大いなるクトゥルフとは|ルルイエに眠るクトゥルフ神話を代表する神格
目次
大いなるクトゥルフとは
クトゥルフ
(Cthulhu)はコズミックホラーの「クトゥルフ神話」の代表格と言われる神格で、太平洋の海底に封印された水を司る旧支配者の一柱です。H.P.ラヴクラフトを中心に編纂された神話体系でもその名前が用いられるほど存在であり、一番知名度の高い邪神と言えます。また、クトゥルフ神話TRPGだけでなく、モンストやFGOなどにも登場する他、さまざまな漫画にも影響を与えています。
「それは漠然と類人の輪郭を備えた怪物を表現していた。蛸のような顔を持つその顔は、触手の塊で、うろこに覆われたゴムのように見える体、後ろと前の足には巨大なかぎ爪、そして長く細い翼が背中にあった。この怪物は・・・膨れ上がり肥大した体を持ち・・・よろめきながら立ちふさがり、緑色のゼラチン状の巨大な塊を黒い戸口からきごちなく絞り出した・・・山が歩いた、もしくはよろめいたのだ」 ーーH.P.ラヴクラフト『クトゥルフの呼び声』
クトゥルフの画像
クトゥルフの画像です。なお、フリー素材ではなく出典元を表示していますのでそちらもご確認ください。
出典:cthulhumyth
出自
初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトが執筆したで、1926年の小説『クトゥルフの呼び声』に登場しています。
生息地
もともとは3億5千万年前の地球に暗黒のゾス星系から眷属を引き連れて飛来した存在で、ムー大陸で崇められていました。旧神との戦いに敗れ、海底に沈んだ太古の石造都市ルルイエに封印されています。とはいえ、星辰が適切な位置に近づいたごくわずかの期間や地殻変動によってルルイエが海面に浮上することがあります。
ほかの神格との関係
クトゥルフはリン・カーターによる系譜によればヨグ=ソトースの息子であり、ハスター、ツァトゥグァ、ブルトゥームは異母兄弟になります。クトゥルフの子にはゾスの星にいる雌神イダ=ヤーとの間にガタノソア、イソグサ、ゾス=オムモグのゾス三神がいます。ハスターとは『ハスターの帰還』の中で対立が描かれています。
- ガタノソア・・・長男。おぞましい容姿で人間が目にすると、脳を生かされたままで全身が硬直して石になる呪いを持つ。
- イソグサ・・・次男。サイクロプスのように額の中央に1つの巨大な目があるだけで、巨大な人型のカエル、または深きものに似ている。
- ゾス=オムモグ・・・三男。先細りの円錐形の体、ティラノサウルスのような牙のある爬虫類の頭、吸盤が付いた4本の幅広で平らなヒトデのような腕、そして触手のたてがみを持っている。
- クティーラ・・・クトゥルフの保険とみなされ、クトゥルフが死んだとしてもクティーラの子宮に宿って生まれ変わり、復活を遂げるつもりでいるとされている。
眷属
クトゥルフにはダゴン、ハイドラ、深きものども、ムナガラー、クトゥルフの落とし子、オトゥームなどがいます。
ダゴン
父なるダゴンとも呼ばれ、クトゥルフ神話でダゴンが取り入れられたのは、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが、巨大な半魚人の登場する短編小説『ダゴン (Dagon)』を執筆した1917年からです。ダゴンは、手足に水かきをもち、突き出した目、分厚くたるんだ唇をもちながら、全体の輪郭はいまわしいほど人間に酷似しています。またモノリスに図や文字を刻み、知性をもっていることがほのめかされています。
ハイドラ(ヒュドラ)
母なるハイドラ。父なるダゴンの配偶者で、ダゴンと共に深きものを支配しています。大きな体と不自然な長さ以外には言及がないため、神であるかどうか意見が分かれるところです。
深き者ども(ディープワン)
『インスマスを覆う影』で登場した、人間が海の環境に適応した殺されるまで不死での種族です。孤立した人間のコミュニティとの関係を確立し、深海からの黄金の宝物と豊富な漁獲物を取引することを申し出ます。この取引に応じた人間はそのうちクトゥルフやダゴン、ハイドラへの崇拝を行うようになります。
ムナガラー
「テティスの支配者」とも呼ばれ、「クトゥルーの右腕」とされ、かつて地球に大陸がゴンドワナ大陸一つであった頃、ただ一つの海であったテティス海の支配していた。地球上に生命を創造し、恐竜の時代から生命の進化に関与していたと言われています。
クトゥルフの落とし子(クトゥルヒ)
『狂気の山脈にて』に登場した巨大なタコのようでクトゥルフに似ている存在ですが、体はクトゥルフより小さいです。古のものとは率先して戦っています。ルルイエともに沈んでいます。
オトゥーム
「ク・リトル・リトルの騎士」と称される、深海の存在。海底の島を浮上させる任務を帯び、その一環で地上にゲル=ホーの魔道士であるペシュ=トレンを送り込んでいます。
シュド=メル
クトゥルフ配下の地底種族であるクトーニアンの長老。外見の特徴は目のないイカに似ており、短い触手を持っている。高温の溶解液を吐くことで、岩と地中を掘って暮らす。テレパシー能力を備えており、オトゥームの任務にその能力を提供しています。
化身
ルルイエに封じられているクトゥルフはテレパシーを通じて化身の形を取ることができます。
ベヒーモス
夢とテレパシーを通して顕現する青や緑黄色に輝く霧のような姿をしています。精神体であるため物理的な力はなく、動物や人間を精神的に支配下に置くことで、ベヒーモスの肉体の延長として操ることできます。
コラジン
クトゥルフの意識体で、クトゥルフとして夢の中に現れ人間の精神を貪ります。海洋生物の肉体を支配し肉体を形成すると、合体しクトゥルフの物理的な化身となることができます。
すべてのサメの父
古代にいたとされるメガロドンのような巨大なサメに似た姿をしています。絶えず空腹で目の前のものをすべて貪り食うほど、常に激怒で狂乱しています。深きものが崇拝しており、すべてのサメの父を呼び出す儀式を知っているものの、その凶暴性のため制御不能であることから呼び出すのは共同体全体が脅かされる最悪の事態にのみとされています。なお、その大きな体による噛みつきは大きな外用船すら一噛みで壊滅させるほどの威力を誇ります。
人間との関わり
人間では太刀打ちできない存在であるクトゥルフですが、海底深くに封印されているため直接影響を及ぼすことは滅多にありません。ただし、星辰が適切な位置に近づいたごくわずかの期間や地殻変動が起き、クトゥルフが封印されているルルイエが海面に浮上することがあります。その時に「クトゥルフの夢」として漏れ出すテレパシーを遠くまで飛ばし、そのテレパシーを受けた人間は狂気に陥るとされています。
クトゥルフを崇拝する信者
クトゥルフを信仰するカルトは多く、ダゴンなどの眷属によりその勢力は拡大しています。クトゥルフを信仰するカルトは「Ph’nglui mglw’nafh Cthulhu R’lyeh wgah’nagl fhtagn(ルルイエの館にて死せるクトゥルフ夢見る内に待ちいたり)」と唱えて儀式を行うことで知られており、彼らはルルイエが浮上してクトゥルフが目覚めることを願っています。グリーンランドやルイジアナ、アラビア、中国など世界中に存在しており、中でも『インスマスの影』に登場するダゴン秘密教団は多くのTRPGプレイヤーに人気です。
特徴
クトゥルフは一般に頭足類に似た六眼の頭部、顎髭のように触腕を無数に生やし、巨大なかぎ爪のある手足、水かきを備えた二足歩行の姿、ぬらぬらした鱗かゴム状の瘤に覆われた数百メートルもある山のように大きな緑色の身体、背にはドラゴンのようなコウモリに似た細い翼を持った姿をしています。またオーボエのようなくぐもった声を発します。
顔の触腕
顎髭のように生えている触腕は触れるものを捉えることができます。もし、顕現する時に触れる場所にいるのであれば触腕に巻き取られ、体内へ入り込みます。
かぎ爪
クトゥルフは巨大な手足を使い、無慈悲に人間をまとめて掬い取ります。
掬い取られた人間は恐ろしい死を迎えます。
装甲
クトゥルフは21ポイントの装甲になる超次元的な筋肉を持ちます。加えて1ラウンドごとに6ポイントの再生能力を持ちます。
外見による影響
クトゥルフは恐ろしく非人間的な経験の凄まじさを見せつけられるため、正気を保つのは困難です。
目撃したことによる正気度ロールによる失う正気度ポイントは「1D10/1D100」。
クトゥルフの呪文
クトゥルフは無数の呪文を知っていますが、「ノーデンスとの接触」「夜鬼の召喚/従属」だけ知りません。また、カルティストには「深きものとの接触」や「クトゥルフとの接触」を教えることがあります。
クトゥルフのステータス
クトゥルフはの詳細はマレウス・モンストロルムまたはルールブックを参照してください。
クトゥルフの倒し方
クトゥルフは人間が倒せる存在ではありません。サイズも巨大であり、強固な装甲と高い回復力を持っています。ただ、魔法的な武器以外でもダメージを与えることが可能であるため、ミサイルなどの大量破壊兵器を用いることができれば倒せることができるかもしれません。それでも耐久力が0になった時点で体が溶け始め緑がかった雲のような形に変わり、しばらくして元の形に戻り始めます。このような再生能力を持つことからもクトゥルフと遭遇したのであれば戦うことは諦めましょう。
まとめ
いかがでしたか?クトゥルフは探索者ではまず勝つことができない恐怖の存在です。深きもののなど眷属を介して接点を持つこともあり、怪しいカルトに追い回されるかもしれません。プレイヤーであれば自分の探索者に一度は係わらせたい神格であり、セッションに登場させると喜ばれること間違い無いです。ですので、ぜひともルルイエを求めて大いなるクトゥルフの顕現に立ち会ってみましょう!