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D&Dの新しいライセンス契約OGL1.1でコンテンツが制限されるかもしれない

ダンジョンズ&ドラゴンズの新しいOGL(Open Gaming License)がリークされ、コンテンツ作成者に対する厳しい制限が明らかになりました。

新しいOGL1.1のリーク

2022年にウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WotC)がダンジョンズ&ドラゴンズルールの改訂版、としてその呼称を「One D&D」としたものを開発する計画を発表したとき、OGLも更新すると述べていました。ギズモードによると、WotCの新しいOGL1.1は「以前のOGL1.0は、以前に利用可能であったもので正規のライセンスでは無い」とし、コンテンツ作成者が作成できるものを大幅に削減し、作成物から利益を得ている人はWotCに直接報告することを必要があるようです。そのため、過去のOGLを元に新たにコンテンツを作成することができなくなります。

OGL1.1によると、「ロールプレイングゲームとサプリメントの印刷メディアおよび静的な電子ファイル形式の作成のみが許可されます。ビデオ、バーチャルテーブルトップまたはVTTキャンペーン、コンピューターゲーム、小説、アプリ、グラフィックノベル、音楽、歌、ダンス、パントマイムなどを含むがこれらに限定されない、その他のコンテンツは許可されません。。」ということです。クリエイターは引き続きこれらの活動に参加できますが、WtoCのファン・コンテンツ・ポリシーが許可する範囲内、またはメーカーとWotCとの間の別の契約によってのみ可能であると述べています。

メーカーとして大々的にOGLを利用する場合は契約をしたほうが良さそうです、個人で言えば言えば動的なコンテンツや音を使うようなコンテンツを作るのであればはポリシーを守りなさい、ということになります。

OGLとは

OGLとはWotCが公開したライセンスでD&Dの再現可能なコンテンツの境界内で製品を作成するために使用するものです。元のOGLの多くはSRD(System Resource Document)に中心であり、キャラクターの種族、クラス、装備、そして最も重要な戦闘、呪文、クリーチャーなどの一般的なゲームプレイ構造が含まれています。2000年に発行したライセンス契約(OGL1.1)では、過去20年間、クリエーターは変更されたルールとコンテンツから利益を得ることを許可されていました。そのためWotC以外のアマチュアおよびプロの製作者は、印刷されたゲームコンテンツからビデオゲーム制作、配信に至るまで、ゲームの新しい製品を作成できています。

OGLを使用した作品も多くあり、OGL1.1がそのまま公布された場合はOSRを多く出しているところも影響を受けると思われます。パスファインダーを製作しているPaizoや、5eでいろいろ販売しているKobold Press、Green Ronin、Free League Publisherなどは対応が必要かもしれません。

OGL1.1で変わるもの

OGL1.1でいくつかを明示的に変更しています。ファン・コンテンツについてWotCの定義では「ファンアート、ビデオ、ポッドキャスト、ブログ、ウェブサイト、ストリーミング・コンテンツ、タトゥー、聖職者の神への祭壇など」が含まれるとされており、OGL1.1では偏見、人種差別、同性愛嫌悪、トランスフォビック、差別を含むコンテンツも明示的に禁止されています。これがCritical RoleやDimension20のような人気のあるコンテンツのほか、日本で配信されるD&Dコンテンツにも影響を及ぼす可能性があります。

またD&Dのコンテンツから利益を得ている人は、WotCにロイヤルティを支払う可能性が出てきます。販売元がWotCにロイヤルティを支払う必要があるかどうかを決定する 3つの収益階層セットに分類されます。

  1. Initiate Tier(開始層)。 少なくとも1つのライセンス作品を登録し、OGL からの合計 (グロス) 収益が50,000ドルを超えていない場合: 特定の年に商用製品である場合は開始層。
  2. Intermediate Tier(中間層)。 ライセンス作品が1年間に50,000 ドル以上の総収入を生み出したが、750,000ドル未満の場合は中級レベル。
  3. Expert Tier(エキスパート層)。 あなたのライセンス作品が特定の年に総収益で少なくとも750,000ドルを生み出した場合はエキスパート層。

ほとんどのクリエイターはその可能性について心配する必要はありませんが、WotCの推定では、このカテゴリに分類される非公式のコンテンツパブリッシャーは約20社が該当するようです。

まとめ

いかがでしたか?現在、OGL1.1がリークされてからD&Dのファンは #OpenDnD としてSNSで反対運動を起こしています。なおWotCは、OGLの更新がファンに問題を引き起こす可能性があることを認識し、コミュニティからの意見を聞く意欲を表明しています。まだ正式に発表ではないのでクリエイターの方は声を上げてWotCに届けてみれはいかがでしょうか?

出典:ギズモード

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