ヨグ=ソトースとは|宇宙のあらゆる時空の隙間に存在するクトゥルフ神話TRPGの神格

ヨグ=ソトースとは

ヨグ=ソトース(Yog-Sothoth)とはクトゥルフ神話においてH.P.ラヴクラフトが創造した「外なる神」の一柱で、副王としてアザトースに次ぐ位置にあるとされています。「存在」ではなく「空虚」(void)とも表現され呼ばれ、「始まりも終わりもない」、また「かつてあり、いまあり、将来あると人間が考えるものはすべて、同時に存在するのもの」とされています。ヨグ=ソトホート、ヨグ・ソトト、ヨグ・ソトホース、ヨグソトースと表記のブレがありますが、ヨグ=ソトースが一般的です。クトゥルフ神話TRPGではシナリオで時空移動させたい時に出てくることがあります。

クトゥルフ以外では、パズドラのほか冒険企画局から出ている『異世界TRPG伝説 ヤンキー&ヨグ=ソトース』でバッドヤンキーとしてヨグ=ソトースが登場します。また『転生したらスライムだった件』(転スラ)ではクロエ・オベールの究極能力として時間を操る「時空之王(ヨグ・ソトース)」があり、のちに「時空之神(ヨグ=ソトホート)」として進化します。またFGO(フェイトグランドオーダー)ではサーヴァントのアビゲイル・ウィリアムズを依代として登場します。

「巨大な光の球が開いた空間に向かって集まっていった・・・。近くにある破裂して別れた球と、外側へ向かって着に誘導していく原形質の肉が再び結合して、あの外宇宙の不気味な恐ろしい怪物を形作ろうとしていた・・・。その姿は玉虫色の球体の集塊であり・・・時空の一番底の基地に向こうで、核となる混沌の中で、原始の粘液として永遠に向こうに泡立っているのだ。」    ーーオーガスト・ダーレス『暗黒の儀式』

ヨグ=ソトースの画像

ヨグ=ソトースの画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
ヨグ=ソトース
出典:A-I Graphics

ヨグ=ソトース2
出典:Walter Broccaによる作品

出自

初出はH・P・ラヴクラフトの『チャールズ・デクスター・ウォード事件』において作中に使われる呪文の中に名称として登場します。もっとも存在としての登場は『ダニッチの怪』において人間との間に産まれた子がヨグ=ソトースを召喚しようとしています。『銀の鍵の門を越えて』では窮極の門の先にヨグ=ソトースいるとされています。

ヨグ=ソトースを形容する言葉

ヨグ=ソトースは登場した作品の中で以下のように形容されています。

  • 「あらゆる大地、あらゆる宇宙、あらゆる物質を超越する、最極の空虚」
  • 「無」
  • 「限りのない空虚」
  • 「存在、大きさ、範囲という概念のことごとくを超越するもの」
  • 「人間であり非人間であり、脊椎動物であり無脊椎動物であり、意識をもつこともありもたないこともあり、動物であり植物」
  • 「カーターが自分であることを知っている存在」
  • 「カーター自身の原型」
  • 「時間と空間を超越するただ一つの窮極的かつ永遠の」
  • 「まだ生まれてもいない未来の世界におけるランドルフ・カーターと呼ばれる不条理かつ法外な種族の実体」
  • 「幼年期の夢で見た魅惑つきせぬ領域」
  • 「惑星ヤディスの魔道士ズカウバが繰返し連続して見る夢」
  • 「地球はおろか太陽系において知られざるものの囀りや呟きに似た音」
  • 「局所性、自己一体感、無限性とが組み合わさった空恐ろしい想念」
  • 「力の渦動」
  • 「原型的な無限の目眩く到達不可能な高み」
  • 「不変かつ無限である現実」
  • 「ただ一つの原型的かつ永遠の存在」
  • 「窮極の原型」
  • 「深淵と全能の実体」
  • 「口にするのもはばかれるほど神聖な存在」
  • 「インドの寺院に彫りこまれた手足と頭を多数備える彫像」
  • 「真実の人」
  • 「彼のもの」
  • 「そのもの」

生息地

存在、大きさ、範囲という概念のことごとくを超越するものであり、ヨグ=ソトースにとっては生息地という概念が意味を持っていません。宇宙を構成するプレーンとプレーンの隙間に生息しており、全時空に通じる存在(あるいは全時空そのもの)である事から、時空移動の際には「窮極の門」においてヨグ=ソトースと必ず接触する事となります。

系譜

ラヴクラフトの系譜によるればアザトースが生み出した3つの存在「ナイアーラトテップ」「無名の霧」「闇」の中の、無名の霧からヨグ=ソトースは生まれたとされています。ヨグ=ソトースは雄性・男性神格であり、闇から生まれたシュブ=ニグラス(雌性)との間に多くの旧支配者を子孫に持ちます。主な子孫は以下の神格があります。

  • クトゥルフ
  • ハスター
  • ヴルトゥーム
  • ツァトゥグァ

ミーゼアとの対立

ヨグ=ソトースはクトゥルフ神話TRPGにおいて、ティンダロスの猟犬を率いる強大なる大君主ミゼーアと対立しています。時空を司るヨグ=ソトースと時空が生まれるから存在し角を司るティンダロスの猟犬は相入れることがありません。

銀の鍵と窮極の門

「銀の鍵」とは奇妙なアラベスク模様に表面が覆われた長さが5インチ近くある大きな銀できた鍵です。この鍵と呪文の力を使うことで時空を超えてあらゆる場所に行くことができる門を通り抜け「窮極の門」に辿り着くことができます。「窮極の門」とはヨグ=ソトースへと通じる門であり、時空を超えて移動するときに必ず通過する必要があります。この門ではヨグ=ソトースはタウィル・アト=ウムル(命長きもの)という化身の名で知られており、時空を旅するものと交渉を行うことがあります。

『ネクロノミコン』

クトゥルフ神話TRPGにも出てくるもっとも有名な魔道書といえば『ネクロノミコン』でしょう。アラビアの狂える詩人であるアブドル・アルハズラットが著わしたとされる魔道書『アル・アジフ』が原典とされ、ギリシャ語に翻訳されたときに『ネクロノミコン』と称されるようになりました。その後いくつかの言語で翻訳され、『ダニッチの怪』では不完全な英語版がヨグ=ソトースを召喚させるために用いられ、逆にそれを撃滅するためにも用いられています。

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人間との関わり

ヨグ=ソトースは魔術師たちの神であり、魔術師にプレーンを超えた旅をする力を与えたり、他のプレーンを覗き込む力を与えたりします。ただ、この力を与える背景にはヨグ=ソトースが地球へやってきて破壊と略奪、つまり生命体を貪り食うために訪れる道を開くためです。また、タウィル・アト=ウムルとしてであれば安全に時空の移動の交渉ができるかもしれません。

ヨグ=ソトースの落とし子

ヨグ=ソトースは神格ですが人間との交配により子供を産ませることができます。これはイエス=キリストが神の子であるようにおかしいことではないのかもしれません。落とし子については『ダニッチの怪』に出てくるウィルバー・ウェイトリーとその弟が出てきており、ウィルバーの描写には山羊のような頭とあります。その姿はさまざまな姿をしており、可視化しているもの、不可視のもの、人間に形が近いもの、化物じみたものとその形は一定ではありません。人間ならざる力や思想を持っていることが多く危険な存在ですが、ウィルバーのように犬に噛み殺されるものもいます。

教団

ヨグ=ソトースには信奉する教団があり、ネ=パン教団や銀の黄昏教団、テンプヒル教団、音と光クラブなどが知られています。

特徴

定まった形を持たない、神聖な(邪悪な)超越神とされ、具体的に顕現する姿は「絶えず形や大きさを変える虹色の輝く球の集積物」、「一つ一つが太陽のように強烈な光を放つ玉虫色の球体の集積物」として知られています。集合体である体は絶え間なく動いたり離れたり、互いの中で流れ込んだりしています。そのサイズは頻繁に変わり、ある時は幅100m、ならある時は1kmにも達しており、ヨグ=ソトースが出現した時には「空飛ぶ円盤」として報告されることもあります。

球体

ヨグ=ソトースの体で生み出される粘りつく球体は触れた者は接触部分の腐食や萎縮、腐敗などが起きてCONを永久に失います。この球を攻撃手段として使うこともでき、命中したものは耐久力を失うようなダメージは負いませんが、CONを失うことで死んでしまうかもしれません。

電撃の球体

ヨグ=ソトースの球には銀色で液状の球や火炎状の球があり、この球を発射して標的を攻撃することもあります。この球は1km以上飛ばすことができ、普通のものであれば当たると破壊することができます。また生物の場合は破壊ではなく麻痺させることも可能です。この球が衝突失したところを起点に半径5mの範囲はエネルギーの影響を受けます。

生物に対して破壊の効果が出る場合、その生物は死にます。

装甲

ヨグ=ソトースの体は絶え間なく動く不定形で球体を至る所に持っていますが、その体に装甲は持っていません。ただ、装甲がないから傷つきやすいということではなく魔法的に守られているため、非物理的な手段でしか傷付けることができません。

外見による影響

ヨグ=ソトースを目撃した人は神の権限を目撃するのと同じで球体を目撃した時は激しく正気を失うことがあります。ただし、タウィル・アト=ウムルの姿であれば正気を失うことはありませんが、突然球体になるかもしれません。

正気度ロールによる失う正気度ポイントは「1D10/1D100」。

ヨグ=ソトースの呪文

ヨグ=ソトースはあらゆる呪文を使うことができます。また「ヨグ=ソトースのこぶし」という名前を冠した呪文があり、この呪文を唱えることで見えない力で相手を打ち倒したり、扉を破壊したりすることができます。また『チャールズ・デクスター・ウォード事件』に使われた呪文は「復活」であり、その一文を逆の順番で「OGTHROD AI’F GEB’L-EE’H YOG-SOTHOTH ‘NGAH’NG AI’Y ZHRO」と唱えたことで復活させた存在を元に戻すことができます。

ヨグ=ソトースのステータス

ヨグ=ソトースはSTRという指標では測ることができません。ヨグ=ソトースの詳細はマレウス・モンストロルムまたはルールブックを参照してください。

ヨグ=ソトースの倒し方

ヨグ=ソトースは人間が倒せる存在ではありません。そのため、倒すということを考えるのではなく元いた場所へどうにか戻す手段を考えるべきでしょう。ちなみに装甲は持たず、耐久力も400であるためもしかすると倒せるかもと思うかもしれませんが、その体には銃器に限らずミサイルのような破壊をもたらす普通の武器では一切ダメージを与えることができません。ヨグ=ソトースにダメージを与えることができるのは魔力を帯びた武器のみであり、探索者の手には負えないことがわかるでしょう。ですので、ヨグ=ソトースが顕現してしまった時は「ヨグ=ソトースの退散(神格の退散)」の呪文を使い、20ポイントのマジックポイントと引き換えに道を開きましょう。さらにマジックポイントを消費して退散させましょう。

どうしても戦いたい、ダメージを与えたいというのであれば、呪文「スレイマンの塵」を使い、エジプトの粉とも呼ばれる灰緑色の粉を大量に作りましょう。この粉は地球外の存在に対して有効で1服で1D20のダメージを与えることができます。全てが最大ダメージを与えるのであれば最低でも20袋は必要でしょう。

まとめ

いかがでしたか?ヨグ=ソトースは探索者では手に負えない恐るべき神格です。多くの神格の父親的存在でもあり、普通の攻撃しかできない人間では太刀打ちできません。簡単に探索者をロストさせることができるのでおいそれとシナリオに登場させることはできませんが、時空の門にいる存在としてタウィル・アト=ウムルで登場させても負いでしょう。神話の系譜をシナリオに織り込むのであれば名前でも登場すると良いでしょう。その存在には宇宙的な広大さがあるので、スケール感を出したいのであればぜひともヨグ=ソトースを使ってみましょう。

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