バトル・マスターとは|戦技を使い戦場を支配するD&D5版の戦士の類型
目次
D&Dのファイターのサブクラスにバトル・マスターというものがあります。このクラスはファイターの中での位置付けは達人であり、さまざまな戦技で戦場をコントロールします。戦闘スタイルで立ち回り方も変わってくるので、初心者でもわかりやすいようにバトル・マスターについて解説します。
バトル・マスターとは
バトル・マスター
は戦技の達人であり、さまざまな武勇の技を伝え残しています。この戦士の類型のファイターは戦闘技術だけでは無く、技の起源や理論、芸術性など幅広く習得しており、また次の世代へ受け継ぐように文字として残したりもします。それは秘伝の書であったり戦術指南書であったりと体系立てたものです。チャンピオンが一世一代の戦闘技術だとすれば、バトル・マスターは後世に受け継がれる戦闘技術といえます。
バトル・マスターの特徴
バトル・マスターは「戦技」と呼ばれる技術を持ちます。この戦技は卓越した戦闘技術であり、バトル・マスターのアクションやボーナス・アクション、またはリアクションとして使用することができ、個人の戦いで役立つものからパーティーでの共闘で使えるもの、仲間を守るものなど戦技の内容によってさまざまな効果を及ぼします。また武器に詳しくなったり、敵を分析する力も得ます。
バトル・マスターの特徴 | レベル | 効果 |
---|---|---|
卓越の戦士 | 3 | 戦技が使えるようになる。 |
戦人のたしなみ | 3 | 1つの職人道具に習熟を得る。 |
敵を知る | 7 | 非戦闘中に対象を観察・会話することで自分と相手の能力を比較できる。 |
戦技ダイス強化 | 10 | 戦技のダイスがd10になる。 |
執念の戦技 | 15 | イニシアチブロール時に戦技ダイスがないのであれば1回復する |
ここがスゴイ!バトル・マスター
バトル・マスターは戦技の選び方と使い方でさまざまな役割をこなすことができます。戦技の種類によってはボーナス・アクションやリアクションで戦技を使うこともできるので、戦況に合わせて一番効果がある方法を選択することができます。
「卓越の戦士」で戦術の幅が拡大
バトル・マスターは戦技を習得することができ、戦技ダイスを1つ消費しロールすることでさまざまなアクションを起こすことができます。この戦技は1回の攻撃に一つしか使えませんが使い方次第で戦況をコントロールすることもでき、上手なバトル・マスターであればパーティーを有効活用できる戦術を取るためにダイスを消費します。消費した戦技ダイスは小休憩や大休憩によって回復します。
戦技について
戦技は習得済みのものだけ使用することができます。レベル3の時点で3つの戦技を習得でき、レベル7・10・15で2つず新たに戦技を追加することができます。また2つ獲得できるタイミングで習得済みの戦技を1つだけ別の戦技と入れ替えることができます。戦技の回数である戦技ダイスの数は4で、レベルが7・15になるたびにダイスの数も1つ増えます。バトル・マスターは戦技の選び方によって、ファイターとしての方向性が変わります。例えば重装歩兵としての働きと、突撃兵としての戦技は異なります。剣闘士のように戦う人と騎馬を得意とする戦士では戦い方すら異なります。
戦技 | タイミング | 対象 | 効果 |
---|---|---|---|
evasive footwork(イヴェイシヴ・フットワーク)/捉え難き足捌き | 移動時 | 自分 | 移動終了まで戦技ダイスをACに加える。 |
goading attack(ゴーディング・アタック)/挑発攻撃 | 武器攻撃ヒット時 | 敵一体 | 戦技ダイスをダメージに加算。攻撃を受けた者は判断力セーヴに失敗するとこの戦技を使用したバトル・マスター以外を攻撃する時に不利がつく。 |
commanders strike(コマンダーズ・ストライク)/攻撃指令 | アクション時 | 仲間一人 | 見聞きできる範囲の仲間一人に指示を出し、その者のリアクションで1回の武器攻撃をさせることができる。その攻撃のダメージには戦技ロールが加算される。 |
sweeping attack(スウィーピング・アタック)/薙ぎ払い攻撃 | 近接武器攻撃ヒット時 | 敵二体 | 一回の近接攻撃で1体目の5フィート以内の2体目にも攻撃ロールが成功していればダメージを与えることができる。2体目のダメージは戦技ダイスの値になる。 |
disarming attack(ディスアーミング・アタック)/武器落とし | 武器攻撃ヒット時 | 敵一体 | 戦技ダイスをダメージに加算・対象は筋力セーヴを行い、失敗すると足元に武器を落とす。 |
distructing strike(ディストラクティング・ストライク)/撹乱攻撃 | 武器攻撃ヒット時 | 敵一体 | 相手の注意を引きつけ隙を作る。次のターンまでの1回目の攻撃に有利がつき、その攻撃のダメージに戦技ダイスが加算される。 |
trip attack(トリップ・アタック)/足払い | 武器攻撃ヒット時 | 敵一体 | ダメージに戦技ダイスが加算され、対象はサイズが大型以下であれば筋力セーヴを行い、失敗すると転倒し伏せ状態になる。 |
parry(パリィ)/受け流し | リアクション | 自身 | 近接攻撃でダメージを受けた時リアクションで「戦技ダイスの目+敏捷力修正値」分のダメージを減少させることができる。 |
feinting attack(フェインティング・アタック) | ボーナスアクション | 敵一体 | 5フィート以内の敵に対して有利を得る。ただし同一ターンに攻撃しなければ有利は失われる。またその攻撃がヒットすれば戦技ダイスがダメージロールに追加される。 |
pushing attack(プッシング・アタック)/押しやり攻撃 | 攻撃ヒット時 | 敵一体 | 戦技ダイスをダメージに加算。対象のサイズが大型以下であれば筋力セーヴを行い、失敗すると対象を15フィート後方まで押しやることができる。 |
precision attack(プレシジョン・アタック)/必中攻撃 | 攻撃ロール時 | 自身 | 戦技ダイスを攻撃ロールに加算できる。 |
maneuvering attack(マヌーヴァリング・アタック)/位置取り攻撃 | 攻撃ヒット時 | 仲間一体 | 戦技ダイスをダメージロールに加算。見聞きできる仲間一人を指定し、その対象のリアクションを用いて移動速度の半分の移動を可能にする。この移動に機会攻撃は発生しない。 |
menacing attack(メナシング・アタック)/威嚇攻撃 | 攻撃ヒット時 | 敵一体 | 戦技ダイスをダメージに加算。対象は判断力セーヴを行い、失敗すると恐怖状態にになる。 |
rally(ラリー)/士気高揚 | ボーナスアクション | 味方一人 | 見聞きできる仲間一人に「戦技ダイスの目+魅力修正値」分の一時HPを与える。 |
linging attack(ランジング・アタック)/踏み込み攻撃 | 近接攻撃のロール前 | 自身 | 1回の攻撃の間合いを5フィート増加させる。ヒット時に戦技ダイスをダメージに加算する。 |
riposte(リポスト)/回避即反撃 | リアクション | 自身 | 敵の近接攻撃がミスした時リアクションで戦技ダイスを使い1回の近接攻撃を行うことができる。ヒット時に戦技ダイスがダメージに加算される。 |
ambush(アンブッシュ)/待ち伏せ | 敏捷力「隠密」判定時またはイニシアチブロール | 自身 | 敏捷力「隠密」判定またはイニシアチブロール時に戦技ダイスをロールに加算できる。※ターシャの万能釜で追加 |
bait and switch(ベイト・アンド・スウィッチ)/入れ替わり | アクション | 仲間一人 | 5フィート以内の無力化されていない仲間との場所を機会攻撃を誘発させずに入れ替えることができる。次のターンまで自分もしくはその仲間のACを戦技ダイス分上げることができる。※ターシャの万能釜で追加 |
brace(ブレース)/攻撃への備え | リアクション | 自身 | 敵の攻撃に備え、敵が近接武器で攻撃できる距離に侵入した時にリアクションで戦技ダイスを使い1回の近接攻撃を行うことができる。ヒット時に戦技ダイスがダメージに加算される。※ターシャの万能釜で追加 |
commanding presense(コマンディング・プレゼンス)/指揮官の存在 | アクション | 自身 | 魅力「威嚇」判定、魅力「芸能」判定、魅力「説得」判定じに戦技ダイスの目を加算できる。※ターシャの万能釜で追加 |
grappling stike(グラップリング・ストライク)/組み付き攻撃 | 近接攻撃ヒット時 | 自身 | 近接攻撃をした直後にボーナスアクションを使って組み付きができる(プレイヤーズハンドブックp195のクリーチャーを掴む参照)。戦技ダイスの目は筋力「運動」判定に追加できる。※ターシャの万能釜で追加 |
quick toss(クイック・トス)/高速投げ | ボーナス・アクション | 自身 | ボーナスアクションで投擲特性を持つ武器による遠隔攻撃を行うことができる。これは取り出す動作から投擲までを瞬時に行うことができる。ヒット時に戦技ダイスがダメージに加算される。※ターシャの万能釜で追加 |
tactical assessment(タクティカル・アセスメント)/戦術的評価 | アクション | 自身 | 知力「歴史」判定、知力「捜査」、判断力「洞察」判定に戦技ダイスを加算できる。※ターシャの万能釜で追加 |
戦技は遠距離・近距離関係なくヒット時に使用できるものと、近距離攻撃がヒットした時のみや、仲間のリアクションが必要なものもあるので使い方に注意が必要です。
「戦人のたしなみ」でメンテナンスする
バトル・マスターは武器や防具に関する知識もあり、手入れや工夫などを自分で施すことができます。そのための職人道具への習熟を1つ得ることができます。
「敵を知る」で自分と比較ができる
7レベル以降になると戦闘時ではない時に対象をじっくりと観察したり、いくつか会話をしてやりとりを通して対象と自分の能力を比較することができます。この比較では詳細はわからず、自分より優れている・自分と同等・自分より劣っている、といった形で感じとります。また比較できる要素は2つだけであり、以下の要素に限定されます。
- 筋力
- 敏捷力
- 耐久力
- AC
- 現在のHP
- 全クラスのレベルの合計
- ファイターのクラスレベル
ルール上一人の対象を何度も観察することについては記載がありませんが、あまり細かい比較は意味がないので一人に対して一回に制限しても問題ないでしょう。
相手の現在のHPがわかれば、戦闘になった時にどのくらいダメージを与えると倒せるかの予想を立てることができます。またファイターのレベルがわかるのであれば、どの特徴まで使えるのかもわかるでしょう。また、筋力や敏捷力がわかるのであれば力比べなどに引き込むこともできます。
「戦技ダイス強化」でダイスの効果拡大
レベルが10になると戦技ダイスがd8からd10に変わります。また18になるとd12となり、戦技ダイスから得られる最大値が増加します。最小値は1で変わりませんが、期待値も増加するので得られる効果は高くなります。
執念の戦技
戦技ダイスを使用すると小休憩か大休憩を取らないと回復しませんが、レベル15になるとイニシアチブロールの時点で戦技がない場合に限り1つだけ回復します。
この特徴はあくまでも戦技ダイスが0でイニシアチヴロールを行う時だけなので、戦闘で1しか戦技ダイスが残らないようであれば使い切って0にすると良いでしょう。
バトル・マスターのスタイルを決めるにはビルドを組む
戦闘スタイルや戦技、そして特技を合わせるとバトル・マスターは数多くのパターンを組むことができます。しかし、逆に多いこともありキャラクターが定まらないこともあります。そこでバトル・マスターを方向付けることでどの戦闘スタイルで、どの戦技を獲得すると良いのかが分かりやすくなるようにビルドを組むと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?バトル・マスターは戦技をどのタイミングで使いこなすかが重要です。上手に使えば敵を崩したり、仲間に行動を促したり、囮になって攻撃を避けたりと可能なので自分が使用できる戦技はどのような時に活用できるかをイメージしておくことも大切です。バトル・マスターをやるのであればただ戦技を使う戦闘が得意なキャラクターではなく、戦術家としての視点を持ってパーティーを勝利に導きましょう!
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