ダンジョンズ&ドラゴンズのWtoC、リークされた内容でのOGL1.1更新を撤回
リークされた内容でのOGL1.1更新を撤回
1月13日、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WtoC)はギズモードにリークされ、クリエイターやパブリッシャー、D&D Beyondのサブスクリプションサービスを利用しているの多くユーザーから反発を受けていたOGL(オープン・ゲーム・ライセンス)の最新情報を発表し、OGL1.1への更新を一旦見送りました。
Over the past week we have witnessed an incredible outpour of passion and dedication from our community working together to protect and cultivate the inclusive environment of Dungeons & Dragons.
Please read our update on the Open Game License: https://t.co/9y4Z5MZpiq
— Dungeons & Dragons (@Wizards_DnD) January 13, 2023
TRPG業界にとって最大の激震となったOGL1.1がリークされてからOGLを利用していたパブリッシャーやD&Dコミュニティーを中心に反対運動が起こりました。パブリッシャーの動きとしてはKobold Pressが#BlackFlagを掲げ独自路線を打ち出し、パスダインダーを扱うTRPGパブリッシャー大手のPAIZOや前述のKobold Press、Chaosium、Green Ronin、Legendary Games、Rogue Genius Gamesなどを中心にクリエイターを保護するために新しいOpen RPG Creative License(ORC)を構築し、非営利団体が管理できるようにすることを発表しました。またユーザーレベルでは#OpenDnDとしてD&D Beyondのサブスクリプションサービスの解約手続にアクセスが集中してサーバーが落ちるなど、大きな反発を受けてWotCはOGL1.1についての見解を発表しました。
PAIZOがアナウンスしたORCについてはこちら
OGL1.1の目的
WtoCはOGL1.1は意見を募るための草案だったとし、更新の目的は以下のようなものとしています。
- D&Dコンテンツの使用が差別的で差別的な製品に含まれないようにするため。
- OGLコンテンツがキャンペーン、モジュール、サプリメントなどのTRPGのコンテンツに限定されていることを明確にすることで、web3、ブロックチェーン・ゲーム、NFTでD&Dを利用できなくするため。
- OGLが大企業が独自の商業的および宣伝目的で使用するためのものではなく、コンテンツクリエーター、自家作成者、意欲的なデザイナー、プレーヤー、およびコミュニティのためのものであることを保証するため。
コスプレやストリーミング、VTTでの利用は問題がなく、ロイヤリティの構造や著作権をWtoCが持つことが可能と言われたライセンズバックに関する部分はOGLに含まれなくなるようです。
ただし、この発表があった後もリークされた情報を意見を求めるものとした文言に強い不信感を持つユーザーもおり、今回の発表は反対しているユーザーを宥めるためのもので、OGLの正式なアナウンスまで油断できないとしています。
画像出典:Dungeons & Dragons