クトゥグアとは|クトゥルフ神話の炎の邪神で旧神に封印された旧支配者
目次
クトゥグアとは
クトゥグア
(Cthugha)は炎の邪神として知られる神格で、クトゥルフ神話においてオーガスト・ダーレスが創造した旧支配者の一柱で、顕現する時は「生ける炎」の姿をしています。配下に「火の精」と呼ぶ、触れたものを発火させる光の小球を従えています。クトゥルフ神話TRPGでもクトゥルフやハスターと並び、4大元素の「炎」に位置付けられています。
クトゥグアはクトゥルフ神話TRPG以外でもアニメやソシャゲのキャラクターとしても人気があります。パズドラやモンストに出てくるほか、東京放課後サモナーズでは擬人化したドラゴンの姿で登場し、「Fate/GrandOrder」では楊貴妃に宿っています。また、カードゲームで人気の遊戯王にも登場して、アニメでは「這いよれ!ニャル子さん」にも登場します。
「 我々は目を覆っていたのだが、その大きな無定形の塊がこの呪われた場所から、天へ向かって上っていくのを見ないわけにはいかなかったし、同じように大きなものが、木の上を生きている炎も雲のようにさまよっているのを見ないわけにはいかなかった。」 ーーオーガスト・ダーレス『闇に棲みつくもの』
クトゥグアの画像
クトゥグアの画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
出典:douzenの作品
出自
初出はオーガスト・ダーレスの1944年執筆の小説『闇に棲みつくもの』で、この中で無数の炎を従える生ける炎の姿をしてるとされています。また、この時にニャルラトホテプとの対立構造が生まれています。
生息地
クトゥグアは地球からは27光年離れたフォーマルハウト(みなみのうお座の口にあたる場所)の近くにあるコルヴァズという小さい恒星の中に棲んでいます。
旧神との戦い
クトゥグアは旧支配者たち(邪神)と共に旧神に謀反を起こし戦いを仕掛けましたが、旧神と星辰の戦士たちとの戦いに敗れてフォマルハウト近くのコルヴァズに封印されました。クトゥグアは長い間、封印が解かれることを待っています。
眷属
クトゥグアの眷属にはハイパーボリアを滅ぼしたアフーム=ザーや炎の精フサッグアがいます。アフーム=ザーは、自身や同じように封印された旧支配者を解放するために、凍える炎アフーム=ザーを産み落としています。フサッグアは炎の吸血鬼の長であり、クトゥグアが顕現する時に一緒に現れます。
ニャルラトホテプとの対立
クトゥグアはニャルラトホテプと対立関係にあります。『闇に棲みつくもの』ではニャルラトホテプが地球上での拠点のひとつにしようとしたアメリカ・ウィスコンシン州リック湖のほとりのンガイ森をどうにかするために、人間がクトゥグアを召喚して森を焼き払っていることからも分かります。
ニャルラトホテプとの対立という要素はTRPGのシナリオでも使いやすいかもしれませんが、クトゥグアが出現すると周りを焦土化するため注意が必要でしょう。
人間との関わり
クトゥグアは人間とあまり関わりを持ちませんが炎のカルトとの結びつきはあるようで、古代ローマにおいてメルカルト教会がそのカルトに当たります。ただ、人間に友好的な神格というわけではななく、召喚時の事故もよく発生しています。
クトゥグア召喚時の事故
クトゥグアはフォーマルハウトに封印されるため、その力に頼るときは召喚する必要があるのですが、想定しない展開により召喚が失敗することがあります。一つは外なる神ヤマンソ(イォマグヌット)が出現することであり、もう一つはクトゥグア顕現の力が大きすぎることによる火災です。ヤマンソはクトゥグアが召喚される通り道の次元に存在しており、通り道が繋がったままだとヤマンソがその道を通り出現することがあります。また、火災は召喚の儀式を維持することができず、クトゥグアの持つ熱や炎の吸血鬼や炎の精によって周囲に引火して発生します。1666年のロンドン大火はクトゥグアの召喚儀式の失敗によるものと言われています。
クトゥグアを崇拝する教団や代表者
クトゥグアは人間との関わりがないので現在は目立ったカルトとありませんが、過去には存在しています。
- メルカルト教会・・・古代ローマの時代にスティギアの神官が信仰しています。これはカルタゴ人の神であるメルカルトとモロクへの信仰とクトゥグアの信仰が絡み合うことで存在していました。
- ネスター・モベダン・モベド・・・ネスターは6世紀のゾロアスター教の預言者です。黄金の党を浄化しようとするも失敗し、信者の子孫はインドネシアとロシアへ移住しています。
特徴
クトゥグアは炎の塊のように見えます。醜い暗い斑点がくすんだオレンジ色の表面にまだらであり、回転する炎の大きな柱が縁の周りに弧を描いてい燃え上がっています。また不定形であるため形を変えて擬足のような器官を作り出すこともできます。
焦土化
炎の塊であるクトゥグアはそこに存在するだけで周囲を周囲に火をつけます。そのため、その範囲にいるものは徐々に耐久力を失います。
焦土化による影響の範囲から逃れてしまえばいいのですが、その範囲は40mから最大で400mとも言われています。
擬足化
不定形の体を変化させ、擬足として対象を打ち付けたり捉えることができます。また、擬足化と同じように体の形を変え、炎を噴射する器官を作り出すこともできます。
炎を噴射するときは大型の火炎放射器のようなイメージです。その射程距離は150mあり、着弾点から20mの範囲で激しく燃え上がります。この炎に巻かれた生物はほとんどの場合、瞬時に燃え上がり死んでしまいます。なお、炎や熱を遮る分厚い壁などがあれば助かる見込みはあるようです。
装甲
クトゥグアは燃え盛る炎の効果からか14ポイントの装甲を持ちます。なお、クトゥグアに触れた武器はドロドロに溶けて破壊されます。
外見による影響
クトゥグアが太陽にイメージが近いためか、神格には珍しく正気度の損失は少ないです。
目撃したことによる正気度ロールによる失う正気度ポイントは「1D3/1D20」。
クトゥグアの呪文
クトゥグアは炎に関するすべての呪文を知っています。クトゥグアは召喚されなければ地球上に現れることができないので、9月〜11月の晴れた夜でフォーマルハウトが空に上がった時だけ「クトゥグアの招来」を使い召喚することができます。
クトゥグアのステータス
クトゥグアはの詳細はマレウス・モンストロルムまたはルールブックを参照してください。
クトゥグアの倒し方・・・といっても倒せません
クトゥグアは人間が倒せる存在ではありません。なにせ近くにいるだけで周りは燃え上がり、生物は衰弱していきます。さらに周囲には炎の精や炎の吸血鬼が存在します。さらに恐ろしいことにクトゥグアが放出した炎は瞬時に生物を丸焦げにし、攻撃を受ける際に触れた武器を溶かして破壊します。このことからも戦う選択肢は賢明ではありません。
そのため一番の対処方法は、クトゥグアが現れたときは速やかに退散の呪文を唱えることです。周囲に引火して大火災を引き起こす存在であるため、退散させるのであればできるだけ早い方が良いでしょう。もし、どうしても攻撃したい!というのであれば焦土化の影響を受けない遠距離からの攻撃しかありません。クトゥグアは空中に浮いて移動でしないのですが炎の吸血鬼など眷属が大勢いるため、眷属に絡まれないように立ち振る舞うことも大切です。
まとめ
いかがでしたか?クトゥグアは探索者では手に負えない恐るべき神格です。全てを燃やし尽くす存在と言っても過言ではなく、ダメージを与える前に燃やしつくことでしょう。TRPGのシナリオ作成ではニャルラトホテプとの関係性を活用したり、原因不明の火災や歴史上の大火災を扱う時にクトゥグアやその眷属は使いやすいです。是非とも陽にまつわるシナリオを作り、クトゥグアを登場させてみましょう!