作品で以下のように形容されています。
- 「這い寄る混沌」
- 「無貌の神」
- 「闇に棲むもの」
- 「貌のない黒いスフィンクス」
- 「大いなる使者」
- 「燃える三眼」
- 「月に吼えるもの」
- 「嘲笑する神性」
生息地
ニャルラトホテプはアザトースの宮廷にいますが至る所に現れます。ニャルラトテップに仕えるシャンタク鳥はこの領域に乗った者を連れていくこともあります。
系譜
ラヴクラフトの系譜によるればニャルラトホテプはアザトースにより生み出された3つの存在「ニャラルラトテップ」「無名の霧」「闇」の一つです。妻にヘラジカの女神イホウンデーを持ちます。子供は数多く、イブ=ツトゥルも、ンラス=ゴル(N’rath-Gol)がその子とされています。また、影の女悪魔マイノグーラ(Mynoghra)は従姉妹であると云われている。
旧神との戦い
ニャルラトホテプは旧支配者たち(邪神)を率いて旧神に謀反を起こし戦いを仕掛けましたが、旧神と星辰の戦士たちとの戦いに敗れてほとんどが宇宙や地球などに封印されました。しかしニャルラトホテプはその封印から逃れ、今でも自由に行動しています。
ニャルラトホテプとアザトースの関係
ニャルラトホテプにとってアザトースは創造主であり、親子関係と同じもとしてアザトースに仕えています。旧神との戦いの中で旧支配者のほとんどは追放・封印を逃れたニャルラトホテプは封印と共に知性を失ったアザトースや他の神々の代行者として、さまざな化身の姿を取りその意向に沿ったことをします。ただし、当のニャルラトホテプはアザトースですら嘲笑っているとされています。
人間との関わり
ニャルラトホテプは人間と深く関わりを持ち、自身を崇拝するカルトの人間を忠実な奴隷として扱います。そして、崇拝者には呪文を授けたり破壊的または争いを引き起こす思想を伝えたり、手を貸すために従者である怪物を貸し与えます。これらは全て人類に破壊と混乱を引き起こすための助力であり、人間を救うという意志はこれっぽっちもありません。
ニャルラトホテプを崇拝する教団
ニャルラトホテプはさまざまな姿を持つことからカルトも数多く持ち、そのカルトの名称はニャルラトホテプの化身の姿の名前であることが多いです。
- 暗黒のファラオ団・・・カイロとロンドンで活動
- 血塗られた舌・・・ケニアとニューヨークで活動
- 星の知恵派・・・プロヴィデンスで活動
- 砂コウモリ教団・・・オーストラリア
- 膨らんだ女教団・・・上海で活動
- 野獣の結社・・・
化身
ニャルラトホテプは化身の姿で人間の前に現れ、その姿は人間と同じであったり、概念的なものや抽象的な形状で現れることもあります。また地球上の神話に出てくる悪神としての姿もあります。
- 赤の女王
- 悪心影
- クルーシュチャ方程式
- チクタクマン
- 膨れ女
- 闇をさまようもの
- 人間の化身
- 暗黒の男
- パズズ
- バロン・サムディ
- テスカポリトカ
- ロキ
- アフリカのアトゥ
- 暗黒のファラオ
- 暗黒の魔物
- ウィッカーマン
- 浮き上がる恐怖
- オールド・ワンの使者
- 影だまり
- 黒い雄牛
- 黒い風
- 黒いライオン
- ココペリ
- 骨格の恐怖
- ジャック・オー・ランタン
- 宿主
- シュゴーラン
- セト
- 小さき這うもの
- 血塗られた舌
- 角を持つ男
- 嘆きもだえるもの
- 憎しみの像
- ニャルラトフィス
- 人間の姿
- 這い寄る霧
- 皮膚なきもの
- 緑の男
- 無貌の神
- 野獣
- 闇に棲みつくもの
- 闇の魔神
- ルログ
輝くトラペゾヘドロン
輝くトラペゾヘドロンとは、黒光りして赤い線が走る直径10センチメートルほどの多面結晶体が収まった箱状のアーティファクトです。構造は宝石が箱の内面に触れることなく、金属製の帯と奇妙な形をした7つの支柱によって箱の中に吊り下げられています。箱の形状は不均整な形状をしており、異形の生物を象った奇怪な装飾が施されています。このトラペゾヘドロンを凝視すると、心に異界の光景が浮かび上がり、心に異界の光景を浮かび上がらすことができるようになりますが、逆に異界の存在にこちら側を覗かれてしまいます。また、混沌の彼方より「闇をさまようもの」を召喚できます。つまり、ニャルラトホテプを召喚できます。リン・カーター版『ネクロノミコン』によれば、もともとは暗黒星ユゴスで造り出され、ミ=ゴが輝くトラペゾヘドロンを地球に持ってきたとされており、その後このアーティファクトの所有者は星の知恵派など転々としています。
特徴
ニャルラトホテプは1000の姿を持つと言われ顔を持っていません。そのためさまざまな姿をとりますが、本来の姿は「咆哮する貌のない円錐形の頭部を持つ肉の塊で、触腕、鉤爪、手が際限なく伸縮するもの」として描かれています。人の姿の時は人と同じように振る舞うことができ、超常的な力を見せることはしません。
触腕、鉤爪、手(付属肢)
ニャルラトホテプは人の姿をしているときは人と同じように手を扱うことができます。しかし、一度人間の姿ではない怪物の姿になったときは無数の付属肢を使い攻撃することもできます。
人の姿の時は探索者同様パンチで1D3+ダメージボーナスですが、怪物の姿の時は10D6+ダメージボーナスまで上がります。
装甲
ニャルラトホテプは装甲は持っていません。
外見による影響
ニャルラトホテプが人の姿をしている時であれば正気を失うことはありませんが、深い傷を負うなどして人の姿から怪物へと変化した時は激しく正気を失うことがあります。
人の姿以外を目撃したことによる正気度ロールによる失う正気度ポイントは「1D10/1D100」。
ニャルラトホテプの呪文
ニャルラトホテプはすべての呪文を知っています。またシャンタク鳥や狩り立てる恐怖、外なる神の従者はマジックポイントを1消費して召喚できます。人間が神格との交信を開く呪文として「ニャルラトテップ(ニャルラトホテプ)との接触」があります。
ニャルラトホテプのステータス
ニャルラトホテプは人間の姿とそれ以外の姿の時はステータスが大きく異なります。ニャルラトホテプの詳細はマレウス・モンストロルムまたはルールブックを参照してください。
ニャルラトホテプの倒し方・・・といっても倒せません
ニャルラトホテプは人間が倒せる存在ではありません。おそらく人の姿として探索者と接触するでしょう。探索者はその人物がニャルラトホテプと気づかずに敵対するかも知れず、最悪の場合は戦闘になるかも知れません。その時は耐久力が15程度であるため、火器を持っていればあっけなく倒すことができるでしょう。ただし、ニャルラトテップは耐久力が0になると、地面に倒れたのちにより怪物の姿になり宇宙へと飛び去ります。人の姿であれば感じなかった恐怖を感じることになり、一歩間違えば狂気へと陥ります。
まとめ
いかがでしたか?ニャルラトホテプ(ニャルラトテップ)は探索者では手に負えない恐るべき神格です。悪意に見ており探索者を助けるふりして堕落させたり罠に陥れようとします。シナリオでも悪意ある存在として扱いやすいのですが、本気を出すとひとたまりもありません。キーパーがこの神格を登場させる時は決して探索者には手を出さないフィクサーとして探索者を混乱させてみましょう。