アイデアロールとは|クトゥルフ神話TRPGの進行を取り戻す方法
目次
TRPGではプレイヤーがGMの意図しない方向に進むことがよくあり、そうなるとなかなかシナリオの本筋に戻ることが難しかったりします。クトゥルフ神話TRPGの場合はアイデアロールという解決策がすでにルールの中に存在します。そこでどうすれば上手にアイデアロールを活用できるかをご説明します。
アイデアロールとは
探索者がシナリオを進めていく中で重要な情報を見落としたり忘れたりしてしまい手詰まりになることがあります。手詰まりのままだとそのセッション自体がつまらなくなるために救済方法として「アイデアロール」が存在します。
クトゥルフ神話TRPGでのセッションの場合、ほとんどの情報はキーパーが伝えたことがプレイヤーにとっての情報となります。そのためキーパーの表現力やプレイヤーの理解力が大きく関わり、キーパーとプレイヤーの認識の差が生じることがあります。 キーパーとしては十分な情報を与えていると思っていてもプレイヤーからすると何をしていいかわからないと言うこともあり得ます。そんな迷子の探索者がシナリオに戻る方法の見当がつかない時に行うものがアイディアロールです。決してキーパーが探索者に手がかりを発見させるために要求するものではありません。
アイデアロールの意味
アイデアロールですが、プレイヤーが困っている時に行うただの救済ではなく、探索者がどのように本筋に戻るかを決定するものです。アイディアロールはある意味ギャンブルであり、成功すれば手がかりに気づき大きな問題もなく物語を進めることができます。失敗しても物語は必ず進みますが、探索者に何かしらの不利益な状況をもたらした形で物語が進みます。成功失敗にかかわらずアイディアロールを行った後は探索者のコントロールを全てキーパーが行います。探索者が時間経過や場所の移動を含めてどのように物語に復帰したかをキーパーが説明することが大切です。
間違えられやすい処理
アイデアロールはシナリオの本流に戻すため使われますが、キーパーが意味を間違うとただ手がかりを与える手段として使われることがあります。探索者に何か気づいて欲しいと言った場合や、発見・解決することで話が進む場合は「INTロール」「目星」「聞き耳」といったロールを行います。
- パズルを解かせる ・・・ INTロールを行う
- 周囲の違和感に気づかせる ・・・ 「目星」の判定を行う
- 微かな音を気づかせる ・・・ 「聞き耳」の判定を行う
キーパーは決して探索者に対してアイデアロールを求めないようにしましょう。
アイデアロールのやり方
アイデアロールを行うにはプレイヤーがアイデアロールを使いたいことをキーパーに伝える必要があります。状況によってはキーパーがアイデアロールをプレイヤーに提案してあげる必要があるかもしれません。アイデアロールを使うことが決まればキーパーは探索者の状況を踏まえて難易度を設定する必要があります。
アイデアロール : 1D100がINTの目標難易度以下であれば成功、目標難易度より大きければ失敗
アイデアロールの難易度
アイディアロールには難易度を設定する必要があります。これは探索者がこれまで情報を得ていたにもかかわらず見落としているのか、そもそも情報を得ていなかったのかといったところが加味されます。
難易度 | 目標 | 状況 |
---|---|---|
レギュラー | INT | キーパーが手がかりについて何も言及していない場合。物語の鍵に辿り着く前に脱線している場合など。 |
ハード | INTの1/2 | キーパーが手がかりに言及しているが強調されていなかった場合。物語の鍵が登場(描写)しただけなど。 |
イクストリーム | INTの1/5 | キーパーが手がかりに言及しており、しかも強調していた場合。物語の鍵が探索者と関わりを持っている場合など。 |
つまり探索者が重要な手がかりを見落とせば見落とすほど探索者にとって不利な状況を引き起こしやすいということを表します。
アイデアロールの成功とクリティカル
アイディアロールに成功した場合キーパーは手がかりを与える必要があり、物語を正しい方向へ進むために十分なものである方が良いです。もしアイディアロールがクリティカルだった場合は特にルール上の取り決めは無いので、ボーナスを与えたいのであればキーパーがそのボーナスを織り込んだ形で進めると良いでしょう。
なおキーパーはプレイヤーに対して「手がかりに気づいた!」と伝えるのではなく、探索者が手がかりに気づいた後どうなったかというシーンまでコントロールしてやると良いです。
アイデアロールの失敗とファンブル
アイデアロールを行うことで物語に戻るため、失敗したからといって何も得られなかったということではありません。ただ物語に戻るための手がかりを得るためび代償を支払い、何かしら不利な状況になっています。またファンブルについては特にルール上の取り決めはないので、さらなるペナルティーを与えたいのであればキーパーがペナルティーを織り込んだ形で進めると良いでしょう。
なおキーパーは失敗したプレイヤーに対して手がかりに気づいたものの、何かしら不利益が発生してしまいその後どうなったかというシーンまでコントロールしてやると良いです。
アイデアロールとINTロール
新クトゥルフ神話TRPG (第7版)からアイディアロールとINTロールが区別されました。アイディアロールもINTロールもどちらもINTをもとに判定するロールのため実質的なところは何も変わないため、今でもアイディアロールとINTロールを混同している人もいます。SANチェック前によくある「気づきたくもないことに気づいてしまう」というロールについてはINTロールであり、アイデアロールと表現しないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?アイディアロールは進行が止まった探索者を救済するために活用できる方法であり、簡単に能力判定のように使うものではありません。 またキーパーが促すロールでもないため、プレイヤーにアイディアロールの使い方を正しく理解させておく必要があります。また物語に復帰させるスムーズな流れを作るにはキーパーのマスタリング技術も要求されます。アイディアロールを上手に使うことができれば物語の停滞を最低限にとどめることも可能です。楽しいセッションのためにも使い方を理解しておきましょう。