TRPGの始め方|初心者向けオンセとオフセのセッション選びとやり方
目次
TRPGを始めたいけど何かハードルが高いと感じたり、自分でセッションを主催したいけどどうやったらいいかわからない、と感じたことはありませんか?まだTRPGに慣れていないのであればセッション選びもとても難しく感じるはずです。今回は初心者でもわかりやすいTRPGの始め方を解説します。
TRPGの始め方
TRPGを始めるに当たり、必要なプロセスがいくつかあります。プレイヤーで始めるか、ゲームマスターで始めるかで若干変わりますが、以下のような流れになります。
- ルールブックを選ぶ・・・ 自分が遊びたいルールブックを決めます。
- セッションを選ぶ・・・自分が参加できるセッションを探します。
- キャラクター作り・・・自分の分身となるキャラクターを作成します。(プレイヤーの場合)
- シナリオの用意・・・セッションで使うシナリオを用意します。(ゲームマスターの場合)
- 人数集め・・・参加者を集めます。(ゲームマスターの場合)
- ルールやツールの理解・・・セッションで使うルールやツールをよく理解します。特にゲームマスターであれば必須です。
TRPGのやり方自体は様々ですが上記の部分は概ね共通します。
初心者でも楽しめるルールブックを選ぶ
ルールブックはセッションを決める際に重要です。オフラインの場合は先にどのTRPGをするかが先に決まっている場合が多いですが、オンセの場合は開催者がどのルールブックを使うかを指定している場合がほとんどです。ある程度プレイした事があるのであれば自分の好みもわかっているので選びやすいですし、一度プレイした事があるものでも勝手がわかっている分楽しめます。とはいえ、自分が遊びたいものを選ぶのが一番です。
またセッションに参加する場合はルールブックを持参して、ストーリーの進行を妨げないようルールを把握しておくことも重要です。そのため自分が持っているルールブックの種類もセッションを選ぶポイントになります。もしルールブックを持っていない場合は自分でできそうなセッションを探し、ルールブックを用意しましょう。
初心者の場合は数あるTRPGの中でもハードルの低いルールブックがオススメです。ハードルとはルールの複雑さがもちろん、細かすぎる設定などは一旦置いといて、シンプルに参加しやすいようなものやロールプレイ(演技)しやすい世界観などがポイントになります。またルールブックだけでなく雰囲気を掴むためのリプレイ集やサプリメントなどもプレイに幅を広げるため、これらが揃っているルールブックもオススメ。
クトゥルフ神話TRPG
今、リプレイ動画など一番二次情報が多いルールブックです。細かいところのルールは複雑ですが、プレイヤーで始める場合は細かいところまで理解していなくても大丈夫でしょう。また、リプレイ動画を見ればおおよそのプレイ雰囲気掴むこともできます。イメージしやすい現代を舞台としたシナリオを作る人も多いので、初心者でも始めやすいでしょう。
エモクロアRPG
ルールブックを無料で手に入れることができるほか、オンライン環境も整っており初心者が取り組みやすいシステムです。現代の怪異を扱っているので予備知識も不要です、
エモクロアRPG
ダンジョンズ&ドラゴンズ
世界で一番歴史のあるTRPGであるD&Dも初心者におすすめです。D&D自体は膨大なデータを扱うことができ初心者にはハードルが高そうですが、システム自体はわかりやすくできています。また、お勧めする理由としては「プレイヤーの多さ」です。TRPGのメンターとして、またD&Dを普及させたい人も多く、初心者に対して優しく指導する人も多いです。また、映画人気からTRPGに参加した人もいるので最初のTRPGには良いでしょう。そして何より、ダンジョンズ&ドラゴンズでベーシックルールを無料で手に入れることができます。
ダンジョンズ&ドラゴンズ日本公式サイト
セッションを選ぶ
TRPGが行われる集まりのことを「セッション」と呼びます。このセッションがなければTRPGをする集まりがないため、TRPGをやるのであればセッションを自分で開く、もしくは誰かが参加者を募っているセッションに参加する必要があります。もし、初心者がセッションを自分で開くのであれば気心の知れた人を集めた方が良いでしょう。というのもセッションを開くのはゲームマスターの仕事であり、ゲームマスターはシナリオ進行からルールに精通してプレイヤーを楽しませるというホストでもあります。知人がいる方が進行が上手くいかなくても柔軟なセッションを開くことができます。
セッションを選ぶには直接対面型のオフラインのセッションかネットを活用したオンラインのセッションか、自分の参加しやすいセッションを選ぶ必要があります。オンライン・オフライン共にメリットとデメリットが存在するので、自分の環境に合わせる必要があります。
オフラインのセッション
従来のTRPGではオフライン、つまり実際に会ってから行うセッションが主流でした。元々テーブルトークという言葉自体がテーブルを囲んで会話をする造語からきており、本来のプレイスタイルと言えます。
メリットとしては同じ空間でロールプレイすることは実際にパーティを組んでる感覚になりやすく、同じ山を超えた仲間として仲良くなりやすいです。またダイスを手に取り念をこめてロールすることもプレイを盛り上げる要素であり、生の体験として楽しむ事ができます。
デメリットとしては人数が集まるとプレイする場所の問題が出てきます。ある程度の大きさのテーブルが必要で、大きい声を出しても問題ない空間を探す必要があります。小さなイベントホールなどを借りる場合は費用も発生します。また初心者ではロールプレイをみられるのが恥ずかしいということもあります。キャラクターになりきる事ができておらず、第三者の目を気にしがちな初心者はこの問題に陥りやすいです。
メリット | デメリット |
---|---|
生の体験がある | 時間や場所探しが必要 |
仲良くなりやすい | 直接見られる事が恥ずかしい |
オンラインのセッション
出典:TRPGスタジオ
オンラインセッションは時代や技術の変化とともに生まれたセッションであり、従来のセッションでのデメリットを解消したやり方です。チャットやSNSなどコミュニケーションツールが発達したことでこれまでセッション開催の問題がなくなりましたが、オフラインであったメリットも多くが失われます。メリット・デメリットはオフラインと反対のポジションにあります。
メリットはまず時間や場所を探す必要がありません。オフラインでは一番の障害であった場所がウェブツールで解消され、日時指定して開催を告知して人を集めることが容易になったのでセッションが開きやすくなっています。また直接顔を付き合わせる必要がないので人から見られて恥ずかしいという気持ちは薄まります。
デメリットは生の体験が弱くなります。ダイスロールなど気持ちを込めたものが全てデジタルツールで解消されるので、生の体験は弱いです。見方を帰ればちょっと雑なオンラインゲームをしているようなものです。また回線の影響を受けるため、ディレイや回線落ち、停電などはプレイに影響を与えます。
メリット | デメリット |
---|---|
時間や場所を探す必要がない | 生の体験が弱い |
顔出ししなくても良い | 回線の影響を受ける |
オンセツールを活用
やっぱり知人友人と一緒にするのは恥ずかしい、または友達がいない!という場合はオンラインセッションがあります。まだ自分が初心者と思う場合はゲームマスターをするより、プレイヤーとして参加して自信がつくまでオンライセッションの手法を経験しましょう。オンラインセッションツールはいくつもあるので自分に合いそうなものを探しましょう。
ユドナリウム
ユドナリウム(Udonarium)はWebブラウザで動作するボードゲームオンラインセッション支援ツールです。
自分で管理するタイプのセッションツールでGit Hubにソースコードが置いてあるので自分でサーバに設置する必要があります。TRPG初心者うんぬんではなく、サーバを管理できる知識がないと導入は難しいです。ユドナリウムは高さの概念があるオンセツールで、システム上高さの管理が必要なゲームにはとても便利です。D&Dなどでファンタジー系のTRPGで多く使われています。
ユドナリウムはこちら
「ココフォリア」はマップや駒を動かしながら、キャラクターのアバターで、
ダイス判定やチャットを行うことができる、スマートフォン対応のTRPGサポートツールです。
「どどんとふ」を現代の技術・環境に合わせて再設計したようなツールになっています。
サイトの説明にあるように昨年サービスを終了した「どどんとふ」の代わりとなるオンラインセッションツールです。クトゥルフ神話TRPGのほか多くの国産TRPGと相性がよく、おそらく日本で一番活用されているセッションツールでしょう。
ココフォリアはこちら
TRPGオンラインセッションSNS
オンライン上でTRPGを遊ぶために必要な機能をすべて備えた、セッション募集数が日本で最大級のTRPGオンセ総合SNSです。
リアルでは場所や時間、友達などに恵まれず、なかなかTRPGを楽しめないヨと言うそこのあなた!今こそTRPGオンセンでTRPGのオンラインセッションを満喫しましょう!
セッションやリプレイなど新着情報も多いサービスです。コミュニティもあるので野良での参加もしやすいです。
TRPGオンラインセッションSNSはこちら
FVTTなどのVTT
初心者が自分から使うことはなかなかないと思いますが、ゲームマスターが用意したオンセに参加する場合、VTT(バーチャルテーブルトップ)というツールを使うことがあります。
VTTはヴィジュアルや演出面が強化されているので、初心者は衝撃を受けることでしょう。VTTにはFoundryVTT(FVTT)やRoll20、AlchemyRPGなどいろいろありますが、日本で一番普及しているのはFVTTで、多くのD&Dプレイヤーに利用されています。
TRPGスタジオは、twitterのアカウントとシナリオとキャラシがあれば始められるテキストセッションツールです。
キャラクター立ち絵や背景画像は自作のものをアップロード可能で、フリーでつかえる素材も用意。
ティラノビルダーと連携することで合成音声を追加や、リプレイ動画も出力できます。
スマホにも対応、リプレイ動画展開も視野に入れたマスターに良いツールです。
TRPGスタジオはこちら
キャラクター作り
セッションを開催したゲームマスターの指示に従いキャラクターを作ります。基本的にはキャラクターの能力値はダイスで決定し、ルールに則り技能や装備などを決めていきます。中にはシナリオの導入がしやすいようにハンドアウトと呼ばれる資料が用意されていることもあり、資料の設定を反映させるようにキャラクターを作り上げていきます。
初心者でセッションを開く時に必要なこと
初心者であればプレイヤーとして始める方がセッションの感じを掴むことにピッタリですが、自分で開きたい人もいるでしょう。その時は人集めやシナリオの準備が必要です。余程のことがない限りいきなりゲームマスターから始める人はいませんが、参加者全員初めてであればマスターがセッションを開くことがあります。
シナリオを用意する
セッションはただ開くのではなく、プレイヤーをもてなすためのシナリオが必要です。初心者であればルールブックに備え付けのシナリオなど既製品を使う方が良いでしょう。自作のシナリオを作るのであれば、既製品を参考にして同じような構成で作り、ある程度勝手がわかってからオリジナルのシナリオを作ると良いでしょう。
人数を集める
TRPGのセッションにはゲームマスターとプレイヤーが複数人いることで円滑に進みます。実際はゲームマスターが用意したシナリオによってプレイヤーの適正人数がありますが、多い方が会話も広がりプレイも楽しくなります。セッションを主催する=ゲームマスターをするということなので、シナリオを用意してから必要なプレイヤー数を集める必要があります。集め方はいろいろありますが知人友人を集める、もしくはオンライセッションを開いて広く集める方法が今は多いです。
友人・知人で探す
一番手軽なのは友人・知人の中で一緒にしてくれそうな人を探す方法です。知人友人に経験者がいれば進行も協力してくれるので円滑なセッションが開けるでしょう。
新しく誘う場合はロールプレイングゲームやボードゲームに一切興味がない人を誘うのは難しいところがあります。MMORPGをしたことがある人であれば他の人とパーティを組むことにも理解があるので誘いやすいです。ただ知人であればあるほどプレイしている自分を見られたくないという方もいるので、そういう時はオンラインで主催をする方が良いでしょう。
SNSで募集する
知人にこだわりなければSNSで募集すると良いでしょう。オンセであればそのまま繋がりを持つことができるため、相手の素性を知らなくてもセッションを開くことができます。またディスコードのTRPG関連コミュニティで募集するのも良いでしょう。
ルールやツールを理解する
ゲームマスターの場合は滞りないセッションにするために、よく使うルールの理解やツールの操作方法を知っておく必要があります。オンセの場合はセッションツールを使い場面を切り替えたり、コマを動かしたりするので使い方の練習をしておきましょう。
セッション0のススメ
ゲームマスターは自分が管理するセッションにおいて、ハウスルールや決まりごと、またプレイヤーのゲームへの理解度を深めるためにセッションに先立っての「セッション0」を開く事があります。はじめてプレイするゲームであれば、セッション0には時間が許す限り参加した方が良いです。ゲームの理解度が深まるほかに、他プレイヤーとの関係構築、NG事項の事前把握などしておくことで、セッション中に嫌な思いをする事が回避できます。
まとめ
コロナ禍の中では集まってセッションを開くのも何かと難しいのでしばらくはオンラインセッションが主流になるでしょう。オンラインでは募集の際にルールブックも指定してあるので参加できそうなものであれば気楽に参加できるはずです。実際のところ、周りに助けてくれそうな方がいなくても心配は必要ありません。なぜならセッションに参加する人はみんながTRPGを楽しもうと考えて参加しているので、初心者の人を弾き出すようなことはほぼないでしょう。排他的で自己中心的なプレイは協力が必要なTRPGにとっては弊害でしかありません。またオンラインで顔がわからないと言えども全く知らない人の中に一人で飛び込むのは勇気が要ります。しかし冒険にはハードルがつきものなので、これも一つのハードルと思い初めての世界に踏み込みましょう。また経験者の方は初心者を見つけたら優しく手を差し伸べてみんなで楽しみましょう。