ファンブルとクリティカルとは|TRPGではどのように扱うのか?
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TRPGでプレイをしているとそのダイスの結果では予期せぬことが起きる場合があります。その予期せぬ結果を引き起こすものはクリティカルとファンブルで、ゲームマスターとプレイヤーどちらもコントロールすることができません。色々なルールブックにクリティカル・ファンブルは存在しますが、それは判定方法や結果の及ぼす効果が変わってきます。そこでクトゥルフ神話TRPGやダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)でのクリティカルとファンブルの扱い方を解説します。
ダイスロールの結果で発生するクリティカルとファンブル
TRPGにおいてダイスロールはロールプレイを演出しますが、ダイスロールは時てして混乱をもたらし、時として奇跡をもたらします。それは「クリティカル」と「ファンブル」のことです。クリティカルとは普段では能力的には及ばないものの奇跡的に成功することを表します。またファンブルとはどれだけ熟練した者でもうっかり失敗、もしくは大失敗を表します。
プレイヤーが危機的状況に陥ったときのクリティカルはプレイヤーのモチベーションが上がりますし、ラスボスのファンブルはGMとしては締まりが悪いでしょう。それぐらいクリティカルとファンブルはロールプレイに影響を与えます。
クリティカルとは
クリティカルとは英語でcriticalと書き、「致命的」を意味します。ただし、この致命的な状況はクリティカルを引き起こした本人ではなく、その相手に訪れるものです。確率的には低いものとされており、ロールプレイングゲームなどでクリティカルヒットという通常の攻撃よりはるかに多くのダメージを与える致命的な一撃で大きく認知された言葉です。TRPGにおいては攻撃だけではなく様々な行動を判定するダイスロールにも起き得るものであり、クリティカルが発生することで思いもがけない幸運を呼び起こすこともあれば、ゲームによっては絶対的な成功を表すこともあります。
クトゥルフ神話TRPGでのクリティカル
クトゥルフ神話TRPGではダイスロールで1d100の目が1の場合のみクリティカルになります。確率は1%とTRPGの中では低い部類となります。またクリティカルは単なる成功ではなく目的達成以上の何かを得ることを意味します。
対抗(技能)ロールではクリティカルでの成功は相手のイクストリームの成功に勝つことができます。クリティカルでの効果は攻撃では急所にあたり最大ダメージを、それ以外の多くの場合はキーパーの裁量に任されています。またプレイヤーがキーパーに提案することもあります。
イクストリーム成功
厳密にいうとクリティカルではありませんが、ダイスロールでの1d100の値がキャラクターの技能もしくは能力の1/5より低い場合はイクストリーム成功となります。攻撃であれば最大ダメージや貫通効果を与え、チェイスでは移動率が増加などクリティカルに近い恩恵があります。
D&Dでのクリティカル
D&Dでは基本的には攻撃ロールと死亡セービングスローでのみクリティカルが発生します。この2つで1d20でのダイスロールをした際に目が20であればクリティカルが発生します。確率は5%と比較的高めになっています。またファイターなどレベルが上がることによっては攻撃ロールでのクリティカル率が上昇していくクラスもあります。ダンジョンマスターによっては能力値判定でもクリティカルが発生するハウスルールを導入する方もいます。
攻撃ロールでのクリティカル
攻撃ロールでクリティカルが発生した場合、敵に与えるダメージが増加します。そのダメージは武器固有のダメージ及びローグの急所攻撃などのダイスロールの回数が倍になります。
死亡セービングスローでのクリティカル
死亡セービングスローはヒットポイントが0になったキャラクターが行う生死の境を彷徨うロールですが、この時のd20の目が20だった場合、1ヒットポイントを回復し容態安定化を飛び越えて動けるようになります。D&Dではヒットポイント0の状態からどれだけ早く蘇生できるかが重要です。本来であれば容態安定化をしてもダメージを負うよな危険がある場合は、すぐにまた死亡セービングスローが必要になります。クリティカルでの蘇生はパーティを維持する上でもとても貴重な結果です。
芸能人によるクリティカル
近年、お笑い芸人のEverybodyにより顔芸に併せてクリティカルヒットをよく耳にするようになりました。
ファンブルとは
ファンブルとは英語ではfumbleと書き、「しくじる」という意味です。人生において失敗することは多々ありますが、大丈夫と思っていて油断して大失敗することも多くあります。失敗を覚悟していての失敗と、成功を信じ余裕をかましている時に起こす失敗は同じ失敗でも与える影響は大きく異なります。成功を前提にしていると失敗後のリカバリー体制が整っていないことが多く、そのようなタイミングでの失敗は致命的なものになります。
TRPGのファンブル
TRPGにおいてファンブルはサイコロを振った結果として発生します。つまり、攻撃に限らず様々な行動判定でのダイスロールに大失敗するという、プレイヤーキャラクターにとってとんでもない不運を呼び込む結果となります。緊迫した場面でのファンブルは生命の危機に直結する場合があります。プレイヤーは誰しもファンブルは起こしたくないですし、GMですらお気に入りのNPCやクリーチャーにファンブルして欲しいとはなかなか思わないでしょう。しかし、神様の悪戯は存在するのでファンブルをいかに楽しむかというのもロールプレイでは重要です。
クトゥルフ神話TRPGのファンブル
クトゥルフ神話TRPGでは必要なダイスロールの値によりファンブルの値が変わります。そしてファンブルが出た場合、普通の失敗ではない本当に悪いハプニングが起こり、そのハプニングについてはキーパーの裁量で決定します。自身に降りかかる恐ろしいハプニングとして、チェーンソーを振り回してファンブルを起こすと自分の手足を誤って切り落としてししまうということもあります。
- ダイスロール成功に必要な値が50以上の場合 ・・・ ファンブルは1d100の目が100の場合のみ発生
- ダイスロール成功に必要な値が50未満の場合 ・・・ ファンブルは1d100の目が96~100の場合に発生
SANチェックによるファンブル
クトゥルフ神話TRPGではクリーチャーを見たり、残酷なものを見たり、深淵を覗き込んだりするとSANチェック(正気度ロール)が発生します。このSANチェックは1d100で行われ、ファンブルした時は正気度損失のダイスの最大値のSAN値を失います。
火器の故障
武器に故障ナンバーがあるものもあります。故障ナンバーは95~100と武器ごとに決まっており、攻撃ロールでの結果が故障ナンバー以上であった場合は武器が故障します。故障の内容はさまざまであり弾が不発だったり、ジャミングを起こしたりします。このときファンブルであった場合はキーパーの裁量で銃が暴発して使用者を傷つけたり、仲間に誤射したりと決めることも可能です。
D&Dのファンブル
D&Dの場合はクリティカル同様、攻撃ロールと死亡セービングスローで1d20でのダイスロールで1の目が出ると必ず失敗します。ただD&Dの場合はこれをファンブルとは表記していません。またDMによっては能力値判定でファンブルを導入する人もいます。
攻撃ロールでのファンブル
攻撃ロールの1d20の目が1の場合、例え相手のアーマークラスが0であっても攻撃は自動的に失敗します。弘法も筆の誤りと同じでどのようなベテランでもうっかり失敗することはあります。
死亡セービングスローでのファンブル
生死を彷徨うときの死亡セービングスローのd20で目が1の場合は、失敗を2つカウントします。死亡セービングスローでは3回失敗するとキャラクターは死んでしまうので、死亡セービングスローでのファンブルは一気に死に近づくことになります。
野球のファンブル
野球においてファンブルは「手探りする」「しくじる」「つかみ損なう」ということから、「一度は掴んだボール落とす」を意味します。ギリギリ捕球できずに落としたものは落球と呼ばず、一旦アウトが取れそうなタイミングでキャッチできたものが落球のためにセーフになるとファンブルが叫ばれます。ファンブルは特に印象に残りやすいプレーとなるので後世に語り継がれることがあります。
バスケットボールのファンブル
バスケットボールのファンブルも野球と同様、「一度は掴んだボール落とす」を意味します。バスケットの場合はパスを受け損なったり、キャッチしたリバウンドをこぼしたりする場面で使われます。
クリティカル・ファンブルに関連する素材
TRPGのオンラインセッションの演出や動画編集に使える様々な素材を公開・販売されている方がいます。中にはクリティカルやファンブルに特化した素材もあります。
クリティカル・ファンブルの画像
クリティカルやファンブルの画像素材をご紹介します。カットインや動画に最適です。
クリティカル・ファンブルの効果音
クリティカルやファンブル時の効果音です。
まとめ
いかがでしたか?TRPGでのダイスロールではクリティカルやファンブルを期待するような神頼みの場面も多々あります。クリティカルによる起死回生の展開や、ファンブルによる急転直下の展開などGMが意図しない流れも生み出されます。これはプレイヤーの運と確率の問題なのでどうしようもありませんが、その結果が出たときに最適なロールプレイを行いましょう。