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イスの偉大なる種族とは|時間を旅する精神体種族であるクトゥルフ神話生物
目次
イスの偉大なる種族とは
イスの偉大なる種族
(Great Race of Yith)はクトゥルフ神話TRPGに登場するクリーチャーであり、イス(またはイース)と呼ばれる滅亡しつつある銀河の彼方から6億年前の地球に到来した、実体を持たない精神生命体です。短くイス人またはイース人と呼ばれることもあります。時間の秘密を極めた唯一の種族であることから、畏敬の念を込めて「大いなる種族」と呼ばれています。一番の特徴は時間を超越して精神体が別の生物に寄生ができるという点にあります。
「それは巨大な虹色の円錐体で、身の丈は約10フィート、幅は基部のところで約10フィートあった。うねがついていて鱗のある半弾力性の物質でできていた。その頂部からはくねくねした4本の円筒形の器官が伸びているが、それらも円錐体自身と同じうねのある物質でできていた。これらの器官は時には見えなくなるまで引っ込められたり、時にはぐっと伸ばして10フィート物の長さにまであった。4本の器官のうちの2本の先端は、巨大なかぎ爪がカニのハサミのようになっていた。3本目の器官の先端はトランペット型の赤い付属がついていた。4本目の器官の先端は直径約2フィートほどのいびつな球形になっていた。球形は黄色っぽい色をしていて、中心付近の円周に沿って3つの大きな黒っぽい目が付いていた…この頭のてっぺんから灰色の細い茎が4本出ていて、その先には花のような付属器官が付いていた。頭の下部のところからは緑っぽい8本の触覚あるいは触手のようなものが垂れ下がっていた。中央の巨大な円錐体の基部は灰色のゴム状の物質で縁取られていて、それをのばしたり縮めたりすることによって動き回るのである」 ーーH.P.ラヴクラフト「未知なるカダスを夢に求めて」
イスの偉大なる種族の画像
イスの偉大なる種族の画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
出典:Pinterest
出自
初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説『時間からの影』にて登場し、5年もの間ミスカトニック大学のナサニエル・ウィンゲイト・ピースリー教授と精神体を交換しています。
生息地
イスの偉大なる種族はもともとはイスにいたものの銀河の彼方にいたものの、滅亡を回避するために遥か6億年ほど前にやってきて、オーストラリアに生息していた半植物に寄生しています。しばらくの間、クトゥルフやミ=ゴと地球上を分割しており南方の地を支配していました。
生態
イスの偉大なる種族は普段は歴史やその時代に強く関心を持ち、別の生命体と精神を交換して情報収集をしています。科学技術や産業は極めて高度に発展しているため、労働に時間を割く必要はほとんどなく、もっぱら知的・芸術活動に時間を費やしています。特に高い知性を満たすことができる芸術は極めて重要な位置を占めています。
集団行動
イスの偉大なる種族は高い知性を持つ共同体として子を持ち、自分達種族が滅ぶことないように集団で生活を行っています。基本的には社会主義的であり、資源は知的な論理や割合を通じて種族で分け合っています。争いもほぼなく平和です。
狩りと食性
イスの偉大なる種族の半ば植物であるため、その食性はもっぱら液体を摂取しています。高い文明で生活しているため、クトゥルフ神話生物によくある人を襲って食料にすることもありません。
繁殖と生活周期
繁殖と生活周期については胞子によって繁殖しますが、寿命非常に長いため繁殖は滅多に行いません。繁殖は単為生殖であるため相手を必要とせず繁殖することが可能です。
時間旅行と高度文明の産物
完全に時間を征服した種族であることから、自分の精神を時空を超えた先の時代や遡った過去へ送ることもできます。そして、その時代で適切な生物と精神を交換することができます。なお、この時精神を入れ替えられた生物は、この種族の体に囚われた状態になります。この時間旅行を可能にしたのは高度文明による技術力であり、地球上にはないものを生み出しています。
時間通信機
ブロンズ製の高さ30cmほどの構造体で、表面は精巧な彫り物で覆われています。上部に大きめの赤い宝石が埋められており、スイッチを入れると宝石が輝き出します。装置と同調しているイスの偉大なる種族と距離や時間など超越して接触することができます。
精神空白装置
小さく細長い銅板の箱で表面は小さなくぼみで覆われています。箱の一つの面から5本の金属管が伸びており、その先に2.5cmの金属針が付いてます。5ラウンドかけてこの針を人間の頭に刺すことで毎ラウンド記憶を消したり、INTを下げたりすることができます。また、この装置を逆に使うこともでき、装置から記憶を送り込むこともできます。
停滞キューブ
サイズは様々ながらシンプルな形の立方体で金属やプラスチックなど材質も様々です。また使い方としてはボタンを押すタイプのものや開くタイプのものがあります。このキューブの機能はただ一つで、時間の停滞を引き起こすためのものとなっています。どのサイズ、どの素材でも内部には複雑なパネルが仕込んであり、ボタンを押したり開くことで機能を止めることができます。小さいものは避難前の都市にある膨大な書物の保管を、大きいものではこの種族を未来へ飛ばすことに使うことができます。
電撃銃
飛行するポリプと戦うために作られた強烈な電撃を放つ武器で、文明に優れたこの種族では体を使った攻撃を極力避け銃を使います。三脚に据え付けられたカメラのような外見をしているものの、100mの射程で電撃を放つことができ。発射にはエネルギーパックが必要で、装填さえできれば1回の発射でエネルギー全てを放つこともできます。ただし、焼きつきが原因で故障する可能性もあるため、むやみに発射しないほうが良いでしょう。
ナコト写本
クトゥルフ神話で登場する最古の書物で、イスの偉大なる種族が原書を作ったとされています。この書物にはハイパーボリア滅亡後のことが記されており、完全版がドリームランドに存在しまし。写本は5つあり、ヨーロッパとアメリカに存在します。もちろん人間が読むと正気度を失います。
人間との関係
イスの偉大なる種族は自分達の世界の滅亡を逃れて地球にやってきており、かつて地球の南方を支配していました。また、歴史に大変興味を持っていることから人間に精神を入移して過ごすこともあります。この時の支配は比較的緩いものであり、人間もある程度の自由があります。
教団
イスの偉大なる種族は神格ではありませんが、高い知性と精神性など信仰の対象としているカルトが存在し、イスの偉大なる種族は技術や魔術をカルトへ与えます。
特徴
イスの偉大なる種族の本当の姿は不明ですが、地球に生息した半植物は胴体は底部の直径が約3m、高さが約3mの円錐体で、虹色の鱗に覆われています。底部は弾力性のある灰白色物質で縁取られており、ある種の軟体動物のように這って移動するのに用いられています。円錐形の頂部から伸縮自在の太い円筒状器官が4本生え、2本は先端にハサミを備え、重量物の運搬および擦りあわせての会話に使われています。別の1本は先端に赤いラッパ型の摂取口が4つあり、最後の1本には頭部がついています。頭部は黄色っぽい歪な球体で大きな眼が3つ並び、上部からは花に似た聴覚器官を備える灰白色の細い肉茎が4本、下部からは細かい作業に使われる緑色がかった触手が8本、垂れ下がっています。
ハサミ
イスの偉大なる種族の手はバルタン星人のようなハサミになっています。このハサミを使って攻撃することもできますが、文明的な種族なため自分の体を使う攻撃手段をあまり好みません。
ハサミなど身体を使った攻撃によるダメージは「1D6+ダメージボーナス」
電撃銃
基本的には体を使って攻撃するのではなく電撃銃を放ち、敵を追い払います。なお人間がこの銃を手に入れた場合、INTロールに成功すれば使い方を理解するようです。
電撃銃よるダメージは「1D10」。100m離れるごとにダメージは-3。
装甲
虹の鱗で覆われている体は頑丈なため8ポイントのダメージを減少させる装甲となります。
外見による影響
イスの偉大なる種族を目撃した時に探索者は正気度を失う可能性があります。
正気度ロールによる失う正気度ポイントは「0/1D6」。
イスの偉大なる種族に関する呪文
イスの偉大なる種族に関する呪文には接触呪文「イス人との接触」があります。この呪文が唱えられたときに160km以内に人間の体を乗っ取っている場合はこの接触に呼応します。基本的には知的好奇心を満たすための呼応であるため、興味を失うと接触を図ったものを無視します。なおイスの偉大なる種族は呪文を学ぼうとはしませんが、低確率で知っていることもあります。
イスの偉大なる種族のステータス
イスの偉大なる種族の詳細はマレウス・モンストロルムまたはルールブックを参照してください。
イスの偉大なる種族の倒し方
イスの偉大なる種族は鱗や弾性のある体で高い装甲を持つもの、魔力を帯びていない普通の武器でも倒すことが可能です。ただHPも45と多めであるので一筋縄ではいかないでしょう。また、彼らが扱う電撃銃は広範囲で強力なダメージを与えることができるので、銃を使わせないようにすることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?イスの偉大なる種族は高度な文明を持つ種族であり、特に人間に対して大きな害をもたらさないのであれば敵対する必要はないでしょう。彼らの好奇心を満たすために乗っ取られる人がいるので、手放しで共存できる相手ではありませんが、うまく取引ができれば手助けしてくれるかもしれません。ぜひともイスの偉大なる種族と接触してみましょう!