ダンジョンズ&ドラゴンズ5版のキャラクター作成手順(クラス優先)
映画をきっかけにダンジョンズ&ドラゴンズに興味を持ったユーザーが増えており、実際に遊んでいる人が増えてるようです。そこで、まだキャラクター作成に慣れていないユーザー向けにクラス優先のキャラ作成手順を説明します。
ダンジョンズ&ドラゴンズ5版の簡単キャラクター作成手順
D&Dのキャラクター作成は、自分だけのキャラクターを作り上げ、その成長や冒険を通して新たな世界を探索する醍醐味があります。外見や性格、能力値、クラス、種族などを選ぶことで、オリジナルキャラクターを創造することができます。また、他のプレイヤーと共同でキャラクターを作り上げることで、新しい仲間との出会いやチームワークを体験することもできます。キャラクター作成は、RPGの楽しみの一つであり、冒険のスタートラインに立つ重要なプロセスといえます。キャラクター作成に慣れていない人は以下の手順で作成すると良いでしょう。
全くの初心者の場合は1からキャラ作成を行うよりも、スターターセットなどの作成済みキャラクターから始めると良いでしょう。
1.キャラクターのコンセプトを考える
キャラクターコンセプトは、キャラクターの基本的なイメージを決定する部分であり、キャラクター作成の重要なステップの一つです。特にD&Dではどのような遊び方をしたいかにより、職業や種族を決定しやすくなります。例えば、暗闇でも立ち回りたいのであれば暗視能力を持つエルフやドワーフといった種族特徴を重視する場合もあるし、敵は一匹も逃さない立ち回りをしたいとなるとファイターやパラディンで特技:守護戦士を取る、といったイメージにもつながります。そのほかにも職業や種族を選択する要素があるので、コンセプトをある程度考えておくほうが良いです。
以下のような要素を考慮して、自分が作りたいキャラクターのイメージを決めましょう。
- 【種族】・・・種族によって外見や性格、能力値、特殊能力が異なります。自分が作りたいキャラクターのイメージに合った種族を選びましょう。
- 【職業】・・・職業は、キャラクターの能力や役割を決定する重要な要素です。自分が作りたいキャラクターのイメージに合った職業を選びましょう。
- 【性格】・・・キャラクターの性格は、物語の展開に影響を与える要素の一つです。自分が作りたいキャラクターの性格は何かを考えましょう。
- 【バックストーリー】・・・キャラクターのバックストーリーは、過去や成長過程、目標、信条などを設定することで、キャラクターをより魅力的にすることができます。自分が作りたいキャラクターのバックストーリーを考え、キャラクターの性格や行動に影響を与える出来事や人物を想像してみましょう。
- 【目標】・・・キャラクターが持つ目標は、物語の展開に影響を与える要素の一つです。自分が作りたいキャラクターが持つ目標や夢を考え、それを達成するために何をするかを想像してみましょう。
以上の要素を考慮して、自分が作りたいキャラクターのイメージを明確にすることで、より魅力的で個性的なキャラクターを作ることができます。
自分は何がしたいか?を考えることが大切です。最初からコンセプトを全部決めるのは難しいという場合は、種族と職業だけでも決めると良いでしょう。
2.クラス、サブクラスに必要な能力値を確認する
D&Dにおいてクラスは、キャラクターが持つスキルや能力、戦闘スタイルなどを決定する要素の一つです。クラスを選ぶことで、キャラクターの役割や戦闘スタイルが大まかに決まりますが、そのパフォーマンスを活かすにはどの能力値が高いほうが良いかを理解しておく必要があります。ここではそのクラスに必須とする能力値を主要能力値、2番目に重要であったりサブクラスで優先度が変わるものを副能力値と定義します。クラスはプレイヤーズハンドブック「第3章:クラス」で確認することができます。
クラス | 主要能力値 | 副能力値 | 備考 |
---|---|---|---|
ウィザード | 知力 | 耐久力、敏捷力、魅力のいずれか | 呪文の発動能力、準備済み呪文の数に知力修正値が影響する。 |
ウォーロック | 魅力 | 耐久力 | 呪文の発動能力に魅力修正値が影響する。 |
クレリック | 判断力 | 筋力、耐久力のいずれか | 呪文の発動能力、準備済み呪文の数に判断力修正値が影響する。 |
ソーサラー | 魅力 | 耐久力 | 呪文の発動能力に魅力修正値が影響する。 |
ドルイド | 判断力 | 耐久力 | 呪文の発動能力、準備済み呪文の数に判断力修正値が影響する。 |
バード | 魅力 | 敏捷力 | 呪文の発動能力、声援ダイスの数に魅力修正値が影響する。 |
バーバリアン | 筋力 | 耐久力 | 筋力を用いる武器による攻撃に影響する。 |
パラディン | 筋力 | 魅力 | 筋力を用いる武器による攻撃や重装鎧の着用に影響する。呪文の発動能力、準備済み呪文の数、一部のオーラに魅力修正値が影響する。 |
ファイター | 筋力または敏捷力 | 耐久力 | 筋力修正値は筋力を用いる武器による攻撃や重装鎧の着用に影響する。敏捷力修正値は遠隔武器や妙技武器による攻撃やに影響する。 |
モンク | 敏捷力 | 判断力 | 鎧未着用時のACに敏捷力修正値と判断力修正値が影響する。 |
レンジャー | 敏捷力 | 判断力 | 遠隔武器や隠密行動に敏捷力修正値が影響する。呪文の発動能力に判断力修正値が影響する。 |
ローグ | 敏捷力 | 知力または魅力 | 急所攻撃を行うための遠隔武器や妙技武器を使った攻撃や隠密、手先の早業にも敏捷力修正値が影響する。 |
アーティフィサー | 知力 | 耐久力または敏捷力 | 呪文の発動能力、準備済み呪文の数に知力修正値が影響する。 |
なお、アーティフィサーはプレイヤーズ・ハンドブックには含まれていません。また、セッションのレギュレーション次第では使用することができないクラスやサブクラスがあるため、事前に確認しておく必要があります。また、エルドリッチナイトが知力を必要とするように、サブクラスによっては優先される能力値が大きく変わる場合もあります。自分でどのような立ち回りをするかのコンセプトが決まっていると選びやすいでしょう。
ここでは選択したクラスで優先される能力値を確認するだけにとどめておきます。
2. 能力値を決定する
D&Dの能力値を決定する方法には、標準的な方法のダイスロールとポイントバイ方式があります。どちらの方法を採用するかは、プレイヤーの好みやGMの指示によって異なります。どちらの方法で能力値を算出しても、その値は選択したクラスの能力を発揮できるように優先度の高い能力値に高い数値を割り当てていき、能力修正値を算出しておきます。D&Dでは能力値そのものよりも、能力修正値が重要です。この能力修正値は 【(能力値 – 10) ÷ 2 】(切り捨て)で算出することができます。例えば、能力値が12と13では修正値は変わりませんが、13と14では1異なります。能力値についてはプレイヤーズハンドブック「第1章:キャラクター作成手順」の「ステップ3:能力値の決定」で確認することができます。
標準的な方法(ダイスロール方式)
ダイスロールの結果に委ねる方法です。最終的な割り当ては考えて行うことができますが、その値自体は運任せになります。
- 6面ダイスを4つ用意する。
- それぞれのダイスを1回ずつ振り、出た目を記録する。
- 4つの出目のうち、一番低いものを除外する。
- 3つの出目を足し合わせ、その値を1つの能力値として割り当てる。
- 上記の手順を6回繰り返し、6つの能力値に当てはめる。
この方法を使うと、ランダムな能力値が得られます。一部のプレイヤーにとっては楽しいものであり、キャラクターの成長過程において不可欠な要素でもあります。ただし、ランダムな数値が出るため、能力値の偏りが生じることもあります。
ポイントバイ方式
ポイントバイ方式では、プレイヤーが所持する27ポイントを使って各能力値を購入することができます。各能力値には購入に必要なポイントが設定されており、プレイヤーは所持ポイント内で自由に配分することができます。ポイントバイ方式を使うと、自分のキャラクターの能力値を自由に調整できるため、能力値の偏りを防ぐことができます。
ポイントバイ方式では、各能力値を購入するためのポイントが異なります。一般的に、高い能力値を維持するためには、より多くのポイントが必要になります。ポイントバイ方式では、プレイヤーがキャラクターの能力値を調整するために使えるポイントが限られているため、注意深く配分する必要があります。
3. 種族を決める
D&Dにおいて、種族はキャラクターの能力や外見、生い立ちなどを決定する要素の一つです。種族および亜種族によって、キャラクターの能力値や移動速度、ダメージ耐性などが異なります。以下に代表的な種族とその特徴を説明します。種族はプレイヤーズハンドブック「第2章:種族」で確認することができます。
種族 | 亜種族 | 能力値上昇 | キャラ作成で加味できる特徴 |
---|---|---|---|
エルフ | ウッド・エルフ | 敏捷力+2、判断力+1 | 暗視 |
エルフ | ハイ・エルフ | 敏捷力+2、知力+1 | 暗視 |
エルフ | ダーク・エルフ(ドラウ) | 敏捷力+2、魅力+1 | 上級暗視 |
ドワーフ | ヒル・ドワーフ | 耐久力+2、判断力+1 | 最大hp+1、暗視 |
ドワーフ | マウンテン・ドワーフ | 耐久力+2、判断力+2 | 暗視 |
ハーフリング | スタウト | 敏捷力+2、耐久力+1 | |
ハーフリング | ライトフット | 敏捷力+2、魅力+1 | 隠密の天性 |
ヒューマン | 全能力+1または選択ルール | ||
ティーフリング | 知力+1、魅力+2 | 暗視 | |
ドラゴンボーン | 筋力+2、魅力+1 | ブレス攻撃 | |
ノーム | フォレスト・ノーム | 知力+2、敏捷力+1 | 暗視 |
ノーム | ロック・ノーム | 知力+2、耐久力+1 | 暗視 |
ハーフエルフ | 魅力+2、任意の2つの能力+1 | 暗視 | |
ハーフオーク | 筋力+2、耐久力+1 | 暗視、ハーフオークのしぶとさ、猛攻 |
このほかにもプレイヤーキャラクターとして使える種族は多くあります。ただし、DMの許可がない場合は使うことができない種族もあるため、事前に確認が必要です。
コンセプトが固まっているのであれば迷わず種族の選択はできますが、クラスのパフォーマンスを上げたいと考える場合、種族が持っている特徴や能力値上昇を加味する必要があります。能力値上昇がある場合は計算して、修正値を出しておきます。
ダンジョン探索では暗視能力がとても有効になります。松明やランタンなどを持って手が塞がることがないほか、明かりがないことの不利を無くすことができます。とはいえ、松明を掲げて進むのも味があるので暗視にこだわる必要はないでしょう。
4. 背景を決める
キャラクターはなにかしらの背景を持っています。コンセプトが固まっているのであれば一番近い背景を選ぶと良いでしょう。この時点では細かく背景を選ぶのではなく、背景に紐づく技能習熟、道具習熟、言語、装備品を決定するだけです。人格的特徴などは時間がある時にゆっくり決めましょう。背景は「第4章:個性と背景」の「背景」で確認することができます。
背景 | 技能習熟 | 道具習熟 | 言語 |
---|---|---|---|
イカサマ師 | 手先の早業、ペテン | 偽造用具、変装用具 | |
隠者 | 医術、宗教 | 薬草師道具 | 任意の言語1つ |
貴族 | 説得、歴史 | ゲーム道具のうち1種類 | 任意の言語1つ |
ギルドの職人 | 看破、説得 | 1種類の職人道具 | 任意の言語1つ |
芸人 | 軽業、芸能 | 変装用具、楽器1種 | |
賢者 | 魔法学、歴史 | 任意の言語2つ | |
侍祭 | 看破、宗教 | 任意の言語2つ | |
犯罪者 | 隠密、ペテン | ゲーム道具のうち1種類、盗賊道具 | |
船乗り | 運動、知覚 | 航海道具、乗り物(水) | |
浮浪児 | 隠密、手先の早業 | 変装用具、盗賊道具 | |
兵士 | 威圧、運動 | ゲーム道具のうち1種類、乗り物(陸) | |
辺境育ち | 運動、生存 | 楽器1種 | 任意の言語1つ |
キャラクター作成時は技能習熟はクラスと背景で修得することができますが、背景に紐づく技能習熟は固定のため選択の余地がありません。ですので、先にどの習熟を持っているかを決めておくほうが重複を回避することができます。
5. ヒット・ポイントを計算する
耐久力修正値が確定したら、次にクラスのところからヒット・ポイントの計算を行います。各クラスにはヒット・ダイスあり、そのダイスと耐久力修正値を元に算出します。
1レベルのキャラクターは【ヒット・ダイスの最大値 + 耐久力修正値】のヒット・ポイントを持ちます。
2レベル以降は+1レベルにつき【ヒットダイス1つのロール値+耐久力修正値】または【ヒットダイス1つの期待値(切り上げ)+耐久力修正値】だけヒット・ポイントが増加します。
6. 技能習熟を決める
クラスを決定すると、次にそのクラスで習熟している技能を選択します。多くのクラスでは2つしか選択できませんが、バードとレンジャーなら3つ、ローグなら4つ選択することができます。
クラス | 選べる技能数 | 対象となる技能 |
---|---|---|
ウィザード | 2 | 医術、看破、宗教、捜査、魔法学、歴史 |
ウォーロック | 2 | 威圧、自然、宗教、捜査、ペテン、魔法学、歴史 |
クレリック | 2 | 医術、看破、宗教、説得、歴史 |
ソーサラー | 2 | 威圧、看破、宗教、説得、ペテン、魔法学 |
ドルイド | 2 | 医術、看破、自然、宗教、生存、知覚、動物使い、魔法学 |
バード | 3 | すべての技能 |
バーバリアン | 2 | 威圧、運動、自然、生存、知覚、動物使い |
パラディン | 2 | 威圧、医術、運動、看破、宗教、説得 |
ファイター | 2 | 威圧、運動、軽業、看破、生存、知覚、動物使い、歴史 |
モンク | 2 | 運動、隠密、軽業、看破、宗教 |
レンジャー | 3 | 運動、隠密、看破、自然、生存、捜査、知覚、動物使い |
ローグ | 4 | 威圧、運動、隠密、軽業、看破、芸能、説得、捜査、知覚、手先の早業、ペテン |
アーティフィサー | 2 | 医術、自然、捜査、知覚、手先の早業、魔法学、歴史 |
習熟がつく技能は技能を使った能力値判定の際に習熟ボーナスを加算することができます。
技能習熟はクラスのほかに背景で決定するものがあります。まだ背景を決めていないのであれば、重複を避けるために、自分で決めたコンセプトをもとに「第4章:個性と背景」の「背景」に目を通しておきましょう
7. 装備品を決める
キャラクターの戦い方に合わせて装備品を決定します。ここで選択する装備品は初期装備品であり、背景に紐づく装備品と合わせてキャラクターの持ち物になります。
武器を選ぶ
武器の選択はキャラクターの戦い方が一番反映する部分です。基本的に武器を使った攻撃は筋力修正値と習熟が影響しますが、遠隔武器および妙技特性がある武器は敏捷力修正値を筋力修正値の代わりに使うことができます。
- 筋力修正値+習熟ボーナス・・・力に依存する攻撃
- 敏捷力修正値+習熟ボーナス・・・器用さに依存する攻撃
また攻撃がヒットした時に与えるダメージは【武器固有のダメージ+攻撃に使用した能力修正値】です。
鎧を選びACを決定する
鎧はキャラクターのAC(アーマークラス)に直結します。アーマークラスは鎧や装甲の頑丈さだけではなく、回避や受けの上手さも含む総合的な攻撃の難易度を表します。そのためアーマークラスが高い=分厚い装甲というわけではありません。初期装備に鎧があり、習熟があれば問題なく身につけることができます。
鎧を選ぶ上で重要なのは「敏捷力修正値が加算される」または「鎧自体のACが高い」という点です。重装鎧は高い防御力を誇る鎧ですが、筋力を必要としていることや〈隠密〉判定に不利を被るので、一部の前衛しか装備することができません。なお、初期装備で重装鎧を持つことができるのはパラディン、ファイター、一部のクレリックのみになっています。
なお、ウィザードやソーサラー、バーバリアン、モンクは初期装備に鎧はありません。バーバリアンやモンクは特徴に「鎧わぬ守り」があるため、鎧が無い状態では能力修正値でACを上げることができ、前線で戦うことができます。
8. 背景を仕上げる
一通りキャラクターが出来上がると、その仕上げとしてキャラクターの背景を作り上げます。再び背景を確認し、「人格的特徴」「尊ぶもの」「関わりの深いもの」「弱み」を決定します。特に「人格的特徴」はキャラクターの性格を表しており、人格的特徴を捉えたロールプレイをすることでインスピレーションを得ることもできます。実際のセッションではあまり活用されないかもしれませんが、DMが採用することもあるので積極的に作成しましょう。
まとめ
いかがでしたか?ダンジョンズ&ドラゴンズではキャラクター作成も楽しむ部分の一つです。いきなり作成するのは難しいかもしれませんが、一つ一つ確かめながら作成することで自分好みのキャラクターを生み出すことができます。時間がある時に是非ともチャレンジしてみましょう!