新クトゥルフ神話TRPGにおける狂気を治療する3つの方法

クトゥルフ神話TRPGでは正気度をある一定量を損失、または一度に多く損失することで狂気の状態になりますが、狂気も治療することが可能です。初心者の探索者の場合、1回きりのセッションも多いため治療するところまで辿り着かない場合も多いです。しかし、複数回同じキャラクターでセッションが可能であれば治療することは生きていく上でとても重要です。探索者が穏やかな生活を送るため狂気を治療する三つの方法を解説します。

狂気の回復

回復
探索者を破滅へと導く狂気ですが、正しいプロセスを用いれば致傷することができます。ただ狂気もその時間が1〜10時間と短い「一時的狂気」、治療をしなければいつまで続くかわからない「不定の狂気」、終わりのない「永久的狂気」と3つありますが、治療が可能なものは「一時的」と「不定」の2つのみです。「永久的」は治療は行われますが回復の見込みがありません。

治療・回復が行われるのは探索者が潜在狂気の段階の時であり、発作時は治療という手段を取ることができません。潜在狂気では探索者は普通に考え、普通に行動をすることができますが、何かの拍子に幻覚を見たり、恐怖症やマニアの症状で身を滅ぼす、または周囲に害を成す行動を取る場合があります。このような行為が起こらないようにするためにも治療が行われています。

一時的狂気からの回復

一時的狂気に陥った場合、狂気の症状は1d10時間継続します。逆に言えば1d10経過すれば潜在狂気までも回復することを表します。そう考えると正気を取り戻した(発作が収まった)あとベッドでぐっすり休むと翌日には元気になっていることでしょう。またキーパーがサマリーで処理をした場合も、目覚めたときは回復している場合が多いでしょう。

一時的狂気はとりあえずぐっすりと寝ましょう。目が覚めたら回復しています。

不定の狂気の治療と回復

不定の狂気は長時間寝るだけでは回復できず、専門的な治療が必要になります。長期間にわたり心の平安を保つ環境で暮らす必要があり、その治療には「自宅療養」と「施設での治療」、「自己精神療法」の三つがあります。どちらを選べるかはキーパー次第で、探索者が現在どのような状況におかれているかによって変わってきます。

自宅療養する

自宅療養は最高の治療環境です。治療は精神分もしくは精神薬物療法で行われ、他の患者がいないくつろげる環境で手厚い看護を受けることができます。自宅療養での治療が成功したかは1d100ロールで決定します。治療の判定は1ヶ月単位で行われ、治療の失敗または成功後の正気度ロールの失敗の場合、再判定は1ヶ月後になります。成功することでSAN値(正気度)を回復することができる。

1d100ロールの目結果
01~95成功。1d3ポイント正気度回復。さらに正気度ロールに成功すると狂気から回復。
96~100治療拒否のため失敗。1d6の正気度ポイントを失う。

自宅療法が一番早く、かつ高い確率で治療できます

施設で治療する

自宅療養が最高の治療方法ですがそれが叶わない場合は施設の療養が良いです。アメリカであれば場所によっては無料のところもあるようです。治療は行動観察、手技療法、精神科治療法、水療法、電気療法などがあります。治療の判定は自宅療養同様1d100で行われます。なお施設の治療水準を考えて成功の上限を変更しても問題ありません。

1d100ロールの目
結果
01~50成功。1d3ポイント正気度回復。さらに正気度ロールに成功すると狂気から回復。
51~95治療の進展なし。
96~100治療拒否のため失敗。1d6の正気度ポイントを失う。

療養施設では様々な症状の患者も多く、自宅療養ほどではありませんが治療は可能です。

キー・コネクションを使った自己精神療法

手厚い介護を受けるのではなくバックストーリーにあるキー・コネクションを心の拠り所とし平安を得ることができれば不定の狂気を治療することが可能です。自宅療法に近いものがありますが、精神科医による治療ではありません。この治療を判定する正気度ロールに成功すると正気度ポイントの回復と不定の狂気からの治療も行われますが、もし失敗するとキー・コネクションを失います。成功の目標が現在の正気度であるため、他の治療法よりは回復しにくいです。

永久的狂気の治療と回復

正気度が0になると永久的狂気に陥ります。これはどのような治療を施しても回復することはありません。あるとしたら奇跡でしょう。

治療で療養所への入所する方法

療養
療養所には厳重な警戒をしているところもあればとても監視の緩い保養所のようなところもあります。住宅街の中にはあまりなく、ロケーションの良いところに多く見られます。療養所の空きの問題もありますが、誰でもすぐに入れるものではなく紹介状が必要です。また自発的に入所を望む場合もあれば、逮捕拘束後に精神療養が必要と判断されて強制的に収容される場合もあります。

金銭で解決する

お金に余裕があるのであれば医師に紹介状を書いてもらい一時的に入所することも可能です。この手段を選ぶときは施設内にいる人物から情報を聞き出すためや、一時的に何者かから身を隠すためになるでしょう。

メンタル・ヘルス危険性評価基準を満たす

医師がキャラクターが自分や他人を傷つける恐れがある、自分の世話ができない、など「危険である」と診断した時にメンタル・ヘルス危険評価を受けるべきと認証を与えます。認証を受けたキャラクターは強制的に患者とされ、検査や治療のために然るべき施設に60日〜180日の間収容されます。

後見人の判断

裁判所が正常な判断がみなせないとした場合、代わりに意思決定を行う後見人が指名されます。後見人はキャラクターの親族など身近な人が選ばれますが、天涯孤独であるのであれば気のいい友人などもあり得るでしょう。後見人はよほど自分で面倒をみたいと思わない限り施設に入れておきたいと考えるでしょう。

療養所から出る方法

協力者がいる形での入所者であれば出るのも容易ですが、強制収容であれば回復しない限り出ることはできません。ただロールに失敗すると次のロールが1ヶ月後であるため、それを待てなく外に出ようとする場合は以下の方法で出ることが可能です。

  • 後見人を説得する ・・・ 後見人に回復状況を見せて自由にしてもらう。
  • 裁判所を使う ・・・・ 医師、施設職員が回復を証明して裁判所が後見人になり自由を与える。
  • 脱走する ・・・ 施設から一目散に逃げる。ただし危険な精神病患者が逃走したという扱いになる。

まとめ

実際のところ長期間の物語でなければ探索者の時間をかけて治療を行おうとするプレイヤーは多くありません。というのも治療も含めてキーパーの管轄であり、同じキーパーとプレイヤーが複数のシナリオを同キャラで行う場合のみに必要なものでもあります。セッションを一回で終わらせたくない、またはキャラクターに愛情がある場合はキーパーと相談して治療を行いましょう。正気度数々の困難をくぐり抜けた探索者であればこそ開ける世界もありますので、長生きさせるためにも狂気の治療・回復を行いましょう。

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ルール改定があり7版が出てもなお遊ばれているクトゥルフ神話TRPG6版。個人制作のシナリオの多くが6版で作られていることもあり、まだまだ人気のルールブックです。
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クトゥルフ神話TRPGの最新版のルールブックです。能力値の見直しや技能の変更、プッシュロールや戦闘マヌーバの追加など、6版のテイストを継承してルールが新しくなりました!神話生物の情報もあるのでこれ一冊で遊べます。キーパー、プレイヤー必携のルールブックです。

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