クレリックの墓場の領域について|鎮魂と生死の際で活躍するスタイル
ダンジョンズ&ドラゴンズでは数多くの神の中には墓場に関係する神が存在します。墓場といえば負や闇といったイメージがありますが、墓場の神々は死こそ関与することはあるもののアンデッドを生み出すようなことは行いません。そこで死者に安らぎを与える墓場の領域について解説します。
墓場の領域とは
クレリックの墓場の領域
とは生と死の境界線を見守っている神々が影響を及ぼす領域です。この神々を崇めるクレリックは迷える魂に安らぎを与え、アンデッドを滅し、死にゆくものの苦しみを和らげます。偉業を成し遂げるために死を食い止めることはありますが、決して死を否定しているのではなく皆に平等に訪れるものと思っています。
この領域には以下の神々が影響を及ぼします。
フォーゴトン・レルムの神々 | ケレンヴォー(死者の神) |
グレイホークの神々 | ウィー・ジャス(魔術と死の女神) |
ドラゴンランスの神々 | 不在 |
エベロンの神々 | 不死宮廷(エルフの父祖たち) |
ヒューマン以外の神々 | 不在 |
墓場の領域の特徴
墓場の領域は死の際にあるものに対して最大限の能力を発揮することができます。能力を上げたり強力なダメージを与えるような特徴ではありませんが、死の淵にいるものに最大限の回復呪文を使うことができるほか、命を落とすこともあるクリティカルヒットを通常のヒットに切り替えるなど、パーティーを最後まで繋ぎ止める重要な特徴を持っています。
領域の特徴 | レベル | 効果 |
---|---|---|
生死の円環 | 1 | ヒットポイント0の生物を回復させるとき最大で回復。スペア・ザ・ダイイングを修得する。 |
墓場の目 | 1 | 60フィート以内のアンデッドを感知できる。 |
神性伝導:墓場への道 | 2 | 30フィート内の生物に呪いを与える。呪いは初めての攻撃で受けるすべてのダメージに対して脆弱性を持つ。 |
死の扉の守り人 | 6 | リアクションを用いて30フィート以内のクリーチャーが受けるクリティカルヒットを通常のヒットに変えることができる。 |
初級呪文ダメージ強化 | 8 | クレリックの初級呪文で与えるダメージに判断力の修正値が加算される。 |
魂の管理者 | 17 | 死んだ生物の魂の残留エネルギーを掴み取り生者を癒すことができる。 |
墓場の領域呪文
墓場の領域を信仰する直接ダメージを与えるようなほぼ無く、自身を強化するものもありません。低レベルでは「ベイン」や「レイ・オヴ・エンフィーブルメント」のように相手を弱体化させたり。「フォールス・ライフ」で一時HPを上げたりしてパーティーを支えることができます。レベルが上がると「デス・ウォード」や「レイズ・デッド」など直接生死に関わる呪文が使えるようになります。
クレリック・レベル | 呪文 |
---|---|
1 | フォールス・ライフ、ベイン |
3 | ジェントル・リポウズ、レイ・オヴ・エンフィーブルメント |
5 | ヴァンピリック・タッチ、リヴィヴィファイ |
7 | デス・ウォード、ブライト |
9 | アンチライフ・シェル、レイズ・デッド |
ここがスゴイ!墓場の領域
墓場の領域は前線支援型のクレリックに合う領域と言えます。強力なダメージを与えることはありませんが、呪文や特徴を使いこなすことで前線で戦う仲間の危機を防ぐことができます。
「生死の円環」で死の淵の仲間を助けることができる。
この領域のクレリックはヒットポイントが0になり倒れた生物が死亡するまでの生死を彷徨っている間であればHP回復呪文で最大の効果を発揮することができます。また初級呪文「スペア・ザ・ダイイング」を修得することができるので、生死を彷徨っている者がいるのに呪文スロットが残っていない場合でも状態を安定させることが可能です。なお通常1アクション必要な「スペア・ザ・ダイイング」をボーナスアクションで使用することもできるので、アクションとは別に緊急対応としての使用も可能です。
「墓場の目」でアンデッド感知
1レベルの時点で「墓場の目」を使うことができます。アンデッドは大自然の生命を冒涜する存在であるため気配を感知することが可能になります。これはアクションを用いることでアンデッドに対して魔法的な感知能力を持つ心の目を開くことが可能になります。目は次のターン終了まで開いており、その間60フィート以内にいる全てのアンデッドの位置がわかります。ただし壁の向こうなど完全遮蔽状態のものや占術魔法から守られている場合はわかりません。なお、わかるのは位置だけであり正体や能力についてはわかりません。これは使い道が少ないように感じますが、知性を持つアンデッドが人間に擬態していたり、見えないアンデッドが忍び寄っていた場合などをの存在を見破ることができます。
「神性伝導:墓場への道」で呪いを与える
2レベルになると神性伝導として「墓場への道」を使用することができます。これは神性伝導を用いて「汝の生命力は今まさに尽き果てる」という印を刻むことができます。アクションとして30フィート内のものを1体選び、次のターン終了までの呪いを与えます。呪われたものを自分か仲間が攻撃し初めてヒットした時の攻撃全てのダメージに脆弱性を持つこととして扱われます。つまりダメージが倍になります。
ここで肝心なのは初弾だけではないということであり、一回の攻撃でヒットしたものであれば全てが該当するということにあります。つまりマジックミサイルのような場合はそれぞれの矢にも脆弱性を持つということになります。
「死の扉の守り人」で危機を回避する
レベルが6になると「死の扉の守り人」を得ます。これは迫り来る死を押しとどめる能力であり、自分や30フィート以内の味方がクリティカルを受けたのを目撃したときにリアクションを用いてクリティカルを無かったことにして通常の攻撃がヒットしたものとすることができます。大ダメージを与える恐ろしい一撃がクリティカルだと即死せずとも致命傷になることもあるので、この特徴で九死に一生を得ることができます。
「初級呪文ダメージ強化」で追加ダメージ
レベル8以上になるとクレリックの攻撃には「初級呪文ダメージ強化」が身につき、クレリック呪文の初級呪文でダメージを与える時は「判断力」修正値が加算される。とはいってもあまり前線では戦わない「セイクリッド・フレイム」を使うクレリック向けと言えます。
「魂の管理者」で生命を掴み取る
レベル17になると「魂の管理者」を得ます。これはこの世を去りつつある魂の残留エネルギーを掴み取り治癒するエネルギーに使用することができます。60フィート以内の見ることができる敵が死んだ時に60フィート以内の自分か自分以外のもの1体のヒットポイントを回復させます。回復量は死んだ敵のヒットダイスの個数と等しいポイントになります。たとえば5d10なら5で、1d10+1なら1です。
この特徴には一度に掴み取ることができる魂の数の指定がないため、見ることができる敵が同時に死ねば該当するのでは?と思いますが、原文では「When an enemy you can see dies within 30 feet of you」とあるため、対象は1体となります。また一度掴み取ると同じラウンドで敵が死ぬのを目撃して次のターンまで掴み取ることはできません。その代わり毎ターン使用することが可能なので、多くの命が失われるような戦場のような場所であれば毎ターン治癒することができるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?墓場の領域のクレリックは回復強化型のクラスと言えます。生命の領域のように普段から高い回復力を持つというわけではありませんが、生死の境において圧倒的な力を発揮することができます。墓場という表現が暗いイメージになりますが、鎮魂を目的とするクレリックにおいては一番合うのでないのでしょうか。殴り合うのではなく、治癒とアンデッド退治というある意味クレリックの原点を楽しむのであれば墓場の領域がおすすめです。