ビヤーキー(バイアクヘー)とは|宇宙を駆けるクトゥルフ神話生物
目次
ビヤーキーとは
ビヤーキー
はクトゥルフ神話TRPGに登場するクリーチャーであり、使い勝手の良さからプレイヤーに知られている存在です。バイアクヘー(Byakhee)の名前でも知られており、クトゥルフ神話TRPGだけではなくモンストやペルソナ5などのゲームにも登場しています。
「飼い慣らし、調教された翼のある雑種の生き物の群れがバタバタをリズミカルに翼を羽ばたかせて現れた・・・カラスでもなく、モグラでもなく、ハゲタカでもなく、アリでもなく、腐乱死体でもない、何か私には思い出せない、いや、思い出してはならない生き物だった」 ーーH.P.ラヴクラフト「魔宴」
ビヤーキーの画像
ビヤーキーの画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
出典:LoïcMuzy イラストレーター/コンセプトアーティストによる作品
出自
オーガスト・ダーレスの『永劫の探究』5部作の1話『アンドルー・フェランの手記』に登場しました。またラヴクラフトの「夜宴」に登場した際は奇妙な翼のある獣がキングスポートの住民を平行宇宙、おそらくドリームランドに運ぶと仮定されています。
生息地
ビヤーキーは水素を主成分とするガスと、わずかな固体微粒子とからなる星間物質、および銀河の微弱な磁場、宇宙線が存在する宇宙空間に棲んでいます。
生態
グレート・オールド・ワンの一つであるハスターの眷属であり、ハスターがいるとされているヒアデス星団に存在する古代都市カルコサの近くにある「黒きハリ湖」に棲んでいると思われます。また、プレアデス星団のセラエノ(ケラエノ)もハスターの支配下にあるという説があるため、プレアデス星団の宇宙空間にもいると思われます。
集団行動
ビヤーキーが集団生活を取るかはわかっていません。ただこのハスターの眷属であるため、広大な宇宙で括るのであれば集団でいると考えることもできます。
狩りと食性
ビヤーキーの食性は不明ですが、大きな鉤爪と鋭い牙による噛みつきは肉食動物と同じであることから、狩りを行うと想像されます。宇宙にいることから狩りをするにしてもどこで何を獲物としているかはわかりませんが、STRを吸収することから大型の動物を好むと推測できます。
繁殖と生活周期
繁殖と生活周期については定かではありません。パトリック・トーマスの著書『Surery You Joust』では円卓の騎士であるトリスタンがビヤーキーに跨っており、そのビヤーキーは雌とされています。つまり雌雄が存在する可能性もあり、地球上の生物のように繁殖はあると考えることができます。
人間との関係
知能が高く独自の言語を話しますが、地球の言語も理解し話す事もできるため人に懐く事もあります。前述の『Surery You Joust』ではアーサー王の円卓の騎士ダゴニットはフランスを訪れた際バイアクヘーに乗る空の騎士トリスタンと出会い、そこで与えられた雌バイアクヘーを“ウイングドレディ(Winged Lady・翼ある貴婦人)”と名付けて可愛いがったところ、信頼で結ばれた話が描かれています。またラヴクラフトの『夜宴』でも住民を乗せて宇宙を移動することが描かれています。そのためビヤーキーはり普通の地球人を大気圏外へも連れて行けるとなっています。
ビヤーキーに乗るために
ビヤーキーに乗るためにはまずビヤーキーを召喚して従属させなくてはなりません。主に召喚呪文である「ビヤーキーの召喚」を詠唱し、ハスターを讃え、ビヤーキーの呼び笛を吹くと空のどこからか羽ばたきながら降りてきます。ただし、宇宙空間を通過してきているため氷のように冷たくなっています。従属させているのであればそのまま乗ることができますが、そのままでは激しい環境の変化と宇宙の真空に耐えることができません。そのために事前に「黄金の蜂蜜酒」を飲んでおく必要があります。
「黄金の蜂蜜酒」はダーレス著書『アンドルー・フェランの手記』にも登場しており、そのまま宇宙へ飛び出すための必需品と言えます。なおクトゥルフ神話TRPGでは呪文「黄金の蜂蜜酒の製法」という呪文で製造することができ、飲むと宇宙空間にいる間は精神的および肉体的に静止状態となり、周りのことに対してほぼ無感覚になっています。
特徴
体長2・3メートルの巨大な怪物で、宇宙空間でも生きていくことができます。蟻のようだけど短い触角、腐乱死体のような人間のような皮膚と目、爬虫類のような耳と口を持ち、肩と尻の付根辺りにそれぞれ鋭い鉤爪が付いた手足を左右2本1対ずつ持っています。尻には「フーン」という銀河の磁気を操る器官があり、これを使って飛行することが可能です。
星間飛行の速度
ビヤーキーは銀河の磁場と同調することで宇宙では光速の10分の1程度の速度が出すことができます。宇宙に出る前の地球の大気圏内では時速70キロメートル程度だが、気圧が下がればさらに早く飛ぶ事ができます。宇宙ではフーンを使うことで「カイム」という空間を作りだすことができ、その中では光速の400倍程度の速度で飛ぶ事もできます。なお参考までに真空中の光速度は約30万km/sであり、ビヤーキーは約1億2000万km/sの速さで宇宙飛行を行うことになります。1光年を約22時間で到達できる計算になります。このことからハスターがいるとされるプレアデス星団までの443光年も一年ちょっと(約406日)でたどり着くことが可能です。一番近い恒星はプロキシマ・ケンタウリは地球から約4.22光年なので3日程度で到着できます。
かぎ爪
ビヤーキーは翼のある腕と後ろ足に鋭いかぎ爪を持っており、このかぎ爪を使い探索者に攻撃を行います。
かぎ爪によるダメージは「1D6+ダメージボーナス」
鋭い牙による噛みつき
鋭い牙は戦闘マヌーバを行うように探索者に噛み付くことができ、噛み付くことに成功すれば相手に取りつき、毎ラウンドSTRを3D10吸い続けます。STRを吸い尽くされ0になった探索者は痩せ細り絶命します。なお、噛みつかれたものは対抗STRロールに成功すれば噛みつきから脱出することができます。
噛みつきによるダメージは「3D10ポイントのSTR」が減少。ただし、十分な休養や輸血により失った STRを少しずつ回復させることができます。
装甲
腐った死体のような皮膚は2ポイントのダメージを減少させる装甲となります。
呪文が使える
ビヤーキーはは呪文を使うことができます。その呪文の数は最低で1D4種類を使いこなすと言われています。ただし、無関係の神や生物を呼び出したりすることはないでしょう。
外見による影響
ビヤーキーを目撃した時に探索者は正気度を失う可能性があります。
正気度ロールによる失う正気度ポイントは「1/1D6」。
ビヤーキーに関する呪文
ビヤーキーに関する呪文として「ビヤーキーの召喚/従属」があります。この呪文を修得しているのであれば星間宇宙にいるビヤーキーを召喚して騎乗することができます。
ビヤーキーのステータス
ビヤーキーの能力値はルールブックまたはソースブックを参照してください。
ビヤーキーの倒し方
ビヤーキーは普通の物質でできており、魔力を帯びていない普通の武器でも倒すことが可能です。HPも14と特別に多いというわけでもないので、銃火器があれば比較的簡単に倒すことができるかもしれません。地上を走って移動する分には移動率は5と遅いですが、飛行しだすと空中の移動率は16とほぼ人間の倍の速さで移動します。
そのため空を飛び始めると銃で狙うのは難しくなります。
攻撃は1ラウンドに2回の攻撃が行われるために注意が必要です。鋭いかぎ爪による攻撃は体を切り裂き、噛みつきによる攻撃は生物のSTRを吸い取ります。つまり、どれだけ近接戦闘に自信があろうとも近くにいては危険であり、距離をとって戦うことが大事です。
まとめ
いかがでしたか?宇宙を移動する乗り物としてビヤーキーですが、人間が倒せない生物ではないので比較的シナリオに導入しやすいと思います。ただ、最後の障害としてはインパクトに欠ける部分があるので、星間の移動を織り込んだシナリオなどでの乗り物として登場させると良いでしょう。ただ地球を飛び出して宇宙に広がるので、キーパーはホラーだけでなくSFとしての要素も準備しておく必要があるでしょう。是非とも地球を飛び出してみましょう!