SAN値(正気度)を回復させる5つの方法
クトゥルフ神話TRPGの探索者はシナリオが終了する頃にはたいていSAN値(正気度)が減少しています。中には狂気に陥るものもおり、そのままでは次回のプレイに参加することが難しい場合があります。そこで楽しくできるようルールにも正気度の回復方法を解説します。
SAN値(正気度)を回復させる方法
探索者はシナリオを進めていくうちにSAN値を失うことがあります。正気度が減少していくと探索者は狂気に陥りやすくなります。正気度が減少すると正気度ロール自体の難度も上がり、狂気に陥りやすくなります。恐ろしいものを見かけるたびに減少する正気度ですが、ルールにもSAN値を回復する方法が明記されています。
- 療養 ・・・ 自宅や療養施設で看護を受けながら治療する方法です。不定の狂気の場合はこの形での治療になります。
- キーパーの報酬 ・・・ シナリオ終了時にキーパーから報酬として与えられます。またシナリオ中での回復イベントも含まれます。
- 技能の成長から規律と自尊心を獲得 ・・・ 技能成長で一定ラインを越えると正気度が回復します。
- 心療療法 ・・・ 通院などで精神科医などから精神分析を受けることで回復させる方法です。
- 自己精神療法 ・・・ 探索者の時間を使い、心の安らぎを得て回復させる方法です。
これらの方法によって、なかにはゆっくりと時間をかけることによって正気度を回復する機会を得ることができます。
療養での回復
療養とは不定の狂気により療養生活を余儀なくされた探索者が受ける介護であり、「自宅療養」と「施設での療養」があります。最良の介護は自宅介護ですが自宅や心が寛ぐ場所、丁寧な介護をしてくれる人、心を乱されることがない環境が必要です。「施設での療養」は療養所に収容されることを表し、その介護の質はピンからキリまであります。療養による治療は1ヶ月ごとに1D100をロールして成功すると正気度が回復、そこから狂気が治療されると療養は終了します。
キーパーの報酬
実際に回復を行うにあたってはキーパーの報酬によるものが多いです。成功したシナリオやキャンペーンの一章が終了するタイミングでキーパーが指定するダイスロールで正気度を回復させることができます。このロールは探索者に個別にあたえるものであり、ロールプレイの内容しだいではこの報酬を減らすことも可能です。これは良くも悪くもキーパーの裁量であり、報酬の減少は慎重に行うべきです。もしロールプレイ内容で報酬が減少する場合はセッション前に通達しておくと良いでしょう。
正気度回復シナリオはある意味キーパーの報酬とも言えます。探索者をシナリオを進めながら正気度を回復する機会を得ることができるものですが、シナリオによっては正気度の損失またはロストということもあります。なお、この手の回復シナリオは必須ではなく、他の回復手段を用いても問題ありません。
BOOTH:正気度回復シナリオ
技能の成長から規律と自尊心を獲得
シナリオやキャンペーンの一章が終了すると探索者はプレイ中に成功した技能(キャラクターシートにチェックを入れた技能)の成長を試みることができます。1D100で該当する技能以上の値が出ればその技能は成長することになり、+1D10を技能値に加えることができます。この成長の際に技能が90%以上になると2D6の正気度が追加されます。これは高い技能を習得したことで技能の成長の際に獲得した規律と自尊心がプラスに影響したことを表します。
探索者成長フェーズで行われる技能の成長があり、技能が90%超えた時に正気度が+2D6される
心療療法
心療療法とは徹底した「精神分析」を行うことで正気度ポイントを回復させる方法です。これは1ヶ月に一度だけ精神アナリストか医師の「精神分析」技能判定が行われ、その判定に成功すると患者は正気度を1D3ポイント獲得できます。療養による回復と違うところは不定の狂気ではなく正気を保っていることで受けることができる治療にあります。
心療療法による「精神分析」判定の結果 | 患者への効果 |
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成功 | 1D3の正気度ポイントまたは恐怖症・マニア解消のための機会を得る |
失敗 | 特に変化なし |
ファンブル | 1D6の正気度ポイントを失う |
心療療法による精神分析が成功している患者は正気度ポイントを得る代わりに「恐怖症」・「マニア」を治療する機会を得ることができます。正気度回復を選ばずにこの機会を得ることを選択した探索者は正気度ロールを行い、成功すると恐怖症またはマニアが治療されます。
心療療法成功後の正気度ロール結果 | 患者への効果 |
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成功 | 成功している正気度マニア・恐怖症の治療に成功(バックストーリーからの削除)。正気度ポイントは獲得できない。 |
失敗 | 特に変化なし。 |
ファンブル | 1D6の正気度ポイントを失う。 |
自己精神療法
探索者が自身のバックストーリーの中にある1つに関わりながら時間を過ごすことにすれば、そのバックストーリーは心の支えになります。おもに「イデオロギー/信念」や「重要な人々」「意味のある場所」といったものがそのテーマとなり、特にキー・コネクションであるとイメージがしやすくなります。もし「イデオロギー/信念」であれば心の平安を求めて修練したり没頭することで心を鍛え、「重要な人々」であれば誰かを愛するような、心の拠り所になる人物と一緒に過ごすことで幸せを感じ、「意味ある場所」であれば穏やかに過ごすことで自分を取り戻すことができるでしょう。なお、このバックストーリーにはクトゥルフ神話に関係する「恐怖症」「マニア」「負傷」など心の安定に繋がらないものを選ぶことはできません。
なおこの療法はバックストーリーを選択した後にプレイヤーはキーパーをそのバックストーリーに合ったロールプレイが必要であり、正気度ロールを行った後に結果に対するロールプレイを行うことが推奨されています。これは機械的に処理することではなく、その探索者にとっての重要なストーリーのためにロールプレイを求められています。
自己精神療法は「冒険と冒険の間の休息期間」もしくは「冒険直後の成長フェーズ」で行うことができます。自己精神療法の期間を設けることで正気度ロールを行い、成功することで1D6ポイントの正気度を獲得できます。ただ失敗すると1ポイントを失います。この時、使用するバックストーリーがキー・コネクションであった場合、ボーナスダイスを1つ獲得します。
自己精神療法で行う正気度ロール | 正気度の変化 |
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成功 | 1D6ポイント獲得。 ※バックストーリーがキー・コネクションであった場合、不定の狂気からも回復。 |
失敗 | 1ポイント減少&バックストーリーの変化。 ※バックストーリーがキー・コネクションであった場合、そのキー・コネクションを失う。 |
新しいキー・コネクションの獲得
もし、キーコネクションを失ったとしても探索者の時間が経過すれば新たにキー・コネクションを作ることは可能です。また、失って以降の自己精神療法で成功した場合、その時のバックストーリーに使ったものをキー・コネクションにすることも可能です。またシナリオ中の正気度ロールでクリティカル時でもキー・コネクションを新たに獲得することが可能です。
まとめ
いかがでしたか?正気度を回復する方法は意外とあります。探索者が時間をかけて行う方法だけでなく、キーパーの裁量によって回復機会を与えることもできます。特に長いキャンペーンをするのであれば、適度に正気度を回復させる方がプレイヤーも楽しめます。これはどれか一つの手段しか選べないということではなく、複数の方法で回復させることも可能なので、キーパーの報酬のほかに自己精神療法なども提案してあげましょう。