
ウィザーズ・オブ・ザ・コースト、D&DルールをSRD5.2としてクリエイティブ・コモンズで公開
SRDを通じて、サードパーティのクリエイターが自由にゲーム開発可能に
ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(WOTC)は、ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)の2024年版基本ルールコンテンツを「システム・リファレンス・ドキュメント(SRD)」として公開し、このSRDをクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもとで使用・参照可能にすることを発表しました。
SRDの主な目的は、サードパーティのパブリッシャーやクリエイターが、自身の製品開発にD&Dのルールコンテンツを基盤として利用できるようにすることです。これにより、開発者たちはウィザーズにライセンス料を支払うことなく、D&Dの基本ゲームルールを自作品に取り入れることが可能となります。ただし、SRDおよびクリエイティブコモンズの範囲は、ストリーミング、ファンアート、コスプレなどのファンコンテンツには適用されない。これらの活動については、引き続きウィザーズの「ファンコンテンツポリシー」に従う必要があります。
さらに、ウィザーズはSRDとそのFAQに加えて、あらゆるクリエイターがD&Dの知的財産(IP)を活用して合法的に作品や製品を制作する方法を詳しく説明した「クリエイターFAQ」も新たに公開しました。
SRD5.1とSRD5.2の違いは?
SRD5.1と5.2の主な違いは、2024年に更新されたD&Dのコア・ルールブックに基づく内容の刷新と、クリエイターが新しいルールセットに対応しやすくするための変更です。以下に、SRD 5.1から5.2への主な変更点をまとめます。
2024年版コア・ルールへの対応
SRD 5.2は、2024年に発行された新しいコア・ルールブック(プレイヤーズ・ハンドブック、ダンジョン・マスターズ・ガイド、モンスター・マニュアル)に基づいて更新されています。これにより、SRD 5.1に含まれていたが2024年版に直接対応する要素がない内容は、機能的に同等のものに置き換えられています。 citeturn0search5
新しいモンスターの追加
SRD 5.2では、以下の17体のモンスターが新たに追加されています。
- アロサウルス
- アンキロサウルス
- アルケロン
- バグベア・ストーカー
- ゴブリン・ボス
- 他12体のモンスター
新しいアイテムの追加
SRD 5.2には、以下のような新しいアイテムが追加されています。
- ビーズ・オブ・ノーリッシュメント
- -クローク。オブ。インヴィジビリティ
- エリクサー・オブ・ヒーリング
- エナジー・ボウ
- グローヴズ・オブ・シーヴァリー
クリエイター向けのサポート
ウィザーズ・オブ・ザ・コーストは、SRD 5.1から5.2への移行を支援するために、クリエイター向けのFAQを提供しています。このガイドは、ゲームデザインチームによって執筆されており、クリエイターが自身のTRPGコンテンツを新しいルールセットに適合させる方法を説明しています。
SRD5.2とOGLの誓いは?
今回のSRD公開にあたり最大の変更点は、従来採用されていたオープン・ゲーム・ライセンス(OGL)に代わり、国際的に認知されたクリエイティブ・コモンズ(CC-BY-4.0)ライセンスが導入された点にあります。クリエイティブ・コモンズは取り消し不可能なライセンスであり、WOTCによる一方的な改訂や撤回ができないため、より高い透明性と安定性を備えています。これにより、第三者のクリエイターは、D&Dの基本ルールを安心して利用し、自身の創作活動に活かすことが可能となりました。今回のライセンス移行は、クリエイター支援とコミュニティとの信頼回復を目的とした重要な一歩といえるでしょう。