TRPGのシナリオ作成に最適な執筆ツール「Nola」の使い方
目次
Nolaとは
Nolaは、株式会社indentが提供しているPCとスマホの双方でデータを同期して利用できる執筆ツールです。原稿の執筆機能、参考資料の保存機能、プロットの作成機能があります。機能の制限はありますが無料で使うことができるので、小説や脚本、TRPGのシナリオ製作などに向いたツールと言えます。TRPGのシナリオ製作に便利なプロットの整理や登場人物の管理などが簡単にできるので、ワードやテキストエディタしか使ったことがない人におすすめです。
Nolaの使い方
Nolaは使い方も簡単で機能も難しくありません。ただ、あくまでも執筆のための情報整理に優れているツールであり、シナリオのアイデア出しに使うものではありません。実際に使う場合はアカウントを開設してログインしてからの操作が必要です。
アカウントの開設
まずは無料会員登録を行いアカウントを作成します。
アカウント開設にはメールアドレスの登録が必要で、登録後に認証コードが送信されます。
届いた認証コードを入力するとアカウントは開設されます。認証が完了するとログイン後の画面が出てきます。
ログイン後はテーマ、構成、執筆、資料を使い分けてシナリオを作ります。
シナリオのテーマを決める
Nolaでは最初に作品のテーマやターゲットを整理できるように「テーマ」があります。ここでは作品のテーマや作品の終着点、執筆予定文字数、この作品のターゲット層を決めておくことができます。必須というものではありませんが、ゴールや作品のターゲットを決めておくことで書いてる途中のブレは起きにくくなります。
シナリオの構成を決める
この機能がTRPGのシナリオを作る上で一番使いやすいものとなっています。構成ではプロットと時系列があります。作品のプロットを書き出し整理しておくことで、シナリオ構成もしっかりしたものとなります。シナリオのテーマとゴールが決まっているので、冒頭部分からゴールまでのプロットを作成します。TRPGはユーザーの行動によってシナリオには使わない部分も出たりしますが、ゴールまでのルートとして考えられるものはプロットとして準備しておくと良いでしょう。
プロット
プロットとはストーリー上の重要な出来事のまとまりであり、重要な出来事とは、後の展開に大きな影響を与える出来事である。すなわち、プロットは出来事の原因と結果を抜き出したものです。Nolaではプロット名を好きに変更できるので、TRPGのシーンごとに整理する時に使うことができます。例えばとある町にPCが滞在した時にメインストーリー上訪れる場所や選択によって訪れそうな施設をプロットの項目として準備することもできます。
- ナビゲーションの「構成」にある「プロット」をクリックする。
- 画面右下のペンマークの「編集する」をクリックする。
- 枠が一つのプロットを表しており、枠に内容を入力し保存する。
時系列
時系列はプロット上の出来事を並べたものです。TRPGのシナリオを作る場合、時系列で使うだけではなくシーンごとに整理する時に使うことができます。時系列の項目にはストーリーやイベント、伏線といったものから関連する人物などを追加することができます。時系列を追加することで、プロットごとにストーリーやイベントを整理することができます。
- ナビゲーションの「構成」にある「時系列」をクリックする。
- プロットに関わる要素(ストーリーやイベント、登場人物など)を追加する。
- プロットと要素が重なるところで詳細を記入し保存する。
時系列で追加するものにシナリオのメインストーリーを書くための「ストーリー」と、そのプロットで発生するまたは発生した出来事をまとめる「イベント」は入れた方が良いでしょう。またNPCが積極機に関わるシナリオを作るのであれば登場人物を追加してプロットと重なる時の行動や心情をまとめても良いでしょう。
資料を準備する
シナリオを作成する場合、登場人物(NPC)を作り、その相関関係を設定することができます。また世界観の設定もできるので、大きな世界観だけでなくシナリオの舞台となる地域の文化や習慣といった小さな設定にも活用することができます。
登場人物
シナリオに登場する人物を細かく設定できます。名前や年齢、性別、身長などのほか性格や特技、生い立ちなど細かく登録することができます。また立ち絵やアイコンがあれば人物の画像も登録できます。
- ナビゲーションの「資料」にある「登場人物」をクリックする。
- 2列目の下部にある「+新しい登場人物を追加する」をクリックする。
- シートが出るので登場人物の詳細を決定して保存する。
ここで作成した登場人物は相関関係や時系列の選択肢に使うことができます。
世界観
シナリオとなる舞台の世界観を設定することができます。世界の時代設定や政治、法律、宗教、軍事といった要素を登録できます。大きな世界ではなくとも国家や町、村といった規模で設定しても良いです。
- ナビゲーションの「資料」にある「世界観」をクリックする。
- 2列目の下部にある「+新しい登場人物を追加する」をクリックする。
- シートが出るので世界観の詳細を決定して保存する。
相関関係
登場人物同士の相関関係を作ることができます。TRPGにおいてNPCは対PCとの関わり方が多いですが、NPC同士の相関関係を作ることで利害関係ができるなどマスタリングに活用できる要素も生まれます。
- ナビゲーションの「資料」にある「相関関係」をクリックする。
- 2列目にある相関関係グループ一覧の「+新規作成」をクリックして新しい相関関係グループを作る。
- 該当のグループを選び、そこで「+新規作成」をクリックする。
- 相関関係を持たせるAとBを選び、それぞれの関係性を入力し保存する。
- 投函関係を可視化するために「+人のマーク」をクリックし、相関関係選んで保存する。
相関関係図は可視化できるように設定しないと画面には表示されません。
執筆する
情報を整理した後に執筆します。執筆は原稿ごとに分けることができるので、1シーンで一つの原稿を使うとわかりやすく書くことができます。TRPGであれば横書きで十分ですが、縦書きをしたい場合はプレミアム会員になる必要があります。また、プロットや資料を見ながら文章を起こすことを考えると圧倒的にプレミアム会員が良いです。
メモ
メモはちょっとしたことを書く時に便利です。まだプロットに落とすまでもないようなアイデアや登場人物など、思いついた時にメモを書き出すと後からシナリオに入れ込むアイデアになるかもしれません。
何本も作るならプレミアム会員がおすすめ
シナリオを作っていくとやはり無料版では限界を感じてきます。特にプロットや資料を見ながら書いたり、資料を整理するなどあると作業が捗る機能は有料のプレミアム会員になることで利用することができます。プレミアム会員になると様々なカスタマイズ機能を使うことができるため、シナリオの作成速度も変わるでしょう。なおプレミアム会員は月額300円または12ヶ月(年額)で2800円です。
まとめ
いかがでしたか?Nolaは小説の執筆からゲームシナリオの作成まで使える便利な執筆ツールです。シナリオはとっかかりなく書き出すよりはプロットで骨組みを作り、抜くづけしていく方が作りやすいのですが、Nolaはその作業を行う上で痒い所に手が届くツールです。シナリオをよく書くライターであれば、ぜひともNolaを使ってみましょう!