ミ=ゴとは|山岳や鉱山に出没させやすいクトゥルフ神話生物
目次
ミ=ゴとは
ミ=ゴ
はクトゥルフ神話TRPGに登場するクリーチャーであり、使い勝手の良さからプレイヤーに知られている存在です。雪男やエイリアンなど物語のもととなっているとされており、またカルトとの関わりも持たせやすいのでどこかで見たことがあるかもしれません。ただ外見的にはよく知られている雪男のような哺乳類の外見とは異なっています。
「それらは背丈が約5フィートあるピンクがかった色の生き物だった。甲殻類のような胴体にばかでかい背びれというか、膜のような翼と言った方が良いかもしれないようなものがついており、関節肢が数組ついていた。普通なら頭があるはずのところには、非常に短い触手に覆われた渦巻き状の楕円体がついていた
・・・足を全部使って歩くこともあれば、一番後ろの2本だけを使って歩くこともあった」 ーーH.P.ラヴクラフト「闇にささやくもの」
ミ=ゴの画像
ミ=ゴの画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
出自
初出は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説『闇に囁くもの』で、この時は忌まわしき雪男(Abominable Snow-Men)、「ユゴスよりのもの(Fungi from Yuggoth)」と呼ばれていました。そののち発表された作品の『狂気山脈にて』でも登場しています。名前の由来はヒマラヤのシェルパ族の言語で雪男を表す「イエティ」をブータン語で発音した「ミゲー」からきており、ラヴクラフトはイエティの正体をこの種族としています。
生息地
ミ=ゴは恒星間種族で主なコロニーがある冥王星にいます。地球上のいくつかの山岳地帯(南北米大陸やヒマラヤ、ネパールなど)にも鉱山採掘コロニーを作っており、珍しい鉱石を探しています。また月にもコロニーがあるとされておりミ=ゴとの協力関係がある人間が地下都市に居住し、シュブ=二グラスを祀っています。
生態
豊かな探究心を持っており、ユゴス星からはるばる人類誕生前の地球まで鉱物資源を採取するために来ています。この資源採取が一番の目的であるため、世界征服や人類を食料として襲うようなことはなく、どちらと言えば極力関わりがないようにしています。
集団行動
ミ=ゴが同種族で集団生活を取るかはわかっていません。ただニャルラトホテプとシュブ=ニグラスを信仰していますが、ほかの神格を崇拝している可能性もあります。ミ=ゴは自身の知識と引き換えに人間を使役したり、カルトと結びつくこともあります。表立って行動することはなく支配下にある人間を隠れ蓑として利用しています。
狩りと食性
ミ=ゴの地球上の食べ物を食べることができないため、食料を全て他の世界から持ち込んでいます。高度な知性あるため人間狩りを行い食料を調達するということはありません。ただ必要以上に自分たちに近づく存在にはたとえ食用と見ていないくても容赦無く危害を加えます。
繁殖と生活周期
繁殖と生活周期については定かではありません。また雌雄があるかも定かではありません。ただ高い知能と高度な医療技術を持っているため人間のような受胎は行わず、繁殖用の装置があっても不思議ではありません。
人間との関係
ミ=ゴは知能を持っており、基本的には人間には手出しをしません。その理由は地球上での鉱石採掘で人間を雇ったり強要して手先にように扱い、手伝わせたり隠れ蓑にしていたりすることにあります。また驚異的な外科手術の能力も持っており、人間の脳を金属の筒である脳収容器に入れて生かし続け、遠くの星や地球外に持ち運ぶこともできます。収容器に入れられた脳は生きており、収容器に視覚装置・聴覚装置・会話装置を取り付けることでそばにいるものと交信することができます。地球上ではヒマラヤ山脈に出没する雪男の原型として長年知られる存在となっています。
ミ=ゴの円筒状の脳収容器
ミ=ゴは人間の脳を取り出して脳収容器にいれることで脳を保存することがあり、この容器ごと宇宙を移動することがあります。この金属の容器は表面がツヤツヤしており、高さ30cmで前面に3箇所ソケットがついており、このソケットに視覚・聴覚・会話機能を接続することが可能です。この容器器の中の脳は狂気に近い眠りにの状態であり、普段は夢や幻覚を見ています。
特徴
体長は5フィート(150cm)ほどでピンクがかった甲殻類のような胴体にばかでかい膜のような翼とがついており、大きなハサミのようなカギ爪を持っています。頭部は非常に短い触手に覆われた渦巻き状の楕円体がついており、太り後ろ足の2本で立ち上がることもできます。大きな羽は宇宙空間を飛ぶことに適しているものの、地球ではあまり器用には動かせないようです。性質としては菌類に近い生物であり、意思疎通には頭部の色を変えて行います。ミ=ゴの身体は普通ではない周波数と共鳴するため、その分子の振動の影響で写真に収めることができません。現在のハイテク機材を用いても撮影できていません。
かぎ爪
ミ=ゴは2本の大きなハサミのようなかぎ爪を持っています。このかぎ爪で近くのものを引っ掛けたり払ったりするほか、相手が自分と同じか小さければ挟んで空高く飛び上がります。掴まれた被害者は落下によるダメージか空気が薄い上空まであがり肺が破裂する危険があります。
かぎ爪によるダメージは「1D6+ダメージボーナス」
超音波を発生する
ミ=ゴは頭部を変色させて意思疎通をはかるほかに、羽虫の発生させるようなブーンという音でも意思疎通を図ることができます。この音により超音波と超低周波を作り出すことができ、ミ=ゴから12m以内の人間はトランス状態に陥り行動ができなくなります。この催眠状態の人間に対してミ=ゴは話しかけることができます。
超音波による催眠はミ=ゴから12m以内の人間はPOW対抗ロールに失敗すると行動がトランス状態に陥り行動ができなくなります。また催眠状態の人間に対してミ=ゴは5ラウンドごとに1マジックポイントを消費することで話しかけることができ、話しかけられた相手はPOW対抗ロールに失敗すると操られてます。
虚光を作り出す
光子を外に出さない暗闇を作り出します。この暗闇は中にある光は中を照らすことができますが闇の境界を光が越えることはありません。
この暗闇はシートで覆われているキューブのような空間やバブルのような空間でもよく、暗闇1立方メートルごとに1マジックポイントが必要です。
装甲
装甲はないものの地球上の生物ではないため全ての貫通するダメージは最小限のダメージしか与えることができません。死亡すると装甲を含めて体が溶けて透明な粘液に変わります。この粘液はすぐに乾いて油っぽいシミのようになります。
呪文が使える
ミ=ゴは25%の確率呪文を使うことができます。その呪文の数は最低で1D3種類を使いこなすと言われています。ただし、無関係の神や生物を呼び出したりすることはないでしょう。
外見による影響
ミ=ゴを目撃した時に探索者は正気度を失う可能性があります。
正気度ロールによる失う正気度ポイントは「0/1D6」。
ミ=ゴに関する呪文
ミ=ゴに関する呪文として「ミ=ゴとの接触」があります。この呪文を修得しているのであれば高山の頂上などで使うことでミ=ゴと接触することができます。ただし、ミ=ゴは知能が高く接触をすると逆に洗脳され、いつのまにか脳だけの状態になってしまう可能性もあります。そのため接触するときは一人でするのではなくカルトなどを使い集団で接触を図り、双方にメリットのある取引をするように心がけましょう。
ミ=ゴのステータス
ミ=ゴの能力値はルールブックまたはソースブックを参照してください。
ミ=ゴの倒し方
ミ=ゴは地球外の生物ですが、魔力を帯びていない普通の武器で倒すことが可能です。HPも10と特別に多いというわけでもないのですが、貫通効果のある弾丸などでは最小限のダメージしか与えることができません。そのため効果的なダメージを与えたいのであれば打撃や爆破による攻撃が有効です。地上を走って移動する分には移動率は7と標準的な人間とかわりませんが、飛行しだすと空中の移動率は9となるため人間よりは早く移動することができます。
攻撃は1ラウンドに2回の攻撃が行われるために注意が必要です。鋭いかぎ爪による攻撃は体を切り裂き、掴まれるとそのまま上空に引き上げられます。次のターンで9m上空まで上がることができ、9mから落とされると地面がコンクリートであれば3D10ダメージを受けてしまいます。ただミ=ゴは自分と同体格以下しか持ち上げることができないので、大柄であれば持ち上げられることはありません。また催眠効果のある超音波を発生させるので近距離で戦うことには危険が伴います。
連射可能な銃であれば最小ダメージしか与えることができないと割り切りながら距離を取って数でダメージを与えるか、催眠に抵抗しながら貫通効果のない打撃武器で仕留めるかという方法になります。なお弓の技能があるのであれば弓は貫通効果を持たないので距離を保ちながら高めのダメージを与えることが可能です。
ミ=ゴ関連商品
ミ=ゴはその人気と知名度のせいか、関連商品があります。
まとめ
いかがでしたか?ミ=ゴは人間と関わりやすく、また倒す方法もあるので比較的シナリオに導入しやすいと思います。ただ危険な生物には変わりがないので意味もなく登場させるのではなく、カルトと結びつきを持たせるなどして登場する理由を考えると良いでしょう。またシナリオの舞台を高山していけばミ=ゴとの接触も可能なので、違和感なく登場させることもできます。ぜひともシナリオを書くときは登場させてみましょう。