ChatGPTをTRPGに活用する方法|アイデア出しや生成に利用できるツール

ChatGPTをTRPGに活用する方法

AIによるチャットは以前からありましたが、ChatGPTが登場して以来、対話型でフィードバックを得ることができるAIチャットがゲームチェンジャーとしてインターネットの常識が変わりそうな気配がしています。Midjourneyが出てきた時にもTRPG界隈に衝撃を与えましたが、今後会話を主体として遊ぶTRPGにも影響を与える可能性は大きいでしょう。テキストでのフィードバックを得ることができるので、情報の早いゲームマスターは便利ツールとして使用しています。

ChatGPTとは

ChatGPT(チャットジーピーティー、Generative Pre-trained Transformer)とは、OpenAIが2022年11月に公開したチャットボットで、AIと対話することでテキストとしてフィードバックを受けることができます。2022年11月30日にプロトタイプとして公開され、幅広い分野の質問に詳細な回答を生成できることから注目を集めました。ただ、自然なテキストではあるものの事実とは異なる回答を生成することもあるため、正解を求める使い方よりはアイデアやヒントになる気づきとして使うことが望ましいと言えます。なお、ChatGPTはローンチから2か月で、ユーザ数は1億人に達したといわれています。

TRPGで利用するChatGPT

会話の形でフィードバックを返すChatGPTと、会話を使ってゲームを行うTRPGは、会話で成立するという点では同じです。ただし、ChatGPTをそのままTRPGに導入できるか?というわけにはいきません。ただ、会話ができるからといってゲームマスターはできす、そこは人間と同じでルールに精通しているかどうかが重要になります。それはプレイヤーとしてもおなじであり、会話の中にルールの知識を必要とするものであれば難しいと言えます。

ただし、AIの強みとしてデータを処理して考えるという能力はとても重宝できます。そのため、コンテンツのアイデア出しや少し深掘りした設定の作成などが向いています。特にChatGPTは会話を記憶しているため、先に話した話題を踏まえて会話を継続することができることから、事前に情報を与えておけばその情報を元にテキストんおフィードバックを受けることができます。そのためTRPGでは以下のような場面で使うことができます。

  • シナリオ(コンテンツ)のアイデア出し
  • NPCのセリフ例の生成
  • 人名や地名、アイテム名や設定の生成
  • 選択肢の生成

ゲームマスターはできませんが、ダイスロールは可能であるためキャラクターのパラメーターを渡せば攻撃ロールや技能ロールは可能です。もしかすると現時点でもルールブックを学習させることができればゲームマスターも可能かもしれません。また、システムに依存しない形であればソロプレイのような感じで擬似的なTRPGは可能です。ただ、果たしてそれをTRPGと呼べるかとの議論にもなりそうですが。

ChatGPTの始め方

CahtGTPを始めるためにはアカウント解説する必要があるため、ますサービスを提供しているOpenAIに行きます。
OpenAI
openai
次に、画面左にある「TRY CHATGTP」をクリックすると画面が遷移します。ChatGPTの利用者が多い場合は下記の文言を含む画面が出る可能性があります。この時は一旦諦め、時間を置いてからアクセスしましょう。
chatgtp
OpenAIのアカウントを作っていない場合は「Sign In」、DALL-E2など他サービスでOpenAIのアカウントを既に持っている場合は「Log In」します。

ChatGPT

Chat画面

ログインすると上記の画面が出ます。左側にナビメニューがあり、中央の下段にある入力欄にテキストを入力してAIと会話を行います。

ナビメニュー

ナビメニューは以下のものがあります。

  • +New Chat・・・Chatのスレッドを立てます。一つのチャットで会話内容を維持することができます。
  • Upgrade Plus・・・ChatGPT Plusにアップグレードします。アップグレード版はレスポンス速度が上がったり、新機能を早く利用できます。費用は月額20ドルかかります。
  • Dark Mode/Light Mode・・・チャット画面をダークモード/ライトモードに切り替えます。
  • Improve ChatGPT・・・ChatGPTを改善するためのアンケートフォームです。
  • Updates & FAQ・・・ChatGPTのアップデート状況やFAQ(よくある質問)です。英語ですが一般的に気になる点は「ChatGPT General FAQ」に書かれています。
  • Log Out・・・ログアウトします。

チャットを入力する

chat欄

画面下部の入力欄にテキストを入力し送信するとAIがそのチャット内容に対して返信を行います。このチャットでは

AIの持つ機能としては以下のものがあります。前の会話を覚えているということがポイントであり、事前に設定を与えておくことで具体的な回答を得やすくなります。

・ユーザーが以前の会話で言ったことを覚えている
・ユーザーがフォローアップ修正を提供できるようにする
・不適切な要求を拒否するように訓練されています

また、生成される内容について制限事項として以下の文言が明記されています。ここでは誤った情報を生成することもあることが明記されているので、生成したものを使用する場合は確認しておく必要があります。

・誤った情報を生成することがある
・有害な指示や偏った内容を時折生成する可能性があります
・2021年以降の世界と出来事に関する限られた知識

事前に情報を与える

チャットを開始する時、まず一番最初に十分な情報を与えておく必要があります。ChatGPTでは「ユーザーが以前に会話で言ったことを覚えており、会話の精度を上げるには早い段階で情報を与えるほか、パーソナリティーを与えることで「その人物」になる会話が可能になります。情報が明確で細かいほど求める回答に辿り着きやすくなります。

与える情報は、設定・背景・ベースとなる名称・性格・言語など得たいフィードバックから考えると良いでしょう。与え方は他の人に説明するようにAIにも説明するだけで良いです。

ChatGPTを使った例

実際にChatGPTを使うと以下のようなことができます。

TRPGのシナリオ作成のアイデア出し

ChatGPTで「TRPGのシナリオを作ってください」とチャットしたところ、以下のような形でフィードバックが来ました。

ここでは、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)のシナリオの例を示します。このシナリオは、ファンタジーの世界を舞台にしたもので、D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)やパスファインダーなどのTRPGシステムで遊ぶことができます。
【タイトル】:盗まれた聖杯
【プレイヤー人数】:3~5人程度
【シナリオ概要】:プレイヤーキャラクターたちは、聖杯として知られる貴重な宝物が盗まれたという報告を受け、盗難事件を解決するために雇われる。聖杯は、かつてこの地に住んでいた伝説の勇者が手に入れたとされる、神秘的な力を秘めたアーティファクトである。
プレイヤーキャラクターたちは、事件の真相を追求するために、盗まれた聖杯を見つけるための手がかりを探します。最初の手がかりは、盗まれた聖杯が安全に保管されていた場所にあったとされる紙片です。プレイヤーキャラクターたちは、この紙片を手がかりに、盗難事件に関与した人物やグループを特定するための調査を開始します。
調査の過程で、プレイヤーキャラクターたちは、盗難事件に関係するさまざまな人物やグループと遭遇します。盗難事件に関わる人物たちは、一見すると無関係なように見えますが、実は互いに繋がりがあることが判明します。そして、調査が進むにつれ、プレイヤーキャラクターたちは、事件の裏にある陰謀や陰謀者たちを明らかにしていきます。最終的に、プレイヤーキャラクターたちは、盗まれた聖杯を守っていた聖堂にたどり着きます。聖堂の中で、プレイヤーキャラクターたちは、盗難事件の真相と、聖杯がなぜ盗まれたのかを知ります。そして、最後の戦いが始まります。
最後の戦いの後、プレイヤーキャラクターたちは、盗まれた聖杯を回収し、クライアントに報告します。クライアントは、プレイヤーキャラクターたちに対して、報酬として豊富な報酬を提供します。また、聖杯を回収したことにより、プレイヤーキャラクターたちは、この世界で有名になり、多くの人々から尊敬されるようになります。
ただし、プレイヤーキャラクターたちの冒険はまだ終わっていません。盗難事件に関与していた陰謀者たちは、事件が暴露されたことで逃走してしまったため、プレイヤーキャラクターたちは、彼らを追跡し、追跡の途中でさらに冒険を経験します。
彼らは、陰謀者たちが所属する秘密結社の本拠地にたどり着き、その秘密を暴くために戦います。最終的に、プレイヤーキャラクターたちは、秘密結社のリーダーと対決し、彼らを打ち負かします。
このようにして、プレイヤーキャラクターたちは、単なる聖杯の盗難事件から始まり、大きな冒険に発展するストーリーを経験します。彼らは、力を合わせ、協力して、様々な困難に直面しながら、この世界の秘密を解き明かしていきます。

もちろん、このままではシナリオとしては成立しませんが、「TRPGのシナリオを作ってください」の一文だけでシナリオのアイデア出しが可能です。

NPCのセリフの生成

ChatGPTで「「ニャルラトテップを信奉する狂信者が探索者に対して行う最後通告を5パターン考えてください」とチャットしたところ、以下のような形でフィードバックが来ました。
チャット例セリフ

名前や設定を生成する

ChatGPTで「剣と魔法の世界の登場人物名を男女3人分生成してください。合わせて、年齢と性格も決定してください」とチャットしたところ、以下のような形でフィードバックが来ました。
チャット例

さらに掘り下げることも可能で、上記に出てきたガイの設定を細かく訪ねたところ以下のフィードバックを得ています。
「ガイは、鍛冶職人の家庭に生まれた大柄な男性で、力自慢の性格をしています。子どもの頃から鍛冶場で過ごし、鉄を扱うことに長けています。戦闘においては、剣技も魔法もあまり得意ではないが、強靭な肉体と豪快な戦闘スタイルを武器に戦います。また、人情味があり、善悪の判断をする際には、常に正義を信じて行動しています。しかし、その強さゆえに、時には衝動的な行動をとることもあるため、仲間たちからは時に危険視されることもあります。」

まとめ

いかがでしたか?ChatGPTがローンチされた時に世界に衝撃が走りましたが、会話で成立するTRPGも影響を受けてくるかもしれません。現在はまだ会話にも誤りが含まれたり、外部のツールを併用することはできませんが、テキストを生成やアイデア出しには十分に使えるのでGMのサポートツールとして利用することはできます。今後、さまざまなAIチャットボットも登場しますが、Roll20など大手のVTTサービスのなかにもAIが取り込まれるかもしれません。AIによるチャットは何かと便利なので、是非ともChatGPTを体験してみましょう!

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