黄衣の王ハスターの化身とは|クトゥルフ神話TRPGの神格ハスターの一つの像

ハスターの化身とは

ハスターの化身は黄衣の王(The King in Yellow)とも呼ばれ、クトゥルフ神話TRPGに登場する神格であるハスターが人を形どったものであり、黄衣の王のほかにカルコサの王、黄色の印の主と呼ばれています。クトゥルフと並ぶ神格でありながら人の形を取ることもでき、多くの眷属とともに知られています。ハスターの化身はクトゥルフ神話TRPGだけではなく、「IdentityV」や「モンスターストライク」にも登場します。

「彼はバルコニーの上に立っている。彼には顔がまったくなく、背は普通の男性の2倍はある。ぼろぼろで、幻想的な色合いのローブの下に先のとがった靴を着け、細い絹の飾りがフードの先から垂れ下がっている…時々彼に翼があるかのようにも見え、またある時は後光に覆われているようにも見える。」    ーージェイムズ・ブリッシュ「More Light」

ハスターの化身の画像

ハスターの化身の画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
ハスターの化身
出典:JamesRymanによる作品

ショゴス2
出典:niwanotanukiによる作品

出自

初出はロバート・W・チェンバースが著し、1895年に出版された短編集である『黄衣の王』(The King in Yellow)で、『黄衣の王』を読んだハワード・フィリップス・ラヴクラフトが同書に登場する「黄の印」に『闇に囁くもの』で言及し、このことが契機となって黄衣の王がクトゥルフ神話大系の一部と見なりました。

生息地

書物『黄衣の王』によるとヒアデス星団の古代都市カルコサの地を舞台にした、黄衣を着る王の存在が書かれています。ヒアデス星団とは、おうし座に位置する散開星団であり、1等星アルデバランの近傍に広がるV字形の星の集団で、おうし座の顔の位置にあります。日本ではその形状から釣鐘星(つりがねぼし)と呼ばれていました。地球からの距離は今日では150光年と考えられています。

カルトなど人間との関係

人間にとってハスターの化身は信仰の対象であり、孤独な狂人や芸術家、詩人がそのカルトに多く属しています。これは呪われた戯曲である「黄衣の王」により狂気に駆り立てられ、常人では理解できないものの芸術性を感じたり、その創作意欲を刺激されたためとも言えます。もしかすると突然ドラッグで亡くなったり廃人になったミュージシャンはカルトのメンバーだったのかもしれません。

黄色の印

縞瑪瑙のメダルとされている黄色の印はハスターが黄衣の王の姿の時の印象であり、オカルトに関心がある人々に力を与えることがあります。クトゥルフ神話TRPGでは歪んだ三つ巴のような図案として考えられており、街中に普通にあっても何も知らない人にとっては一つのデザインですが、悪夢などにより黄色の印を理解した時に初めて活性化し影響を受けるようになります。活性化するとこれまで気づかなかった場所に黄色の印があることに気づくようになります。そして黄色の印を最初に目撃した時に正気度を失うことがあります。うっかり正気度を失ってしまった人は呪われてしまい、眠りにつくたびに黄衣の王、古代都市カルコサ、ハスターについての悪夢を見ます。

戯曲「黄衣の王」

謎と嘆願に覆われた戯曲「黄衣の王」は読む者を狂気に晒す魔道書として扱われています。表紙には黄色の印が浮き出ており、見た者に好奇心を受け付ける効果があります。この戯曲に取り憑かれた者は黄衣の王やカルコサに心を奪われ執着するようになります。芸術的な分野で才能のある者はこの芝居を読み返したくなるようです。なお、戯曲であるため呪文の習得はありません。

特徴

ハスターの化身である黄衣の王は常人の倍ほど(3~4m)の背丈があり、黄色の衣を纏っています、また「蒼白の仮面」で素顔を隠しています。黄衣は衣装ではなく肉体の延長であり、仮面は対象に取り憑きその生命力を吸収できる擬足を隠しています。体は柔らかく自由に姿を変えて維持できる可塑性を持ち合わせています。人間の倍の身長を持つにもかかわらず、移動速度も倍ほどあり車の速さ並みに早く移動することができます。また、自由に出没できるとも言われています。

黄衣の王の凝視

ハスターの化身に見つめられた者は恐怖の発作を引き起こします。この凝視はPOWロールでイクストリーム成功すると逃れることができます。

この凝視を受けた者は1D6の正気度を失いますが、高い精神力を持っていればこの凝視を避けることもできます。

ぼろ服のカミソリ

ハスターの化身が纏っているように見えるぼろぼろの黄色い衣は服ではなく、実際は体の一部が変質したものです。そのため、ハスターの化身はぼろ服の一部分を擬足のように伸ばし斬りつけることができます。擬足は1本ではなく、最大6本分攻撃することとができます。

擬足は1D6+DBおよびPOWに1D6ダメージを与えます。

顔の触手

ハスターの化身は蒼白仮面の下にある触手を使って攻撃することがあります。触手は対象にキスするように吸い付き、その間ずっとPOWを吸い続けます。

顔の触手は1D10+DBのダメージを与え、キスしている間はずっと1D10のPOWを吸収します。

装甲

ハスターの化身のぼろぼろの黄色い衣は擬足のようなものであり、体の一部であるため外皮として装甲は持っていません。

外見による影響

ハスターの化身を目撃した人はぼろぼろの衣を纏い蒼白い仮面をつけている王を見ても正気度の損失はありません。ただし、それ以外の姿を見た場合は正気度を失います。

正気度ロールによる失う正気度ポイントは「1D3/1D10」。

ハスターの化身の呪文

ハスターの化身はすべての「招来」「接触」「召喚」「従属」の呪文が使え、またその他の呪文も使うことができます。

ハスターの化身のステータス

ハスターの化身の詳細はマレウス・モンストロルムまたはルールブックを参照してください。

ハスターの化身の倒し方

ハスターの化身は人型をしているとは言え、その存在に気づいたら戦わずに逃げるべき存在です。魔法的な守りはないため通常の武器や銃火器でもダメージを与えることができますが、ひとたび戦闘になれば攻撃する前に襲われることでしょう。物理的なダメージは多くはありませんが、その攻撃でPOWを削られます。また、見つめるだけで相手を恐怖に陥れることもできるので離れているからといって安全ではありません。もし、ハスターの化身を倒そうと思うのであれば軍の1分隊くらいの人数で一斉射撃をすると良いでしょう。ただし、狂気に陥った兵士が銃を乱射するということもあり得るので十分注意しましょう。

まとめ

いかがでしたか?ハスターの化身は探索者では手に負えない恐るべき神格です。やり方次第では倒せないことはありませんが、その被害も大きいでしょう。ハスターの化身を見かけたら近寄らずに戦わないようにしましょう。

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