戦闘アクションを理解すればダンジョンズ&ドラゴンズが面白くなる

ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)のプレイしているともっと上手に立ち回りたいと思ったことはありませんか?単純に攻撃しかしていないという方はほとんどがどのような動きができるかを知りません。またダンジョンマスター(DM)がアクションを誘発するような見せ場を作っていない場合もあります。戦闘はゲームでも映画でも華があるシーンです。そこで初心者向けのスターターセットからD&Dの戦闘アクションについて解説します。

ダンジョンズ&ドラゴンズをより楽しむための戦闘中のアクション

戦闘をかっこよく演出するには移動を織り交ぜたり、カッコいいアクションで困難を乗り切る必要があります。自分のターンでできるアクションは1つで、大きく分けると自分で起こすアクションは3タイプに分かれています。

  • ルールブックに設定がある比較的頻度が多いアクション
  • ウィザードやクレリックの呪文やファイターの「怒涛のアクション」のようなクラス(職業)特有のアクション
  • 自分のターン時に思いついたアクション

TRPGであるためDMの裁量によってはアクションはなんでもできるのですが、頻繁に起きるアクションについてはルールがあるのでアクションの判定を円滑に進めることができます。

敵(目標)を攻撃する

戦闘の中で一番行われるアクションは攻撃でしょう。拳で殴るのも、ロングソードを振るのも、ダガーを投げるのも、弓を撃つのも攻撃アクションです。この攻撃アクションでは1ターンで一回の近接攻撃か遠距離攻撃を行うことができます。

仲間を援護する

援護とは仲間や友好関係にあるキャラクターのアクションをサポートすることでそのキャラクターのアクションでの能力判定に1回有利をつけることができますことができます。また攻撃も援護でき、自分の間合い(約5フィート)内にいる敵にフェイントなど仕掛け気を逸らすことで、その敵を攻撃する別のキャラクターの最初の攻撃ロールに有利がつきます。

援護内容効果
作業友好的なキャラクターの作業での能力値判定に1回「有利」がつく
攻撃自分の間合い(5フィート)内の敵にフェイントなどで何かしらの隙を作ることで、その敵を狙う最初の友好的なキャラクターの攻撃ロールに1回「有利」がつく

ローグのサブクラスであるマスターマインドは「戦術の達人」という特徴でボーナスアクションを用いて援護をすることができます。さらにその範囲は5フィートではなく30フィートになるので、援護をフル活用して仲間をサポートしたい人にオススメのクラスです。

回避に専念する

攻撃を避けることに専念することができます。自分が攻撃を仕掛けても有効なダメージを与えることができなければ回避に専念して身も守る戦術もアリです。回避に専念することで攻撃者の攻撃ロールに「不利」をつけることができます。また敏捷力でのセービングロールに「有利」がつきます。特にビースト・マスターの相棒が敵の前に出て回避しながら引きつけておくことで、ビースト・マスターが後方から遠隔攻撃を繰り出す時にも役に立ちます。なお、ビースト・マスターの相棒に限らず、バトル・スミスのスチールディフェンダーなども指示を出さなければ回避行動を取ります。

冒険者アルファは仲間を先に逃すため、二人を相手に自分が囮になります。そしてあわよくば自分も逃げようと考えています。そこでアルファは自分のターンで回避に専念することに決めました。これでアルファを狙う攻撃全てに不利が付くためうまいこと回避ができました。
5ラウンド回避に専念すると老朽化している足場が急遽崩れました。そのまま足場と共に落下すると20フィートは落下することになり致死ダメージは避けられません。そこで戦っている3人は全員が14を目標値として敏捷力セーブを行います。回避に専念していたことでアルファには敏捷力セーブに「有利」がついており、そのロール結果は9と16。「有利」がついていたお陰で間一髪のところ別の安定している足場に飛び移ることができました。

敵の目を逃れる隠れ身

自分の体を隠すことができる地形や環境であれば敏捷力・隠密技能での能力値判定を行うことで隠れることができます。ただ探そうとする相手がいる場合は判断力・知覚技能での対抗判定が行われ、相手のロール結果が高ければ見つかってしまいます。隠れた状態で攻撃を繰り出すことができれば「見えない相手からの攻撃」ということでその攻撃に有利がつきます。

戦闘中で隠れる時に気をつけることは、見られている(視線を浴びている)状態では隠れることができません。もちろん大きな音を立てたりすると位置が特定されて発見されやすくなります。霧が発生していたり生い茂った草地など周囲の状況が軽度の隠蔽または重度の隠蔽である必要があります。特にローグは隠れ身をボーナスアクションで行うことができるので、ボーナスアクションで隠れて相手から見えなくなったところで急所攻撃を繰り出すということも可能です。

冒険者アルファは仲間を逃したあと建物から脱出しようとしているものの追跡を振り切ることができません。アルファが飛び込んだ部屋はゴミだめなのか大量のものが散乱しており隠れるにはうってつけの状況(軽度の隠蔽の状態)でした。そこでアルファは隠れるを宣言。敏捷力・隠密技能での能力値判定を行い、ロール結果は14でした。アルファを追跡している敵は部屋の中を見てアルファを探そうとします。判断力・知覚技能での対抗判定が行われ14。同値のため現状は変わらずアルファは隠れたままでやり過ごせました。

捜索に専念する

隠れ身とは逆に捜索に専念することもできます。この捜索は「何かを見つけ出す」ことであり、捜索内容によっては判断力・知覚技能での能力判定か、知力・捜索技能での能力判定かDMが指定します。もし隠れている相手を探すのであれば判断力・知覚技能ですし、膨大の書物の中から解決の糸口を探し出すのであれば知力・捜索技能と使い分けることでしょう。特に「隠れ身」を行なったローグを探し出す時や不可視状態の者の痕跡を見つけることもできます。ローグのサブクラスであるインクィジティヴは「細部を漏らさぬ目」の特徴によりボーナスアクションで捜索を行うことができます。

待機する

待機とは特定の状況になるまで待つというアクションです。待機をして特定の状況になると次のターンの開始時よりも前にリアクションとして行動を起こすことができます。待機によるリアクションも通常のリアクションと同じで1ラウンドに1回しか使えません。

冒険者アルファは砦を守るために幾つかの罠を作りました。楼門には吊るした岩が振り子のように動く破壊力抜群の罠を用意し、盗賊団を待ち構えました。盗賊団が近寄って来た時にアルファは「盗賊団が楼門を潜ったら罠を発動させる」と宣言し待機します。次のラウンド、イニシアチブは盗賊が高いため盗賊のアクションは楼門を潜り中へ入る…はずだったが、楼門を潜ったタイミングでアルファの待機行動がリアクションとして発動し、罠が発動。岩石は盗賊に直撃しました。そしてアルファのターンが来たので、残りの盗賊を攻撃することにしました。

待機アクションの流れ

また、リアクションには最大で自分の移動速度まで移動も可能です。このリアクションは一定の距離を保ちたいときや、陸上のスタートのようにタイミングよく移動する時などに使えます。

冒険者アルファは盗賊の動きを見て移動することを考えています。アルファは自分のターンの時に「盗賊Cがこちらに向かってくるのであれば、引きつけたいので移動する」と宣言しました。盗賊CのターンでCはアルファに気づき攻撃しようと向かってきました。その時Cが向かってくるという行動がトリガーになり、アルファのリアクションが発動。アルファは引きつけても距離を詰められないよう移動しました。

待機アクションには呪文を使うこともできますが、発動時間が1アクションの呪文だけでなければなりません。また待機中には魔力を保持するための精神集中をしなくてはなりません。この精神集中の時に攻撃を受けたりすると集中が途切れてしまうこともあります。

早足で移動する

自分のターンで移動することに専念すれば移動距離を長くすることができます。正確には通常の移動に合わせて追加の移動を行うアクションであり、その移動速度は呪文効果などで追加される全ての修正を足した移動速度と同じです。単純に移動速度の倍の移動ができるということです。もちろん移動速度に制限があり20フィートだった場合は、早足でも40フィートまでしか移動できません。

ローグはボーナスアクションで早足を使うことができるので一気に移動して逃げることができます。またバーバリアンのサブクラスであるバトルレイジャーの道もボーナスアクションで「バトルレイジャーの突撃」を使うことで早足を行うことができます。

特技で「突撃者」を持っている場合、アクションを使い早足を行うことでボーナスアクションで近接攻撃や突き飛ばしをすることができます。

物体を操作する

ターン時の剣を抜くような動きは攻撃アクションと一緒に行うことができますが、「橋をおろすためのクランクを回す」や「鍵を使って解錠して扉を開ける」といった使用するためのアクションが必要なものについては物体を操作するというアクションが必要です。また1ターンに二つ以上のものを扱う場合もこのアクションが必要です。アイテムを使ったりすることもこのアクションを行います。ローグのサブクラスであるシーフは「器用な指先」の特徴を使ってボーナスアクションで物体を操作する(アイテムを使う)ことができます。

離脱する

戦闘中相手の間合いを発動するような移動では相手に機会攻撃を与えてしまいます。そこで離脱アクションを宣言するとそのターンの間の移動では機会攻撃されなくなります。戦闘中に距離を置くことに専念するなら離脱をすると良いでしょう。
ローグはボーナスアクションを用いて離脱を行うことができます。またモンクのサブクラスである酔拳門の特徴である「酔拳の技」は連打を行うことで離脱の特性を得ることができます。

まとめ

いかがでしたか?TRPGではコンピューターゲームと違い、思いつく限りの自由度の高いアクションができます。ただ自由度が高すぎるということは逆に何ができるかもわからないという人やどう処理をしたらいいかわからないという場面にも遭遇します。D&Dではその負担を減らすためにキャラクターたちがよく起こすアクションを戦闘アクションとして整理しています。

このシチュエーションだったらこういう行動ができそう、とかそれにはこういう判定が必要といったところまでできており、特にDMの負担は大きく減っています。考えられたシナリオにはただ戦うだけではなく、戦闘以外のアクションも折り込めるようにできていたりします。またプレイヤーが自分のターンで思いついた動きも戦闘アクションがあることで共通認識として受け入れられ行うこともできます。冒険を演出する上でも戦闘アクションは覚えておきたいですね。

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