D&Dモンクのロールプレイ方法|武術と気で敵を薙ぎ倒すクラス

D&Dではベーシックルールには記載のないクラスがいくつかあり、モンクもその一つです。素早い立ち回りなので動きが難しいとおもわれますが実は攻撃中心で立ち回れるので、初心者でも十分に楽しめるシンプルなクラスです。そこで初心者でもできる格好良いモンクのロールプレイ方法を解説します。

モンクとは

D&Dのモンク(Monk)とは厳しい修行を行う修行僧を意味します。D&Dの世界にも僧院があり、モンクは僧院で瞑想と修行により自己完成を目指しています。俗世と一切関わらないようにしている者もいれば、なんらかの命令を受けて間者や刺客として働く者もいます。ただ多くのモンクは人との交流を避けることはなく、食べ物や物品と引き換えに力を貸すことがあります。

モンクをおすすめする理由

モンクは普段は僧院で修行をしている身であり、レベルが上がることで高い戦闘力を身につけることができます。特徴的にはファイターよりも戦闘、特に攻撃に特化しているので迷うことなく行動することができます。また共同体による生活が身に染みているため、アライメントでは秩序属性がつきやすく、ロールプレイのイメージもしやすいです。なお、アライメントに従わずともパラディンのように誓いを破るということはありません。

モンクの戦い方が格好いい

モンクの戦い方は実在の人物であれば李小龍、架空のものであればドラゴンボールの孫悟空のようなイメージを持って間違いありません。鍛え抜いた肉体から繰り出される苛烈な攻撃で敵を打ち倒すことができます。また気ポイントを活用すれば高いダメージを与えたり、相手の気のバランスを崩して悪影響を与えることも可能です。素手攻撃を得意としますが、武器の鍛錬に特化した剣聖と呼ばれるサブクラスや忍者を体現できるサブクラスも存在します。

武術

モンクは武術修行により素手による打撃と単純近接武器およびショートソードによるモンク武器を巧みに操る戦闘スタイルを取ります。素手かモンク武器を使用し、鎧盾を装着していなければ武術による恩恵を受けることができます。

  • 素手攻撃およびモンク武器攻撃では攻撃ロールとダメージロールに筋力の代わりに敏捷力を使用できます。
  • 素手攻撃およびモンク武器によるダメージは通常のダメージの代わりに1d4を使用することができます。なお、モンクレベルが上がることでこのダメージも増加します。
  • 素手攻撃およびモンク武器で攻撃を行なった場合、ボーナスアクションで素手による攻撃を行うことができます。

武器で攻撃したあとに蹴りを入れる、殴った後にさらに裏拳といったイメージを持つとその格好良さがわかります。

追加攻撃

5レベルになると手数が増え攻撃アクションが1ターンに2回行うことができます。サブクラスによっては強烈な攻撃ができるアクションもあるので2回攻撃アクションが取れるようになった途端、強さを実感できます。

朦朧撃

近接攻撃をヒットさせた時に気ポイントを消費することで相手の気の流れに干渉し、相手は耐久力セービングスローに失敗すると朦朧状態になります。朦朧状態になった相手は無力状態になり筋力と敏捷力セーブに自動的に失敗します。またこの相手に攻撃する者は全員「有利」を得るので同一目標をパーティーで攻撃する時に使えます。

集中照準/Focused Aim(オプションルール)

ターシャの万能釜で追加されたオプションルールですが攻撃ロールがミスした時に気ポイントを1~3消費すると、消費した気ポイントにつき2ポイント攻撃ロールの値が増加させることができます。この結果ミスがヒットに変わる場合があります。

この特徴はオプションルールのためDMの判断で適用するか決まります。

気による打撃

6レベルになり気を上手に扱えるモンクは素手攻撃に気を纏わせ、非魔法的な攻撃やダメージに対する抵抗や完全耐性を持つ相手には魔法ダメージとして扱うことができます。

専用武器/Dedicated Weapon(オプションルール)

ターシャの万能釜で追加されたオプションルールですが2レベルになるとさまざまな武器をモンク武器として訓練しています。小休憩または大休憩が終了した時に1つの武器に触れて気を集中させることで、再びこの特徴を使うまではモンク武器にすることができます。なお対象となる武器は以下の条件があります。

  • 単純武器または軍用武器
  • その武器の習熟を得ている必要がある
  • 重武器または特殊の特性を持たない

この特徴はオプションルールのためDMの判断で適用するか決まります。

モンクが使う「気」という魔法

モンクの気
なんといってもモンクの1番の特徴は「気」でしょう。D&Dの世界に漂うウィーヴではなく生き物の体内をめぐる魔法エネルギーである「気」をモンクは体内で制御して、魔法効果を生み出し、自身の肉体の限界を超越させることができます。このエネルギーによってモンクの素手による攻撃は高いダメージを与えることができるようになります

連打

気ポイントを消費することでボーナスアクションに素手攻撃を2回行うことができます。モンクは武術によりボーナスアクションで一回の素手攻撃は可能ですが、連打ではそれが1回増えます。開手門の開手の技は連打の延長で効果を発揮することができ、酔拳門の酔拳の技では連打後に離脱効果を得ることができるので機会攻撃されずにその場を離れることも可能です。慈悲門(Way of Mercy)であれば連打を使って触った人のヒットポイントを回復することもできます。

護身

気ポイントを消費することでボーナスアクションに回避行動を取ることができます。回避を取ると自分を対象として、また見えているあらゆる攻撃に対して不利をつけることができます。また敏捷力セーヴにも有利が付きます。

疾風足

気ポイントを消費することでボーナスアクションで離脱アクションまたは早足アクションを行うことができます。

練気攻撃/ki-Fueled Attack(オプションルール)

ターシャの万能釜で追加されたオプションルールになりますが自分のターンのアクションとして気ポイントを1ポイント以上消費すると、同じターン内でボーナスアクションとして素手攻撃かモンク武器による1回の攻撃ができます。

この特徴はオプションルールのためDMの判断で適用するか決まります。

ヒットポイントは高くはない

モンクは肉体を鍛えることで戦える身体になりますが、打たれ強いというものではありません。バーバリアンのように打たれて耐えるというものではなく、機敏な動きで相手をいなして戦うスタイルになります。そのためヒットダイスは1d8と高くはありません。

ヒットポイントは【1d8+耐久力修正値】。
モンクレベルが上がる毎に【1d8+耐久力修正値】追加。ロールせず固定の場合は【5+耐久力修正値】。

モンクは鎧盾は使わない方が良い

もともとモンクは鎧や盾の習熟はありませんが、マルチクラスでモンクを生かすことを考えるのであれば軽装鎧ですら邪魔になるため鎧や盾は使わない方が良いです。身軽なモンクであれば「鎧わぬ守り」と「運足法」を活用することができます。

鎧わぬ守りで戦える

モンクは「鎧(よろ)わぬ守り」という鎧を全く装備していない時に「敏捷力」と「判断力」の修正値の合計が素のACに加算されます。そのため能力値次第では下手に鎧を身につけるよりは裸の方がACが高いということもあり得ます。

鎧を装着しない場合のACは 【10 + 敏捷力修正値 + 判断力修正値】

運足法で軽やかに移動できる

身軽であれば移動速度が+10フィートされ、モンクレベルが上がることで移動速度も上昇します。また高レベルになれば水の上の移動も可能になります。連打を使うことで機会攻撃を受けずに移動ができる酔拳門や開手門では、戦闘中の移動により敵陣の奥深くに切り込むことができるので、移動速度が上がることのメリットは大きいです。

高い身体能力を持つ

モンクはその身体能力をフル活用して攻撃から護身まで幅広く活躍することができます。またその身体能力をさらに生かすために気を消費することでできることもあります。

二指真空波ができる「矢止め」

モンクは遠隔攻撃がヒットしたときにリアクションを用いて飛んできたものを逸らしたり掴んだりすることができます。ヒットして発生するダメージに対して1d10+敏捷力修正値+モンクレベル分ダメージを下げることができ、その結果ダメージが0になると掴むことができます。掴むことができた時にそのリアクションの流れで気ポイントを消費すると、掴んだものを投げ返して攻撃することができます。

矢止めで1d10+敏捷力修正値+モンクレベルのダメージを減少させることが可能。
ダメージ0まで下げると掴むことができ、気ポイント消費で投げ返して遠隔攻撃ができる。

浮身で受け身を取る

落下時にリアクションを行うことで受け身を取り、モンクレベル×5相当の落下によるダメージを減らすことができます。

範囲攻撃からの回避も可能

機敏な動きでドラゴンブレスやファイアーボールのような範囲に影響を及ぼすものについて回避を行うことができます。敏捷力セービングスローに成功すればダメージが半減するようなものは一切ダメージを受けず、失敗しても半分のダメージで済みます。

姿を消す「虚身」

高レベルになると気ポイントを4消費して不可視状態になることができます。この不可視では力場ダメージ以外に抵抗を得ることができます。また8消費すると自分にだけ「アストラス・プロジェクション」を発動させることができ、アストラル体を体から抜き取りアストラル界へ行くことができます。

苦境を跳ね除ける肉体

モンクの肉体
モンクは日々自己鍛錬を行っていることと気の操作により常人ではありえない身体効果を得ることができます。心技体が揃っているモンクだからこそ体現できる者もあるため、苦境を跳ね除けることもできます。

精神攻撃を打ち払う「不動心」

モンクは魅了や恐怖状態に陥っても自己鍛錬により身につけた不動心を活用することで1つ消すことができます。

急速回復/Quickend Healing(オプションルール)

ターシャの万能釜で追加されたオプションルールでレベル4になると気ポイントを2ポイント消費して武術ダイス+習熟ボーナスの分のヒットポイントを回復します。

この特徴はオプションルールのためDMの判断で適用するか決まります。

鍛え抜かれた健康体である「無病身」

10レベルになると気の流れを修めることで病気と毒に対しての完全耐性を得ることができます。なおモンクの門派に酔拳門があることから、お酒は毒ではありません。

「金剛心」でピンチに強くなる

気の操作を鍛えた高レベルになるとすべてのセービングスローに習熟を得ることができます。またセービングスローに失敗しても気ポイントを消費することで再ロールが可能になります。

「時知らずの肉体」で老化しない

15レベルになると体内を駆け巡る気によって肉体を支えることができるため老化がなくなります。魔法による老化も防ぎ、食べ物や水すら必要ではなくなります。

言葉の壁を乗り越える「日月語」

13レベルで言葉を有する存在の気に接触することであらゆる話し言葉を理解することができます。また言語を理解するものはモンクの言うことを理解することができます。

「即身成道」で気を回復

20レベルのモンクはイニシアチブロールをする時に気ポイントが残っていない場合4ポイント回復することができます。

やることが明快

モンクは目の前の敵を打ち倒す純粋なアタッカーとしての役割が一番合います。モンクの特徴のほとんどは自身を守るものか攻撃手段としてのものばかりで、ファイターの「護衛」や呪文が使えるクラスの回復・補助のようなものはありません。純粋に攻撃をして速やかに敵を打ち倒すことがパーティーを守る一因にもなります。攻撃に集中することができるので、初心者でもロールプレイがしやすくなります。

モンクが修行する門派

僧院の門派
普段は俗世と距離を取り僧院で自己鍛錬をするモンクですが、その修行には門派があり習得できる特徴が異なります。PHBでは「開手門」「暗影門」「四大門」から選ぶ必要があります。ザナサーの百科全書では「剣聖門」「酔拳門」「陽魂門」があります。また、ソード・コースト冒険者ガイドでは「長死門」、ターシャの万能釜では「慈悲門」*「霊体門」*、Fizban’s Treasury of Dragonsでは「昇竜門」*があります。(*は勝手に訳したものであり正確ではありません。)

門派説明
開手門武器を持たず素手で戦うことを得意としています。気により自己回復も行えます。
暗影門隠密と欺きを得意とし、間者や刺客として務め、ニンジャもこの門派の一族の僧院に属しています。また盗賊ギルドのような僧院も存在します。
四大門4大元素である火・風・水・地を操る術を教えています。気のコントロールにより元素と調和を図り、魔法効果を具現化させることができます。
剣聖門ひたすら武器の修行に打ち込み、その武器が体の延長になるまで極めていきます。モンク武器を剣聖武器として昇華して巧みに操ります ※ザナサーの百科全書に記載
酔拳門酔っ払いの断続的な動きで予測不能な動きを真似します。酔っ払いのためにバカにされがちですが、いざと言うときは華麗な動きから激しい連打を浴びせ複数の相手を攻撃できます。※ザナサーの百科全書に記載
陽魂門自分の生命エネルギーを熱い光の矢として放つことができます。※ザナサーの百科全書、ソード・コースト冒険者ガイド
長死門死ぬことの意味と仕組みを理解するために死の瞬間を捕らえ、記録し、精巧な実験を準備します。そして死の知識を使用して武術の理解を導き、致命的なダメージを与える戦闘スタイルを生み出します。 ※ソード・コースト冒険者ガイド記載
慈悲門*(Way of Mercy)助けを必要としている人々に援助をもたらすために他人の生命力を操作することを学び、気ポイントを消費して他者を回復させることができます。高レベルになれば蘇生も可能です。 ※ターシャの万能釜記載
霊己門*(Way of Astral-self)モンクの気を自分の本当の形であるアストラルな自己の表現として見ており、真の自分を強大な者に奉仕する方法を教えています。自身を本当の形であるアストラル体として捉え、アストラル体の一部を身体に召喚することができます。 ※ターシャの万能釜記載
昇竜門*(Way Of The Ascendant Dragon)モンクの気を通してドラゴンの力を放出します。 ※Fizban’s Treasury of Dragons記載

モンクに求める能力値

モンクは武術により敏捷力を生かすことでその攻撃力を最大限に発揮することができます。そのため「敏捷力」は必須の能力と言えるでしょう。また気に関わる能力値として「判断力」があります。判断力は鎧わぬ守りにも影響するので

モンクに求める能力値は ①敏捷力 ②判断力

おすすめのロールプレイ方法

ここまでくればモンクがどのようなクラスかはわかったと思います。そこでロールプレイ方法も掴めてきたと思います。

戦闘時のロールプレイ

モンクの戦闘の基本は速やかに相手を打ち倒すことです。裸でも「敏捷力」と「耐久力」の能力修正値がACに加算されるため、十分に前線で活躍することができます。ヒットポイントはあまり打たれ強いものではありませんが、アクション、ボーナスアクション、リアクションをフルに活用して目の前の敵を倒していきます。

  1. ポジショニング ・・・ 機動力を武器に動き回り、敵を崩す場所を押さえる。
  2. アクション ・・・ 基本は目の前の敵を狙う。移動を織り交ぜポジショニングを維持しながら気を活用し攻撃ロールする。
  3. ボーナスアクション ・・・ 攻撃であれば「武術」による素手攻撃や「連打」を行う。防御であれば「護身」「疾風足」。
  4. リアクション ・・・ 敵の移動などで機会攻撃が発生したら即座に攻撃する。遠隔攻撃を受けたら「矢止め」する。

基本的にはこの繰り返しです。DMが戦略的であればあるほどポジショニングが意味を成します。自身の防御はボーナスアクションで行えますが、パーティを対象とした防御系の特徴を持たないため、パーティーを守るためにも速やかに敵を倒すことがメインとなります。また回数制限のある「気」の使い方も重要です。初心者なら多くは求められないかもしれませんが、考えて動く癖をつけるためにも、どこで戦うのが一番ベストかを考えてみましょう。

非戦闘時のロールプレイ

非戦闘時はモンクは秩序に属している性格から面倒事の解決に人肌脱ごうとしやすいところがあります。そのため事件に巻き込まれるかもしれません。なおイメージ的には世俗と距離を置いている感じがありますが、食べ物などを得るために関わりを持つため普通にNPCと接するロールプレイでも大丈夫です。また日月語が使えるのであれば気を介して言語を理解するあらゆるものと会話ができるので異種族との交渉にも活躍できます。

モンクのキャラクターを作成するには

モンクはベーシックルールやスターターセットには掲載がないクラスです。そのため初心者向きではないと思われがちですが、実はとても初心者向きのクラスです。モンクを作成し遊ぶにはプレイヤーズハンドブック(PHB)に掲載されています。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?モンクは実際のところファイターより取れる行動が少なくとてもシンプルです。ガチガチの鎧を着ずとも機敏な動きで相手を殴り倒すのは爽快です。武術による攻撃や連打など手数の多い攻撃を繰り出す姿や気をコントロールしているイメージが湧けばモンクのロールプレイもしやすいと思います。1発の威力は落ちますが手数を増やすことで総ダメージを稼げるし、効果的に気を使いこなせばかっこいいロールプレイも可能です。ぜひともモンクを楽しんでみましょう。
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