
TRPGの立ち絵で稼ぐには?依頼の受け方・ポートフォリオ・仕事の見つけ方を解説
目次
近年、ココフォリアをはじめとするオンラインセッションツールの普及により、TRPGで立ち絵を使うことは珍しいものではなくなりました。プレイヤーキャラクターだけでなく、NPCやシナリオ用のイラストを依頼する文化も広がり、「TRPGの立ち絵を描いて収入を得たい」と考えるイラストレーターも増えています。
TRPGの立ち絵は、単にキャラクターを描く仕事ではありません。プレイヤーが何時間、ときには何年にもわたって付き合うキャラクターの「顔」を描く仕事です。だからこそ、プレイヤーは自分だけの一枚に価値を感じ、依頼という形でイラストレーターへ想いを託します。もちろん、絵が上手いだけで依頼が集まるわけではありません。TRPGならではの需要を理解し、依頼されやすいポートフォリオを作り、作品を見つけてもらう工夫が大切です。そこで、TRPGの立ち絵で収入を得たいイラストレーターに向けて、仕事の種類や依頼の受け方、ポートフォリオ作成のポイント、仕事の見つけ方までを分かりやすく解説します。
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TRPGの立ち絵にはどのような仕事がある?
TRPGの立ち絵と聞くと、プレイヤーキャラクターのイラストを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし実際には、個人からのコミッションだけでなく、同人シナリオや配信企画、商業作品まで、立ち絵が活躍する場面は数多くあります。
TRPGでは、一枚の立ち絵がキャラクターの第一印象を決め、セッションの体験をより豊かなものにします。だからこそ、「このキャラクターを描いてほしい」という需要は途切れることがありません。まずは、どのような仕事があるのかを知り、自分が目指したい活動スタイルをイメージしてみましょう。
プレイヤーキャラクターの立ち絵
もっとも依頼が多いのが、プレイヤーキャラクター(PC)の立ち絵です。自分だけのキャラクターをイラストで形にしたいという需要は高く、オンラインセッションの普及とともに立ち絵を依頼するプレイヤーも増えています。最近では全身立ち絵だけでなく、笑顔や怒り、驚きなどの表情差分や、戦闘・私服といった衣装差分をあわせて依頼されることも珍しくありません。一人のキャラクターに愛着を持ってもらえるからこそ、追加の依頼につながることもあります。
NPC・シナリオ向けの立ち絵
TRPGシナリオを制作・頒布しているクリエイターやサークルから、NPCの立ち絵を依頼されるケースもあります。シナリオの世界観を印象付けるNPCは、プレイヤーの記憶にも残りやすい存在です。そのため、主要NPCをまとめて依頼されたり、シリーズ作品を通して継続的に制作を任されたりすることもあります。
商業作品や配信向けのイラスト
出版社やゲームメーカーが制作するTRPG関連書籍やリプレイ、配信企画などで立ち絵が採用されることもあります。こうした案件は募集数こそ多くありませんが、個人依頼や同人活動で実績を積んだことがきっかけとなり、商業案件へ発展するケースも少なくありません。最初から商業案件を目指す必要はありません。個人依頼を一件ずつ丁寧に積み重ねた先に、大きな仕事へとつながる可能性も十分にあります。
依頼されやすいTRPG立ち絵の特徴
TRPGの立ち絵は、イラストとしての完成度だけで評価されるわけではありません。依頼主が本当に欲しいのは、「上手い絵」ではなく、「自分のキャラクターを表現してくれる一枚」です。プレイヤーは、キャラクターの性格や背景、物語への想いを立ち絵に込めたいと考えています。その期待に応えられるイラストレーターほど、「またお願いしたい」と思ってもらいやすくなります。
キャラクター性がひと目で伝わるデザイン
TRPGでは、立ち絵がキャラクターの第一印象になります。勇敢な騎士なのか、怪しげな魔術師なのか。それとも、どこか頼りない新米探偵なのか。シルエットや服装、表情、ポーズからキャラクターの個性が伝わる立ち絵は、プレイヤー自身のロールプレイを後押しし、一緒に遊ぶ仲間の印象にも残りやすくなります。
世界観の幅を見せる
TRPGには、現代日本を舞台にした作品もあれば、中世ファンタジーやSF、和風伝奇、ホラーなど、さまざまな世界観があります。ポートフォリオに複数のジャンルを掲載しておけば、「この人なら自分のキャラクターも描いてくれそうだ」と依頼主に感じてもらいやすくなります。
表情差分・衣装差分も用意する
近年のオンラインセッションでは、表情差分を切り替えながらロールプレイを楽しむプレイヤーも増えています。笑顔や怒り、困惑といった表情差分に加え、戦闘時や私服などの衣装差分を制作できることは、大きなアピールポイントになります。「遊ぶ楽しさ」まで想像できる提案ができることも、立ち絵イラストレーターならではの強みです。
セッションで使いやすいデータを意識する
立ち絵は完成したら終わりではなく、実際のセッションで使われます。背景透過PNGや適切な画像サイズで納品しておけば、ココフォリアなどのオンラインセッションツールでもすぐに利用できます。依頼主にとって使いやすいデータを納品できれば、「次もこの人にお願いしよう」という信頼につながります。
TRPGの立ち絵で大切なのは、「上手く描くこと」だけではありません。「このキャラクターらしい」とプレイヤーに思ってもらえること。その一枚を描けることが、イラストレーターとして何より大きな価値になります。
ポートフォリオは「依頼されること」を意識して作ろう
どれだけ魅力的な立ち絵を描けても、その作品を見てもらえなければ依頼にはつながりません。ポートフォリオは、単なる作品集ではなく、「この人に依頼したい」と思ってもらうための営業資料です。依頼主は、「絵が上手いか」だけを見ているわけではありません。「自分が思い描くキャラクターを任せられそうか」という視点で、あなたの作品を見ています。
ジャンルを偏らせない
TRPGには現代、ファンタジー、和風、ホラー、SFなど、さまざまな世界観があります。ファンタジー作品だけを掲載していると、現代シナリオを遊ぶプレイヤーは依頼をためらうかもしれません。幅広いジャンルの立ち絵を掲載することで、多様な依頼に対応できることをアピールできます。
男女・年齢・体格の描き分け
若い男女だけでなく、中年や老人、子ども、大柄な人物や小柄な人物など、幅広いキャラクターを描けることも強みになります。TRPGでは多彩なキャラクターが登場するため、描き分けができるイラストレーターは依頼主に安心感を与えます。
オリジナル作品でも十分アピールできる
「まだ依頼実績がないから、ポートフォリオに載せる作品がない」と悩む必要はありません。オリジナルキャラクターでも、設定や世界観が伝わる立ち絵であれば、十分なアピールになります。キャラクターの職業や性格、簡単なプロフィールを添えるだけでも、依頼主は「この人はキャラクターを考えるのが得意なんだ」と感じ取りやすくなります。
実績や制作フローも掲載する
立ち絵だけを並べるよりも、「どのように依頼が進むのか」が分かるポートフォリオは安心感があります。制作の流れや納期の目安、対応できる内容(表情差分・衣装差分・商用利用など)を記載しておけば、依頼主も相談しやすくなるでしょう。
ポートフォリオは、一度作って終わりではありません。新しい作品や実績を追加するたびに、あなたの成長や強みも伝わっていきます。依頼主が見ているのは、「一番上手い一枚」ではなく、「自分のキャラクターを安心して任せられる人かどうか」です。その視点を忘れずにポートフォリオを磨き続けることが、次の依頼への近道になります。
TRPGの立ち絵の仕事はどこで見つける?
ポートフォリオを公開したら、次は依頼を受けるための窓口を作りましょう。TRPGの立ち絵は、企業が募集する案件だけでなく、個人クリエイターやプレイヤーからの依頼が数多くあります。そのため、一つのサービスだけに頼るのではなく、SNSやコミッションサービスなどを組み合わせて活動することが大切です。
SNSで作品を発信する
TRPG界隈では、XなどのSNSを通じて立ち絵を知ってもらい、そのまま直接依頼につながるケースが少なくありません。「TRPG立ち絵受付中」とプロフィールに記載したり、新作の立ち絵や表情差分、制作実績を定期的に投稿したりすることで、自分の作品を多くの人に見てもらえます。
また、シナリオ制作者や同人サークル、配信者などとの交流が、新たな仕事につながることもあります。作品を投稿し続けることは、自分自身を知ってもらうための一番の営業活動です。
コミッションサービスを活用する
SNSとあわせて活用したいのが、コミッションサービスです。TRPGの立ち絵制作では、複数のサービスが利用されています。それぞれ依頼方法や特徴が異なるため、自分に合ったものを選びましょう。
| サービス | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Skeb | リクエスト形式で依頼を受ける。やり取りがシンプル。 | 細かな打ち合わせをせずに制作したい人 |
| SKIMA | 見積もり相談や専用出品などに対応。TRPG立ち絵の依頼も多い。 | 個別相談をしながら仕事を進めたい人 |
| つなぐ | コミッションを中心としたクリエイター向けサービス。 | 新しい依頼窓口を増やしたい人 |
| ココナラ | サービス内容や価格、オプションを自由に設定できる。 | 初めて有償依頼を受ける人や、自分のサービスを育てたい人 |
どのサービスにも特徴がありますが、初めて有償で立ち絵制作を始めるのであれば、サービス内容や料金を自由に設定できるココナラは始めやすい選択肢の一つです。
また、複数のサービスを併用し、SNSからの導線も用意しておくことで、依頼を受ける機会を広げられるでしょう。
クラウドソーシングでイラストの実績を積む
TRPG立ち絵に限定した案件は多くありませんが、ゲームイラストやキャラクターデザインなどの仕事を通じて実績を積む方法もあります。クラウドワークスでは、イラスト制作に関する募集が継続的に掲載されており、キャラクター制作の経験を積む場として活用できます。実績が増えるほど信頼につながり、ポートフォリオの充実や直接依頼を受けるきっかけにもなります。
実績を積み重ねることで、ポートフォリオの充実や直接依頼につながる可能性も高まるでしょう。
イラスト制作の仕事に挑戦したい方は、クラウドワークスで募集中の案件をチェックしてみるのもおすすめです。
TRPGの立ち絵は、「仕事を探す」だけではなく、「作品を見つけてもらう」ことも重要です。SNSで作品を発信しながら、コミッションサービスやクラウドソーシングを活用することで、依頼につながる機会を増やせるでしょう。
長く活動するために知っておきたいポイント
TRPGの立ち絵で継続的に収入を得るためには、イラストの技術だけでは足りません。依頼主に安心して仕事を任せてもらい、「またお願いしたい」と思ってもらえることが、長く活動を続ける何よりの近道です。一件の依頼を大切にする姿勢が、次の依頼、そしてその先の仕事へとつながっていきます。
立ち絵の料金はどう決める?
TRPGの立ち絵には、「この内容なら〇〇円」という決まった相場はありません。イラストレーターの実績や知名度、塗りのテイスト、制作時間、差分の有無などによって価格は大きく異なります。そのため、同じ全身立ち絵でも数千円から数万円まで幅広い価格帯が存在します。
とはいえ、初めて有償依頼を受ける人にとっては、まったく目安がないと価格を決めるのは難しいでしょう。そこで、コミッションサービスなどで見られる価格帯をもとに、おおよその参考例を紹介します。
| 内容 | 参考価格帯 |
|---|---|
| バストアップ | 3,000~7,000円 |
| 腰上立ち絵 | 5,000~10,000円 |
| 全身立ち絵 | 8,000~20,000円 |
| 表情差分 | 500~2,000円/点 |
| 衣装差分 | 2,000~8,000円 |
| キャラクターデザイン込み | +3,000~10,000円 |
※上記は編集部がコミッションサービスなどで確認した価格帯を参考にした一例です。実際の料金は、イラストレーターの実績や制作内容によって大きく異なります。
価格を決める際は、制作時間も意識してみましょう。例えば、全身立ち絵の制作に10時間かかるのであれば、自分が納得できる時給を掛け合わせることで、無理のない価格を考えやすくなります。表情差分や衣装差分、商用利用などは基本料金とは別にオプションとして設定すると、依頼主にも料金体系が伝わりやすくなります。実績が増えたり、依頼が継続して入るようになったりしたタイミングで価格を見直すことも、長く活動するためには大切です。
また、活動を始めたばかりの頃は、「まずは実績を作りたい」と考え、価格を低く設定したくなるかもしれません。実績づくりのために期間限定で価格を抑えることは一つの方法です。しかし、制作時間に見合わない価格で受け続けると、活動そのものを続けることが難しくなってしまいます。TRPGの立ち絵は、一枚のイラストを描くだけではありません。キャラクター設定を読み込み、デザインを考え、ラフ制作や修正対応を重ねながら、依頼主が思い描く姿を形にしていく仕事です。その時間や技術には、きちんと価値があります。価格はイラストレーター自身が自由に決めるものですが、自分が納得して活動を続けられる価格を意識することも大切です。
また依頼する側も、価格だけで判断するのではなく、その制作工程やクリエイターの技術に目を向けることで、より良い関係を築きやすくなります。お互いが納得できる価格で依頼をやり取りすることは、クリエイターにも依頼主にも、そしてTRPGコミュニティ全体にとって良い循環につながるでしょう。
安心して依頼してもらうための対応
イラストの仕事では、作品のクオリティと同じくらい、依頼主とのやり取りも重要です。初めて依頼する人にとっては、「ちゃんと完成するだろうか」「イメージどおりに描いてもらえるだろうか」という不安があります。その不安を取り除くことが、信頼につながります。
例えば、次のような対応を意識すると安心してもらいやすくなります。
- メッセージにはできるだけ早く返信する
- ラフの段階でイメージを共有する
- 修正回数や対応範囲を事前に伝える
- 進捗を適度に報告する
- 納期が厳しくなりそうな場合は早めに相談する
特別なことをする必要はありません。「丁寧にやり取りしてくれる人」という印象は、作品の満足度にも大きく影響します。
利用範囲は最初に決めておく
立ち絵は、プレイヤーが個人で楽しむセッションだけでなく、配信やリプレイ動画、同人誌などで使用されることもあります。そのため、依頼を受ける前に確認しておきたいポイントがあります。
- どこまで利用を認めるのか
- 商用利用は可能か
- クレジット表記は必要か
- 実績として公開してよいか
このように、のちのちトラブルにも繋がりかねない内容は、依頼を受ける前に確認しておくことが大切です。事前にルールを決めておけば、後から「聞いていなかった」というトラブルを防ぎやすくなります。
リピーターが最大の財産になる
TRPGは、人とのつながりを大切にする趣味です。そのため、一度依頼してくれたプレイヤーから、新しいキャラクターの立ち絵や衣装差分を依頼されたり、一緒に遊ぶ仲間を紹介してもらえたりすることも珍しくありません。
この人なら安心してお願いできる、そう思ってもらえることが、新しい依頼につながる最大の理由です。一枚一枚の立ち絵を丁寧に仕上げることは、一人のプレイヤーの思い出を形にすることでもあります。その積み重ねが信頼となり、長く活動を続けられるイラストレーターへとつながっていくでしょう。
まとめ
TRPGの立ち絵は、プレイヤーやシナリオ制作者にとって、キャラクターや物語を彩る大切な存在です。オンラインセッションの普及により立ち絵を依頼する文化は広がり、個人依頼から同人、商業案件まで、イラストレーターが活躍できる場も増えています。もちろん、絵が上手いだけで仕事が増えるわけではありません。
TRPGという遊びを理解し、キャラクターの魅力を引き出す立ち絵を描くこと。依頼されやすいポートフォリオを作り、SNSやコミッションサービスで作品を発信し続けること。そして、一件一件の依頼を丁寧に積み重ねて信頼を育てることが、継続的な仕事につながります。
最初から多くの依頼を受ける必要はありません。まずは一人のプレイヤーに「このキャラクターを描いてもらえてよかった」と思ってもらえる一枚を目指しましょう。その一枚が次の依頼を呼び、やがてあなた自身の実績となっていきます。
あなたが描いた立ち絵は、誰かが何年先まで語り続けるキャラクターの「顔」になるかもしれません。TRPGの立ち絵を描くことは、単にイラストを制作する仕事ではなく、プレイヤーの思い出や物語を形にする仕事でもあります。ぜひあなたらしい一枚を描き、多くのプレイヤーの冒険を彩ってください。














