セッション・ゼロとは|TRPG初心者に役に立つ、楽しむための事前説明会

セッション・ゼロとは

TRPGでは実際に遊ぶ時の集まりをセッションと表現しますが、最初の冒険や探索に足を踏み入れる前にプレイヤーが集まって交流することがあります。一般的にはこれを「セッション・ゼロ(セッション0)」または第0回と言いますが、このセッション・ゼロで簡単な説明や合意を取る事で今後セッション中に起こりうる様々な危険を回避することができます。

気心の知れた友人ですらセッション中にこじれる事もありますが、顔も知らないような人と組むことが多いオンライン・セッションであれば、とてもセッション・ゼロが意味を持ちます。セッション・ゼロがなくても円滑にセッションが進行する事もあるし、わざわざゼロの時間を作るのが難しいという場合もあるでしょう。しかし、プレイ前に様々な合意を得ているのであればプレイが混乱して停滞する事なく、誰にとってもWin-Winで遊ぶことが来ます。

セッション・ゼロ(第0回)で行うこと

セッション0

セッション・ゼロではセッションに関係することを説明し、時には時間をかけて解決しておくことが重要です。誰でも認識していると思われることでも重要な部分は明らかにして、ゲームの日が近づいたらすぐに全員がロールプレイできるようにしておく必要があります。セッション・ゼロでGMが説明しておくべき内容には次のものがあります。

ゲームのルールの説明

GMがセッション・ゼロではそのゲームで遊んだことがないプレイヤーがいる場合はゲームのルールやシステム自体を説明する必要があります。また、遊び慣れているプレイヤーに対しても、セッションごとに細かいルールが異なるため、いくつか事前に説明するべき追加ルールがある場合にも有効です。

  • 経験値やレベルアップについてのルール
  • 異常状態や疲労についてのルール
  • アイテムの取り扱いについてのルール
  • クエストやミッションについてのルール
  • 戦闘や回復についてのルール

特に慣れていないシステムで遊ぶプレイヤーがいる場合は戦闘ルールを説明しておくことが重要です。とはいえ、細かい説明は難しいのでここでは攻撃以外で戦闘時に選択できるアクションを提示しておくと良いでしょう。できる事を理解しておく事で戦闘中の機械的な攻撃作業を止めて、素晴らしいロールプレイが生まれる事があります。

キャラクター作成の説明

キャラクター作成をセッション・ゼロに位置付ける事もできます。その際、GMはキャラクターの作成のポイントを説明しておくと良いです。単発のセッションであればあまり活用されませんが、目的やバックストーリーがあるキャラクターはロールプレイに現れやすくなります。またキャラ同士の関係性が明らかであれば自ずと自然な会話も生まれるでしょう。キャラクターのバックストーリーは性格や人格形成に影響するし、そこから達成したい目標も生まれているはずです。この部分の説明はTRPGにあまり慣れていない人やロールプレイにまだ自信がない人がいるのであれば積極的に行いましょう

  • キャラクターのバックストーリーの重要性
  • キャラクターの目的や目標の設定方法
  • キャラクター同士の関係性の設定方法
  • キャラクターの性格や人格についてのルール
  • キャラクターの外見や能力についてのルール

キャラクター作成の説明をしておく事で、とんでもキャラクターが生み出されそうな芽を事前に摘む事ができます。

ゲーム世界の説明

GMがセッション・ゼロで説明するべきものの中でゲーム世界があります。ゲーム世界の説明はキャラクターが今からだどこで行動するのか、またそこに生きている者としての常識を知っておく事で自然なロールプレイを行う事ができます。

  • 世界観の説明
  • 地理や歴史についての説明
  • 異種族や魔法についての説明
  • 宗教や政治についての説明
  • ゲーム世界の問題や脅威についての説明

後述のメタゲーミングとは逆で、プレイヤーが何も知らないとキャラクターが本来知っている情報に基づく行動を起こす事もできません。そのためにも基本的な知識を伝えておくことは必要です。

ゲームのトーンの説明

ゲームのトーンをコントロールしたい場合は、セッション・ゼロを行うことは重要です。トーンはいざセッションが始まると意図したものと違う場合でも修正を切り出しにくくなりますが、事前に合意を得ていた場合は修正を行いやすくなります。特にGMがホラーの緊迫感を演出したい場合はユーモアを禁じるなどしておかないと、ユーモアに逃げ出すプレイヤーが出始めたり、無駄な雑談で笑いが起きるなど、セッションの雰囲気がダメになる事が多々あります。

また、人によってはグロテクスなものやセンシティヴな問題がNGな人も多くいます。シナリオやマスタリングがこのような問題を扱う場合は事前に告知をして合意を得ておいた方が良いでしょう。なお、これらの部分でGMやプレイヤー間での合意が取れないようであればセッションは上手くいかない、またはストレスが残る場合が多いので事前に解散するというのも選択肢の一つです。

  • ゲームのシリアスさについて
  • 暴力やグロテスク表現についての注意喚起
  • ユーモアやコメディについての説明
  • 道徳的な問題や倫理についての説明
  • ロマンスや性的な表現についての注意喚起
  • ホラー要素についての説明

トーンのコントロールをしたい場合は、テキストを渡して読んでおくように促すのではなく、リアルタイムでの説明が効果的です。何かと争点になりやすいポリティカル・コレクトに極端に反応する人や実在する凶悪犯を模したキャラで遊ぼうとしたりする人を避けるためにも、十分な説明を行う事が重要です。

プレイヤーへの期待の説明

GMがセッション・ゼロではGMがプレイヤーに望むものを提示すると良いです。特に長期にわたるキャンペーンであれば、その分付き合いも長くなるので、よりよいプレイ環境を維持するためにも説明を行います。プレイヤーの安全性とは身体的および精神的に安全である事、オンラインセッションでは誹謗中傷をしない事などが該当します。特にここでは他の人と一緒に遊ぶ意味を理解してもらいましょう。

  • 出席率や時間厳守についての説明
  • プレイヤー同士の関係性についての説明
  • プレイヤーの安全性についての説明
  • 他のプレイヤーの役割についての説明
  • ルールや設定に従うことの重要性についての説明

あくまでもGMがプレイヤーに期待する内容であり、一方的に押し付けるものではありません。

テーブルルールの説明

テーブルルール

テーブルルール(セッション・ルール)はプレイヤーが守るべきルールを説明します。人が集まって遊ぶ以上は相手への尊重は必要であり、「全員が楽しい」を目指すべきところでしょう。ここでは公平かつ全員が楽しいセッションを成立させるための協力を確約してもらいましょう。

  • 尊重してほしい事についての説明
  • セッション時のマナーについての説明
  • ツール(プレイヤーの手番について)の説明
  • ダイスロールについての説明
  • メタゲーミングについての説明
  • テーブルトークについての説明

ツールの説明はプレイヤーが自分のターンで滞りなくツールを操作できるように説明するものです。オンラインセッションツールも多機能になってきているため、セッションごとに異なるツールの機能を使うという事もあります。そのような場合は事前にセッション・ゼロを開き、ツールの操作説明をしておくと良いでしょう。メタゲーミングは、「キャラクターは知らないけどプレイヤーは知っている」知識の扱いです。この部分はゲームの公平性にも関わってくるのでGMがどのように扱うかを説明しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?以上が、セッション0でGMが説明するべきルールやガイドラインです。具体的なルールについては、実際にプレイするプレイヤーや管理を行うGMによって様々なので、問題が発生しそうなポイントの事前説明と合意を得る事が重要です。セッションとは別に時間を作ることに抵抗を感じるかも知れませんが、楽しいセッションを行うために、是非ともセッション・ゼロを開きましょう!

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