プッシュロールってなに?|新クトゥルフ神話TRPG(第7版)の新ルール


クトゥルフ神話TRPGが第7版になり、いくつかの新要素が取り入れられました。中でもプッシュ技能ロールは従来のロールプレイをさらに演出させることになり、よりクトゥルフ神話TRPGを楽しむことができるようになりました。第6版までしかないという方やクトゥルフ初心者にもわかりやすいようにプッシュロールについて解説します。

プッシュロールってなに?

探索者は1度は失敗した技能ロールでも「プッシュ」することで目的を成功させるための最後の試みにチャレンジすることができます。プッシュとはポーカーで使われる用語で「持ちチップを全てベットする(賭ける)こと。最後まで降りることができない」という賭け方です。つまりプッシュ・ロールはプレイヤー自身を賭けてロールに再挑戦することを表します。
push
ただ、プッシュを行うことは再挑戦できるというだけではなく失敗することで発生する多大な不都合を理解しておく必要があります。

プッシュのメリット

プレイヤー自身を賭けて行うプッシュですが、唯一絶対のメリットがあります。それは「ロールの失敗を取り返す機会を得ること」です。1回目の技能ロールが失敗に終わった場合、何もしなければ得るものはありませんが、プッシュして再ロールに成功することにより1回目で成功した時と同じ成果を得ることができます。

仮に隠密技能の成功が20%だとして、通常のロールもしくはプッシュロールのどちらかで成功すると考えた場合、「1回目」だけよりも「1回目もしくはプッシュ」での成功確率は実は上がります。

(通常ロールの成功確率)20% + (通常ロールの失敗確率)80% × (プッシュロールの成功確率)20%
= (通常のロールもしくはプッシュロールのどちらかで成功する確率)36%

と計算できることからプッシュロールを織り込んで考えると成功率は高くなります。確率だけで言えば高くなるのですが、プッシュロールはいつでも出来るわけがなく常にプッシュを考えているわけではないのでこのように数字通りにはいかないのが本当のところでしょう。

エドガーは自分の家族が犯罪者の標的になっていることを知りました。エドガーは車に乗り大急ぎで家族の元へ向かいます。キーパーは交通量が多いことを理由にエドガーに運転技能をハードでロールするように指示しました。ロールは失敗。キーパーはエドガーの乗った車が交通渋滞にハマったことを告げます。エドガーは抜け道や歩道など危険を顧みず車を走らせることでプッシュを希望し、キーパーはプッシュを許可しました。その結果ロールは成功し、車が通れる幅をクラクションを鳴らしながら走り抜けることができました。

プッシュのデメリット

プッシュロールのデメリットは失敗した時に発生します。元々が自分を賭けて行うロールのため、プッシュに失敗するととんでもない禍が降りかかる可能性があります。実際にどのようなことが起こるかはキーパー次第ですが、各技能の説明にプッシュに失敗した不都合の例があります。

カルテルのアジトを潜入したエドガーは証拠を掴もうと薄暗い部屋の中を懐中電灯を手に探しています。キーパーは聞き耳での技能ロールを指示し、エドガーは成功しました。キーパーは部屋に近づく足音が2つ聞こえてきたことをエドガーに伝えます。エドガーは物陰に隠れることを決め、キーパーは隠密の技能ロールを指示しました。ロールは失敗したのでキーパーはエドガーが隠れるような場所を見つけることができなかったことを説明すると、エドガーは咄嗟に鍵を掛けて隠れる時間を稼ぐことをキーパーに伝えます。キーパーは失敗すると命に危険が及ぶことを伝えた上でプッシュを了承しました。エドガーはロールした結果、大きな布で隠されていた不自然な箱を発見し飛び込みました。無事隠れたと思った時、箱の中に何かがあることに気づきます。冷たく柔らかい感触を感じ、そっと懐中電灯を照らすと目を見開いたまま絶命した女性が隣にいることに気づいた!見開いた目はエドガーをじっと見続けている。キーパーは正気度ロールを行わせるもエドガーは成功。驚きはしたものの落ち着きを取り戻したその時、箱に鍵を掛けられる音が聞こえたーーー。

プッシュができないロール

再挑戦の機会を得るプッシュですが、「技能ロール」と「能力値ロール」でしか行うことはできません。戦闘ロールを始め「幸運」「正気度」ロールもプッシュすることはできません。わかりにくいのは「回避」や「近接戦闘」などは技能として扱われるものの、戦闘ロールに使用するためプッシュすることはできません。

ロールをプッシュする方法

ロールをプッシュする場合はプレイヤーより申告する必要があります。キーパーはプッシュが適正なものかを判断し、適正なものであれば許可します。また状況によってはキーパーからプッシュを提案しても構いません。

プレイヤーによる追加要素の描写

プッシュを希望するプレイヤーは、失敗した方法とは別のやり方で同様のロールを行う方法を考える必要があります。そもそも1回ロールに失敗したという事実は覆ることはないため、どの程度時間をかけるか、どういった手段で試すのかをキーパーに説明しなくてはなりません。

キーパーによる失敗の予告

プッシュ失敗
プレイヤーがプッシュを希望しキーパーがそれを認める場合、キーパーはプレイヤーに対して「プッシュが失敗したときの予告」を行っていた方が良いでしょう。それはプレイヤーがやろうとしていることは危険度を伴うものであることを理解させ、それがどの程度なのかを推し量ることができます。明言したくないようであれば仄めかすだけでも危険であることは感じ取れるでしょう。またこの失敗による不都合はできる限り恐怖へと導く方が良いでしょう。

プッシュの成否

プッシュの判定はよほど状況に変化がない限り、1回目のロールと同条件で行います。成功すれば1回目と同じ結果を得ることができ、失敗すればただの失敗ではなくプレイヤーにとって不都合なことが発生します。この不都合は予告していた失敗を元にキーパーの裁量で決めると良いでしょう。なお、プッシュに失敗した場合でも多大な損失を与える代わりに目的を達成させるというのもアリです。

プッシュロールの成否得られる結果
成功!最初のロールが成功した時と同じ結果が得られる
失敗・・
  • ダメージ
  • 正気度ロール
  • 物品の損失
  • 捕まる などキーパー裁量による不都合な結果

まとめ

いかがでしたか?クトゥルフ神話TRPGの第7版で追加されたルールは色々ありますが、中でもプッシュはロールプレイをプレイを変えることができます。失敗を別のやり方で再チャレンジして成功できるわけですが、それは自分を差し出すことにもなります。ただキーパーもプッシュで生じる不都合は安易なものではなくできる限り「恐怖」へつながるものへと導くべきです。闇雲にプッシュするものではありませんが、追い込まれている時ほど命を賭けてプッシュすると面白いでしょう。

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クトゥルフ神話TRPGの最新版のルールブックです。能力値の見直しや技能の変更、プッシュロールや戦闘マヌーバの追加など、6版のテイストを継承してルールが新しくなりました!神話生物の情報もあるのでこれ一冊で遊べます。キーパー、プレイヤー必携のルールブックです。

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