Midjourneyの使い方|TRPGにもオススメのAI自動画像生成サービスの解説

2022年になってからAIによる自動描画を行う研究発表が行われ、Dall・E2やStable Diffusion、Imagineなどが登場しました。中でもMidJourneyはその描画制度の高さから話題になっており、イラストやゲーム、TRPG界隈で話題になっています。そこでMidjourneyの使い方について解説します。

Midjourney(ミッドジャーニー)とは

midjourneyの作品
Midjourneyは今、SNSで話題となっている自動画像生成ツールで、「新しい思考媒体を探求し、人類の想像力を拡大する」という目的で独立した研究所であるMidjourneyが開発したAIによる画像を生成するのプログラムです。AIが短時間で高品質の画像を生成する事から背景画の作成やイラストのイメージ出し、作業指示のイメージなどに使う人が続出しています。最近ではニンジャスレイヤーで利用されるなども積極的に商用利用も行われており、背景制作や素材製作の現場に一石投じています。このプログラムは基本的にはMIdjourney公式サーバで動きますが、有料プランに加入することで自分のディスコードサーバでも稼働させることができます。


TRPGではオンラインセッションが主流になってきており、セッション時に使える画像を自動生成してくれるということで多くのユーザーが画像を作っています。Midjourneyで生成した画像は印象派のようなタッチが特に評判が良く、ファンタジーやサイバーパンク、スチームパンク、ホラータッチなどと相性が良いようです。つまり、ファンタジーやホラーが多いTRPGとの相性は抜群に良いです。この事から、TRPGのオンラインセッション時の背景や挿絵として利用する人が増えています。

Midjourneyの使い方

midjourneyの使い方
Midjourneyでは難しいプログラミング技術は必要なく、簡単なコマンドを入力するだけなので誰でも簡単に画像を作ることができます。ただディスコードを使うので、ディスコードが初めての人は最初はよくわからないかもしれません。手順は以下に書いているので、その流れで進めると良いでしょう。

  1. ディスコードのアカウントを作る
  2. Midjourneyの公式サーバーに入る
  3. newbiesのどこかのチャンネルに入る
  4. 「/imagine」コマンドを使ってテキストや画像URLを入力する
  5. バリエーションやスケールアップを行い、保存する

以下の海外の動画でMidjourneyの使い方を解説をしています。動画は英語なので、見ない場合はすっ飛ばして下を読めばMidjourneyの使い方はわかります

ディスコードのアカウントを作る

Midjourney自体がディスコードのサーバで動くボットであるため、ディスコードのアカウントは必須です。

Midjourneyの公式サーバーに入る

ディスコードのアカウントを作成したあと、Midjourneyの公式サーバー(https://discord.com/invite/midjourney)にアクセスして参加する必要があります。

midjourney beta
ディスコードのMidjourneyの公式サイトからディスコードのサーバへ行く場合は、公式サイトの「Join the Beta」をクリックするとディスコードへ遷移します。

直接Midjourney公式サーバーに移動するならこちら(Discordに移動します)

ディスコードへ移ると下記画像のように招待が来ているとでるので「はい」をクリックします。
ディスコードの承認

Midjourneyサーバー内に入るとさまざまなチャンネルがありますが、下記画像のようにNEWCOMER ROOMSのnewbies-○○のどれかに入ります。
チャンネル

「/imagine」コマンドですぐ画像を作ってみる

midjouneyのコマンド入力
ディスコードの画面下部にある入力欄に「/imagine」コマンドを入力し、続けて生成したい画像のイメージとなる単語やフレーズを入力するだけでAIが自動で生成します。無料トライアルでは25回分のジョブがあり、1つ作成するごとに1ジョブを消費します。入力する際に/(スラッシュ)を入力すると、予測としてコマンドの候補が出現するので入力がしやすくなります。なお、単語や文章は基本的には英語が良いですが、たまに日本語でも生成されることがあるようです。

/imagine ワード1,ワード2,ワード3…
/imagine 文章…
例)/imagine Two people were standing on top of the huge ruined pagoda

コマンドを実行し、何も問題がなければ画像生成が始まります。
生成した画像
生成が完了すると4つの画像とU1~U4のボタンと更新マーク、V1~V4のボタンが画像の下に出てきます。

U1~U4U1~U4のボタンはアップスケールのボタンで、選んだ画像をアップスケールすることができます。アップスケールすることにより選んだ画像が1024×1024より大きく、詳細部分が明確な画像で生成することができます。
V1~V4V1~V4のボタンは新しいバージョンを作ることができます。

スケールアップした画像
Uボタンでスケールアップした場合、さらに追加で設定することができます。

Make VariationsVボタンと同じようにバリエーションを作ることができます。
Upscale to Max画像を約1664×1664のサイズにスケールアップできます。
Light Upscale Redoできるだけ詳細を追加することなく、再びスケールアップをします。
Web画像をWebAppのコミュニティで確認します。

Uボタンは選んだ画像を大きくする、Vボタンは選んだ画像をベースに異なるバージョンを3つ作り直すと考えると良いでしょう。Vを使うことでよりイメージに近いものが出来やすくなります。

保存する

生成した画像は画像を右クリックして[save image]を選ぶことでローカルコンピュータに保存することができます。なお、これまで生成した自分の作品が見たい場合はWebAppにサインインすると一覧で確認できます。

Midjourneyを使うコツ

コツ
自分の持つイメージにAIの判断を近づけるためには、より細かい情報を与える必要があります。効率的に画像を生成するには、他の人の画像やそのプロンプトを利用する事です。車輪の再発見ではありませんが、既に結果が出ているプロンプトであれば利用するに越したことはありません。

AIに伝える情報を増やす

AIは与えられた情報をもとに画像を生成するため、より具体的な生成が行われるように重要なフレーズを与える必要があります。例えば薄暗い森の画像を生成させたい時に「forest」とだけ与えるのでなく、「gloomy forest」とした方が目的の画像は生成されやすくなります。

他の人の良作を活用する

Midjourneyでは公開サーバに出ている画像やプロンプトの流用は全く問題ありません。ですので、他の人が使ったプロンプトや画像を使ってイメージに近いものを作ることも可能です。

バリエーションを試す

AIで生成される画像は一つのプロンプトで4つしか表示されませんが、その中にイメージに近いものがある場合はその画像をもとにバリエーションを展開していく方が早いことがあります。これは自分のプロンプトで生成した画像に限らず他の人の作品でもイメージが近いものがあれば使う良いでしょう。

プロンプトの一部を変更、重みを調整する

生成したいフレーズを多く入れる際にイメージを邪魔するものが入る場合があります。明らかに主張が強すぎるフレーズはそのフレーズを外したり、重みを変更してAIに与える影響を調整する必要があります。重みの調整はテキストであれば「::○○」、画像であれば「−−iw:○○」で行います。(○○は半角数字)

下記リンクで重みの付け方を例があります。
PROMPT STYLES AND WEIGHTS

アーティストや画風の情報を入れる

仕上がりをイメージする時にどのような画風・タッチになるかを考えておくと、おりイメージに近いものが出来上がりやすくなります。下記リンクにあるGoogleスプレッドシートにアーティスト名とそのアートワークがあるので、仕上がりのイメージが一番近いものを探してプロンプトに入れると良いでしょう。
Midjourneyで使えるアーティスト名一覧

コマンドやパラメータ一覧

コマンドは「/imagine」以外にもいくつかあります。特に「/info」はトライアルで使用している時に残数確認で使います。また、コマンドにパラメータを付与することで設定をつけて画像生成をすることができます。

使えるコマンド一覧

コマンドは以下のものが使えます。トライアルであれば/imagineと/infoのみで十分でしょう。

コマンド説明
/imagineテキストから画像を作ります。50秒で4画像作成されます。
/infoあなたのプロフィールとプランと使用状況に関する情報を表示します。
/invite招待リンクを生成し、DMに送信して、誰かをサーバーに参加させることができます。
/ideasプロンプトのためにいくつかのランダムなアイデアを与えます。
/help便利なリファランスにボットオプションを表示します。
/subscribe購読ページへのリンクを取得します。
/fast
/relax
「Fast」モードと「Relax」モードを切り替えます。
/showジョブを別のチャネルに移動したり、アーカイブされたスレッドからジョブをアップスケールができます。
/private
/public
「Private」モードと「Public」モードを切り替えます。

「/imagine」コマンドにパラメータを付与する

「/imagine」コマンドを入力するときにパラメータを付与することでサイズを指定したり、プロンプトに必要なものだったりします。

パラメータ説明
−−w画像の幅。64の倍数(−−hdなら128)で指定します。
−−h画像の高さ。64の倍数(–hdなら128)で指定します。
−−seed乱数シードを設定して毎回同じ疑似乱数が得られるようにします。世代間での再現性を持たせます。
−−no否定的なプロンプトを設定します。
−−videoDMに紐づけられた進行状況の動画を保存します。動画リンクの取得には✉️ を開く必要があります。
−−iwテキストの重みに対する画像の重みを設定します。デフォルトは0.25。
−−fast画像生成が早くします。ただし、一貫性が低くなります。
−−version
−−v
古いアルゴリズムを使う場合1または2を指定します。
−−stylize
−−s
画像の「stylization」の強さを設定します。値を高く設定するほど、より独断的になります。デフォルトの数は2500です。
−−quality
−−q
レンダリング品質にかけたい時間です。デフォルトは1です。
−−hd大きな画像には向いているが一貫性が低い別のアルゴリズムを使います。抽象的な画像や背景画像作成に向いています。
−−stop世代を以前のパーセンテージで停止させます。10~100の間になります。
−−uplightアップスケールの時に使うことで、オリジナルの画像に近づけます。
−−sameseed結果のグリッドのすべての画像に同じシードを設定します。
−−aspect手動で幅と高さを設定する代わりにアスペクト比を設定します。
−−aspect 16:9 はショートカットで −−ar 16:9 でもOK。

サイズのショートカット

画像サイズを一つ一つ入力するのが大変な時のためにショートカットが用意されています。あくまでも幅と高さが固定されたもののショートカットであるため、任意の値の短縮ではありません。

ショートカット本来入力するサイズのパラメータ説明
−−wallpaper−−w 1920 −−h 1024 −−hd幅1920px 高さ1024px 大画像用アルゴリズム使用
−−sl−−w 320 −−h 256幅320px 高さ256px
−−ml−−w 448 −−h 320幅448px 高さ320px
−−ll−−w 768 −−h 512 −−hd幅768px 高さ512px 大画像用アルゴリズム使用
−−sp−−w 256 −−h 320幅256px 高さ320px
−−mp−−w 320 −−h 448幅320px 高さ448px
−−lp−−w 512 −−h 768 −−hd幅512px 高さ768px 大画像用アルゴリズム使用

(例)/imagine prompt: http://myimageonline.jpg A forest spirit at night −−iw 0.2 −−no trees −−hd

Stylize値

Stylize値を設定することで画像の芸術性が増します。

Stylize値説明
−−stylize 625あまり芸術的ではないようにしたい時。
−−stylize 1250「あまり厳密ではない」が「きれい」である必要がある時 (熟練したユーザーに推奨)。
−−stylize 2500デフォルト。設定する必要なし。
−−stylize 20000テキストから広がり、イメージを残しつつ芸術的に仕上げたい時。
−−stylize 60000とても芸術的に仕上げたい時。

Quality値

レンダリング品質にかけたい時間を設定できます。Quality値が高いほどレンダリングが細かく行われます。

Quality値説明
−−quality 0.25描画は荒い。4倍速/低品質
−−quality 0.5詳細部分が荒い。2倍速/低品質
−−quality 1デフォルト。設定の必要なし
−−quality 2詳細。2倍低速かつ価格も2倍 (1画像で2分)

「/imagine」コマンドに画像URLを差し込む

「/imagine」コマンドのプロンプトに1つ以上の画像URLを差し込むと、その画像を直感的に使用することができます。画像を使う場合は画像だけではなく、画像とテキストの組み合わせでも可能です。また、重みを調整することで生成される画像への影響を上げることができるようです。

  • −−iw: 画像の重みを調整します。デフォルトは0.25。

画像URLを差し込む場合はプロンプトに順番があります。
/imagine [画像URL] [テキスト] [パラメータ]

「/imagine」のテキストに重みをつける

「/imagine」のプロンプトにテキストを入れる場合、任意の部分に重みづけをすることができます。重みを付ける事でそのワードの重要さを調整し、画像に反映する要素に強弱を付けます。

  • ::○○ その単語に○○(数字)の重みをつけます。マイナスも可。

::-1のようにマイナスの重みをつけることもできますが、全ての合計がマイナスになることはできません。

(例)/imagine hot dog::1.5 food::-1 hot dogに1.5の重みをつけて、foodに-1の重みを付けます。

利用規約と商用利用について

無料で使える25ジョブが終了すると画像生成ができなくなるため、継続して使用する場合はライセンスを購入して有料版に切り替える必要があります。GPU Timeとは描画のための処理速度で、Fastは倍速、Relaxは低速です。プランによってFastの量が変わりますが、低速であればStandardとCorprateは無制限で使うことができます。Meterd modeは追加料金でFast GPU Timeを追加することができるかを表しています。ある程度の量の画像生成を行うのであればStandardプランが良いでしょう。なお、収益が年間100万ドル以上の会社はCorporateプランになります。

プランFree Trial
無料
Basic
有料
Standard
有料
Corporate
法人
価格無料$10/月$30/月$600/年
Fast GPU Time25分(25回分)200分/月15時間/月120時間/月
Relax GPU Timeなしなし無制限無制限
Meterd modeなしありありあり
Personal bot chatなしありありあり
private visibilityなしありありあり

※2022年8月1日現在のプランです。変更される可能性があります。

画像の権利は生成に使ったプロンプトや複製の作成、派生物の作成などはMidjourney側でも保有しますが、製作者もアセットの権利を保有します。ただ、Midjourneyは投稿された画像やプロンプトの使用やリミックスができるオープンスペースであるため、公開されているものであれば誰でも使うことができます。なお、非公開にするには有料プランに加入が必要です。有料プランの契約をしているのであれば問題なさそうです。なお、NFTでの利用については別途支払いが必要です

MidjourneyのWebApp

midjourney webapp
Midjourney公式サイト(www.midjourney.com/)にディスコードアカウントを使い、サインインするとWebAppを使うことができます。WebAppではアカウント管理ができるため、有料プランの申し込みや、自分が生成させた画像をすべて見ることができます。ディスコードではメッセージが流れるため過去の作品を確認するのが難しいですが、WebAppであれば簡単に確認できます。WebAppでは以下のようなことが可能です。

  • 他人が作った人気の作品を見ることができる(有料)
  • Journey Mapで繋がりあるキーワードが可視化される(有料)
  • 自分の作品をすべて確認できる
  • 作品のプロンプトを見ることができる
  • アーティストののスタイルの例を見つけることができる(有料)

気になるアーティストをフォローすることもできるので、他の人の作品を参考にしやすくなります。

Midjourney公式サイト

類似サービスとの比較

類似のサービスではDall-E2がありますが、同じフレーズ”マクドナルドで最後晩餐”での描画の仕上がりの比較です。
マックで最後の晩餐_midjourneyマックで最後の晩餐_Dalle2
(先がMidjourneyで後がDall-E2)

全体的な印象としてはMidjourneyが綺麗なタッチでできています。ただDall-E2が劣っていると言うわけではなく、写真や3Dモデリングではこちらに軍配が上がります。つまり、実在しないような幻想的で綺麗な仕上がりを求めるのであればMidjourneyが良いでしょう。

Midjourneyを使うメリットとデメリット

どんなユーザーでも簡単に画像生成ができるMidjourneyのメリットとデメリットには以下のものがあります。

メリットデメリット
専用アカウントを作る必要がない
簡単コマンドで画像生成できる
背景、挿絵、イメージのアイデア出しに使える
印象派の画風のクオリティが高い
縦長横長のサイズ指定ができる
他の人のプロンプトを利用できる
有料でNFTに利用可能
ディスコードが必要
キーワードや表現にコツがいる
無料だと25回しか生成できない
構図がおかしいことがある
無料だと見せたくない作品やプロンプトが公開される
サービスやヘルプは全て英語

Midjourneyはスマホで使える?

Midjourneyはスマホでも画像生成が可能か?と思うかもしれませんが、ディスコードにログインさえできればMidjouneyは利用できます。手順としてはPCもスマホも同じなので、ディスコードアプリをスマホに入れておけば簡単に使うことができます。

まとめ

いかがでしたか?Midjourneyは背景やイメージ画像を生成するのに便利なツールと言えます。TRPG界隈でも利用価値のあるツールであり、特にオンラインセッションが増えた現在であれば、素材として欲しがるGMも多くいると思います。立ち絵には合わないと思いますが、世界観の溢れる風景画像や挿絵として場面転換に使う画像としても良い画像が作れそうです。Discordアカウントがあるのであれば是非ともMidjourneyを使ってみましょう!

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