One D&Dのクレリックの解説|ヒーラーでも柔軟性が増したテスト版のクラス

One D&Dのクレリック

One・D&Dではクラスが大まかなグループがあり、クレリックはドルイドやパラディンと同じグループである「Priest(神官職)」に分けられます。このグループはDivine spell(神聖呪文)を扱う能力を持ち、Warriors(戦闘職)・Mages(魔法職)・Experts(専門職)にはあまりない回復能力と手段に秀でています。One・D&Dでもクレリックは神に仕えることで神性伝導を使うことができ、対アンデッドとしての性能が向上しています。

クレリックの能力

One・D&DのクレリックはPHBのクレリックと同じです。技能習熟も任意のものを2つ選ぶ形でしたが、推奨されるものとして説得、宗教が用意されています。

ヒットポイント 1レベルでのヒットポイント:8+耐久力修正値
1つ目以降のレベルごとのヒットポイント:1d8 (または5)+耐久力修正値
ヒット・ダイスはクレリックごとに1d8+耐久力修正値
習熟 セーヴィング・スロー:判断力、魅力
技能: 説得、宗教 (または歴史、看破、医術、説得、宗教の中から任意の好きなスキル2つ)
武器: 単純武器
道具: なし
鎧: 軽装鎧、中装鎧、盾
初期装備 1レベルのキャラクターとして、次の装備で開始するか、それを放棄して110GPを使って任意の装備を購入することができます。
[チェイン・シャツ、聖印、メイス、聖職者パック、盾、7GP]

クレリックの特徴

One・D&Dでもクレリックの役割は大きくは変わらず、ヒーラーとしての役割が求められます。また、PHBでは近接戦闘をするのであれば戦の領域や嵐の領域が選ばれましたが、One・D&Dではレベル2での特徴により、軍用武器や重装鎧に習熟を得ることができるため、サブクラスの影響を受けず立ち回ることも可能になります。

CHANNEL DIVINITY(神性伝導)

One・D&Dのクレリックはレベル1で「CHANNEL DIVINITY(神性伝導)」を使うことができます。さらにその使い方もバリエーションが増え、従来のTurn Undead(アンデッド退散)の他に新たにDivine Spark(神性閃光*)を使うことができます。また、神性伝導の使用回数は固定ではなく、習熟ボーナスと等しい回数使用することができ、大休憩を取ることで使用回数は回復します。

Turn Undead(アンデッド退散)

魔法アクションとして聖印を掲げ、アンデッドのクリーチャーを咎める祈りを唱えます。30フィート以内にいる各アンデッドは、判断力セービングスローを行い、失敗するとそのクリーチャーは1分間、またはダメージを受けるか、無力化されるか死亡するまで、呆然状態(Dazed)になります。 この方法で呆然状態の間、クリーチャーが実行できる唯一のアクションは早足アクションであり、移動する場合は、移動を開始した場所よりも離れた場所で終了する必要があります。従来のターン・アンデッドと実質的には同じですが、可能なアクションが早足のみになるだけなので、全員が立ち退くわけではなくDMの判断でその場でぼーっとしていることもあり得ます。

呆然状態*(Dazed)はOne・D&Dで追加された状態異常で、早足アクション以外のアクションができなくなります。

Divine Spark(神性閃光*)

One・D&Dで追加された神性伝導で、対象を回復させるか光輝ダメージを与えるかできます。魔法アクションとして自分から30フィート以内に見える別のクリーチャーに聖印を向け、神聖なエネルギーをそれらに向けます。習熟ボーナスに等しい数のd8をロールし、その合計に等しいヒット・ポイントをクリーチャーに回復させるか、クリーチャーに耐久力セーヴィング・スローを行わせることができます。セーヴに失敗した場合、クリーチャーは合計に等しい光輝ダメージを受け、セーヴに成功した場合、クリーチャーは半分のダメージを受けます (端数切り捨て)。この神性伝導が追加されたことで呪文スロットが無くなった場合でもヒット・ポイントを回復する手段を全てのクレリックで持つことができます。

SPELLCASTING(呪文発動)

One・D&Dのクレリックもこれまでのクレリックと同じように呪文を発動することができます。ただし、呪文の形態が変わっているためクレリック呪文ではなく、Divine Spell(神性呪文)からしか選択できません

Prepared Spells(準備済み呪文)

One・D&Dではキュア・ウーンズ、セイクリッド・フレイム、シールド・オブ・フェイス、スペア・ザ・ダイイング、ソーマタージーの5つ、あるいは3つの0レベル呪文と2つの1レベル呪文を選ぶことができます。またPHB同様、大休憩終了時に入れ替えることができます。修得できる呪文の数はクレリックレベルごとに決まっており、初心者でも分かりやすいようにクレリックのレベルごとに推奨される準備呪文があります。

クレリックレベル推奨される呪文
10レベル呪文: セイクリッド・フレイム, スペア・ザ・ダイイング, ソーマタージー 1レベル呪文: キュア・ウーンズ, シールド・オブ・フェイス
21レベル呪文: ブレス
31レベル呪文: ガイディング・ボルト 2レベル呪文: ホールド・パースン, スピリチュアル・ウェポン
40レベル呪文: ガイダンス 2レベル呪文: エイド
53レベル呪文: ビーコン・オヴ・ホープ, スピリット・ガーディアンズ
63レベル呪文: ディスペル・マジック
74レベル呪文: ガーディアン・オヴ・フェイス
84レベル呪文: バニッシュメント
94レベル呪文: デス・ウォード 5レベル呪文: フレイム・ストライク
100レベル呪文: レジスタンス 5レベル呪文: サークル・オヴ・パワー
11-126レベル呪文: ヒール
13-147レベル呪文: ディヴァイン・ワード
15-168レベル呪文: ホーリー・オーラ
179レベル呪文: マス・ヒール
185レベル呪文: レイズ・デッド
196レベル呪文: ワード・オヴ・リコール
207レベル呪文: リジェネレイト

呪文発動能力、呪文焦点具はPHBと同じです。

HOLY ORDER(聖なる職務*)

One・D&Dのクレリックは2レベルで「HOLY ORDER(聖なる職務)」により神性な役割に専念します。この特徴により、Protector(守護)、Scholar(学者)、Thaumaturge(まじない師)の中から一つ選び、その恩恵を受けます。

  • Protector(プロテクター)・・・戦闘訓練を受けることで軍用武器と重装鎧の習熟を得ます。
  • Scholar(スカラー)・・・神々の伝承と多元宇宙について学び、教えることで、魔法学、歴史、自然、説得、宗教のうち2つを選択して習熟度を得ることができます。いずれかの技能を使用して能力値判定を行うたびに、判定に判断力修正値に等しいボーナスが付きます。
  • Thaumaturge(ソーマタージー)・・・神聖魔法の能力をさらに掘り下げて、神聖呪文リストからレベル0の呪文を1つ追加で準備できます。さらに、小休憩を終了するたびに、神性伝導の使用回数を1回回復します。

この特徴により、これまでサブクラスで表れていた近接戦闘向きや遠隔呪文主体といったものが無くなり、自分のスタイルを確立することができます。またレベル9で2番目の職務を得ることができます。

サブクラス

3レベルでサブクラスを得るのはPHBと同じです。One・D&Dでは現在「Life Domain(生命の領域)」があります。サブクラスでは3レベル、6レベル、10レベル、14レベルで新たに特徴を得ます。

FEAT(特技)

One・D&Dでも特定レベルで能力値を上昇させる代わりに特技を獲得することができます。クレリックは4レベル、8レベル、12レベル、16レベル、19レベルがFEATを獲得できます。

SMITE UNDEAD(アンデッドへの一撃)

PHBでは5レベルで「アンデッド破壊」がありましたが、One・D&Dでは「SMITE UNDEAD(アンデッドへの一撃)」に変わっています。これはアンデッド退散の際に相手を破壊するものではなく、アンデッド退散でセーヴに失敗したクリチャーに習熟ボーナスに等しい数のd8の合計の光輝ダメージを与えます

セーヴ失敗したアンデッドは最低でも3d8の光輝ダメージを受けるので、結果として脅威度の低いアンデッドは崩れ落ちる可能性はあります。たとえヒット・ポイントが残っても通常のアンデッド退散の効果は持ちます。

BLESSED STRIKES(祝福の打撃*)

「Tasha’s Cauldron of Everythig」で追加されたオプションルールである「BLESSED STRIKES(祝福の打撃*)」は7レベルで獲得します。この特徴により、初級呪文(0レベル呪文)または武器による攻撃に1d8の光輝ダメージを追加することができます。一度このダメージを与えると次のターンまでこの特徴を使うことはできません。PHBではサブクラスによって武器での追加ダメージか初級呪文への追加が別れましたが、One・D&Dでは柔軟に使い分けることができます。

DIVINE INTERVENTION(神性介入)

基本的にはPHBと同じですが、One・D&Dでは11レベルで修得します。神の助けが必要な時に介入と助力を求めて呼びかけることができます。d100をロールし、クレリックレベル以下であれば、DM判断で神性な力が介入し、その効果はいかなる神聖呪文でも適切に効果を発揮します。PHBでは介入が生じた場合は7日間は使用できませんでしたが、One・D&Dではその期間は2d6日間になります。

GREATER DIVINE INTERVENTION(大いなる神性介入)

レベル18になると「DIVINE INTERVENTION(神性介入)」は「GREATER DIVINE INTERVENTION(大いなる神性介入)」となり、自動的に成功します。また、介入が起きたあとの再使用までの期間は2d4日間になります。この特徴はPHBでレベル20で受けることができるものと同じです。

EPIC BOON(特技)

20レベルでは「EPIC BOON OF FATE」または任意の「EPIC BOON」特技を1つ修得します。「EPIC BOON」は特技の中でも英雄的恩恵を受けることができる技能であり、「EPIC BOON OF FATE」ではあなたの60フィート以内に見える別のクリーチャーがd20テストを行った場合、d10をロールし、ロールした数をボーナスまたはペナルティとしてd20ロールに適用できます。この特技を使用すると、イニシアチブをロールするか、小休憩または大休憩を完了するまで、再び使用することはできません。

まとめ

いかがでしたか?One・D&DではPHBのクレリック前衛でも後衛でもフレキシブルにできるようになっており、サブクラスの影響なしにビルドすることができます。また、神性伝導を回復やアンデッドへの攻撃手段としても使えるので、セッションで使う機会がないということも無くなりそうです。One・D&Dでもヒーラーとしては揺るぎがないので、パーティーを癒しつつアンデッドを破壊してみましょう!

*は私訳です。

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